今回は高橋啓介VS中里毅&オリキャラでのトリプルバトルでありますがどうぞご覧になってくださいね。
バトルが開始されてから数分が経過。先頭は中里のR32が前を取っては突き進んでいき。地元である妙義山を上り詰めていく。
R32 スカイラインGT-Rは日産が独自に開発したアテーサET-Sと呼ばれる4WDシステムを載せては、そのハンドリングにおいてはFRに近いとも言われている。しかし、R32は他のFRや4WDとも異なる性質を必然と持ち合わせており、R32の
「(ふむっ、中里はブレーキングによる荷重移動とシビアなステアリング操作でR32を見事に乗りこなしているな。これがFR車ならあっという間にリアタイヤを空転させてはスピンしてしまうのをGT-Rに載っているアテーサET-Sが上手い具合に機能してはリアタイヤが空転すると同時にフロントタイヤに駆動力を伝えてはトラクションを発揮している。FRのような回頭性と全てのタイヤの駆動力を路面に伝えるのに適した4WDを取り入れたR32をあそこまで走らせちゃあ中里はR32使いとして完成の域に達していると言っても過言じゃないな)」
「(高橋啓介も兄の涼介と兄弟揃ってロータリー使いとして名高いだけにFDの最大の持ち味である旋回性能の高さを使ってはコーナーを鮮やかに曲がっていくな。コーナーからの立ち上がりにおいてはR32に軍配が上がるが、それに引き離されないよう上手く食いついているし、これは思いの外接戦になると期待していいかもな)」
スープラに乗りながらも前を行く中里のR32を分析していく瀬那は中里のドラテクの高さを評価していき、その後を追う啓介のFDを見ていっては二台に引き離されないようパワーを抑えながらも後を追うのである。
「(手強い。FDはコーナーが速い!!妙義の上りで俺のR32にここまでついてこれる奴がいるとは思わなかった…。FDの後を追ってくるスープラもパワーを抑えているとはいえここまでついて来られちゃあ認めざるを得ないかもな…!!)」
「(ステアリングをこじり始めたな!!ペースを上げて逃げる気か!!ダウンヒルであれをやったら間違いなくフロントタイヤは垂れるだろうけどな…)」
両者共に一歩も引かずに上り詰めていくが、果たして勝負の行方はどちらにつくのだろうか。
妙義山 中間地点
『中間地点です…。今三台が通過したところです。先行は32のまま、全く差はついていません』
「三台?啓介と中里の後を追っている奴がいるというのか?」
『はい。どういった理由でついてきてるかはわからないですが、二台の後を赤の80スープラが後追いしてるところなんです』
「(赤い80スープラ…。まさか、風間が啓介と中里の後を追っているというのか!?)」
啓介達の後を追う車が瀬那のスープラだと知った涼介は瀬那の狙いに疑問を浮かべるも、それを気にする間もなく話を切り替えては待機してるメンバーに聞く。
「一つ教えてくれ…。コーナーの立ち上がりで啓介は中里に遅れているか?」
『えっと…。立ち上がりだけはワンテンポ遅れるんですが、トータルでは食いついていってますよ。凄くスムーズです。啓介さんはメリハリの強い中里の走りとは対照的な感じですね』
「OKご苦労さん」
高橋啓介が中里と瀬那とヒルクライムバトルをしている真っ只中、兄の涼介は自宅の私室にて中継地点に待機してたメンバーから啓介の走りを知り、携帯を切った後涼介は呟く。
「(上手くなったな啓介。それができるようになったか…。しかし、啓介と中里のバトルに風間が関わってる以上奴が何の目的で参加してるのか後で聞いておかないとな)」
涼介は啓介がハチロクやスイスポとバトルした時より走りに磨きが掛かったことが嬉しかったか。嬉しそうな顔をしては啓介の成長に喜びを見せる。だが、バトルに瀬那が関わってる以上瀬那が何のためにバトルに参加してるのか疑問に思うのだった。
妙義山 ヒルクライム スタート地点
『R32が先行、差は殆どなし!!』
『今三台が通過。32が先行してるがFDはピッタリと張り付いたままだ!!スープラもその後に続けて行ってるぞ!!』
「頑張ってるみたいだな毅の奴」
「すげえ走り込みをしてたからな」
「ああ…。秋名のハチロクに負けてから別人みたいになったもんな」
「(くっ、ずっと同じチームにいながらあいつは敵だと思ってた…。それが今となったらプライドを掛けて必死で走ってる奴の姿を思い浮かべると目が締め付けられるような気分だぜ。この気持ちになったのは初めてだ…)」
スタート地点にて待機してた慎吾達ナイトキッズは無線から流れる情報を聞き、同じチームに属する中里が頑張っているのに嬉しそうにするが。慎吾に至っては複雑な気持ちになるのである。
『32が来た!!FDがくっついてはスープラがその後を追っている!!』
「勝ってくれよ毅。頼むぜ!!」
普段仲が悪い中里が追い詰められているのに慎吾は不満気になりつつも、同じチームの中里が勝つことを信じるのだった。
「タケル、探したぞ」
「あ、池谷さん。それに健二さんも」
「ったくお前、先に行って待ってるから早く来いよって言ったのに拓海共々遅れて来やがって」
「だって仕方ないじゃありませんか。拓海が高速を使うのにお金が勿体ないからっていう理由で下道を通って来たんですから」
バトルが開始してから数分が経ち、ようやく池谷達と合流することができたタケルは今行われているヒルクライムについて話をする。
「にしてもこの前うちのスタンドに来た風間って奴が交流戦に介入するとは正直驚いたぜ。群馬じゃ知らねえ奴がいない程有名なあの二人の後をついて行くって抜かしやがるからよ」
「まあ、お二人がそう思うのも無理はありませんよ。いくらスープラに乗ってるとはいえ、啓介さん達を相手にするなんて無茶苦茶ですからね」
「それはそうだけどよォ、今聞いた話じゃ高橋啓介のFDは中里のR32に食いついてるみたいだが、タケルはどっちが勝つと思うんだ?」
「う~んそうですねえ。最初はパワーと駆動方式の差で中里さんのR32が勝つんじゃないかと思ってましたけど、こうも啓介さんが中里さんと接戦を繰り広げてるなら、何らかのどんでん返しが起こるのではと僕は思いますね」
健二からどっちが勝つんじゃないかと聞かれるも、駆動方式とパワーの差を跳ね除けては追い続けている啓介に分があるのではとタケルは話す。すると、
「だ~れだ?」
「うぉっ!?急に目の前が真っ暗になっちゃたよ!!」
「ふふっ、やっぱりタケル君もここに来てたんだね…」
「え?この声もしかして…結衣さん?」
タケルは急に目を塞がれては慌てふためき。すぐさま塞がれた手を離されては後ろを振り向くとそこにいたのはまさかの結衣であり。タケルは予想外の再会に驚く他なかったのであった。
「久しぶりタケル君。この間のプール以来ね」
「あ、ああ久しぶりだね結衣さん。どうしてここに?」
「それはね。今日ここで交流戦をするってお父さんから聞いてね。それで妙義山に行くついでに連れてきてもらったの」
「え?お父さんに連れてきてもらったって、結衣さんのお父さんは確か警察官じゃ…」
「「なにぃッ、警察官の娘だとォ!?」」
「ちょっ、池谷さん。あまり騒がないでくださいよ。今ここでそれをいったら皆がパニックになりますから」
「ああ悪い。つい驚いちまっては声を出してしまった…」
「あっぶねェ…。もしここに警察がいたのなら危うく免許を取られるとこだったよ…」
池谷達は結衣が警察官の娘だと聞いては絶叫しては周りを驚かせ、その場にいた他のギャラリーも警察が来てると聞いては一時的に大騒ぎになりかける。
「じゃあ結衣さんはお父さんと一緒にバトルを観に妙義山に来たってわけなんだね」
「そうだよ。今は上に上がってるからここにいないけど、お父さんもタケル君に興味を持っていたわ」
「えっ、結衣さんのお父さんが僕に興味を持ってるって?」
「うん。お父さんが言うにはね、昔タケル君のお父さんと知り合いで、ちょっとした出来事があったってお父さんは言っていたわ」
「結衣さんのお父さんと僕の父さんが知り合いだって!?じゃあ結衣さんのお父さんはひょっとして…元走り屋なの?」
結衣の父親がまさか自分の父と旧友だと聞いては驚きを隠せず動揺してしまうタケルだが、自分と結衣の父親の間に何があったかますます疑問を浮かべるのだった。
「(何故だ!!これだけブレーキを遅らせてアクセルを開けても振り切れないのか!?これ以上行ってしまえば間違いなくガードレールを突き破ってはバンジーだってのによ!!)」
「(似てるな…中里。昔の俺とそっくりなドライビングだぜ。闘争心剝き出しのドライブだ。確かに遅くはないが、自分で思っているほど速くはない。自己流で身につけたドラテクは限界がある。俺はそれを兄貴から教えられた。それが俺とお前との決定的な差だ!!)」
バトルは中盤へと入っていき、先行を取る中里は後からついてくる啓介のFDが思いの外、自分の走りについて来れていることに焦りを募らせ。啓介は冷静に保ちながらも自分の走りを続けては中里のR32を追い続けていく。
「(やるな。リアタイヤだけで路面にパワーを伝える後輪駆動のFDは4WDのR32との加速度においては分が悪く、荷重がリアに偏っていくヒルクライムにおいてはリアタイヤへの負荷が大きくなるのを理解しているのか、高橋啓介はタイヤのグリップを抑えるような走りをしているな。ハイスピードでコーナーへと入っていってはスピードを維持しつつ、コーナー出口からパワースライドを抑えスムーズに立ち上がってはリアタイヤへの負荷を軽減している…。こういう乗り方は軽量ボディの良さと重量配分が均一になっているFDだからこそ成せるんだが、それをやろうものなら高い旋回性能故にピーキーなステアリング操作を要されるのをまるで精密機械さながらのセンサーと緻密なアクセルコントロールを使っては見事にそれを乗りこなしている。以前の高橋啓介ならば中里と同じ走る際熱くなりがちなタイプだったんだが今のような感性を活かした走りを続けられるなら、中里に勝つ可能性もあるかもしれないな)」
二台の後に続いては上りを掛けていく瀬那はスープラを走らせながら啓介の走りを観察し、以前見た啓介の走りとは異なっているのに気付いたか。バトルの行方を後ろから見守るのであった。
妙義山 ゴール地点 付近
「さっきから音だけが聞こえるけど中々来ないな」
「それは当然だよイツキ君。音のした方向からしてあの三台はまだ上りの中間地点を抜けた辺りだろうから来るにはまだ時間が掛かるかもしれないからね」
「へえ~そうですか…。音を聞いただけでそこまでわかるなんて流石ですね」
「なあに、これくらいのことは車を走り続けていったら自然と身に付くもんだからね」
拓海とイツキは知り合ったばかりの中年男性と一緒にバトルを観ていくのであったが、中年の男は文太と知り合いなだけあってかスキール音を聞いただけで今上りを攻めている三台がどの辺りを走っているのかを瞬時に把握するのだった。
「あ…」
「どうした?」
「雨だ」
「ホントだ。降ってきた」
拓海達がバトルの行方を見守る中、全開アタックの真っ最中にも関わらず予想よりも早く雨が降りだし始めるのだった。
「う~んこれはちょっと不味くなってきたかもしれないかなぁ」
「え?不味いって何がですか?」
「降り出した直後の路面に水が浸るとね。アスファルトに染み付いていた埃や油が雨で溜まっては浮き出てしまい滑りやすくなってしまうんだよ。だから、今バトルをしているあの三台、特に後輪駆動のFDやスープラからすれば少しでも操作を誤ればスリップしてしまう危険性が高まってしまうんだ」
「なるほど、じゃあこのバトルはますます中里のR32が有利になるってことなんですね」
「そうとも限らないよ。駆動方式の差においては全輪にいきわたる4WDが有利なのは確かだが、ハンドルを切って曲がらなければどんな車だろうと滑ってはダメになる恐れがあるかもしれないからね」
「……」
中年の男から説明を聞いていた二人はスキール音のする方向を観ていくも、バトルはまだ終盤に差し掛かるにはまだ早いかもしれない状況であった。
「(降ってきやがった…!!くそォっ、もうすぐゴールだってのによォ!!)」
「(降り始めが一番怖い…。行く時は何の前触れもなくいきなり
「(こればっかしは俺も予想がつかなかったな。雨が降るだけでバトルは大きく展開が変わっていくもんだからここから先はどうなっていくのかは二人の能力次第ってところだな)」
降り出した直後の雨に中里と啓介は緊張が高まるも、ペースを落とさずマージンを保ちながら走り続け。二台の後を追う瀬那も引き離されないよう一定の距離を置きながら追い続けるのだった。
妙義山 ヒルクライム スタート地点
雨が降ってきては濡れるわけにはいかないと乗ってきたスイスポに乗ったタケルは隣に結衣を乗せてはバトルについて話をしていくのである。
「結構降ってきたわね。これって中止にならないのかしら?」
「それは難しいかもしれないよ。何せバトルを開始してすぐの雨だから今更中止なんて真似はあの三人がする筈ないしね」
「じゃあこのバトルの決着はどうつけるっていうの?」
「そうだなぁ。地元のアドバンテージの差からして中里さんが有利なのは確かだけど、もし僕が啓介さんの立場ならゴールの手前のコーナーで勝負を決めに行くかもしれないかなぁ」
「えっ、どうしてそこで決めようとするの?」
「妙義の上りのゴール地点の前はちょっとしたダウンヒルになっていてね。最後はちょっとした下りでの勝負になるかもしれないからここでどう決めるかが勝負のカギを握るんだ」
「そうなんだ、じゃあ最後のコーナーをどう攻め込むかで勝負が決まるんだね」
「ああ。もし啓介さんがそこにたどり着くまでにフロントタイヤを温存できていたのなら、このバトルに勝つ可能性があるかもしれないからね」
「ふ〜ん。タケル君、秋名山だけじゃなく妙義山に関しても詳しいんだね」
「まあね。昔父さんが乗っていたスズキのカタナで群馬中をツーリングしたことがあってここにも何度か訪れたことがあったから知ってたんだ」
「そうなんだ。ねえ、また今度会う機会があったら今度はタケル君が乗ってたっていうバイクで遊びにいきましょ」
「お、いいねそれ。じゃあそれまでに長らく放置していたカタナを慣らしておかないと」
タケルは勝負のカギはゴール地点に入る前のコーナーで勝負が決まるかもしれないと予想するが、果たしてタケルの予想は当たるのだろうか。
妙義山 上り ゴール地点 付近
『来たぞ!!』
ゴール地点の近くにてタイヤのスキール音が聞こえてはその場にいたギャラリーの一人が車が近づいてるのを大声で叫び伝えると、コーナーからR32を先頭にFD、そしてスープラが続けては出てくるのだった。
『R32!!ナイトキッズの中里がリードしてる!!』
『だけどFDがピッタリと食いついてきてる!!』
『すげえーもつれてるぞォ!!』
『スープラも二台に続けては攻め込んで行ってる!!これはどうなるかわからねえぞ!!』
「(痺れまくるぜ!!こんな神経すり減らす恐ろしいアタックは俺の走り屋人生で初めてだ!!もう少しだ!!ゴールはすぐそこ…。飛び込んでしまえば!!この状態から解放される!!)」
中里は恐怖を振り払うかのようにワイパーを動かし雨粒を一掃するも。その一方で啓介は雨粒を意にも介さなず進入ラインに目を光らせ。二人の心理状態の差が勝敗を決めるカギとなるであろうか。
「……!!」
啓介のFDと中里のR32が目の前で走って去っていく様を観た拓海は繰り広げられる展開に衝撃が走ったか、息を吞んでは真剣な表情に様変わりしては見入っていくのである。
「(行くぜ、勝負だ!!)」
「(やはり、ここで勝負を決めに行くつもりだな。だが、この雨の中でどこまで行けるかが最大の難点であるにも関わらずどう切り抜けるつもりなんだ!!)」
「(無茶だ!!そんなスピードで行けるわけねえ、バカ野郎が岩の壁に突っ込むぞ!!)」
「(行ける!!手ごたえはある!!俺のFDが…行けると教えてくれてる…!!)」
無謀とも呼べるスピードで攻め込んでは勝負を決めに行こうとする啓介。この雨の中でそれをやってしまえば壁に衝突するかもしれないと瀬那と中里は危惧するも、啓介はそんな無茶を押しつつ加速力を上げて行っては中里のR32を外側から抜きに差し掛かる。
『突っ込んでくる!!』
『逃げろォ!!』
啓介のFDが観戦しているギャラリーがいる白線にリアをはみ出させながら、大外から一気に抜きに差し掛かってはR32と並び立つや。コーナーからの立ち上がり加速で両者はゴールまで一直線に駆け抜けては勝負を決めに行く。
「「……!!」」
ロータリーサウンドを響かせながら駆け抜けるFDとRBサウンドを鳴らしながら突っ込んでいくR32。
ほぼ同じ位置に並びながらも両者は一向に譲らず攻め込んでいってはほぼ同時にゴールし。その後に続いてはスープラがゴール地点に辿り着く。果たして勝負の行方はどちらに上がったのだろうか。
「お、おい…。どっちが勝ったんだ!?」
「え、…FDが…」
「え?」
「FDがギリギリの差でR32より先にゴールしたぞ!!」
「なんだと!?じゃ、じゃあ…このバトルに勝ったのは…」
「ああ、FDが…。レッドサンズの高橋啓介がナイトキッズの中里相手にヒルクライムに勝ったぞォ!!」
ゴール地点にて待機してたメンバーがストップウォッチを片手に両者のタイム結果を見て、妙義山でのヒルクライムはレッドサンズの高橋啓介に軍配が上がったと高らかに言うのだった。
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