頭文字D 峠の弾丸   作:ペンギン太郎

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 今回は拓海VSケンタのレインバトルです。
 タケルにもレインバトルをさせようか考えましたが、雨でのバトル描写が難し過ぎたので今回は台詞だけとなっていますが、どうぞご覧になって下さい。


ACT.37 雨のダウンヒルバトル

 「流石にスタートダッシュはS14か。ノンターボのQ`sとはいえ、2リッターもあるからな…」

 

 「単純に排気量の差だけじゃない。滑る路面で上手くクラッチを繋いだ。自分で雨が得意っていうだけはあるぜ」

 

 「当然よ。ケンタは下りだけならチーム内では速い方だからな。あれくらいの駆け出しはあたしからすれば朝飯前よ。啓介もそう思わねえか?」

 

 「いや、ハチロクのスタートにはまだ余裕がある。走りだしてしまえばいつでも追いつけるって感じだ」

 

 

 スタートダッシュを見た瀬那、中里、真希の三人は雨が降っては滑りやすい状況下で走るケンタのドラテクの高さを評価するも、その中で啓介ただ一人だけがハチロクの走りを見ては何かを感じたか、その気になればケンタに勝つのではないかと口走るのであった。

 

 

 

 

 

 雨が降り注ぐ中で行われるレインバトル。ケンタのS14が先行を取ってはハチロクとの差を広げていき。その後を拓海のハチロクが追走していく。

 

 

 「(あっさり前に行かれた…!!マズいよこのままじゃ排気量(パワー)の差が出てドンドンおいて行かれるぜ!!)」

 

 

 ハチロクのリアシートからバトルを観ていたイツキは前を行くS14に引き離されては負けてしまうのではと不安になるが、拓海はいつものような走りを維持し続け。S14がコーナーをドリフトで曲がっていくとそれに続いては拓海もコーナーをドリフトで切り抜けては後に続く。

 

 

 『随分差がついたな。やっぱりハチロクに上りはキツイか』

 

 『だけど、ここから麓まで永遠と下りコーナーの連続だからな。下りになれば無敵のダウンヒラーと言われたスーパーテクニックがでる。このままやられっぱなしではないだろう』

 

 

 ギャラリーもレインバトルに拓海が勝つのではと期待を寄せ、結果を楽しみにするのだった。

 

 

 

 

 

 妙義山 下り スタート地点

 

 

 ピリリリリ

 

 

 「もしもし…あ、兄貴」

 

 

 ダウンヒルが開始されてから数分後、啓介はダウンヒルが終わるまでの間車に戻ろうとするとポケットに入れてた携帯から着信が鳴り。電話に出ると掛けてきたのは兄の涼介で。ケンタが拓海とバトルすることになったことのいきさつを涼介に伝えるのである。

 

 

 『ハチロクとケンタがレインバトルか…』

 

 「どうなんだ?ケンタの奴、ハチロク相手に自信満々なんだけど雨は甘くないぜ兄貴」

 

 『そうだな。低いスピードでタイヤを滑らせて楽しむ分にはどうってことないが、バトルとなれば話は別だ』

 

 「ああ。目一杯アクセルを踏んでいくととんでもなく難しくなるぜ」

 

 『ドライならタイヤのグリップで誤魔化せてしまうことも、雨となるとシビアに挙動に現れる』

 

 「キッチリ荷重移動しないと車は全くいうこときかないからな…。ちょっとミスればいきなりドッカンだぜ」

 

 『雨での本当の難しさと怖さを…。あの二人がどこまでわかっているかな…。興味ある』

 

 「ふっ、二人かァ…?噓つきやがれ、兄貴が本当に興味あんのは…」

 

 

 

 

 

 「ハチロクだろ?そうでなきゃ、涼介が態々拓海の元に挑戦状を送添えた花束を送ったりするわけないからな」

 

 

 「なっ!?お前、俺の話を聞いてたのか!?」

 

 「まあな、ちょっくらそいつを借りるぜ」

 

 「お、おい!!何勝手に俺の携帯を…!!」

 

 「別にいいだろ。そもそも俺は涼介とは昔っからの仲だから問題ねえって」

 

 「なんだと、お前が兄貴と知り合いだと…!?」

 

 

 啓介達の会話に割って入った瀬名は啓介から携帯を奪い取っては啓介に変わるや涼介の電話に出る。

 

 

 『おい啓介。一体どうしたというんだ?』

 

 「久しぶりだな涼介。一匹狼でやってたお前が走り屋のチームを作っては随分と名を聞かせてるじゃないか」

 

 『…その声、風間か。お前が何故啓介の携帯に出てるんだ?』

 

 「なに、ちょっと弟の携帯を借りては電話に出させてもらってるだけだよ」

 

 『そういうことか。一体どういうつもりだ、啓介達のバトルにお前がどうして介入したか説明をしてくれるよな?』

 

 

 涼介は瀬那が何故啓介と中里のバトルに参加しては後追いをしたのか尋ねると、瀬那はニッと笑みを浮かべては理由を話す。

 

 

 「別に大した理由なんかないよ。お前が大事に育ててる弟がどれだけやれるかこの目で確かめたくてな。前に弟を負かしたっていう秋名の走り屋であるタケルにお願いしてはバトルに参加できるよう仲介してもらったのさ」

 

 『そういうことか。だが、今になって現れたというんだ?お前は確か赤城をあまり走っていないと俺は聞いてるんだが』

 

 「まあな。今じゃ投資家の仕事が忙しくては行く機会は減ってはいるが、それなりに時間を見つけては赤城を走っているから俺はまだまだ現役だぜ。にしても光栄だな、群馬最速を誇るお前が俺のことを覚えてくれていたとは」

 

 『ふっ、忘れるわけがないだろ。三年前、一人で赤城を走ってた俺が初めてバトルをしたのがお前だったからな』

 

 「そうだな。激戦区として名高い赤城に彗星の如く現れたお前は初めての峠でのバトルで俺を負かしては不敗神話を築き上げ、『赤城の白い彗星』と呼ばれては注目を集めるようになってからはレッドサンズというチームを作り群馬に名を響かせるようになったんだよな…」

 

 「(なっ!?こいつが兄貴と初めてバトルをした相手だというのか!?そんな話、俺には一言も話してはくれなかったぞ…!?)」

 

 

 瀬那が涼介との初相手だという衝撃的事実を聞いた啓介は電話越しに涼介と話す瀬那を信じられないかのように見ていくが、瀬那は自分を覚えてくれていたのが嬉しいのかヘラヘラと笑っては当時の出来事を話していき。

 啓介は涼介と瀬那の間に何があったか気になりつつあったが、二人の間には他者を寄せ付けない雰囲気が出ては涼介と話をする瀬那を見ているしかできなかったのであった。

 

 

 

 

 

 風間が涼介と電話越しに話をしている一方、タケルは結衣と一緒にレインバトルがどうなっていくのか待っていたのである。

 

 

 「拓海君、この雨の中をあんな猛スピードで走るなんて大丈夫かしら…」

 

 「平気だよ。拓海なら雨が降ったところであの程度の相手に負けるわけないって」

 

 「タケル君、あなたは拓海君のことが心配にならないの?」

 

 「まさかその逆さ。これくらいの雨でも拓海が走れるのはわかりきってるからこそ言えるのさ」

 

 「どうしてそう言い切れるのよ、説明してくれる?」

 

 

 結衣はタケルが拓海のことをどうでもいいように話すのに不満を見せるが、タケルは拓海が大丈夫な理由を結衣に話す。

 

 

 「簡単なことさ。拓海は実家が豆腐屋をしていて、家の手伝いで雨が降ろうが毎日豆腐を配達しては秋名の峠を走り続けてるんだ。ってことは、拓海のドラテクは雨でも通用するのは間違いはなさそうだし、結果はもう見るよりも明らかだからね」

 

 「そうだったの、凄いわね拓海君は。親の仕事の手伝いで毎日走ってるなんて」

 

 「でしょう。あいつって本当凄い奴なんだよなぁ(本当は五年前から走り続けてはドラテクを磨いてきたってのが理由なんだけど、ここでそれを言ったら拓海は捕まってしまうからね)」

 

 

 現職の警察官である哲治がいる中で下手に口を滑らせるわけにはいかないと思ったか、敢えてあやふやな表現で拓海は負けないとタケルは自信満々に言うのであった。

 

 

 「あれ?そういや結衣さんのお父さんはどこにいったんだ?」

 

 「お父さんなら自分は先に帰るから、帰りはタケル君に送ってもらいなさいって言っては麓まで降りて行ったわよ」

 

 「へ?自分の娘をほったらかして帰っちゃったの?いくら僕を信頼してくれてるとはいえそこまでやらなくても」

 

 「いいじゃない。私からしたらタケル君と過ごせる時間が増えては嬉しいし。お父さん、拓海君の車が走ってすぐ後を追うように行っちゃったからね…」

 

 「えっ、拓海が発進した後に出たって…まさか!!」

 

 

 結衣の父哲治が娘を自分に託しては先に帰った理由が分かったのか。タケルは拓海とケンタが走り去って行った方角を見ていくのであった。

 

 

 

 

 

 「(絶対追いつかせるもんか…。このマージンどんどん広げてやる!!雨さえ降れば俺のQ`sはターボ車だってちぎれるんだ!!)」

 

 

 先頭を突っ走るケンタは雨の走りが得意と言うだけに雨の走りに冴えを見せ。

 コーナーでは弱オーバーの姿勢をキープをしては、滑る路面に対し最大限のアクセルを開けてはコーナリングスピードを稼ぎ。立ち上がりでは細心のアクセルワークで後輪のホイールスピンを抑えては加速するのである。

 

 

 『うぉーッ!!ケツを振ってる!!あのS14、雨の中でいい走りをしてるぜっ!!』

 

 『FRって雨だと本当難しいからな…』

 

 『踏んでも横向くだけで前に進まねーもんな』

 

 

 ギャラリーは雨が降り積もる中でのケンタの走りに圧巻されつつ、上からリトラクタブルのヘッドライトを灯しては降りてくるハチロクの走りを注目していく。

 

 

 『来たっ、ハチロクだ!!』

 

 

 ギャラリーが注目していく中、ハチロクは限界スピードを維持しながら慣性ドリフトでコーナーを抜け切りては出口で車体を立て直し突き進んでいく。

 

 

 『うぉっ、信じられねえ…!!雨の中であんなドリフトが!?』

 

 『今の…何だったんだ?』

 

 『ゾッとしたぜあの突っ込み…』

 

 『俺、鳥肌たったァ…』

 

 

 雨が降っていく状況であるにも関わらず、拓海の超絶テクニックに度肝を抜かされたか。ギャラリーは走り去っていったハチロクを見送ってはケンタの時よりも圧巻されるのであった。

 

 

 「(こ、これが…ついさっきまで女ボケしてた奴の走りか!?無理しねえとかなんとかぬかしやがった癖に、こんな走りが拓海にとっちゃ普通なのかよォ。しかも雨の夜でなにも見えねえ…。どうやって走ってるっていうんだよォ!!真っ暗で道路なんかどこにあるのかマジでわかんねーじゃねえかァ!!)」

 

 

 揺れる車体に体をぶつけながらもリアシートから拓海の走りを見ていたイツキは拓海の変わりように驚きつつ、拓海を見ていっては不安を見せる。

 先程までの期待が見事に裏切られたか、涙目になってはハチロクに乗ったことを後悔し。走っていく途中、車内からはキンコンと警告音が鳴ってはますます恐怖を抱くのだった。

 

 

 「(キンコン言わすなァ!!正気の沙汰じゃねえよこのスピードォ!!)」

 

 

 しかし拓海はイツキが後ろで怖がっているのに目を向けず、運転に集中しては車を走らせ。右コーナーをフルブレーキングからのドリフトで曲がっていくと立ち上がり加速で勢いを保ちつつ、途中右側のフロントタイヤを溝に嵌めては走行ラインを突き進む。

 

 

 「(こ、こいつぅ…!!人間じゃねえよォ…バケモンだあ!!)」

 

 

 拓海の常識離れした走りを間近で見たイツキはあまりにもの凄さに言葉がでないのか、諦めるしかなかったのであった。

 

 

 

 

 

 「(乗れている。今日の俺は絶好調だぜ!!秋名のハチロクの不敗神話も今日で終わりだ!!啓介さんでもない、涼介さんでもない。この俺がハチロクを倒しあの女に二度と舐められるようなことをさせねえ!!)」

 

 

 ケンタは自分の走りに酔いしれては拓海に勝つのではと過信しては粋がる。だが、後ろからヘッドライトの灯りが近づいてくるのに気付いたか、バッグミラーを見るとそこにはハチロクが追いついてきてはすぐ後ろにいたのだった。

 

 

 「(なにィィィーッ!!ハチロクがすぐ後ろにいる!?いつのまに…噓だろ何が起こった!?)」

 

 

 序盤からペースを上げては引き離した筈のハチロクが自分に追いついてきたのが信じられなかったか、ケンタはあまりにもの衝撃に焦りを募らせる。

 

 

 「(まだ本格的な下りに突入して数えられるほどしかコーナーを抜けてないんだ…。そんなバカなァ…!!この俺がこんなにあっけなく…雨のダウンヒルで詰められるなんて…!?)」

 

 

 追いつかれたことにショックを受けるケンタだがまだ負けたと決まったわけではないと自分に言い聞かせてはペースを上げ、再びハチロクとの距離を開こうとするも、ハチロクは吸い付くかのようにS14に食いついては追い続け。ケンタのS14がコーナーを出てはアンダーを出したのは見た拓海はすぐさまイン側については抜きに掛かる。

 

 

 『見ろ!!ハチロクが抜きに行くぞ!!』

 

 

 ハチロクがS14を抜かす瞬間を見逃さないとギャラリーも必死に観ていく中、イン側のラインを抑えたハチロクは躊躇なくS14を抜き去り。そのまま勢いを保ちながら先へと突き進むのだった。

 

 

 『あっけなく抜いちまったァ…』

 

 『噓…だろ…』

 

 『ずぶ濡れになって待ってた価値あったァ…』

 

 

 ギャラリーも拓海がケンタのS14をいとも簡単に抜き去る瞬間を見ては呆然とするも、見るだけの価値があったと言っては感動するのであった。

 

 

 「(ついていけない!!コーナー一つ抜ける度に確実に差が開く!!同じスピードで飛び込めない…。俺とあいつの何がそんなに違うっていうんだ!?雨は俺の味方じゃなかったのか!?)」

 

 

 スタート開始直後は自信満々だったケンタは先程とは打って変わっては絶望に満ちており、自分と拓海の差が大きかったことが受け入れられずにいたのだが。突如、後ろからヘッドライトの灯りが近づいてるのを見たケンタは再度バックミラーを確認する。

 

 

 「(なっ…R34型のスカイラインだと…!?)」

 

 

 バックミラー越しに後ろから来る車を見てみると、そこにはシルバーを主体にしては独自の存在感を放つER34型 スカイラインが後ろから迫ってきては自身に近づき、直線(ストレート)でケンタのS14をあっさり抜いては引き離すと。途中コーナーに差し掛かったスカイラインは雨が降り積もる中でフェイントモーションを掛け、鮮やかにドリフトをしてはコーナーを抜けていくのだった。

 

 

 「(そんな…。俺でさえ雨の中で滑らせるのがやっとなのに、あのスカイライン…俺のQ`sよりも車重があるにもかかわらず四輪ドリフトを決めやがった…!!一体何者なんだ…あいつは…)」

 

 

 拓海に負けては意気消沈しているケンタに追い打ちを掛けるような超絶テクニックを披露した後、スカイラインは拓海に続くかのようにコーナーに入るやS14との距離を広げては暗闇の彼方へと消えてゆくのだった。

 

 

 

 

 

 スカイライン 車内

 

 

 「(流石は文太が鍛えただけはあるね。雨の中でもいつもと変わらない走りをするのは至難の業なのにそれを平然とやってのけるとは、どうやら拓海君は将来大物になるかもしれないね。ま、今の実力じゃ僕や文太の足元にも及ばないけど)」

 

 

 ケンタを抜き去り、ドリフトをやってみせたスカイラインに乗っていたのは結衣の父である哲治で。拓海の走りを後ろから観察した哲治は感想を言い、拓海の将来に期待するのであった。

 

 

 

 

 

 妙義山 下り スタート地点

 

 

 「わかった。今から麓まで降りるからそこで待ってて」

 

 

 ピッ

 

 

 下に降りていった拓海から連絡を受けたタケルは携帯を切り、待ってるであろう拓海達と合流をすることに。

 

 

 「結衣さん。拓海からバトルに勝ったと連絡が来たことだし、下に降りていっては合流するから横に乗ってくれる?」

 

 「いいわよ、じゃあタケル君、送迎をお願いするね」

 

 「そこのあんた、少し用があるけどいいか?」

 

 

 結衣をナビシートに乗せ、タケルもスイスポに乗り込もうとした直前で自分を呼びかける人がいたので振り向くと。そこには啓介達の側にいた真希がいたのである。

 

 

 「え?あなたは確か…」

 

 「あたしは早乙女真希って言ってあんたらにレインバトルを申し出たケンタと同じレッドサンズに属してる走り屋だ。今日はあたし達レッドサンズとナイトキッズのバトルをギャラリーしに来たっていうのに迷惑を掛けてはすまねえことをしたな」

 

 

 真希はタケル達に軽く自己紹介を済ますや、ケンタが勝手にバトルを申し込んできた事を詫びては頭を下げる。

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

 「いえ、別に構いませんよ。おかげで拓海は雨でも通用するってことがわかりましたし。バトルの相手をしたケンタって人にはいい噛ませになってもらいましたからね」

 

 「へっ。そこまで言っちゃあ、あいつにはたっぷりお仕置きしておかねえとな。何せうちの啓介が苦労して得た勝ち星に泥を塗ったんだからな」

 

 「(うわぁ…。あの人、絶対碌な目に合わないだろうなぁ。ご愁傷さま…)」

 

 

 真希は同じチームであるケンタが負けたにも関わらず嬉しそうにしてはどう仕置しようか考えてるような顔を見せ。その表情を見たタケルは顔を引き攣らせては内心ケンタに同情するのだった。

 

 

 「ま、あのバカの話はここまでとしてだ。あんた、秋名でうちの啓介を相手に勝ったというのは本当か?あたしはその時秋名に出向いていないからあんたと啓介のバトルを見てなくてな。どんな奴なのか気になってはあんたに声を掛けたんだよ」

 

 「そうでしたか。まあ、秋名に来てた頃の啓介さんは運転の仕方が荒かったのと、FDの性能を過信しては走ってましたのでその隙をついてはなんとか勝てたってところですかね。今やったとしたら間違いなく僕が負けてしまいますけど」

 

 「そうか。あんたとうちの大将の涼介があんたのことを高く評価してたぐらいだからどんな奴なのかわかったことだし。また会う機会があればあたしとバトルしてもらえるか?」

 

 「いいですよ。僕は誰が相手であろうと全力で挑みますのでその時が来ればいつでも相手してあげますよ」

 

 「ぷっ、ははは。生意気なことを言うねあんたは…。気に入ったよ、今度涼介とのバトルが終えたのなら、今度はあたしから勝負を挑んでやるからその時を覚悟して待つことだな。じゃあ、あたしはもうそろそろ啓介達と共に帰るから来週の土曜、秋名で会おうじゃないか」

 

 「ええ。こちらこそあなたと戦う時が来るのを楽しみにしてますので、期待して待っていて下さいね」

 

 「ああ。またなタケル。今度はあたしらの方からそっちに出向いてやるからな〜」

 

 

 真希は来週の土曜に秋名に来ると言い残すや、啓介達が待っているところへ戻って行くのだった。

 

 

 「タケル君、今話してた真希さんって人。凄かったね」

 

 「そうだね。仲間のした非を認めてはああやって謝罪するなんて余程懐が深くなきゃできないのを平然とやってのけるなんて流石だとしかいいようがないよ」

 

 「うん。高橋先生の下に付いてる人達って皆、ああいった個性溢れるメンバーが揃い踏みしてるんだね」

 

 「ま、これもひとえに涼介さんのカリスマ性があってのことだからね…。ん?高橋先生…?今結衣さん、涼介さんのことを先生って言ったよね?」

 

 「ええ言ったわ。さっきまでタケル君と真希さんが話をしてた涼介さんって人が私の家庭教師をしてくれてる人なの」

 

 「ああそうだったのか。通りで軽井沢へデートした時聞いたことあるなと思ったわけだよ。なんで今頃になって気づかなかったのかなぁ…え?」

 

 

 

 

 

 「えぇぇぇー!!涼介さんが結衣さんの先生だってぇー!?」

 

 

 ようやく結衣と涼介が繋がってると知ったのか、タケルは雨が降り続く中で絶叫しては妙義山の山々に木霊を響かせるのであった。




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