頭文字D 峠の弾丸   作:ペンギン太郎

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 更新しました。
 まだまだバトルには行き届いていませんが、次以降からやっていきたいと思いますのでとうご期待ください。
 今回は文太の走りを体験する話ですが、そこからタケルがどう学ぶのか見ていてくださいね。


ACT.40 文太の底力!!

 「おい涼介、お前にまたプロのチームから誘いがあったぞ。俺のところに連絡があったんだ」

 

 

 ここ高崎市にある某ファミレスにてレッドサンズの主力メンバーである高橋兄弟を筆頭に、ケンタと真希がテーブルに座っては談義していると。史浩が加わっては涼介に話しかける。

 

 

 「またですかー。凄いなァ…。今度はどこのチームからですか?」

 

 「あのトヨタのチームからだ。将来有望な若手のドライバーを探しているらしい。向こうはすぐにでも会いたいから早急に連絡をくれと言ってきたぞ」

 

 「トヨタか…。確かにあそこはサーキットは勿論、今じゃWRCで活躍しているからな。涼介を欲しがるのも当然だな」

 

 「涼介さんならプロでも大活躍は間違いなしっすよ。考えただけでもわくわくしますよォ」

 

 「どうすんだよ兄貴?」

 

 

 プロのレーシングチームからの誘いに乗るのかどうか啓介から聞かれると、涼介はコーナーを一口飲んでは答える。

 

 

 「断ってくれ」

 

 「え?」

 

 「前にも言ったろ。俺はプロのレーサーになる気はない」

 

 「勿体ないぜ、せめて向こうの話だけでも聞いてみたらどうなんだ?」

 

 「そうだよ涼介、啓介が言うように少しは将来のことを考えたら…」

 

 「諦めな真希。涼介は一度決めた方針をそう簡単に変えるような奴じゃないってことは同じチームに属してるお前も知ってるんじゃないのか?」

 

 「なっ、風間!?なんでお前がここに…!?」

 

 

 真希が話しかけている中でレッドサンズのグループに割って入ったのは同じ赤城の走り屋である瀬那であった。瀬那はコーヒーを飲んでは一服している涼介に目を向けては言う。

 

 

 「涼介。いくら父親の跡を継いでは医者になるとはいえ、弟の啓介が言うように少しくらいは話を聞いてあげたらどうなんだ?俺がわざわざモータースポーツに関わってる知り合いを通じてはお前の存在を向こうに教えたってのによ」

 

 「ほう…。ここ最近スカウトの連絡が多いと思っていたのは全てお前の仕業だったってわけか…」

 

 「まあな。これでも俺はモータースポーツに関わっているショップやレーシングチームのスポンサーをしているからお前のことを教えるなんざ簡単なことだぜ」

 

 「ちょっと待て…。お前は一体何者なんだ!?あっちの世界にも話が通じてるなんざ普通の走り屋にしちゃあ人脈が広過ぎないか!?」

 

 

 自分に来るスカウトの返事は瀬那によるものだったと聞いた涼介は平然とするも、それを聞いた啓介を始めとするレッドサンズのメンバーは瀬那がモータースポーツの世界に通じていると知っては驚きを隠せないでいた。

 

 

 「別に。俺はお前が言うほど凄い奴じゃねえよ…。俺はただのストリートを走るのが好きな一介の走り屋なだけさ。それよりも涼介、何故プロの道に進む気はないのかこいつらに言ってやったらどうだ?」

 

 

 瀬那が涼介にどうしてプロの世界に挑戦しないか理由を尋ねるや、涼介は手に持っていたマグカップをテーブルに置いては説明する。

 

 

 「俺はレースの世界には興味がない。どんな奴でも自由に思う存分に走れる公道(ストリート)の方が魅力的だ。ジムカーナもサーキットを走ることも全て公道(ストリート)を極める為のプロセスに過ぎない。今俺の関心はただ一つ、土曜日のハチロクとその次に控えてるスイスポだけだ」

 

 「そうかい。お前の標的はあの二人ってわけか…。いいぜ涼介、今度のバトルでお前がどうなっていくのかこの目で見届けてやるよ」

 

 

 涼介は今の目標は拓海とタケルだと言い、それを聞いた瀬那は納得したような顔をしては涼介の行く末を見届けようとするのだった。

 

 

 

 

 

 秋名山 高嶺展望台

 

 

 「いつも走りに行く時はここに来てるとはいえ、こっから一望できる夜景は中々だな。タケルもそう思わねえか?」

 

 「…そうだね、前に結衣さんと二人でここに来た時は日中だったけど。またここに来る時があったらこの夜景を見せてあげたいくらい綺麗だしね」

 

 「おうおう、いい年して彼女持ちとは大層なこった。しかもその娘がテツの娘だってんだから、勝が聞いたら驚くに違いないだろうぜ」

 

 「うん、僕が父さんのライバルだった人の娘さんと交際してるなんてことを知ったら父さんはどんな反応をするかなぁ…」

 

 

 展望台から見える夜景を見ていっては感想を言うタケルと政志であったが、後ろから聞き慣れた排気音(エキゾースト)が響いてきたので見て見ると、そこには拓海が乗ってるであろうハチロクがタケル達が乗ってきたハチニーの隣に車を停めては中から二人の中年が降りてきた。

 

 

 「おおっ、こいつは勝が昔乗ってたハチニーじゃねえか。懐かしいなぁ…若かった頃を思い出すよ。文太もそう思わねえか?」

 

 「けっ、今時こんな旧車に乗る奴の気が知れねえな。これに乗ってた頃のあいつとここでやり合ったのを嫌でも思い出しちまうよ」

 

 「相変わらずつれねえことを言うなお前さんは。ん?政志じゃねえか、タケルをつれてここに来るなんて久しぶりじゃねえか」

 

 「おう、祐一も一緒に来てたのか。ところでよ文太、俺が弄ってやったハチロクの足回りはどうなんだ?」

 

 「けっ、そんなもんいいに決まってるだろ。見事にハマってはスムーズに走らせられるからな」

 

 「何言ってんだよ。軽く走らせると言っておきながら上りを全開で攻めてたくせによ…」

 

 

 ハチロクから降りてきたのは文太と祐一の二人で、文太は腰を下ろしてはハチニーのフロントタイヤを一目見るや政志に尋ねる。

 

 

 「…政志。この車はお前が運転したのか?」

 

 「いやっ。今日そいつを運転してたのは俺じゃなくてタケルだよ」

 

 「そうか勝の息子が運転してたのか、通りでやけに荒い走り方をしてるわけだ」

 

 「むっ、どうして僕が走らせたと聞いてはタイヤの使い方が荒いとわかるんですか?実際走ってるのを見てすらいないのに…」

 

 「わかるさ俺には…フロントタイヤのショルダーを見りゃそいつがどんな走りをしてるかすぐ読み取れるからな」

 

 「…おじさん、拓海の親父さんが言ってることは本当なの?」

 

 「ああ本当だ。文太の目利きは本物だってことは俺が保証するぜ」

 

 「そう、おじさんが言うんじゃ信じるしかないね…」

 

 

 自分の走らせ方は荒いと断言する文太にタケルは頭に来たのか反抗するも、文太はタイヤを見れば運転してた奴がどんな走りをしてたのかわかることだと言い返し、そこに政志が文太の言ったことを肯定した為、タケルは半信半疑ながらも文太の言うことを信じざるを得ないが。未だに納得がいかなかったか文太を睨みつける。

 

 

 「なァ文太、一つ聞いていいか。お前拓海とタケルにあれを教えようと決めた時初めから全部計算ずくだったのか?」

 

 「なんだそりゃ?」

 

 「だからさ。タケルが赤城レッドサンズの走り屋とバトルする前に紙コップの水を溢さない走り方を教えたろ?それを拓海が豆腐を配達するのにやらせてる本当の理由。表向きは豆腐を傷めないということになってるらしいが、本当は二人に荷重移動の基本を徹底的に叩き込むことが目的だったんじゃねーのか?」

 

 「さあてなー。勝の息子には父親からの借りを返す為に教えたんだが、拓海に関していや初めのうちは正直言って豆腐の方が重要だった気がするなー。思いのほか拓海の筋がよくて…。途中から小細工をしてたことは確かだけどな」

 

 

 紙コップの水を溢さない走らせ方を拓海とタケルにやらせてるのは走りの基本である荷重移動のコントロールを二人に身につけさせるのが狙いじゃなかったかと祐一に聞かれた文太は頬を掻いては祐一の言ってることに肯定する。

 

 

 「そういやタケルと文太の倅が中二になったばっかしの頃、文太がセッティングをちょくちょく変えるよう言ってきたことがあったな…。一体何の目的で変えてたのかは俺にはわからなかったが、今思えばあれらは全て文太の倅のレベルに合わせてのセッティングってわけだったんだな」

 

 「それってつまり、拓海の走りが上達するにつれて足回りを弄ってたってことなんだね」

 

 「そういうこった。俺好みの方向にあいつの乗り方が向かっていくように仕向けたのは確かだ。今んとこ技術的にはほとんどが俺の思い通りになってるが、技術(テク)だけが先行して頭がついてこないアンバランスさがあいつの欠点ってわけだ」

 

 「頭ねぇ…。それはなんとなくわかる気がするよ」

 

 「そうですね。拓海はどっちかというと考えるより行動する奴ですから親父さんの言うこともわかる気がしますよ」

 

 

 拓海の性格上深く考えずに攻め込んでいくタイプだというのに納得する。

 

 

 「なあ文太、お前の狙いは何だ。拓海に英才教育を施して…何考えてんだ?」

 

 「別に狙いなんてねーんだよ。拓海が少しずつ上手くなっていくのが面白いだけさ。そのうちあいつは俺やあいつを越えて…。自分で考えてやりたい事をやり始めるだろ…」

 

 「…そうでしたか、親父さんは拓海のためを思って気付かないよう密かに鍛えてたんですね」

 

 「ま、そんなところだ。それよりもお前、なんか腑に落ちないような顔をしてるが何かあったか?」

 

 「え?いえ、僕は別になんにもありませんから平気ですけど…」

 

 「そうか?お前、古関モータースの息子の勇から今度戦う相手に敵わないと言われてはそれを引きずってんじゃねえのか」

 

 「ぎくっ、ど、どうしてそれを…」

 

 「今日の昼にそいつが昔使ってたっていうお前のスイスポのパーツをうちの工場に持ってきては話してくれたぞ。今のお前の腕じゃ次やる予定の走り屋には絶対勝てないってな」

 

 「そっか。勇さんから全て聞いたのですね…。仰るとおり今の僕にはどう足掻いても高橋涼介に敵わないからどうすればいいのか迷っていたところなんです…」

 

 

 政志が勇から事情を全て聞かされたと聞いては観念したか、タケルはどう足掻いても高橋涼介には敵わないという不安を政志達三人に打ち明ける他なかった。

 

 

 「なるほどな。今日古関社長の息子がうちのスタンドに寄った時も似たようなことを言っていたな。高橋涼介を相手にバトルするからにはそれなりの準備をしておかないと敵わないと」

 

 「ふーん、そんなに凄え奴なのか高橋涼介ってのは?俺もついこの間あいつ(・・・)からそいつの名前を聞いては初めて知ったんだけどな」

 

 「えっ、あいつって?」

 

 「いや、こっちの話だ。いずれまたお前と拓海に教えてやっからそれまではお預けだ」

 

 「はぁ…」

 

 

 文太のいうあいつとは誰なのかタケルは気になるも、文太は落ち込み気味になっているタケルを見てはある提案を持ちかける。

 

 

 「坊主。俺は今からハチロクに乗ってシェイクダウンするつもりだが、お前にその気があるっていうのなら俺の横に乗ってみるか?」

 

 「え?」

 

 「お、おい文太。タケルをお前の横に乗せるなんてなに危なっかしいことを…!?」

 

 「別にいいだろ。乗るか乗らないかはこいつが決めることだ。お前が横からチャチャ入れていい筈ねえからな。で、どうなんだ坊主。お前はどうしたいんだ?」

 

 「……」

 

 

 文太から自分が運転するハチロクに相乗りしないかと話を持ちかけられ、祐一はそれを止めさせるよう文太に苦言を呈するも文太はそれを決めるのはタケル自身だと言い返す。

 タケルは覚悟を決めたか文太を真剣な眼差しで見つめては言う。

 

 

 「お願いします藤原さん。僕にあなたの本気の走りを見させて下さい!!」

 

 「…いいだろう。好きにしな」

 

 

 タケルは文太に頭を下げ、相乗りさせてくれるようお願いし。文太は口に加えてたタバコを取ってはタケルに相乗りする許可を与えるのだった。

 

 

 「タケル…。お前、文太の走りがどれだけ恐ろしいのかわかってるのか!?いくら拓海の走りを間近で見てるとはいえ、文太の走りは拓海とはレベルの差が…」

 

 「いいじゃんかよ祐一。タケルには一度文太の本気の走りってヤツを体験させてやった方が後々役に立つかもしれねえしな」

 

 「政志、お前まで…」

 

 

 祐一は再度タケルを引き止めようとしたが、政志に呼び止められては観念し。文太のハチロクに相乗りするのを見届けるしかなかったのであった。

 

 

 

 

 

 高崎市 結衣の自宅

 

 

 「…あれからもう20年いやそれ以上は経つか。あの頃は皆若かったのもあるけど、走り屋を取り巻く環境が大分変わっていったからね」

 

 

 タケルが文太が運転するハチロクに相乗りしては秋名をドライブしているその頃、高崎にある結衣の自宅にて結衣の父哲治がリビングにあるソファーに腰を下ろしてはアルバムに載っている写真を見ていた。

 アルバムには若かりし頃の哲治がR30のスカイラインをバッグにしては写っている写真の他にタケルの父勝がレーシングスーツを着てはハチニーに乗った時の写真や文太がハチロクに乗ってはラリーに出てた頃の写真が載っており、それを見ていっては思い出にふける。

 

 

 「お父さん、ちょっといい?」

 

 「んっ、なんだ結衣。急に話しかけてきて」

 

 

 アルバムを見ていた哲治に呼びかけてきたのは娘の結衣だ。先程まで結衣は風呂に入ってたのか首に巻いているタオルで湿っている髪の毛を拭いては父に話しかける。

 

 

 「お父さんは昔、拓海君のお父さんと知り合いだったって言ってたよね。どんな人だったの?」

 

 

 拓海の父である文太がどういう人間で、哲治とはどう関わっていたのかを結衣が尋ねてきた為、哲治はそうだなと口にしては結衣に語りかける。

 

 

 「文太は昔っからバカっ速いのもそうだが、走りに関しては妥協しなかった男だったんだ…。あまりにもの速さに周りから注目を浴びてたのはよく覚えているよ。僕らが結衣やタケル君の年齢だった頃は運転免許を取ってすぐに近くの峠へしょっちゅう走りに行ってたことがあってね。当時の文太は地元の秋名で最速を誇っていていたんだ。その頃の文太とまともにやりあえたのは勝くらいだったかな」

 

 「勝ってタケル君のお父さんのことよね?その人も拓海君のお父さんと同じくらい速かったの?」

 

 「そりゃ勿論速かったさ、あの頃の二人は群馬じゃ誰にも敵わない程で。僕でさえスカイラインに乗ってはやっと互角に渡り合えたくらいだからね」

 

 

 今でこそER34のスカイラインに乗っている哲治ではあるが、現役の走り屋だった当時はR30のスカイラインに乗って峠を走っては自分も群馬でそれなりに注目を浴びていたと娘に話すのである。

 

 

 「あれ?じゃあ拓海君が今乗ってるあのハチロクって車はいつから乗っているの?」

 

 「ああ、あのハチロクは文太が豆腐屋をするのに買ったヤツで。ラリーじゃ剛性が高い2ドアが主流なんだけど豆腐を運ぶには適さないという理由で今乗ってる3ドアのハチロクを買ったって前に祐一から聞いたことがあるよ。その翌年に勝も前に乗ってた車からハチニーに乗り換えたんだったな」

 

 「そうなんだ。拓海君のお父さん、拓海君と同じ凄い走り屋だったんだね」

 

 「そうだよ結衣。今じゃ現役から退いてるとはいえ、当時の腕は衰えてないのは確かだ。今頃あいつは拓海君があの涼介君とバトルするのに備えてハチロクの足回りを弄っては秋名の峠を走ってるに違いないだろうなぁ…」

 

 

 哲二は文太の実力が如何に凄かったか結衣に語っていっては、自分が現役で走っていた頃を思い出しては懐かしむのであった。

 

 

 

 

 

 場所は再び秋名の峠へと戻し、今秋名の道路を一台のハチロクが駆け抜けていく。

 

 

 「坊主、今からコーナーを攻めるからよぉく見ておけよ」

 

 「はい、お願いします」

 

 

 文太がハチロクを運転しては秋名の峠を攻め込み始めると、タケルはあらかじめ祐一から乗る際にはアシストグリップとドアポケットを掴むよう言われたので、それをガッチリと掴んでは体勢を整える。

 

 

 ギャァァァ

 

 

 「(凄い、拓海よりも速いスピードを出してはコーナーに突っ込もうとしている!!ここをどう抜けて行くのかこの目で見ては参考にして…え?)」

 

 

 文太がコーナーへ猛スピードで突き進んでいくとシフトを3速から2速に落としてはカウンターを当ててはステアリングを回していき。その間タケルはコーナーを曲がって行く時に生じる強烈なヨコGを感じながら文太がどうコーナー抜けていこうとするかステアリング操作を見てみようとすると、文太はハンドルから手を離しては胸のポケットに入れていたタバコを取り出そうとしていた。

 

 

 「ちょっ、親父さん。何やってんすか!!」

 

 「いや…ちょっとその、タバコ吸いたくなった」

 

 「(何ふざけたことを言ってんだよこのクソ親父は!!ドリフトの真っ最中だってのによそ見しては吞気にタバコを吸おうとしてるんだぁ!!)」

 

 

 タケルが心配しているのを他所に文太はタバコに火をつけては一服し、ハチロクは文太の手が離れているにも関わずガードレールから数センチ程の間を横切ってはコーナーを抜けきり。タケルは長らく生きてきた中で一番の冷や汗を掻く。

 

 

 「(し、死ぬかと思ったぁ…。こんなこと、拓海ですらやらないってのに…)」

 

 「こんなんでビビるようじゃまだまだだな。お前の父親もこれくらいは普通にやっていたんだからな」

 

 「えっ!?父さんもあんな凄いドリフトをしてたんですかぁ!?」

 

 

 自分の父親が文太と同じレベルのドリフトをしていたと聞かされては驚きを隠せないタケルであったが。文太はタバコを口に加えてステアリングを握っては呟く。

 

 

 「さあて、本気で行くかー」

 

 「(噓でしょ!?今のが本気じゃないのなら、そっから更に上は一体…)」

 

 

 先程文太がやってみせた手放しドリフトがほんの小手調べに過ぎないと知ってはゾッとするタケル、だが文太は再びアクセルを全開に踏みオーバースピードを出してはコーナーへと突っ込もうとするが。それを見てタケルは恐怖を感じたか思っていたことを口に出す。

 

 

 「お、降ろしてえぇぇぇ!!」

 

 

 ドラテクの参考になるどころかこのまま走り続けては命が持たないと感じたのか、タケルは文太に車から降ろしてもらうようお願いする。しかし文太はそんなタケルの言葉を無視しては秋名の峠を豪快に走らせてゆくのであった。

 

 

 

 

 

 「だからあれ程言ったんだよ。文太の走りは特別クレイジーだって」

 

 「でもよォ祐一、ついさっきまで落ち込んでいたタケルにはいい刺激になったと俺は思うぜ」

 

 

 政志が運転するハチニーに乗っては文太の走りを後ろから見ていた祐一はあまりにもの凄さに呆れる一方、政志はタケルにはいい経験になったのではと祐一に語るのであった。




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