最初は破滅へのカウントダウンとしてましたが、それを次話に変えていますのでそこのところは何卒お願いします。
神奈川県 箱根ターンパイク
神奈川の箱根ターンパイクにある某駐車場にて、一人の青年が車の中で横になってはうたた寝をしていると。そこに太り気味の男が近づいては車内で寝てるであろう青年に声を掛けようと窓を叩き。それに気付いた青年は車の窓を開けては呼びかけに応える。
「よぉ陸。今日も相変わらず気持ちよくうたた寝しとるのう…」
「久保さん…」
「お前さん、ここ最近地元じゃ鳴りを潜めてるみたいだが調子はどうなんや?」
「調子も何も、俺はただ…レベルの低い奴らとのバトルに退屈してただけですよ。ついこの間も『箱根サンダーソルジャーズ』というR32だけのワンメイクチームとバトルしましたけど、その殆どが俺の退屈を潰す程じゃありませんでしたからね」
「そうかい。ま、お前さんは異次元的に速いからそこんじょそこらの走り屋じゃあ敵わないのはわかりきってるからな」
久保が話しかけた陸という青年は凛々しい顔をしては久保と話していくもその胸中は自分を満足させる強敵を探し求める飢えた狼の様な目をしていた。
「それで、一体何の用があって俺の所に来たか説明してもらえますか」
「ああ、それについてだがな陸。お前さんにバトルを頼もうと思ってきたんや。それも、北関東にある群馬に出向いてだ」
「群馬に…ですか?どうして俺がそんな田舎に行ってはバトルをしないといけないのですか?」
自分が何故神奈川からかなり距離のある群馬に出向いてまでバトルをしないといけないのか久保に理由を尋ねるも、久保は何かよからぬことを考えてそうな顔をしてはその理由を説明する。
「何、理由としては群馬にいるある走り屋とバトルをして欲しくてな。そいつにちいとばかし走りの違いって奴を教えてやらなと思ってはお前さんに声を掛けたんや」
「…そこまで言うからには俺の退屈をしのいでくれる奴だと見ていいんですね?」
「そうやな。期待に添えるかどうかは俺の口からはなんともいえんが。少なくともそれなりの相手だと言うことだけは確かや」
「…いいですよ。久保さんがそこまでして言うのならそのバトル、引き受けてやりますよ。で、群馬のどこでやるのかは決まっているのですか?」
陸は自分を呼ぶからにはそれなりの実力がある奴なのか念押ししては久保に問いかけるが、久保は太々しい顔をしては陸を満足させるだろうと言い。それを聞いた陸は疑問に思いながらも久保の頼みを引き受けてはどうするのか聞く。
「それについてだが、丁度群馬の赤城山ちゅうところでいろは坂から来たエンペラーというランエボ乗りだけを集めたチームが赤城の走り屋であるレッドサンズに喧嘩をふっかけていてな。バトルが明日の夜に行われるみたいやからその決着が付いた後でそいつとのバトルをやろうかと思っとるんや」
「そうですか。それと車の方ですがこっちで用意しといたらいいですよね…?」
「そいつに関してはお前さんに任せるよ。何せお前さんは相手の乗る車に合わせては同じヤツを選ぶ奴やからのう…」
「ええ、向こうがFRならこっちもFR。逆にFFならFFで対抗する。それが俺のポリシーってヤツですから、どんな車だろうと乗りこなして見せますよ」
陸は相手と同じ駆動方式でやるのが自分の流儀であると久保にいい。久保が勧めるであろう相手とのバトルに期待するのだった。
「タケル君、本当に凄かったわ。私、タケル君が車を走らせてるのを近くで見せてもらったけどあんなに凄い走りをするなんて思わなかった…」
「へへっ…そうかなぁ〜」
「結衣ちゃんの言う通りだぜ。初めてランエボに乗ったとはいえあそこまで完璧に使い熟しては赤城を走り切るとはな」
「いやぁ〜なんか走っていく途中で走りの感覚を掴めては上手くハマりましたからね。僕自身このバトルには勝てるとは思いませんでしたよ」
赤城の下りゴール地点に着いては結衣と瀬名から称賛を受け。初めて乗った車で格上の走り屋を相手に勝ったことに対する実感が湧かないのか、照れくさそうにすると。エボⅨに遅れてはエボⅣがゴール地点に着き。そのドライバーの清次が車から降りては憎たらしげにタケル達を見ていっては言い放つ。
「けっ、運良く俺に勝てたからっていい気になるんじゃねえぞ!!いずれ近い内にてめえとハチロクにはこの屈辱を倍にして返してやるからな!!」
「あちゃあ…。何故かわかりませんけどあいつに因縁を付けられちゃったみたいですね。それにエボⅣもフロントバンパーをガードレールにぶつけては悲惨な姿になってますし…」
「構う必要はねえぞ。そもそもあいつが負けたのはお前を自分よりも下だと侮った故の惨敗だからな。自らの行いを反省しないようじゃこの先お前や拓海にリベンジを果たすなんざあり得ないからな」
「くっ…!!」
清次は歯ぎしりをしながらも睨みつけていくが、瀬名はそれを気にせずシカトしては今後のことについてタケルに聞く。
「タケル、もしお前がスイスポからエボⅨに乗り換えるというのなら俺の方からルドルフに話を付けておこうか?」
「いえ。ランエボもいい車ですけど、僕としてはやっぱり軽くて扱い易いスイスポの方が合ってますかね」
「そうか。お前がそう言うのなら別に構わねえが、タケルにはランエボが似合ってると俺は思ったんだがな」
「確かに瀬名さんが言うようにハイパワーマシンも走りが良くてはハマれば最高かもしれませんけど、それだと面白味に欠けてはつまらないですし。僕はどっちかというとハイパワーで相手をぶっちぎるよりも、パワーの低い車で格上を相手にぶち抜く方が好きですし浪漫がありますからね」
「ほぅ…中々なことを言ってくれるじゃねえか。まあお前の言うことも一理あるし、今回に関してはお前のその心意気を尊重してやるよ」
「私もタケル君の意見に賛成ね。この赤いランエボもかっこよくて速そうだけどタケル君にはいつも乗ってるスイスポの方がいいかもしれないわ」
タケルがスイスポに乗り続けていくと言うや、瀬名はその言葉を受け入れたか。タケルの意志を尊重しては今後に期待するのだった。
ギャアアア
「ん?今聞き慣れた音がするんだが、もしかして誰かがハチロクを走らせてるのか?」
「確かにどっかから4A-G特有のエンジン音が聞こえて来ますけど一体どこから…」
ブォオオオン
「!!」
つい先程タケル達の前を通り過ぎって行ったのは紛れもなく拓海が乗ってるハチロクのトレノであり。ハチロクは周囲のギャラリーの視線も気にせず、頂上付近へ一直線に突き進んでは遠のいていった。
「ねぇ…今ここを通っていったのって拓海君だったよね…」
「ああ、間違いない。あれは正真正銘拓海のハチロクだ。でもタケルの話じゃあ拓海は交流戦には興味を示してないと聞いてるんだが、一体どうなってるんだ?」
「それは僕自身わかりませんよ。そもそも拓海がここに来ること自体知らなかったですし…」
タケルも拓海が赤城に来た理由が分かっておらず困惑するしかなかったのだが、ここに来たからには何かしらの理由があると推測してはある決断をする。
「とりあえず、拓海から事情を聞いてきますので瀬名さんは結衣さんと一緒にここで待っていてください」
「あ、待ってタケル君!!私を置いてかないでってば…!!」
拓海から話を聞こうとしたタケルは結衣の静止を振り切っては再びエボⅨに乗り込むと、そのままエンジンを始動させ、加速をし出しては拓海が向かった方向に車を飛ばしては再び赤城道路を走っていくのだった。
「タケル君…」
「落ち着きなよ結衣ちゃん。あの二人に何があったかは知らないけど、この件に関してはひとまず本人達に任せるとしようか…」
ハチロクに遅れてはタケルが赤城の下りのスタート地点に着くと、先に来てた拓海が車から降りては京一達と一緒にいて。タケルは車をすぐ近くに停めては拓海達の元に駆け寄る。
「ん?どうしたんだタケル。急にまたこっちに戻ってきてよ」
「いえ、僕はただ、どうして拓海が赤城に来たのか理由を聞こうと思い戻って来ただけです。浩二さんは拓海が来たことについて何かご存知ですか…?」
「そうだなぁ…。京一が今日の夕方に秋名のハチロクと連絡が取れるっていうガソリンスタンドに寄っては赤城でバトルするよう藤原に言っていたな」
「なんですって!?」
京一からの誘いで拓海は赤城に来たと知っては驚くも、拓海は京一と対峙しては火花を散らしていた。
「よく来たな歓迎するぜ」
「……」
夜の赤城山には強烈な風が吹いていくも、拓海は京一と向き合っては一方的に視線を送る。
「約束通り俺が相手させてもらう。態々出向いて来たことへの礼儀は尽くす…。ハチロク相手でも手加減はしない…。全力で行くことが俺流の礼儀だ…」
京一はあらかじめ言っていた通り自ら相手をすると言っては拓海とバトルをしようとする。
「待てよ拓海、こればっかしはお前に分が悪過ぎるぞ!!」
「タケル…」
「お前に何があったかは知らないけど、こんな勝ち目のないバトル、やる必要なんかどこにもないじゃないか…」
「そんなの知らねえよ。そもそもこの件に関してはお前は関係ないだろ…!!」
地元でもない赤城で京一とのバトルは控えるべきだとタケルは拓海の肩を掴んでは止めるが。拓海はそれを振り払っては再び京一を見ては睨みつけるのだった。
「拓海、お前…!!」
「まあ落ち着きなって。理由がどうであれ藤原がここに来たってことは京一とバトルをしに来たのは確かだ。いっそのこと藤原を京一とバトルさせてやりなよ」
タケルは勝ち目のないバトルをしないよう強気に出ては拓海に警告するが、浩二がこれ以上は止めようがない為拓海を京一とバトルさせるべきではないかと言ってはタケルを落ち着かせ。
今ここに拓海と京一による赤城での下りのバトルが行われようとするのだった。
「(さっきのバトルの時のタケルもそうだったが、今の藤原からは途轍もないオーラが出ている。今のこいつは秋名で会った時とはまるで別人だな)」
「始めよう。スタートは清次の時と同じハンディキャップ方式だ。そっちが先行しろ。1コーナーを立ち上がったところからアタックする」
「……(こくり)」
拓海が以前会った時は様子が違うことを浩二は見抜くが、拓海は京一とバトルする為に準備に取り掛かる。
バトルの内容は秋名の時と同じハンディキャップ方式で、拓海のハチロクが先行した後で京一のエボⅢが後に続くという流れで開始するのだった。
「よぉ涼介、中々見応えのあるバトルを観れただろ?」
「こんばんわ高橋先生」
「風間…それに結衣ちゃんも来てたのか…」
タケルが下りのスタート地点にて話をしていたその頃、涼介達の元に瀬名が結衣を連れては挨拶に来ており。涼介は教え子である結衣が自分達のホームコースである赤城に来てたことに意外そうな顔をする。
「さっきは色々と済まなかったな涼介。お陰でいいバトルが観れたんだしお前も満足しただろ?」
「けっ、何が満足しただ。あんな下品なリアウィングをぶら下げた車を走るとこなんざ、俺は好きじゃねえってのによ」
啓介はランエボがかなり嫌いだったのか不機嫌そうな顔をしては瀬名にガンを飛ばすも、涼介は怒り気味の啓介を抑えつけては瀬名に聞く。
「いきさつはどうだか知らんが、斎藤が乗っていたあのエボⅨはお前が用意したヤツなのか?」
「いや、あれは俺がドイツにいた頃レーシングスクールで世話になった奴がチューンした車で、それをタケルに貸してくれるよう話をつけては走らせただけだよ。俺はただ…タケルがスイスポ以外の車に乗るとどんな走りをするかそれを確かめようと思ってはあいつにランエボを乗せただけだ」
「なるほどな…。お前が言うようにあのエボⅨは中々いい車だったじゃないか。パワーはノーマルの280馬力とはいえ足回りがキッチリとされてはいい走りができていたしな」
「おっ、流石は人間シャーシダイナモと呼ばれてるだけはあるな。たったあれだけの走りでそこまで把握するなんざ関心するぜ全く…」
涼介の超人的な聴力と分析力に関心を示す瀬名だが。ヘラヘラと笑う様を見せては涼介と親しげに話していき。涼介は結衣にも顔を向けては話しかける。
「お前が斎藤を連れてきたのもそうだが、結衣ちゃんが赤城に来るとは意外だな…。ここに来ることはお父さんにはあらかじめ伝えてあるかな?」
「はい、父は私が赤城に行くのに然程反対はしていませんでしたよ。昔よく走りに行っていた場所に娘の私が行くのも悪くはないと…」
「そうだったな。君のお父さんは昔赤城では最速を誇っていた走り屋で、公僕になった今でも俺達がここを走れるよう便宜を図ってくれてるのにはとても感謝してるよ」
涼介は結衣の父である哲治とは知り合いであったからか。赤城を走れるよう話をつけてくれている哲治には頭が上がらないようだ。
「それはそうと涼介、拓海がここに来ることについてお前は知っていたのか?」
「いや、藤原がここに来たのはおそらく京一がやったに違いないだろうな…。あいつが何を考えてるかは分からないが、何か良からぬことを企んでるのは確かだ…」
「そういうことか…。あの野郎…拓海をここに呼びつけては何をしようってんだ…」
涼介が拓海が赤城に来たのは京一の仕業ではないかと言うと、瀬名はそれに納得したか京一が何の目的があって拓海とバトルをしようとするのか警戒するのである。
「いいのか兄貴、藤原と須藤京一がバトルしてよ…」
「それは私も同じです…。ここを初めて走る拓海君にはとても不利なのでは…」
啓介は拓海を京一とバトルさせるは宜しくないのではといい、結衣もそれに合わせては反対するも涼介は冷静になりながら口を開いては二人に言う。
「言ったろ啓介。ここは天下の公道だってな…。先程の斎藤みたいに他の誰かが走ろうと…、俺達がとやかく言う筋じゃない」
「ああ、もうここまで来てしまった以上この先がどうなるのかはあの二人次第ってところか…」
赤城道路は自分達レッドサンズだけの物ではない為誰が走ろうが構わないと涼介は言い。結果がどうなるか分からないながらも涼介はこの場にいる瀬名や結衣と共に先の事を見ていくことにするのだった。
赤城の下りのスタート地点にはハチロクとエボⅢがスタートラインに立ち並んではエンジンを吹かしていき。その様子を端の方からタケルと浩二が見ていく。
「言っておくが俺はこれがバトルだとは思っちゃいない。楽しく走る為の車と速く走る為の車は何が違うのかをお前とそこで突っ立っている小僧に教えてやる。これは
「(へぇ〜随分と生意気なことを言ってくれるね。スイスポに乗り続ける僕に対しての皮肉のつもりかな…)」
「……」
「始めるぞ」
京一の合図と共に拓海はハチロクを始動してはエンジンを吹かし、スタートダッシュを開始しては突き進み。京一もそれに続いては自身のエボⅢを走らせては拓海の後に続くのだった。
「拓海の奴…いくら地元でエボⅣに勝ったからといって、走り慣れてない場所でバトルするなんて無茶苦茶だっていうのに…」
「そう言ってやるなよ。そういうお前こそ初めて走る場所で清次のエボⅣを相手に勝ったじゃねえか。もしかしたら、藤原は京一に勝てはしないものの、いいバトルをすると俺は思うぜ」
「え?」
タケルが負けてしまうのではと危惧する中で、浩二はハチロクとエボⅢが走り去っていった二台を見てはタケルに言う。
「状況からしてタケルが言うように不利な条件が出そろっている中で京一に勝てるかどうかといえばあり得ない話だが、にも関わらず強敵を相手に臆せず自分から挑みにくるその
「そうですか?僕には拓海がただ無鉄砲な奴だとしか思いませんでしたけど…」
「そうとも言い切れないぞ。俺の口からただ一つだけ確かだとするならば…。おそらく藤原は…お前と同じ群馬に留めるには惜しい程の大物になる。そんな気がするよ」
「……!!」
後のことを何も考えずただ突っ走っていく拓海の姿に将来大物になるのかもしれないと浩二は言い、その言葉にタケルは何も言えずに呆然とする他ないのだった。
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