今回は次の展開に進むまでの繋ぎではありますが、次回から高橋涼介VS須藤京一に入っていきたいと思います。
「ふぁ~あ…。昨日の夜色々あったとはいえ、朝はやっぱし苦手だなぁ…ん?」
拓海が須藤京一と赤城でバトルをしては負けてしまった次の日の朝、タケルは昨日の出来事がかなり焼き付いていてはあまり眠れないでいたか、目にクマができては調子悪いような顔をし。自宅の郵便受けに入ってるであろう朝刊を取り出そうとすると、ある一通の手紙が入っていることに気付く。
「誰からだろう…。差出人が書いてないところからして直接ポストに入れたか?」
タケルは誰から送られてきたか分からないまま、封を切ると。一通の手紙が入っては内容を確認。すると、寝ぼけた顔が急に冴えては怒りを見せ、書いてある内容にぷるぷると手を振わせる。
「へぇー。ここまで言うからには自分の腕によっぽどの自信があるとみていいんだね…!!」
そこには何が書いてあったかは読んだタケル本人しか知らないが、激しい怒りを見せるからに相当なことが書いてあったのは確かなようだ。
「よおーっす、今朝も快調に寝ぼけてんな拓海ィ」
交流戦を間近に迎えた朝、登校日であるためいつものように寝ぼけた顔をする拓海は玄関にある下駄箱で靴を履き変えては教室に向かおうとすると、後ろからイツキに背中を叩かれてはびっくりする。
「イツキ。お前の方こそ朝からハイテンション過ぎるぞ。何浮かれてんだよ…」
「決まってんだろー。いよいよ今日だぜ、レッドサンズとエンペラーの交流戦」
「……」
「朝からドキドキしっぱなしでさー。トイレも出ないぜー。拓海、妙義の時みたいに車一台二人でいこうなー」
「はぁ?出すならタケルので行ったらどうなんだ」
「いいじゃんかよ。タケルの車はFFでしょー。乗るならやっぱFRじゃなきゃ嫌なんだしさー」
「あのさイツキ。態々バトルを観に行くだけだというのなら駆動方式なんてもんは関係ないんじゃないのか?」
「あれ?タケルお前、いつからそこにいたんだ?」
イツキがハチロクに乗せてくれるようおねだりしている横で、朝であるにもかかわらずタケルが不機嫌そうな顔をしてはイツキを睨んでいた。
「ついさっき来たところだよ。それよりもイツキ、いくら乗ってる車がFRのハチゴーとはいえ、車とテクの差で僕のスイスポに敵わないっていうのによくそんなことが平気で言えるね…」
「うぐっ…。それについてはごもっともであります…」
タケルからダメ出しをされては萎縮するイツキであったが、テンションを切り替えては話を戻す。
「拓海~今日もお前ん家のハチロク出してくんないかなー」
「……」
「え?聞こえなかったのかな。だからお前ん家のハチロクさー」
「イツキ。拓海は乗り気じゃないみたいだからそれ以上言わない方がいいよ。今拓海のハチロクに触れるはタブーだしね」
「へ?どうしてなんだ…?って、おい…ちょっと待てよー拓海」
タケルがイツキを制止してはハチロクについてあまり言わないよう警告すると、イツキは拓海に何があったか知らなかった為疑問を浮かべるが。拓海は二人を後目に教室に向かおうとしたのでイツキは再度拓海を引き留めるや横に並んでは話をしていき。タケルも二人から一歩離れた場所で会話に加わる。
「それにしても楽しみだよなー今日のバトル。二人はどうなると思う?」
「そうだなー。バトルする場所が赤城だから走り込みの差でいったら涼介さんに分があるけど、車の性能でいえば須藤京一の方が上手かな。昨日エボⅢが走るとこを見たけど、ミスファイアリングシステムなんてものを載せられた車で赤城以外の場所でやったら勝ち目が薄いからね」
「ミスファイアリングシステム?何なんだそれ?」
「まあイツキが知らないのも当然か。わかりやすく言うとラリーカーそのものとバトルするっていえばわかるかな」
「げっ!?それっていくらなんでも不味いんじゃねえのか。いくらFCが速いといえ、4WDにターボを載せた車をラリーカーに改造したってなればいくら高橋涼介といえど勝ち目がないんじゃ…」
「どうかな?イツキが言うように今度ばっかしはヤバい相手になるかもしれないけど、涼介さんのことだからきっと何か作戦を立ててるに違いないよ」
「そうなのか。まあタケルがそう言うのならきっとそうなるに違いないと思うけど…」
車のスペックの差で須藤京一のエボⅢが有利だという話にイツキは不安視するも、タケルは涼介が何らかの方法で勝ちに行くかもしれないとイツキに言っては元気づける。
「拓海、お前はどうなると考えるんだ?」
「お前、何も分かってない癖に適当なこと言うな!!」
「え?何怒ってんだよー」
「別に怒ってねえけどさ…。俺…今日ちょっと都合悪くなったから赤城に行けなくなった…」
「ええっ、何で!?」
「ダメなんだ。悪いけどタケルや池谷先輩達と一緒に行ってくれ…」
拓海は赤城に行けない為他の奴と一緒に行くよう言い残しては一人教室へと向かっていき。イツキはいつもとは違う拓海に困惑するしかなかった。
「ええ…そんな…」
「イツキ、ちょっといいかな?」
「え?」
「実はね…(ひそひそ)」
「!? そうだったのか…。だとしたら俺、拓海に申し訳ないことをしてしまったな…」
何がなんだかわからないイツキにタケルが近づいては拓海が昨日の夜にあった出来事を耳打ちで伝えると、ようやく拓海について理解したのか。さっきとは打って変わり何ともいえない顔をする。
「分かればそれで十分だよ。で、どうする?拓海はあの調子だから多分誘うのは難しいかもしれないし。池谷先輩達と一緒に赤城に行くか?」
「…いや、それについては止めておくよ。本当ならバトルを観に行きたいけど、拓海をほおって自分一人だけ行くのもあれだから…。今日のバトルは行かないでおくよ」
「そうか。やっぱイツキって友達思いでいい奴だよ、僕もできるなら拓海に寄り添いたいけど、今夜はちょっとばかし赤城に用があるからね」
「へ?用って一体…?」
「実はね、今朝うちの郵便受けにこれが入っていてね。それには僕に赤城へ来るようなメッセージが書いてあったんだ」
タケルは朝早くから届いたであろう封筒をイツキに渡し、それを受け取ったイツキは中を開いては書いてある文章を読み上げる。
「えっと何々…。『自称群馬最速を名乗る斎藤丈瑠様へ。貴方が如何に身の程知らずで自惚れているかを教えてあげたいと思います。その理由を知りたいのでありましたら、今夜赤城山にて行われますレッドサンズとエンペラーの交流戦に来てください。その時あなたはどれだけ未熟か思い知ることになるでしょう』って。何だよこれ!?完全にお前に向けての挑戦状じゃないか!!」
「やっぱイツキもそう思うでしょ。だから僕は何が何でも赤城に向かわないといけなくなったんだ。そういうわけだからイツキ、拓海に関してはお前に任るよ」
「ああ、誰が送ってきたか分からないけど。こんなもんを送ってくるからにはきっとエンペラーの奴に違いないぜ!!今夜は絶対に奴らが赤っ恥かくところをしっかりと見届けてくれよな!!」
「(そうかなぁ…。須藤京一って人は直接スタンドに来て言うくらいだからこんな手の込んだことをする筈ないんだけど…)」
イツキは前回と同じ須藤京一が送ってきたのではないかと言うが、それについてタケルは一人疑問を抱きながらも、ここまで罵られては黙っているわけにはいかない為、拓海のことをイツキに頼み。手紙の送り主が来るであろう赤城へと向かうことになったのだった。
「なんだとォー!!拓海が負けた!?」
「ええ…昨日の夜、タケルから聞いたんですが。どうやらエンペラーの須藤京一とバトルしたらしくて、走ってる途中エンジンがブローしたと…」
タケル達三人が学校に行っているその頃、スタンドでは池谷と健二が祐一に昨日のことについて話し。拓海が赤城で負けたと知った祐一は唐突な知らせに動揺しては驚く。
「止まったって故障か?それともハチロクのエンジンが壊れたのか?」
「俺らもタケルからあらかじめ聞いてるとはいえ、全てを知ってるわけじゃないんすよ。もう群馬中えらい騒ぎですよー」
「店長なら何か聞いてるんかなと思ったんですけど…。拓海の親父さんと仲いいから…」
「おいおい。俺は何も聞かされてないから知らないぞ。そうだ、一回文太に電話してみる」
祐一は文太にハチロクがブローしたことについて電話で聞こうとするが、文太は店にはいなかったか電話が通じず。無駄骨になるしかなかった。
「ダメだな、出ない…。拓海の奴は学校だろうしじれってえな何もわからないっていうのは…」
祐一が愚痴をこぼしては電話を切ると、スタンドには激しいエキゾーストを吹かしては一台の車が来た為、池谷達はその車の前に行くとそこには黄色のFDがスタンドの入り口前で止まるのだった。
「おい、高橋啓介じゃんかよ…」
健二が言うように店に来たのはレッドサンズの高橋啓介のFDで、車から降りてきた啓介はスタンドにいた池谷達にある質問をする。
「藤原拓海は?」
「あいつ…今日は休みですけど…」
「そうか…。出来れば直接話がしたかったけど…あいつに伝えといてくれないか。昨日の勝負は無効だ。俺は認めてない。あんなおかしなバトルはバトルじゃない。世間の奴らはどう思ってるか知らねえが…、俺は藤原拓海が負けたと思っちゃいないんだ。それともう一つ、仇は必ず取ってやるからな。クソ生意気なエンペラーの鼻っ柱俺達がへし折ってやるぜ。じゃあな」
「わかった…。必ず伝えるよ。今夜のバトル頑張ってくれよ。俺達も応援に行くからな」
啓介は池谷達に拓海に伝言を言い伝えるようお願いをしてはFDに乗ろうとすると。池谷は応援に駆けつけにいくと啓介に言ってはバトルに勝つよう啓介に言い、それを受け取った啓介は相槌を打っては颯爽とスタンドを後にした。
レッドサンズとエンペラーの交流戦が行われる当日の夜、前橋市にあるファミレスの喫煙席にて勇の元上司である久保が腰を下ろしてはタバコを一服していると、ある一人の青年が久保がいる席に近づく。
「遅れてすみません久保さん。車を用意するのに時間を要してしまいまして」
「別に構わんぞ。こっちからお願いしたもんやからな」
久保に詫びを入れながら話しかけてきたのは先日、久保が群馬に呼びつけた陸という青年であり。陸は久保と対面するように前の席に座り込む。
「そうや、せっかくきたんだし1杯奢ってやるよ」
「いいのですか。じゃあ…コーラを一つお願いします」
久保の奢りでドリンクを頂くことになった陸はすぐさま店員を呼んでは飲み物を注文し、それが来るまでの間久保とこれからの事について話をする。
「久保さん。前にあなたが言っていたスイスポ乗りの走り屋って奴は本当に来るのですか?」
「当然来るに決まってるやろ。そいつの住所を勇から聞いては郵便受けに赤城へ来るよう挑発じみた手紙を残してやったからな」
「相変わらずやることがえげつないですね久保さんは…」
陸は久保が自分と戦わせる為に行った行為に引きつつ、注文したコーラが来てはそれを一飲みし。空になったコップをテーブルに置く。
「とりあえず今夜はレッドサンズの高橋涼介とエンペラーの須藤京一が赤城で因縁の対決をして、それが終わってからお前さんに走ってもらううことになるが構わんよな?」
「俺はいいですよ。誰とバトルしようが海の向こうで車を走らせてきた俺からすれば日本国内で走ってる奴の実力なんて大して変わりはしませんからね」
「ほう…伊達にイギリスでモータースポーツ留学をしてきただけあって大層な自信だな。そうだ、車に関しては自分で用意すると言っていたな。一体何に乗ってスイスポとバトルするかここで聞かせてくれるか?」
「そうですね。何ならここの駐車場に持ってきてますので久保さんなら一目見たらその凄さが分かると思いますよ」
そう言って陸は久保と共にファミレスを後にしては一階にある駐車場に行き、久保の愛車であるステージアの横に停めてある自分が乗ってきたであろう白い車を見せ。それを見た久保はその車について知っていたのか、感嘆するような声を出す。
「そう来たか…。確かにこの車はFF最速と謂れてはサーキットなどでよく見かけるがこれを峠に持ってくるとは中々やな」
「ええ、これでも乗せてくれるよう親父を説得するのに苦労したんですよ。何せこの車はホンダ党である親父の所有物ですからね」
陸が用意したのはホンダ好きの父が乗る車で、ホンダの赤エンブレムをフロントグリルに掲げては如何にも速く走れる雰囲気を醸し出していた。
「しかし、こいつを扱うにはかなりのテクを要されるがお前さんにはそれができるのか…?」
「ご心配なく。俺はこいつに乗っては富士スピードウェイは勿論、鈴鹿サーキットに持っていっては頻繁に走らせてますからそれくらいどうってことはありませんよ」
「そうかい。なら、早速赤城へ殴り込みにいってはスイスポ乗りの若僧にお前さんの実力を見せつけ、群馬に留まってるだけの奴が如何に視野が狭いっちゅうことを知らしめてやらんとな」
「ええ、久保さんが言うスイスポがどれ程の実力かはわかりませんが、あなたの期待に添えるようなことにはならないとだけは言っておきますね。それじゃあ先に赤城に行っては待ってますので後からついてきてくださいね」
ンバアアアア
陸はそう言っては早速車を動かそうとドライブシートに乗り込んではキーシリンダーにキーを差し込み。スターターを押して車を始動させてはセルを回し。ホンダのエンジン特有のVTECサウンドを鳴らしては走り去っていった。
「相変わらず無茶いうてくれるわ…。お前さんの走りに俺がついていけないことくらい分かってるってちゅうのに…」
久保は陸の無茶振りに振り回されるが、自分から言い出した為仕方ないなと観念したか、自分が乗ってきたステージアを運転しては陸の後を追いかけ、目的地である赤城へと向かっていくのだった。
古関モータース
「こんばんは勇さん。お願いしてましたスイスポを取りに来ましたよー」
「おう来たか。来て間もないんだし、茶の一つでも出してやろうか」
「いえ、僕は今急いでまして。受け取ったらすぐに赤城へと行かないといけないんすよ」
タケルは自分の愛車であるスイスポを取りに古関モータースへ来ては作業服を来ては油まみれになっている勇に挨拶をしては、スイスポを受け取りに来たと伝え。勇は来店したタケルにお茶を出そうとするが急いでいるためその必要はないとタケルは返事を返される。
「そうか。ならさっさと持っていきなよ。スイスポは完璧に直しておいたからいつものように走らせることができるぜ」
「ありがとうございます。じゃあ代金は指定した口座に振り込んでおきますのでまた用があればお願いしますね」
「おう、いつでも来な。その時が来ればまた直してやるからよ」
タケルはメンテナンスを終えては自分の元に戻ってきたスイスポに乗り込み、今夜バトルが行われる赤城山へと車を走らせては向かっていき。それを見送った勇は先程とは顔付きが変わるや行ってしまったタケルに言う。
「(タケル、お前には過酷な相手が待ち構えてるかもしれんが。これも全てお前が次の段階に進むための試練だと受け止めてくれよな)」
タケルが赤城へ行くのを見届けていった勇はタケルに何が起こるのか予想していたのか、獅子は我が子を谷に突き落とすような出来事が待ち構えていると呟き、タケルがそれで大きく変わることを切に願うのだった。
「なあ池谷、タケルは今日のバトルをどうするって言ってたんだ?」
「あいつなら古関モータースに預けているスイスポを取りにいってから赤城へ行くって聞いてるから、先に行ってはどこか適当な場所で待ってやろうぜ」
「そうかじゃあ先に行ってはタケルを待ってやるとするか。…あれ?」
「どうしたんだ健二?」
「いや、後ろに一台、張り付いたみたいだ…。でも、どっから来た車だ?」
交流戦を観に池谷が健二の車に乗せてもらっては赤城に向かっていると、後ろから陸が乗る白い車に張り付かれてしまい、道を譲るべきかどうか池谷達は話し合う。
「やっぱ今日のレッドサンズの交流戦を観に行く車だろ」
「そうだと思うけど、あんましピッタリ付かれるとせかされてるみたいで落ち着かないよ。ちょっとスピード上げるか」
健二はアクセルを強めに踏んではスピードを上げていくと、後ろから来た車もスピードを出しては追い越しをしようとする。
「追い抜きに来ている。先に行かせた方がいいぞ」
「ちぇっ、どんな車だ…」
池谷から道を譲るよう言われた健二は青筋を立てては嫌々ながらも道を譲ろうと車を左側に寄せ付け、それを見た陸が運転する車は素早く前に出ては池谷達の横を通り抜け前に出ていくとそれを見た二人はその車に驚きを見せる。
ンバアアアア
「げえ…!?え、FD2型のシビック・タイプRだと!?」
「す、凄え!!NAとはいえ横を抜ける時のホンダのエンジン特有のVTECサウンドをハッキリ聞いたぜ!!俺のSR20ターボをまるで止まってるクルマみたいに置いていきやがったぞォ!!信じられねえ上りなのに…!!」
「(どっから来たんだ!?あんな速い車が群馬エリアにいたっけかァ!?)」
突如として現れた車、FD2型のシビック・タイプRが後ろから迫りくるのに池谷達は動揺するが、FD2は池谷達が乗る180よりも先へと突き進んでは遠くへと過ぎ去っていき。それを見送った池谷はどこからか現れたFD2に疑問を抱くしかないのだった。
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