狂って歪んで   作:むきむき

3 / 22
一件落着

 ……なんかマイシスターが帰ってこないんだが。どうやら0.2秒でも余裕でアウトだったらしい。現代最強も大したことないな……やはり凡夫か。おかげでパパンもママンも大慌て。現在19時。まだ19時じゃんと思うべからず。小1が19時にどこにいるか分からないというのは中々にやばい。この世にはロリコンというモンスターがいるのだ。わたしもマイシスターもかなりの美幼女なのでロリコンの下半身のセンサーにビンビンに引っかかるだろう。大切に育ててきた作品が無くなってしまわないか心配でたまらない。なんでさっさと追いかけなかったのかだって? 去り際の罪悪感に苛まれた顔を思い返して悦に浸っていたんだよ! しょうがないだろ!! しかし……あの顔は何回思い出してもいいなぁ……

 スーパーハイパーウルトラミラクルアルティメット変態モードの顔は罪悪感が足りてなさすぎる。あれはあれでいいものだがずっとあれだと胃もたれしてしまう。背徳感と罪悪感の天秤は釣り合っていなくてもいいが傾きすぎるのはだめだ。例えるなら焼肉に白米、柿の種とピーナッツみたいなもんである。決してどこぞの大魔族と魔法使いのようになってはいけない。

 それにしても本当に心配だ。わたしの五年の成果をロリコンとかいう異常者に横取りされるのだけは許せん。血の繋がった姉というのは替えがきかない超レアアイテムなんだ。普通に考えてハイエナ行為はマナー違反だろう。今すぐ探しに行きたいところだが、わたしがロリコンのターゲットにされてはたまらないので待つことしかできない。くそぉ……わたしのあまりに高い美幼女レベルがこんなところで仇となるとは……! 

 こうなったらもう運である。幸い日頃の行いには自信がある。こんなに夢に向かって一生懸命走っている奴なんてそうそういないだろう。神よ! わたしを救いたまえ! 

 

 

 ♢♢♢♢♢♢

 

 

 神は死んだ。まじで帰ってこねぇ。パパンが外に出て探しにいってから一時間くらい経った。やばいよぉ。このままだとロリコンに復讐を誓う物語になってしまう。まぁロリコンは希少個体だしパパンも探しに行ってるからもう少ししたら無事に帰ってくるはずだ。

 

 

<<一時間後>>

 

 

「びぇぇぇぇぇぇん!!」

 

 ごめ"ーーん!!!! 拒絶してごべーーん!!!! わたしが悪かったァーー!!!! 今更みっともねェんだけども!!!! わだし「いたっ」て言ったけど!!!! アレ……!!! 取り消すわ"けにはいかねェがなァー!!! 

 

「びゃゃゃゃややあ!!」

 

 豪快に泣きはじめたわたしの頭をママンが不安そうな顔を隠し地母神のような微笑みで撫でてあやしてくれる。ごめ"ーーん!!!! 今起きてる事はだいたい全部わたしのせいなんだァ!!! 

 

「びょえぇぇぇぇぇ!!」

 

 後生だァ!!! がえっでぎてぐれェーー!!! 

 

 

「かえってきてよぉ……」

 

 

 

 

「琴乃!!」

 

 

 

 

 

 

 

 ……え?? なんかいるんだけど?? どゆこと?? 

 

 

 ♢♢♢♢♢♢

 

 

 け、計画通り!!! 

 冗談はさておき急に帰ってきたマイシスターにごめんねと言われながら抱きつかれたわたしは混乱の極致にいた。まじでわけワカメなんだが。もしかして泣いて懺悔したことで呪力の核心を掴み呪言師にでもなったのだろうか。だとしたらわたしは西園寺 琴乃ではなく狗巻 琴乃である。そういえば、あの一族叡智なことするときもおにぎりの具を叫んでいるんだろうか? 「しゃけしゃけしゃけしゃけツナマヨネーーズ!!」とか叫びながら子孫繁栄してたらおもろすぎる。とりあえずわたしの真の苗字が狗巻かどうかをちょうどいいところにいるマイシスターで確かめるとしよう。ミスったら恥ずいからママンには聞こえないようにマイシスターの胸に顔を埋めて言おう。

 

『なでろ』

 

「……ごめんね、寂しかったよね……」

 

 謝りながら頭を撫でてくれるマイシスター。……まじかもしれんな。いや今のだと単純に頭を撫でてくれた可能性がある。もう一度だ……

 

『おかしよこせ』

 

「……ふふっ。あとでいっぱいあげるね」

 

 まじで!! 自分のお菓子は絶対に譲らないあのマイシスターがお菓子をくれるだと……! しかもいっぱい……!! 

 確定だ。どうやら呪力の核心を掴んじまったらしい。神は死んでなかった!! 勝手に殺してごめんよ。

 こうなったらどうしても言いたいことがある。絶対今言うことじゃないのはわかっている!! だけど抑えられない!! 何度か呼吸をし、息を整える。最高のコンディションだ。よーし!!言うぞー!! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『だっぷんしろ』

 

「!? ど、どうしたの??」

 

 ……どうやら失敗してしまったようだ。いや成功しても困るが。純粋無垢の擬人化であるわたしでは呪力量が足りないらしい。呪力量が増えたら電車内で叫びたいな。とりあえず涙と鼻水をマイシスターに擦り付けて誤魔化す。めっちゃ恥ずい。

 

 

 ♢♢♢♢♢♢

 

 

 ママンの連絡でパパンが帰ってきてみんなで無事でよかったムーブをしたところで家族会議が開催された。どこにいたんだーとか夜は危ないんだぞーとかそんな感じだ。というか外の危険はロリコンだけじゃなかったな……このわたしでさえロリコンに精神汚染を受けていたようだ。恐るべしロリコン。そしてついになんでこんなことをしたのかの詰問が始まった。まぁ追求されても「妹のま◯こ弄ってたら拒絶されてショックで……」とか言える訳ないのでマイシスターは口をもごもごさせるばかり。まずい……ここでまたショックを受けて家を飛び出されても困る。マイシスターの精神の弱さは先ほど体感したのだ。もう同じ過ちは犯さない。てか真実が公になったらわたしとマイシスターが隔離されるかもしれん。うおぉーー!! わたしの夢は!!! おわらせねェ!!! 

 

「おねーちゃんはわるくないもん!!」

 

 理由はいえねェ!! だけど悪くない!! ないったらない!! 

 

「おねーちゃんをいじめないで!!」

 

 衝撃を受け崩れ落ちる両親。ふっ。ザコがぁ!! 

 両親をやり込めた快感から満面の笑みを浮かべながら呆然としているマイシスターの方を見る。どーだ、かっこいいだろぉ。助けてあげたんだから感謝しろよな! 

 




(そんな特殊能力なんて)ないです
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。