狂って歪んで   作:むきむき

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イチャイチャ

 

 琴乃は激怒した。必ずかの邪智暴虐な姉を取り戻さなければいけない。

 

 コイツ誰だ……? 

 前までなら適当な理由をつけてベタベタと身体を触ってきていたのに今は舐め回すような視線を感じるだけだ……

 

 おかしい……

 

 目を合わせると顔を真っ赤にしてふいっと天井を見上げている……

 

 かわいい……

 

 声をかけるとめちゃくちゃどもりながら返してくる……

 

 きもい……

 

 外で一体何があった? 

 もしかして偽者か……? 

 最終チェックだ。

 

「おねーちゃんだっこー」

 

「あ、え、うあ、う、ぅん」

 

 震えながらわたしに手を伸ばして後ろから抱っこしてくる。

 この時点ですでにおかしい。偽者ポイント+1だ。

 

 そのまま引っ付いてテレビを見る。

 ……何もしてこない。いつもならゴミが付いてるとか意味わからんこと言って身体中触ってくるのに……。偽者ポイント+5だ。

 

「も、もうやめていい?」

 

「なにを?」

 

「だ、抱っこするの」

 

 !? 

 おかしい! それだけはない! あのマイシスターが……! 自分から! はなれる!? 

 偽者ポイント+1000だ! 

 

「うん……じゃあおしっこしてくる」

 

「……くぅーくぅー」

 

 急に寝たふりを始めた。コイツわたしのこと舐めすぎだろ。

 そのまま万力のような力でわたしを離さない。

 

「も、もれちゃうー」

 

「くぴーくぴー」

 

 絶対に離そうとしないマイシスター。さっきまで自分から離れようとしてたじゃん。

 

 そして

 

 じょわーーー

 

「あ、あぁー」

 

 後ろを見る。

 マイシスターは目をつぶったまま、笑みを浮かべていた。

 ……本物ポイント+10000000だ。

 こんなイカれたことするやつ他にいないだろ。

 

 

 ♢♢♢♢♢♢

 

 

 本物なのは確定したが偽者でないとするとこれはどういうことだろうか。明らかにわたしとの接触を避けている。まずい。まずいぞぉー。このままではわたしが楽しめなくなってしまうではないか! 

 脳をフル回転させて原因を探る。わたしのIQは53万です。嘘です。

 最近あったことといえば0.2秒の拒絶反応からの失踪だ。原因はここにある! たぶん! 

 考えられることとしては拒絶されたくないから。でもそれなら痛くしないようにすればいいだけだ。

 うーん。あ……

 も、もしや彼奴わたしに惚れたか……? 

 照れてしまうみたいな……? 

 ありえる! 

 ふはははははははは! わたしは鈍感系主人公ではない! 敏感系主人公なのだ! 西の幼稚園児探偵とはワイのことやでぇ! 

 

 ことの経緯はこうだ。

 まずわたしに惚れる。

 そして照れてしまっていつも通りに行動出来ない。

 嫌われるのも嫌だし、惚れちゃったからなるべくわたしを傷つけるようなことも我慢している。

 でもおしっこの誘惑には勝てなかった。

 

 完璧な推理だァ

 

 ふふ、いいぞぉ! 

 めちゃくちゃに誘惑して情緒ぐっちゃんぐっちゃんにしてやんよォ! 

 

 

 ♢♢♢♢♢♢

 

 

「もー、おねーちゃんのせいでおもらししちゃったじゃん!」

 

「ご、ごめん」

 

 すこし後悔しているマイシスター。一応あの行為がかなりヤバいことは理解しているらしい。じゃあもっと頑張って耐えろよ。

 二人で洗面台に向かう。わたしは心の中はるんるんだが怒ったふりをしている。じゃないと罪悪感湧かないしね! あーあ、大好きな妹に嫌われちゃうかもねぇ。掌の上で人を弄ぶこの感覚……最高です。

 洗面台についた。ここで仕掛ける! 

 

「おねーちゃんのせいでこうなったんだから、わたしのお股もふいてよね!」

 

「えっ! で、でも……わ、わかった」

 

 すこーし不安そうな顔を見せるだけでわたしの言いなりになった。たのし〜! 

 息を整えてわたしのスカートを脱がしにかかる。そして……その下も。

 瞳孔がギンギンになっている。自分で脱がすのは刺激が強かったかな〜。がんばれ! おねーちゃん! 

 

「はぁっ……はぁっ……」

 

 うーん、これはだめそうですね。スーパーハイパーウルトラミラクルアルティメット変態モードに入ってしまった。そんなわるい子にご褒美はあげません! 

 

「……やっぱりわたしがやる。いじわるしちゃってごめんなさい」

 

 わたしの声で正気に戻ったマイシスターは軽く自己嫌悪しながらも、興奮を隠せない瞳でチラチラとこちらを見ている。優しいわたしは見やすいように後ろを向いてあげる。

 熱い視線をお尻に感じるぜ! 

 拭き終わったら無邪気な笑みを浮かべて、ドギマギさせつつ罪悪感を煽るのも忘れない。くくく、その複雑な表情……95点♠︎

 まぁ遊ぶのはこんくらいにしておこう。可哀想だしね。じゃあ最初からすんな。

 それにわたしは安い女ではないのだ。しばらくは頑張ってレアリティを高めないといけない。琴乃がんばる! 

 

 

 ♢♢♢♢♢♢

 

 

「くー……くー……」

 

 眠っている琴乃を見つめる。いいことでもあったのか幸せそうに寝ている。

 

「すぅーーはぁーー」

 

 その髪に無遠慮に鼻を押し付け匂いを嗅ぐ。

 

 その腕を脚に挟む。

 

 琴乃の身体を身勝手に使うことに興奮を覚える。

 

 わたしは最低だ。

 

 だけど、やめられない。

 

 琴乃を傷つけてしまわないように、意識のあるうちは我慢している。

 

 だから……これくらいは許してほしい。

 




リアルが忙しいから次話から不定期更新になります。
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