しーど・ふりーだむ・じ・あふたー 俺だけ部外者転生なん? 作:ラナロウ
湿度が高くなりがちなのは、SEEDのラクス曲とか、ヘビロテで聴きながら書いてるせいだと思います
運命7話の曲もめっちゃ好きだけど、ほろびのうたになってて、変な笑いが出た記憶
オ……
「ヤサシイママデイテクレ」
キラ・ヤマトがウッドデッキに腰をかけ、庭で過ごす子供達に目を向ける。
カナタは芝生に座り込み、お気に入りのネイビーをペチペチ叩きながら反応を引き出そうとしていた。
勢いが強すぎる、今の状況下だと、と思考した所で案の定。
「ソコヲドケッ!」
「うあっ」
ハロに逆襲の体当たりをされ、カナタがひっくり返って天を仰ぐ。
子供にも渡される事になり、アップデートで剛柔自在な軟質素材で覆われ、柔らかいボールのようになってはいるものの、結構な勢いで飛び掛かって来るそれを、払ったり受け止めたりする事はまだ難しい様だ。
泣きだすかと、腰を上げカナタの方に向かう。
ベンチで本を読んでいた姉二人も、カナタに反応するが、視線と手で大丈夫と伝えていると。
「むー」
カナタは泣く事なく立ち上がり、ネイビーを見据え唸る。少し前まではピーピー泣いていた事を考えると、しっかりと成長を感じられる。
「ウケザルヲエナイ!ウケザルヲエナイ!」「ヤメテ!ヤメテ!」「Stop it! Stop it!」
カナタの前で、跳ねながら煽るネイビー、止めているのか囃し立てているのか周りを転がる、オレンジとレッド。
カナタはその挑発を受け、しっかりと地を踏み締め、右足をテイクバック。
それは、良くない。
キラが素早くカナタを抱き上げ、腕に乗せ、目を合わせる。
「パパ」
「カナタ、こういう時はどうするの?」
驚いたカナタに、キラが優しく問いかけた。
常はおっとりしてるが、方向性を示せばとても聡い子だ、少しの思索を経て、ハッとなる。
腕からおろし、ネイビーにカナタを向ける。
「ごめんね」
「オユルシクダサイ」
謝るカナタの腕の中にネイビーが収まる、仲直りを果たせたカナタの頭を撫で、キラが告げる。
「うん、よく出来ました」
ボールを与え、腰を下ろし、ネイビーとサッカーの真似事に興じ始めたその姿を眺める。
保護者による設定で、周りの状況に合わせ、細かく反応を調整できる様にしている等、安全性を高めているとはいえ、子供と喧嘩を行うペットロボはどうかとは思っていた。
だが、研究者であり教育者でもある父は
「喧嘩を知らないと言う事は、仲直りの仕方を知らないと言う事だ。
本当は社会で学んで行くべき事だが、それが今の世界ではとても難しい」
と、この機能をつける事を提唱し。
優しい母は
「痛みも、悲しみも知らない子は、優しさを知る事が難しくなるの」
と、キラ達を諭した。
今のカナタを見ていると、その方針は良い方向に向かっているのだろうと思える。
とは言え、死んだ振りまでし出すのはどうなんだと、今でも思っている。
ハロの病院と名付けられたメンテナンスセンターには、喧嘩の中、突然動かなくなってしまった友達を抱え、ギャン泣きしながら親御さんと来院する子供が後を絶たない。
家の子供達も反応が多彩になって来た頃は、本当に大変だったのだ。
ハルマ<正しく導くと言った!