仮面ライダーNEXT555   作:桂ヒナギク

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2.オルフェノク

 SMART BRAIN。

「女の子を保護したい?」

 と、健の同僚がオウム返しをした。

「ああ。その子、流星塾の塾生でな。オルフェノクに襲われていたんだ」

「流星塾か。あそこには何かあるとは思ってはいたが、なるほどね。いいよ」

 その時、健のファイズフォン20Plusがオルフェノクの通知を出した。

「ここ最近やけに多いなあ」

 ところ変わって、職探しでハローワークを訪れていた聡美が職業安定所から出てくる。

 そこへ、スーツ姿の男が現れる。

「やあ、君?」

「はい?」

 振り返る聡美。

 男は名刺を差し出した。

 名刺にはこう書かれている。

 坂田(さかた) 啓太郎(けいたろう)

 SMART BRAINで働く社員のようだ。

「沢田 聡美さんだね?」

「何か用ですか?」

「君を連れてくるように言われてるんだ。一緒に来てもらうよ」

「今、そんな時間ありません」

「ああ、君に拒否権はない」

 坂田は聡美のみぞおちに拳を叩き込んだ。

「う!」

 聡美は気を失って倒れた。

 坂田は聡美をどこかの研究所へと運び込んだ。

 

 

「う……うう……」

 目を覚ます聡美。

 聡美は真っ白な部屋にあるベッドの上に横たわっている。

 体を起こす聡美。

「ここは……」

 周辺には何もない。

 聡美はベッドから降りると、部屋の扉のドアノブに手をかけ、開けようとしたが、しかし、向こう側からカギがしてあるのか、びくともしない。

 ドアノブを見るが、内側にカギを開けられるようなものはなかった。

 聡美は懐を(まさぐ)る。

「あった」

 スマホで事前に聞いていた健の番号に電話した。

「あ、城之内さん! 助けて!」

「どうした!? 何があった!?」

「知らない人に声かけられて、気が付いたらどこかわからないところにいたの」

「位置情報は取れるか? メールしてくれ」

「やってみる」

 聡美は通話状態のままマップを開いた。

 GPSは生きていた。

「大丈夫。送るね」

 聡美は位置情報を健のスマホに転送する。

「大至急向かう」

 通話が終了する。

 健は、バイクを駆り、聡美の元へ急ぐ。

 たどり着いたのは、山奥の研究施設だった。

 施設に潜入しようとすると、複数の黒服の男たちに囲まれた。

 男たちはベルトを操作した。

 COMPLETE。

 ライオトルーパーに変身する男たち。

 健はネクストファイズに変身して応戦した。

 

 

 聡美が閉鎖空間で健を待っていると、扉が開いて坂田が入ってきた。

「あなたが私を?」

「お目覚めのようですね」

「私に何をしたの?」

「Fの記号の活性化です」

「Fの記号?」

「そうです。私はオルフェノクの研究をしていてね。Fの記号を持つものがオルフェノクになれる可能性があるということに気づいたのです。オルフェノクは同種の存在を察知する能力に長けていましてね。見つけると仲間を増やそうと襲うんですよ」

「まさか……」

「おめでとうございます。あなたは正にそれでした。あなたの力を見せてください」

 部屋の中に異形が入ってくる。その姿はどことなくネクストファイズに似ている。

「本気でやれ、ファイズ」

 坂田はそういうと、部屋を出て行った。

 ファイズと呼ばれるその異形は、いきなり聡美に襲い掛かる。

 ファイズの猛攻を必死にかわす聡美。

「なんなの。私が何したっていうのよ」

 ファイズは無言のまま聡美に攻撃を繰り出す。

 天井についているスピーカーから坂田の声が聞こえてくる。

「さあ、変身してください。さもないと犬死になるだけですよ」

「私は喧嘩は嫌いなの」

 聡美は言い返すが、スピーカーにマイク機能はないため、こちらの声は届かなかった。

 次々に迫る攻撃をなんとかかわしていく聡美。

(そうか。あのベルトが外せれば)

 聡美はファイズの攻撃の間を縫って接近し、そのベルトに手が届いたが、しかし、投げ飛ばされてしまう。

 宙を舞った聡美の手には、ファイズから何とか外せたベルトが収まっていた。

「なに!?」

 ファイズが光に包まれて男に姿を変える。

 男はオルフェノクに変態した。

 聡美はベルトを装着すると、ファイズフォンを開いて555ENTERとボタンをプッシュする。

 STANDING BY。

「変身!」

 ファイズフォンをベルトにセットする。

 COMPLETE。

 聡美は光に包まれ、仮面ライダーファイズへと姿を変えた。

「旧式のファイズで俺に敵なうと思うなよ」

 男はベルトを取り出すと、スマートフォンを取り出した。

 666ENTER。

「変身」

 ベルトにスマートフォンにセットする。

 COMPLETE。

 男が光に包まれて仮面ライダーミューズに姿を変えた。

 ミューズはファイズに素早い攻撃を浴びせる。

「速い!」

「お前など一分もかからないで終わる」

 ミューズの猛攻に怯むファイズ。

「トドメだ」

 ミューズがエクシードチャージアプリを起動する。

 EXCEED CHARGE。

 ファイズにライダーキックを浴びせようとするミューズだったが、どこからともなく飛んできた攻撃が被弾し、落下してしまう。

「ファイズはやらせねえぞ」

 その言葉と共に、ネクストファイズが姿を現した。

「貴様、ライオトルーパーはどうした?」

「全滅させてやったよ」

「ほう。流石、もとファイズということだけはあるな」

「黙れ、泥棒猫」

 ネクストファイズはアクセルフォームアプリをタップした。

 COMPLETE。

 ネクストファイズの複眼が半回転し、胸部の円盤が展開した。

 アクセルフォームにフォームチェンジを遂げたネクストファイズ。

 ファイズフォン20Plusの画面がカウンターに切り替わる。

 ネクストファイズはカウンターをタップする。

 START UP。

 カウントダウンが始まり、目にも留まらぬ速さでミューズを翻弄する。

 宙に舞うミューズを複数のポインターが捕縛し、アクセルクリムゾンスマッシュが炸裂した。

 TIME OUT。

 ネクストファイズの速度が落ちて着地をする。

 REFORMATION。

 アクセルフォームからノーマルフォームに戻るネクストファイズ。

「うわああああ!」

 悲鳴を上げたミューズの変身が解け、その男は灰と化した。

 ネクストファイズはファイズの方に体を向けて変身解除アプリをタップして健の姿へと戻った。

 ファイズもファイズフォンを外し、開いて通話終了ボタンをプッシュすると、光に包まれて聡美の姿へと変わった。

「ケガはないか?」

「私、何かされたみたい」

「何かって何を?」

「オルフェノクにされたかも」

「そうだとして、どうしたいんだ? オルフェノクになっても、君は君だろう?」

「そうだね」

「出よう」

「うん」

 健と聡美は研究所を出た。

 去り際に坂田を探したが、彼は既に立ち去っていたのは言うまでもない。

 

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