仮面ライダーNEXT555   作:桂ヒナギク

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3.盗まれたカイザ

 沢田家。

 聡美の寝室。

 朝方、健は床に敷いた布団の中で目を覚ます。

(あれ? あ……そうか、沢田さんちに泊まったんだっけ)

 ベッドを見ると聡美が眠っている。

 健は起き上がり、布団を畳んでリビングに移動した。

 ファイズフォン20Plusの呼び鈴が鳴る。

 知らない番号。

 健は通話に応答する。

「はい」

「城之内 健だな?」

「誰だ?」

「二人だけで話がしたい。新宿公園に来てくれ」

「誰だよ?」

 電話が切れる。

 健はオートバジンで新宿公園に向かった。

 園内に入り、誰ともわからない電話の相手を捜す。

「おい、こっちだ」

 と、見知らぬ若い男が合図をした。

 健は男の元へと歩み寄る。

「俺は神崎(かんざき) 雅人(まさと)。一言だけ言う。聡美に近付くな」

「え? どういう――」

「聡美は俺の女なんだよ」

「どうでもいいけど、俺の番号をどこで知った?」

「お前、スマートブレインの社員なんだろう? 社員に聞いたら教えてくれたよ」

「社員の名は?」

「確か、栗林(くりばやし) 勇治(ゆうじ)とか言ったな」

(栗のやろう……)

「とにかく、聡美には今後一切近付くな。近付いたらどうなるか、わかってるよな?」

「脅しか?」

「ふん」

 雅人はそう言って去っていった。

 健はオートバジンの元へ向かう。

「うわああああ!」

 雅人の悲鳴が聞こえた。

 健が悲鳴の元へ駆けつけると、人を襲うオルフェノクを目撃して腰を抜かしている雅人の姿があった。

「オルフェノク!」

 健は襲われている人物を庇うようにオルフェノクの前に躍り出る。

「お前の相手は俺だ」

「俺の邪魔をするなら灰になれ」

 健は懐からベルトを取り出して腰に巻いた。

 ファイズフォン20Plusの変身アプリを開き、続けて555ENTERをタップする。

 STANDING BY。

「変身!」

 健はファイズフォン20Plusをベルトにセットする。

 COMPLETE。

 健は光に包まれると、ネクストファイズに変身した。

「貴様か、我々の邪魔をしているスマートブレインの仮面ライダーは」

「お前、何が目的で人を襲う?」

「人は襲っていない」

「え?」

「そいつは半オルフェノク。俺はオルフェノク化をバックアップしてるだけにすぎない」

「なんだと? だが、オルフェノクにならずに死んでるやつもいるだろう?」

「それは体が耐えられなかっただけだな」

「とにかく、オルフェノクなんかにはさせない!」

「ならば貴様を破壊する!」

 ネクストファイズとオルフェノクの交戦が始まった。

 ネクストファイズはオルフェノクの攻撃を受け流して反撃。

 反撃を受けても負けじと攻撃を続けるオルフェノク。

 オルフェノクの猛攻に怯むネクストファイズ。

「威勢はどうした?」

 ネクストファイズはバーストモードアプリを起動し、ファイズフォン20Plusをピストル型に変形させて引き金を引いてオルフェノクを銃撃する。

 銃撃を受けたオルフェノクは怯んだ。

「飛び道具かよ」

「接近戦がお望みか?」

 ネクストファイズはファイズブラスターアプリをタップした。

 FAIZ BLASTER MATERIALIZE。

 ファイズブラスターがネクストファイズ手に出現する。

 ファイズブラスターの刃がオルフェノクを襲う。

「うお!」

 避けるオルフェノク。

「刃物を使うんじゃねえよ」

「さっきから文句ばっかり言いやがって何なんだよ?」

 オルフェノクが口からヒルを吐き出した。

 ヒルがネクストファイズの胸に張り付き、なかなか取ることができない。

 オルフェノクが舌を鳴らすと、ヒルが自爆する。

「ぐ!」

 衝撃に怯むネクストファイズ。

 オルフェノクが再びヒルを吐いてくる。

 ネクストファイズは飛んできたヒルを掴み取った。

「返してやるよ」

 ネクストファイズは自分の手をヒルごとオルフェノクの口腔へと突っ込んだ。

「……………………」

「どうした、鳴らさないのか?」

 焦るオルフェノク。

「じゃあその舌、もらうぜ」

 ネクストファイズはもう片方の手に持っているファイズブラスターの剣先でオルフェノクの舌を真っ二つに切り裂いた。

「ぎええええ! 舌がああああ!」

 ネクストファイズがツールキャンセルアプリでファイズブラスターを消失させる。

「トドメだ」

 ネクストファイズはエクシードチャージアプリをタップ。

 EXCEED CHARGE。

 オルフェノクをポインターが捕らえる。

 ネクストファイズのクリムゾンスマッシュがオルフェノクに炸裂した。

「うわああああ!」

 悲鳴を上げて灰と化すオルフェノク。

 ネクストファイズが変身を解除し、雅人を見やる。

「ひえ!?」

 雅人は怯えている。

「オルフェノクを見るのは初めてか?」

「な、何なんだ今の怪物?」

「オルフェノクっていうんだ。オルフェノクは人間が進化した存在でな。お前ももしかして流星塾の塾生だなんて言わないよな?」

「その通りだよ」

 あちゃー、と頭に手の平を当てる健。

「神崎、オルフェノクには十分気をつけろ」

「あ、ああ……」

 健はそう言い残すと、オートバジンのところへ戻って沢田家に帰宅した。

「おかえり、どこ行ってたの?」

「沢田さん、神崎 雅人と付き合ってるのか?」

 聡美は恐怖に(おのの)いた表情をした。

「神崎はストーカーなの」

「え?」

「神崎が怖い」

「そうか」

 健のファイズフォン20Plusが鳴る。

「はい」

「城之内さん、緊急事態です。スマートブレインに来てください」

 電話が切れる。

「沢田さん、また出るわ。職場で緊急事態だって」

「行ってらっしゃい」

 聡美に見送られて、健はSMART BRAINへと向かっていく。

 一方、雅人はどこかの施設で坂田と面会していた。

「あの男、ネクストファイズが邪魔だろう? これがあれば、あの男から沢田 聡美さんを守れる」

 そう言って、坂田がジュラルミンケースを雅人に渡す。

 ケースの中にはカイザフォンとカイザドライバーが入っていた。

「これは?」

「旧式だがカイザに変身するためのデバイスとドライバーだ。これを君に託したい」

「いいのか?」

「ああ。これでファイズを倒してくれ」

「わかった。聡美のためだしな」

 ニヤリと口元に笑みを浮かべる雅人。

 

 

 健はSMART BRAINの栗林と共に兵器保管庫にいた。

「この厳重に管理された保管庫からカイザフォンとカイザドライバーが盗まれたのか?」

「はい」

「マジか。賊は?」

「それが、姿が見えないんです。無くなった日の防犯カメラ映像を確認しても、入室した人物がいないんです」

「そんな馬鹿な。人間にそんな芸当できるはずが。と、すると、オルフェノクの仕業か?」

「恐らくは」

「栗、坂田 啓太郎って知ってるか?」

「坂田 啓太郎? そういえば辞めた研究員の中にそんな名前の男がいたなあ」

「本当か!」

「坂田の連絡先を至急調べてくれ」

「了解」

 勇治は坂田の連絡を調べるべく人事部へと急いで向かっていった。

 健は社員食堂に移動して今朝食べ損ねた朝食を摂取した。

 遅めの朝食を食べ終えた健は、スペシャリスト部で勇治と落ち合った。

「これ頼まれてた坂田の連絡先」

 勇治がメモ帳に書きなぐった坂田の住所を健に渡す。

「城之内さん、坂田を疑ってるの?」

「ああ」

「坂田は人間だよ?」

「沢田 聡美が坂田にオルフェノクにされたかもしれないんだ」

「そうなんだ?」

「ああ。人体実験をやってるやつだ。自分をオルフェノクに改造できてもおかしくはないだろうな」

 健は坂田の住所へと向かう。

「ここか」

 坂田の家の前にやってくる健。

 横開きの扉を確認すると、鍵が開いていた。

 ドアを開けた瞬間、爆発が起きて家が丸ごと吹っ飛んだ。

「うわ!」

 爆風で吹っ飛ぶ健。

 壁に叩き付けられて気を失った。

 

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