仮面ライダーNEXT555   作:桂ヒナギク

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4.流星塾とオルフェノク

「……燃えちまったか」

 意識を取り戻す健。

「なんだ、生きてたのか」

 その言葉と共に雅人が現れる。

「神崎 雅人……」

「お前に死を」

 雅人がカイザドライバーを装着した。

「それは!」

 カイザフォンを開き、913ENTERと押す雅人。

 STANDING BY。

「変身」

 カイザドライバーにカイザフォンをセットする。

 COMPLETE。

 雅人は光に包まれて仮面ライダーカイザに変身した。

 健はファイズドライバーNEXTを取り出してファイズフォン20Plusをタップしようとして驚く。

「しまった! バッテリーが!」

 これでは変身ができない。

 健は逃げ出した。

「待て」

 後を追うカイザ。

「逃がさないぞ」

 健が必死に逃げていると、歩いている聡美とすれ違った。

「お!」

 立ち止まりざまに(きびす)を返して聡美に駆け寄る。

「グッドタイミングだ。俺を助けてくれ」

「え? ちょっと、どうしたの?」

「神崎に追われてるんだ。あいつ、カイザに変身しやがった」

「何で私が?」

「俺のファイズフォンはバッテリーが無くてな」

「見つけたぞ」

 と、カイザが現れる。

「うん? おい、聡美を人質にするつもりか?」

「何を言って――」

 言いかけて口を(つぐ)む健。

「こいつを返してほしくば変身を解け」

 健は後ろから手を回して聡美の口を塞いだ。

 驚き戸惑う聡美。

「それはできない相談だ」

 と、カイザは言う。

 健はウルフオルフェノクに変態した。

「ほおう。君もオルフェノクなのか」

 聡美がウルフオルフェノクの手を徐にどかした。

「なんだかよくわかんないけど、相手するしかないみたいね」

 聡美はワイルドキャットオルフェノクに姿を変えた。

「なんだと!?」

 驚くカイザ。

「おいで?」

 と、手で挑発するワイルドキャットオルフェノク。

 カイザはウルフオルフェノクに接近して攻撃を仕掛けようとする。

「あなたの相手は私よ」

 ワイルドキャットオルフェノクがウルフオルフェノクの盾になった。

 カイザの攻撃がワイルドキャットオルフェノクに炸裂する。

「ぐ!」

「ごめん、聡美!」

 焦るカイザを、ワイルドキャットオルフェノクが蹴り飛ばした。

「うわ!」

 吹っ飛び、地面に叩き付けられるカイザ。

「ごめん! 怒らないでくれ! わざとじゃない!」

「うざいのよ。消えて」

 立ち上がったカイザを、ガントレットの先端の鋭利な爪で切り裂くワイルドキャットオルフェノク。

「ぐわ!」

 装甲から火花が散り傷跡ができる。

「聡美、やめてくれ!」

「沢田さん、もういい。戦意を失ってる」

 ワイルドキャットオルフェノクは聡美の姿に戻った。

 ウルフオルフェノクも健の姿に変わる。

「機嫌悪いみたいだし、今日のところはひとまず退散するよ」

 カイザはそう言って去っていった。

 

 

 健はSMART BRAINに戻ってきた。

「栗、カイザの所有者に会った」

「本当?」

「神崎 雅人。流星塾の塾生だ」

「そいつが盗んだのか?」

「いや、盗んだのは坂田だろうな。カイザは坂田から譲り受けただけだろう」

「城之内さん、開発部から上がってきた話なんだけど、カイザフォンXX(トゥエンティ)が完成したみたい」

「そうなのか。ネクストカイザには誰が変身するんだろうな」

 勇治はネクストカイザに変身する自分を想像した。

「栗、お前には無理だ。以前、カイザに変身したものたちが灰と化していったのを見ただろう? ネクストカイザも恐らく……」

「変身、してみたいなあ。けど灰と化すなら、神崎もやばいんじゃ?」

「やつは適合してる可能性がある。オルフェノクが狙っているのは流星塾の塾生。彼らはみな半オルフェノクなんだ。オルフェノクは彼らのオルフェノク化を後押ししてるにすぎないんだ」

「そうか。やっぱり、流星塾とオルフェノクには何等かの繋がりが」

「俺、流星塾に行ってみるよ」

「気を付けてね」

 健はSMART BRAINを出ると、沢田家に移動した。

「おかえり、城之内さん」

「沢田さん、流星塾へ案内してほしい。内部から調べたいんだ」

「いいわよ」

「じゃ、明日な」

「うん」

「今日はもう遅いから寝よう」

 二人は寝床に入って眠りに就いた。

 翌朝、健はカーテンの隙間から照らされる日差しで目を覚ました。

「よく寝た」

 ベッドを見ると、聡美は既に起床していて、部屋にはいなかった。

 健は部屋を出るとリビングに移動した。

「おはよう、城之内さん。今、朝食ができたところよ。食べるでしょ?」

「うん」

 食卓に座り、朝食を食べる健。

「う……」

「どうしたの?」

 朝食がまずい、とは決して言えない健。

(沢田さんはこんなのを作って食べるのか。味覚がおかしいだろ)

 頭の中でそう唱えて、食事をほとんどせず食べ残した。

「全然食べてないわね。お腹の調子でも悪いの?」

「いや、お腹が空いてないだけなんだ」

「ああ、せっかく作ったから食べようとしてくれたけど、お腹いっぱいだったからやっぱり喉を通らなかったのね」

「うん、そんなところ」

「いいわよ。後でお腹が空いた時に食べれば」

「そうさせてもらうよ」

(絶対に食べない)

「さて、食べたから、流星塾に行きましょう」

「ああ」

 健と聡美は出かける支度をした。

「巧、お姉ちゃんたち出かけるけど、いいこで留守番してるのよ?」

「うん、行ってらっしゃい」

 家を出る健と聡美の二人。

 健の運転するオートバジンで流星塾の前までやってきた。

「ここがそうなのか。普通の学校にしか見えない」

「廃校を再利用してたからね。行きましょう」

 敷地内に入り、屋内へ入れる扉を探す。

「跡地とは言え、鍵はしっかりかけてあるのな」

「ねえ、城之内さんのこと教えて?」

「俺の?」

「うん。なんでオルフェノクになったのか知りたいわ」

「うーん……俺、子どもの時に交通事故に遭ったんだ。それで死んだ」

「でも今は生きてる」

「オルフェノクとして再生したんだよ」

「そうなんだ」

「オルフェノクになると、頑丈になるから、仮面ライダーかオルフェノクの攻撃を受けない限り死ぬこともないんだ」

「そうなのね」

 屋内に入れる場所を見つける二人。

「この隙間から入れそうね」

「入ってみよう」

 中に入る。

 校舎内を散策し、資料室へと入った。

 昔の古い資料がそのまま放置されている。

 資料を読みふける健。

 資料で、流星塾の創設者が吉田(よしだ) 真理(まり)という女性であることが判明した。

 吉田 真理はオルフェノクの始祖であり、それはSMART BRAINでも研修で学んだことがあった。

 真理は、事故や事件で死亡した子どもたちの遺体を回収し、人体実験をしていたという。

 彼らは真理が植え付けた因子により、復活を遂げた者もいれば、灰と化した者もいた。

 真理の没後も、実験は受け継がれており、流星塾がSMART BRAINの設立と同時に閉鎖になるまで、遺体は回収され続けていた。

 生き返った子どもたちは、外に出してしまっては大騒ぎになるため、流星塾内で衣食住を行わせ、成人になるまでは面倒を見てきていた。

 それが、オルフェノク誕生の要因であった。

 オルフェノクの存在が少しずつ世間に知れ渡り始めた時、SMART BRAINが発足され、仮面ライダーが開発された。

 仮面ライダーの当初の目的は、オルフェノクを人間から守り、またオルフェノクから人間を守るということでもあった。

 オルフェノク化を強制するのは、半オルフェノクを死なせてしまう危険もあり、そういう輩を粛正するために、仮面ライダーというものが存在したが、生態系の変化のためやがては全オルフェノクを全滅させる目的にすり替わり、人間社会を取り戻していく運びとなっていったのである。

「なるほどな」

 その時、マップアプリにオルフェノクの通知が出る。

 一体や二体どころではなく、数体、数十体と数を増やしていく。

 そしてとうとう。

「囲まれた」

「え?」

 健はファイズフォン20Plusに変身コードを入力してから腰に装着したファイズドライバーNEXTにセットした。

 ネクストファイズ、変身完了。

「逃げるぞ」

 ネクストファイズはアクセルフォームにフォームチェンジすると、聡美を抱えて猛スピードでオルフェノクの包囲網を突破した。

 

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