オルフェノクに見つかることもなく、何とか流星塾を脱出した二人。
健のマップアプリからオルフェノクの反応が消えていく。
「ふう……」
安堵の溜め息。
その後、別のポイントでオルフェノクの反応が一件だけ通知された。
「沢田さん、もう少し付き合ってもらえる?」
「うん」
二人はオルフェノクの出現場所に駆けつける。
「そこまでだ、オルフェノク!」
オルフェノクのそばに灰が落ちている。
「そいつをやったのはお前か?」
「俺は……俺は……?」
様子がおかしい。
「お前、何があったんだ?」
「俺に近付くな!」
オルフェノクは走り出した。
人通りの多い場所へ行き、群衆に恐怖を与えて暴れだす。
「変身!」
健はネクストファイズに姿を変え、オルフェノクを取り押さえる。
「落ち着け! 話を聞いてやる!」
落ち着きを取り戻したオルフェノクが男の姿に変わる。
ネクストファイズは変身解除アプリをタップして健に戻る。
「俺、あいつに殺されそうになって、怖くて怖くて。俺、恐怖を覚えるといつもああなんだ。俺の体、変になるし。変になると自分を抑えられない」
「君はオルフェノクという存在だ」
「オルフェノク?」
「ああ。人間が進化した存在だと言われている。中には力に溺れて悪さをしたりするものもいる」
「どうすれば抑えられる?」
「意思をしっかりしていれば大抵は抑えられる。後は興奮しないことだ」
「それだけでいいのか?」
「ああ」
「そうか。あ、俺は
「俺は城之内 健。スマートブレインに勤めてる」
「スマートブレイン? あの大企業の?」
「ああ」
「俺もスマートブレインの通信端末を持ってるよ」
「そうか。それはありがとう」
「おい、柴田!」
と、人相の悪い男が現れる。
「お前、何で?」
「誰だあんた?」
「何だよ? 邪魔するならお前たちも消すぞ」
と、折り畳み式のナイフを取り出す人相の悪い男。
「やめておけ」
「せっかく殺し屋に頼んだのにあいつ金だけ取ってとんずらしやがったのか」
「その殺し屋なら返り討ちにあって死んだよ」
「なに?」
「沢田さん、警察呼んでくれ」
「わかった」
聡美が警察に通報する。
「な、何なんだよお前ら?」
通報を受けた警察官が集まる。
「お巡りさん、こいつ殺人犯です」
警察官が人相の悪い男を警察署へと連れていく。
残った刑事が、健に話を聞く。
「何があったか説明してもらえます?」
「彼が殺されそうに。彼は無我夢中で抵抗して殺人の実行犯を死なせてしまって。正当防衛ですよね?」
「うん、まあ、どうするかは検察の判断にはなるだろうけど、恐らく裁判にはならないと思いますよ。連れて行った男は?」
「あいつは依頼人ですね」
「なるほど……」
刑事が無線連絡を受ける。
「未遂の現場でオルフェノクによる遺体の痕跡が見つかりましたが……」
「彼、オルフェノクなんですよ。恐怖を覚えてついって感じですね」
「普段は何もしないんですか?」
「本人の性格上、そうではないかと思います」
「そうなんですね。わかりました」
刑事は柴田に向き直る。
「詳しい話を聞きたいので、警察署まで同行してもらえますか?」
「はい」
柴田が刑事と共に警察署へ向かっていった。
「沢田さん、ありがとう。もういいよ」
健はそう言うと、聡美と別れてSMART BRAINに向かう。
「栗、流星塾について色々わかった」
健は勇治に資料に書かれていたことを洗いざらい話した。
「なるほど。オルフェノクは流星塾で誕生していたのか。しかも人体実験で」
「灰になったものは肉体がオルフェノク化に耐えられないからということみたいだ」
「そうなんだね」
「だからと言って、オルフェノクが記号を持った人を襲っていい理由にはならないと思う」
「そうだよね」
「彼らにも人生がある。それを同種の繁殖の犠牲にするなんて赦せない」
「やはりオルフェノクは殲滅すべきだね。もちろん、襲うオルフェノクを限定で」
地図アプリが通知を出す。
「行ってくる」
健は現場へ急行すると、オルフェノクが銀行を襲っていた。
「金だ金! ありったけの金を用意しろ!」
「そこまでだ!」
と、健が銀行に乗り込んだ。
「何だお前は?」
「俺か? 俺は……」
健はファイズドライバーNEXTを装着し、ファイズフォン20Plusを取り出した。
変身アプリを起動し、コードを入力する。
STANDING BY。
「変身!」
と、ファイズフォン20Plusをドライバーにセットする。
COMPLETE。
健は光に包まれ、ネクストファイズに変身した。
「仮面ライダーネクストファイズ。悪に染まったオルフェノクは殲滅する!」
「この力を私利私欲のために使って何が悪い!」
オルフェノクの先制攻撃をかわし、カウンターで怯ませるネクストファイズ。
ファイズブラスターアプリをタップ。
FIZE BLASTER MATERIALIZE。
ネクストファイズの手中にファイズブラスターが出現する。
ファイズブラスターでオルフェノクを切りつけるネクストファイズ。
「ぐわ!」
オルフェノクの胸部から血しぶきが飛ぶ。
ネクストファイズは追加で攻撃を浴びせる。
「うわ!」
オルフェノクの胸部にきれいな罰点ができた。
「ふ!」
ネクストファイズはオルフェノクを蹴り飛ばし、ツールキャンセルアプリでファイズブラスターを消失させ、エクシードチャージアプリを立ち上げる。
EXCEED CHARGE。
ポインターがオルフェノクをとらえる。
ネクストファイズは飛び上がり、空中で前方宙がえりをし、クリムゾンスマッシュをオルフェノクに叩き込む。
だが、強固なオルフェノクの体はなかなか貫通できない。
「俺のこの鍛えた鋼の体を破壊できるはずがない」
オルフェノクはネクストファイズを押し返して吹っ飛ばした。
「うわ!」
ネクストファイズが後方に投げ飛ばされ、ポインターが消失する。
床に落下するネクストファイズ。
ネクストファイズはファイズショットアプリをタップする。
FIZE SHOT MATERIALIZE。
ファイズショットが右手に出現する。
ネクストファイズはエクシードチャージアプリをタップ。
EXCEED CHARGE。
ネクストファイズのファイズショットによるグランインパクトが、オルフェノクに炸裂する。
「無駄だ」
だが、オルフェノクにφが現れた。
「何!?」
オルフェノクは青い炎に包まれて灰と化した。
ネクストファイズは変身解除アプリで健の姿に戻る。
健は銀行を出ると、オートバジンに乗って走り去った。