沖縄旅行を終え、東京に戻った健は、バイクを駆っていた。
「ん?」
オートバジンの後方を追尾するバイクに気が付くと、健はブレーキをかけて止まった。
追尾していたバイクもブレーキをかけて止まる。
「俺に何か用か?」
追尾していたライダーが、オルフェノクに姿を変える。
健がオートバジンからファイズフォン20PlusとファイズドライバーNEXTを取り出し、変身をしようとした瞬間、オルフェノクの攻撃を受けて吹っ飛ばされ、手にしていたスマートフォンとベルトが手から離れてしまう。
オルフェノクが飛んできたファイズフォン20PlusとファイズドライバーNEXTを手に取った。
オルフェノクはライダーの姿に戻り、ファイズドライバーNEXTを腰に装着すると、ファイズフォン20Plusの変身アプリを立ち上げ、555ENTERとタップした。
STANDING BY。
「変身!」
ライダーはファイズフォン20PlusをファイズドライバーNEXTに差し込む。
COMPLETE。
ライダーが光に包まれ、仮面ライダーネクストファイズに変身した。
「世の中そううまくはいかないものだな」
健が攻撃をしかけてくるネクストファイズをかわし、後ろ回し蹴りでカウンターを浴びせる。
ネクストファイズは怯むが、すぐに体勢を整えて振り返り、健に拳を乱打する。
連続攻撃を受けた健は、バランスを崩して後退していく。
「は!」
ネクストファイズが強力な蹴りで健を吹っ飛ばし、ファイズポインターアプリをタップする。
FIZEPOINTER MATERIALIZE。
ファイズポインターが右足に出現し、続けてエクシードチャージアプリを起動した。
EXCEED CHARGE。
ポインターが健を捕え、ネクストファイズのクリムゾンスマッシュが炸裂する。
必殺技をくらった健は、大爆発をして木っ端微塵になる。
粉々になった健の残骸が地面に落下する。
落下したのは、メモリーチップだった。
「所詮、偽物は本物には勝てない」
変身解除アプリをタップしたネクストファイズがライダーの姿になり、その彼がヘルメットを脱いだ。
ヘルメットの下から覗かせたのは、健の顔だった。
健はメモリーチップを拾い、握り込んで破壊する。
破壊された健は偽物で、アンドロイドだった。
ことの発端は一時間前に遡る。
ラーメン屋でラーメンを食べ終えて外に出てきた健は、目の前でネクストファイズギア一式を積んだオートバジンを、何者かに奪われてしまう。
健は一緒にラーメンを食べていた聡美のバイクを借りて何者かの後を追った。
一時間ほど鬼ごっこをした後、何者かはオートバジンを止める。
何者かが脱いだヘルメットの下は健そのものだ。
(俺?)
動揺する健。
もう一人の健が、ネクストファイズに変身しようとしたため、咄嗟にウルフオルフェノクに変態してネクストファイズギアを奪還した。
そして、健はネクストファイズに変身してもう一人の健を粉砕するのだった。その様子を、物陰から窺っている何者かの視線に気がついた。
「誰だ!?」
振り返って叫ぶ健。
「うわ!?」
驚いて戸惑う女。
「見てたのか?」
「……………………」
「別にいいけどね。君は?」
「あ……私、
「うん、まあ」
「そしてさっきの変身、ネクストファイズですか?」
「そうだけど」
「噂は聞いています。一度、手合わせしてもらえませんか?」
由佳が懐からデルタドライバーとデルタフォンを取り出す。
「デルタなのか?」
「はい」
ドライバーを腰に巻く由佳。
「お願い、できますか?」
「うーん、あまり乗り気はしないなあ」
「どうしたら
「戦う理由がない」
「うーん……まあ、確かにそうですね」
「君は何者なんだい? なぜデルタを持ってる?」
「ああ……これですか。渡されたの。人を襲うオルフェノクを倒せって」
「誰に渡されたんだい?」
「知らない人。名乗りませんでしたわ」
ドゴーン!
その時、遠くで爆発が起こった。
現場へ向かってみると、オルフェノクが暴れ回っている。
健はファイズフォン20Plusを取り出す。
「なんだあ、貴様?」
と、オルフェノク。
「通りすがりの仮面ライダーだ」
「仮面ライダーだと?」
オルフェノクが健に襲いかかる。
「変身」
音声入力をする由佳。
STANDING BY。
デルタフォンをデルタドライバーにセットする由佳。
COMPLETE。
由佳は光に包まれ、仮面ライダーデルタに姿を変える。
「ふ!」
デルタが健に殴りかかるオルフェノクの拳を受け止めた。
「女に守られるとか、情けねえ奴だな」
「……………………」
沈黙の健。
デルタがオルフェノクに反撃し、
「ネクストファイズさん、ここは私に任せて、あなたは他の人たちを非難させてください」
「あ、ああ!」
健は逃げ惑う人々に指示を出して安全な場所へと誘導する。
雑踏の中で、健は聡美に会う。
「心配になって追いかけてきたんだけど。オルフェノク?」
「ああ。今、デルタが戦ってる」
「デルタ?」
「初期型の三号ライダーだよ」
「そうなんだ?」
「きゃあ!」
大打撃を受けたデルタが吹っ飛ばされてくる。
落下と同時にベルトが外れ、変身が解けてしまう。
「由佳?」
と、聡美。
「知り合いなのか?」
「流星塾の仲間よ」
「なんだと?」
聡美がファイズフォンを取り出す。
555ENTER。
STANDING BY。
「変身!」
聡美がファイズフォンをファイズドライバーにセットした。
COMPLETE。
聡美はファイズに変身する。
「はああああ!」
ファイズがオルフェノクを乱打する。
オルフェノクは怯み、後ずさる。
ファイズはミッションメモリをファイズポインターにセットする。
READY。
ファイズフォンを展開し、ENTER。
EXCEED CHARGE。
ポインターがオルフェノクの前に出現する。
「くらいな!」
ファイズのクリムゾンスマッシュがオルフェノクを貫いた。
「ぐわああああ!」
Φの字が現れ、青い炎に包まれて灰と化すオルフェノク。
変身を解く聡美。
「聡美?」
体を起こす由佳。
「久しぶりね、由佳」
「あなた、オルフェノクになったの?」
「どうやらそうみたい」
「……そっか」
「流星塾を出てからはどうしてたの?」
「行くあてがないから旅をしていたわ。その時にデルタを譲り受けてね」
健はデルタギアを拾う。
「ほらよ」
健はデルタギアを由佳に差し出した。
「ありがとう」
「お前、住むとこあるのか?」
「一応、実家が近くに。でも、誰もいないんですよね」
「そうか。あ、そういえば名乗ってなかったな。城之内 健だ」
「城之内さんね」
「由佳、よかったらうちに来る?」
「いいの?」
「うん」
「ありがとう」
聡美の家に居候が増えたのだった。