8月追記 やっべ……アズサいるのセイア死んだあとやんけ………キングクリムゾンッッ!!!アズサに関しての文は全て消し飛ぶッ!!
始点
ここ最近、暇な時間さえあればサンクトゥムタワーの観察をしているのだが………うん!アイツ失踪しやがったな!
いや〜どうにも最近正実が慌ただしいと思ったら案の定これですよ、アッアッアッやめてクレメンス…コハルの勉強時間減らすのはやめてクレメンス……ええ感じに成績保ったまま後々に芽が出るように調整すんのクソムズイってのによぉ!!
あ〜それはそれとしてクソ緊張する………一番最初の難所がチュートリアルとかどうなってんだ、おいアロナァ!先生の防御手段ねぇぞぉ!?装甲車ぐらいは用意しとけよぉ!
とりま準備だけはしておいてその日までキングクリムゾンッ!!
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——————私のミスでした
声が聞こえる
落ち着いた様な、達観した様なそんな声だった
目をやると一人の少女が、そこにはいた。だが純白の白鳥の羽根の様な服にはインクでもぶちまけられたかの様に血が滲んでいた
私の選択、そしてそれによって招かれたこの全ての状況
結局、この結果にたどり着いて初めて、あなたの方が正しかったことを悟るだなんて……
なんの話だろう、朧げな思考の中で思い当たることは一つも無い
……今更図々しいですが、お願いします
きっと私の話は忘れてしまうでしょうが、それでも構いません
何も思い出せなくても、おそらくあなたは同じ状況で、同じ選択をされるでしょうから……
ですから……大事なのは経験ではなく、選択
あなたにしかできない選択の数々
責任を負う者について、話したことがありましたね。
あの時の私には分かりませんでしたが……。今なら理解できます。
大人としての、責任と義務。そして、その延長線上にあった、あなたの選択。
それが意味する心延えも
——————ですから、先生。
私が信じられる大人である、あなたになら
この捻じれて歪んだ先の終着点とは、また別の結果を……。
そこへ繋がる選択肢は……きっと見つかるはずです。
だから先生、どうか彼女達を…彼を——————
助けてください
「…せい…先生!起きてください!」
「どひゃぁ!?」
あっあれ?ここはどこ?私はteacher?目の前のどう見ても学生ではないこの人はだれ?
「かなり熟睡されていたようですね、お疲れのご様子ですが自体は一刻を争います。目を覚まして集中して下さい」
話を聞いてみると目の前の少女?……七神リンと言う連邦生徒会に所属している生徒らしい、これで二十歳変えてないとか嘘だ……私より大人っぽいのに………親しみを込めてリンちゃんと呼ぼう
そんな私はその連邦生徒会のトップである連邦生徒会長に招かれたらしい
そして話を聞くに私を呼び出した人物は失踪中でそれが原因でこのギヴォトスが混乱に陥っているらしく、その解決の為に私が呼ばれたらしいけど……
そうこう説明を受けている内に一階へ到着し
「騒がしいですね、一体何が…」
リンちゃんがそう忌々しそうに呟く、話に聞いていた連邦生徒会長の失踪による混乱だろうか、やけに騒々しいそんな中…
「ウォォォォ!!HA☆YA☆SE!HA☆NA☆SE!」
「離すわけないじゃないのぉぉぉ!!」
「ユクエ落ち着いてください!?」
「こっこれはどうしたら…」
「なんなんですか…もう…」
複数人に揉みくちゃにされながら抵抗している仮面を被った1人の生徒がそこにはいた
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何故こうなったか、説明しよう!!
チュートリアルメンバー達より早く到着
↓
トリニティのお二人やユウカ達が到着、その後少しの間お話
↓
お話でなんで来たかの話題に、素直に友人と会う為と話した所身体的な問題を知っているハスミに帰宅を促される
↓
当然拒否、ハスミが俺の情報を共有
↓
ハスミ、ユウカ結託!!
チナツとスズミはこんわくしている!
「HA⭐︎NA⭐︎SE!!スズミィ!同級生の頼みだ!助けてぇぇぇ!」
「スズミ!貴方も手伝って下さい!なんとかしてユクっ……この人を帰さなければッ!!」
「なんで今までそんな大事な事黙ってたのよ!!相談ぐらいしてくれたっていいじゃない!」
「心配かけたくなかったの!!あっ!!てか来たぞ!!ほらっ見ろって!」
ユウカが腰に抱きつき、ハスミがユクエの左腕を掴み引っ張っているがなんとかそれに耐えながらリンちゃん達の方を指さす
全員の視線が指差した方向へ向く。そこには目的の人物であるリン行政官と1人の大人の姿があった
「本当だ!代行!」
「ちょっ!?バランスゥゥゥゥゥ!!??アーッ!!!」
思わずユウカが叫ぶ、続いてハスミ、チナツ達がリンちゃんへ近づいていき手短に各々の要件を伝える………俺を引きずって行きながら
近づいてきたこちらを確認したリンちゃんは明らかに面倒臭そうな顔を浮かべ一息着いた後皮肉———と言うよりもはや、ど直球で嫌味を交えながら出迎え現在の状況を説明した
「——————そしてこの方が先生、連邦生徒会長が指名された方です」
「よろしくね!」
各々が挨拶をしている間に先生を観察する
顔はギヴォトスの人と比べても遜色ないほどに整っている、どちらかと言うと可愛い系の——てか童顔だな。髪は短めで声もどこか安心する様な……なるほど、生徒が入れ込むのも納得なスペックしてやがる、かわいい
————あと一瞬こちらを見て(なんだこいつ……)と言う視線をリンちゃんから送られた気がするが気にしてはいけない、手放さず俺を引きずって行ったこの人達が悪い
そんな先生だったが俺の姿を見てから謎にソワソワしだした、ユウカ達の方を見ている時にも、チラチラとこちらに視線を向けている
「とっ、ところで君のそのいかにもロボロボしい仮面は一体っ…!も、もしかしてギヴォトスではこう言うのも売ってたりするの?!」
「残念ながら不売品です、どうしてもと言うならミレニアムのエンジニア部に行くといいですよ先生」
「ぐっ…そう美味い話は無いか……。ありがとうね!ちょっと残念だったけど今度行ってみるよ!」
ちょいとがっかりした様子の先生だったがすぐに先程の調子を取り戻した様だ、てかオトコノコソウルをお持ちの先生だった。これは金欠ルートまっしぐらやね、おめぇの出番だぞ、ユウカ!
「先生話を戻しますよ、ひとまず皆さんの要件は分かりました……ところでその方はどなたでしょうか」
鋭い目つきがこちらへ向かう
まぁそりゃあツッコミ所満載なやつだしなぁ
傍から見たらメカメカした仮面被ってて顔見えないし、素性不明で拘束されてる不審者だもんな。——なんだこいつ(ドン引き)
それはそれとして
「すいませんあのピンク青髪ポンコツカステラ大好き超人で俺の友人である連邦生徒会長が失踪したってマジですかリンちゃんさんパイセン行政官代行」
「?????………なんとおっしゃいました?あと長いです省略してください」
「わたしのおともだちの会長が失踪したってほんとうですか、りんちゃん」
「だれがリンちゃんですか、あと幼児化しないで下さい」
「私もリンちゃんって呼んでいい?」
「ダメです先生、悪ノリしないでください。で貴方は結局……」
「転廻ユクエですよ、リン行政官。信用出来ないと思うので仮面外しますね、よいしょと……」
その一言が出た瞬間、私の脳内はフリーズした
転廻ユクエ、このギヴォトスで唯一の男性であり現在はトリニティに所属している。だが政治的な意味でなにか動きがない為放置のスタンスをとっていた。ここまでは良かった、ただ問題は何故ここにいるかと言うことだ
友人?友人と言ったのか?誰と?会長と?一体いつから?てか何してんですか会長
そんな私の思考を置いてけぼりにして、仮面は取られ機械音声ではない肉声が響く。その仮面の下から出てきたのは
「改めましてトリニティ総合学園2年、転廻ユクエです。あの失踪疑惑のあるポンコツとは友人で……まぁ…初対面ですが、よろしくお願いしますリン行政官」
「な、ななな!?なんで言ってしまうのですか!せっかくなんとか隠そうとしてきたのに!」
「この状況で言わないほうがおかしいと思うユクエなのであった」
簡易無量空処をくらってスタンしているリンちゃんをよそ目にユクエをユサユサと揺らし問い詰めるハスミ
理由としては近くにゲヘナの生徒がいたと言うのが主な要因だろう、万魔殿の例のポンコツトップを見たことがあるハスミにとっては知られたく無いことだった
どうせ何かしらの理由を付けて突っかかってくるのは目に見えている。とてもめんどくさい
「てか別に言いふらされ無ければ別に良いんだけど…別に政治に関わってるわけでも無いし…」
「貴方はそうですが他の人にとっては駄目なのです!エデン条約が間近に控えた今!万魔殿がどんな卑劣な手を使ってくるか…!」
その言葉を聞いた時ユクエの口から漏れ出た言葉は…
「———あっやっべ、ガバった」
「もおぉぉぉぉぉ!!」
ガバチャーはRTAには付きものである。かなしいかな、これが人間なのである
ちな、この後めちゃくちゃ土下座して事なきを得る、チナツはやっぱ…最高やな…!さすがゲヘナの良心
「ふぅ、危なかった…致命傷で済んだな。では、改めましてよろしくお願いします先生、困ったことがあったらなんでも相談して下さいね」
「えっ、あっうん!よ、よろしくね!」
こちらに向き直り差し出したユクエの手を恐る恐る握り返す、その時の手は私の手より一回り大きくて、そしてなにより手袋越しでも分かるぐらい固かった
どんな事をしたらこうなるのだろうと、初めての感覚でちょっと興奮と言うか…ドギマギしてしまったのは内緒だけど
あと……最初は少し…いやかなり呆然としてしまった。だって周り女の子しかいないのに男の子いるとは思わないじゃん、普通。上手く誤魔化せてるといいけど………
「ふぅ……失礼しました。話を戻してもよろしいですか?」
スタン状態から回復したリンちゃんが話し始める
「先生にはシャーレの部室にある連邦生徒会長が残したものを取りに行っていただく必要があります。モモカ、シャーレ直行のヘリを……」
「シャーレ?あそこ今戦場になってるけど?」
「………はい?」
「矯正局から脱走してる生徒が騒ぎ起こして、さらにそこから不良達を扇動してるみたい。シャーレを占拠しようって動きもあるね」
「…………」
話を聞く事にリンちゃんの顔が険しくなっていく、某わっぴ〜!の人みたいに顔に陰が差し込まれている
「あっじゃあ先輩ごはんのデリバリー来たから、またね!」
「…………」ピキピキ
「まっ、まぁなんだ……その………ドンマイ!」
額に青筋を立てながら黙り込むリンちゃんに声をかける、するとリンちゃんはこちらを向きながら話し始める
「……えぇ、問題は発生しましたが心配は無用です。ここには各学園を代表する、立派で暇そうな方達がいますので」
「……えっ?」
一瞬発言の意味を理解できなかったユウカが思わず口から漏らした、他の皆も口に出さないだけでユウカと同じ反応の様だ
「さて、時間を持て余している暇はありません。早速行くとしましょう」
「ちょっとぉ!?嘘でしょ!?待って代行!」
スタスタと歩き去って行くリンちゃんを追いかけて行くユウカ、それを横目に俺はハスミ達に向き直る
「じゃ、俺たちも行くかぁ!結構長い距離だけど先生は大丈夫か?移動手段は徒歩だぞ?」
「待ちなさいユクエ、少なくとも貴方は戻って下さい。確かに貴方の実力は承知していますがそれでもです」
要は危険だから帰って寝ろってことかぁ、ふっふっふ……まさか俺がなんの準備をしていないとでも思っていたお前の姿はお笑いだったぜ……
「そこは心配はナッシング、俺だって考えなしじゃない。…あ、でも何個か先生に質問があるんですよ」
「私?」
「えぇ、そうです。早速ですがまず一つ目……絶叫系アトラクションはお好きですか?」
「ジェットコースターとか?だったら大丈夫だけど……」
「素晴らしい!それでは最後の質問…」
「……!?待って下さいユクエ!まさかっ」
質問の意図を読み取ったハスミが思わず声を上げる、それに気づきながらもユクエは最後の質問を言い放った
「お姫様抱っことおんぶどっちが良いですか?」
「おわあああああああ!!??」
「口閉じないと舌噛んじゃいますよ先生ェッ!」
そう言いながら先生をおんぶした俺は建物の屋上などを移動しながら戦場を見渡せる位置を探し移動していた
そう俺の対策とは先生の足として動くことだった、こうすればハスミが言う戦闘も極力避けることが出来るし先生のサポートとしても動ける。加えて……
「あわわわわわっ!!!ゆ、ユクエ!進行方向の左側の道から敵影複数!」
「了解!」
懐からエンジニア部特性カプサイシン手榴弾を取り出し、ピンを口で抜き、構える
腕を振ると同時に空気を切った時の様な音の後、数年の鍛錬により鍛え上げられたコントロール力は移動中の敵に見事に命中させた
瞬間、爆発と同時に周辺に赤い霧の様なものが周辺に広がって行く。不幸にもその霧に巻き込まれた者達の様子は地獄そのものだった
嗚咽、咳、涙…顔の穴という穴から体液と絶叫が撒き散らかされる。そんな末路を辿った者達に怯え、なんとか被害から逃れた者達も目の前の惨状から思わず後退りする
赤い霧はトラウマとともにその場に留まり通路を塞ぐ事に成功する、これで背後からの奇襲防止になったわけだ
「ユウカ達はそのまま進んで、怪我とかあったらチナツ、お願いできる?」
「承知しました、先生。このまま前進します」
「お願いね」
いやはや……これは凄いな
なんと言うかストレス度が段違いに低い。言い換えるならスムーズに事が進む
相手の出番がきた瞬間何かしらの方法で潰して"ずっと俺たちのターンッ!!"ってしてるもん
さっきだってコソコソしてたやつが撃とうとした瞬間ハスミにヘッショさせてたのホント怖い、あと単純に情報処理が早い、ぅゎセンセっょぃ……
「ん?おっと」
急いで屋上への射線を切ると数瞬の後俺達のいる建物の壁に無数の銃弾が浴びせられた
「特定されちゃいましたね、ちょいと場所変えますか。飛び降りますよ。ちゃんと捕まってて下さい」
「うっ、うん分かった!」
体を掴んでいる腕の力が強まり、顔が俺の肩に乗ったのを確認してから、先程の射線を切れる場所から飛び降りた
風が汗で濡れた体を冷やす感覚と共に、内臓が持ち上がる感覚に襲われる——————あと先生の顔近くてめちゃ緊張する、かわいい
空中を蹴り、減速しながら地上へ降りていく。最初これをやった時、先生は「アイエェェェェ!??ジャンプ?!空中ジャンプナンデ!?」とか言ってて面白かった
壁や空気の面で減速を挟みつつ地面に着地する
「先生次は何処ら辺に移動しますか?」
「ちょっとみんなと離れすぎてるから……結構進んでからまた屋上かな」
「了解」
道路へ姿を表しそのまま全力*1で走って行く。人一人抱えながらもそのスピードはそこらの自動車と同等の速さだった
道中、ユウカ達が倒した連中から復活しそうな奴らに追加の一撃喰らわせてまたお眠りになって頂いた。
まあ、そんなこんなありながらあんまり時間も経たずにユウカ達がいる所に追いつこうとした時
バァン!!と爆発音が前方から響いた、それから数瞬した後ユウカ達から連絡が入る
「先生!進行していた所不良グループが所有していると思われる戦車と遭遇しました!」
「うっわ、めんど!ユウカ達、そっち耐えれそうなの?」
「なんでか分からないけど、さっきの奴らと違って指揮されてるの!数で邪魔して戦車で攻撃してくるから攻撃の暇が無い!ジリ貧状態よ!」
え〜これどうしよ…先生連れて参戦するか?不意打ちで壊すか?いやこの乱戦で先生置いて行って大丈夫かなぁ……でも安全地帯確保してからじゃ遅いし……
足が止まる。こんな時間を過ごしている暇などないというのに。時間をかけ過ぎればワカモがシャーレの中を破壊するかもしれない。かと言って先生を放置するというのもリスクがある、今の先生に防御手段はない、弾丸一発で死ぬ危険性がある
時間が過ぎていく。決断が出来ない———
「ユクエ」
硬直していると背中から先生の声が耳に入る
「もし、ユクエがあの戦場に行けば戦車か他の不良達をなんとか出来るの?」
「………不良は、難しいかと。手榴弾の残りも誘爆用が殆どです」
「戦車は?」
「なんとかできますけど……それじゃ先生が…っ」
ユクエが言い淀む、理由は…‥なんとなく理解できる
初め、彼はハスミに自身の安全の為と、私の移動の補助を提案した。でも本当の目的は別にあるんじゃないか?とも思った
行動を観察して気づいた。本当の目的は、移動補助及び私の護衛だ。万が一が起こった時、敵を撃退または撤退して私の安全を確保するセーフティ代わりだ
「ユクエがなんで私に過保護になってるかは一応想像がつくよ、ハスミからユクエの事情は聞いたからね」
背中に密着しているからか、ビクッと体が反応したのがよく分かった
ユクエだからこそ実感があるのだろう。銃弾を受けた時の確実に死に向かっている感覚が
「確かに私はユクエと違って、傷も早く治らないし、戦えないし………出会って精々数時間で私のことなんか信頼出来ないかもしれない」
きっと彼は優しい子なのだ。でなければ、いくら自分と同じ様な体で、かつ取り返しがつかないからと言っても、普通はここまでしない
この状況で私は、ユクエにとって重荷になる。しかし重荷である自らが自分は大丈夫と言っても説得力がない。だから
「だからユクエ、お願い。私の代わりに自分を信じて欲しい。ユクエが頑張ってやって来た事を、ユクエ自身を信じてほしい」
私の精一杯の言葉を伝えた。頭を回して、思わず腕に入る力が強まるぐらいの、精一杯を彼にぶつけてやった
「………なるほどなぁ……」
少し笑った様に見えた後のつぶやきは聞こえなかった、そうしてゆっくりと私を下ろしてこう言った
「人を乗せるのが上手いなぁ…はぁ……本当に……あ〜まぁいいか」
空を仰ぎながら呆れた様に言い放った言葉は何処か清々しい様に思えた。
そうさ、今だけは忘れよう、後悔も、不安も、過去も未来すら忘れ去って
———馬鹿になってやる
「ぶっ壊した後は上手くやってくださいよ?」
そう言い放った後、頭上の輪———その黒く輝いていた部分がひび割れて、更に黒く、暗く、輝いていった
明らかな時間稼ぎだった
ただこちらに攻撃の手番を奪われぬ事のみを考えた戦術、グループを複数作り1グループずつ攻撃して行く。それを1〜2グループ挟んだ後にはにはまた攻撃される
それだけなら良かった、決定力も、碌な補給もないのだから相手の弾丸が使い果たされるまで続けるか、多少危険だが強引に突破でも良かった
だが状況が変わった、おそらく、不法に取引された戦車の投入。それが敵に欠けていた決定力を補った
そこからはジリ貧だ。無理に攻めれば妨害で動きが止まり、戦車の餌食に、もしなんとか不良を倒せても一度に良くて数人が限度だろう
その間に1人でも倒れれば一気に瓦解する
歯痒さが全身を支配する。どうにか片方だけでも無くなればと、そう思った時だ
———黒が疾った
一陣の風と共に、私たちの側を何かが通り過ぎて、建物の外壁を駆け上がり、それは空へ舞ったそれを
誰もが見上げて/彼は見下ろしていた
奇しくも似たような光景だった、2年前に目の当たりにした苦渋と辛酸、進化と成功の記憶だ
そんな感傷に浸ってそう考えた自分に思わず苦笑した
———あれと比べるには些か矮小すぎる
空中で体制を整えた自分に、数多の銃口が向けられる。敵から見れば絶好の的だろう、だが———
「ア゛ア゛ア゛ァ゛!!」
ゴオ゛オ゛ンっと鐘が鳴ったかの様な轟音と咆哮が響く
思わず目を閉じていた者達が音の発生源に目を向けた
あれだけ敵を苦しめていた戦車の砲身は粘土の如くへし曲がって使い物にならなくなっていた
そして、何が起きたのか分からず困惑している者の内一人の視線へとソレは迫る
「チェストォ!!」
叩きつけられた拳は勢いそのままに、打ち抜いた顔面をそのまま地面へと叩きつけられ、地面を砕きながら意識を刈り取った
「こいつどっからっ!?」
「ッラァ!!」
「イタぁ?!」
驚愕しながらも銃を向けるより早く、振り向きざまに手榴弾を顔面へ投げつける。
投げつけたそれは、かなりの固さを誇りそれは一瞬ひるませ、重力にしたがってコロコロと地面に転がった
「って手榴弾?!やばい!爆発———アレ?」
「………ファ———!!!引っかかってやんの———!!ねぇねぇ、今どんな気持ち?!おもちゃに騙されてどんな気持ち!?見事に騙されてた滑稽なお前の姿はお笑いだったぜ⭐︎」
いつのまにか移動していた屋上で腹を抱えながら、好き勝手言ってくる姿に不良達の間で沸々と怒りがこみあげる
「そんなに好きならもう一個くれてやるよォwwほらよっ!!」
仮面のせいで顔は見えないがこちらをバカにする様な笑みを浮かべているのを想像しながら合成音声の煽りを聞いてしまったせいで、でさらに怒りが込み上げる
先程とは違う、ふざける様に投げ飛ばしてきた手榴弾のおもちゃを手で払いのけて———てかそもそもピンとか付いてねぇ!?マジのおもちゃじゃねぇか!
「……この煽りカスがァ———!!散々人様をおちょくりやがっ「さっきのやつがおもちゃだと言ったな、あれは嘘だ」……へ?」
いつのまにか持っていた何かのスイッチをわざとらしく晒して、ポチッと押した所で2回爆発が起きた
「バカがァ———!!わざわざ戦場におもちゃ持ってくる訳ねぇだろッこのっバーカ!!」
爆発をモロに受けた後途切れゆく意識の中で煽りを聞いた不良は「アイツいつか絶対殴る……」と恨みを残しながら意識を手放した
「ヒャッハー!!大戦果だ!!」
「想定以上だよ、ユクエ!みんな!戦車の押しつぶしだけ気をつけて、ラストスパートだよ!」
戦車と不良複数名、グループの一つがほぼ壊滅した事と戦車が実質使用不可になった事により均衡は一気にこちら側へ傾いた
「スズミィ!閃光弾貸して!」
不良集団を煽り散らかした俺は建物の影を利用してユウカ達と合流した
「わかりました!どうぞ!」
「ナイス!ではでは……今から不運で哀れな犠牲者を決めるゲームを行いまーす!!ちゃんと逃げ惑ってね⭐︎」
わざとらしく先ほど見せびらかしていた起爆ボタンを晒しながらそう宣言し、スズミから貰った閃光弾を振りかぶる
「わあああああ!?」「逃げろ逃げろ!」「赤い霧邪魔なんだけど!?」「あんなの喰らいたくねぇ!?」「私は戦車の物陰に逃げるぜ⭐︎」
俺が撃たれないように先生が指示出してるから楽やね……じゃけん……
「グッパイ⭐︎!」
比較的人数が集まっていた所へ投擲されたそれは、爆発ではなく、強烈な光をもってして周囲の者達の視界を奪い去った
そしてまさかの爆発ではなく、想定外の光によって攻撃された物達は混乱を極めていた
「目があぁぁぁッ!?目があぁぁぁッ!?」「爆発じゃな、グハァ!?」「ヌッ!?」
あまりの光によって蹲る者や立ち止まる者達をハスミが冷静に撃ち抜いていく、加えてそこへ……
「ハスミ、今から集まってるとこに特性手榴弾投げるから。それ撃ち抜いてくれない?」
物陰に隠れ微かに残っている不良達をやり過ごしているユクエがそう告げる
「……構いませんが、この流れ、いつ思いつきました?」
「いま」
「………そうですか、分かりました」(容赦ないですね……)
話を聞いていた4人((((ひ、人の心……))))
「そんじゃ……ほぉら、よっと!」
そんな事を思っている各々はそれをサポートすべく動き始める
先生はユウカやスズミ、チナツ達へ指示を飛ばしユクエへの攻撃を妨害し、ハスミは心を落ち着かせその瞬間へ備える
そしてユクエは懐から最後の誘爆用手榴弾を取り出し、それを未だ閃光弾の影響が残っている者たちの所へ放り投げた
地面へ転がりコロコロと転がるそれをハスミは容赦なく、精確に撃ち抜いた
それと同時に爆発と共に発生した赤い霧を残して、不良達の意識は闇へと落ちていった
こうして先生と俺達の初陣は、なんか色々な体液と赤い霧を残し幕を閉じた
「………ユクエ、なんていうか、こう……て、手心とかは…」
「………オワタ式してる俺への手心は無いんですか…?」
「………」(目逸らし)
「なんか言って下さい先生」
2ヶ月間投稿しなくてマジすんませんでした……
まっまさかマイコプラズマに掛かるなんて思わなかったんです……あと修学旅行にテスト……あっはい、全部言い訳です、すんません
後、先生の名前は時奈先生です
若干のイメージで言うならナツが似ています
ナツは顔もゆる〜んとしていますが先生は雰囲気がゆる〜んとしています
えっ?イメージがつかない?………なら最終手段です……この一言を残させて頂きます
"よわよわ"