ビナーがミサイルによる攻撃がユクエに命中する前に右足を再生
そのまま片足だけで避けるのではなく突っ込む
それは以前のユクエならば確実にしなかったであろう行動だった
あぁ、そうだ。そうだったよ。俺が間違ってた 未来を変えるんだ
そりぁ代償くらいはいるよなぁ
でも命はやらない、誰のもあげない、ただし
ミサイルが爆発する
強烈な爆風と熱が砂と共にユクエを襲う
だが、片足で前進した時、既にミサイルの直撃は避けていた。加えて爆風を利用し逆に推進力として利用しビナーに接近、飛び移る
右腕と再生した右足が飛んでいた、どうでもいい
痛い痛い痛い殺す痛い痛い痛い痛い痛い痛い殺す殺す痛い痛い痛い殺す殺す殺す殺す痛い痛い殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す殺す
ユクエの顔に狂気が浮かぶ。ただ眼前の敵を壊す為に、自己保存を投げ打ってただ、前へと。
一瞬肉体強化を最大にしてビナーの体を飛ぶ、飛んでいる途中で再生を中止していた左足を再生しきり、左腕、左足を使いもやは人間とは言えぬ様な獣が如き動作でビナーの体を駆け上がる
先ほどまでとは明らかに違う、自らを顧みないユクエの姿を認識したビナー
自らの体を駆け上がってくる敵を殺害すべく行動にでる
瞬間ビナーの体、主に背中にミサイル様の穴が開きユクエを爆殺するため自分の体ごと着脱させようとする
背中から発射されたミサイルが飛来する。それを確認し着弾前に右腕を再生させる。背中側からビナーの腹側へ飛び込み移動、可動域の取っ掛かりの様な場所を掴みミサイルを回避する
目論見通り背中側にのみミサイルは着弾し爆風などから逃れることに成功した
再び背中側へ移動ビナーの体を駆け上がる
目的はただ一つ
「殺す」
ビナーは体を唸らせ叩き潰そうとしたり引き剥がそうと抵抗して来るが腕を使い掴みながら移動
頭まであと少しのところでビナーは地面に頭から急接近した。このままでは地面に激突する事だろう、加えてミサイルによる自爆を同時に決行。先程の様な回避を潰しながら攻撃をしてくる
確かにこれなら先程の回避出来ずダメージは免れないだろう
だが
「いい手だな…さっきまでなら」
急停止しその時が来るのを待つ
明らからな自殺行為としか思えぬ行動だが最早常識の範疇に押し込める領域にこの男は生きてはいない
タイミングを見計らう
まだ、まだ…
初めの頃には既に動き出しているはずのタイミングでも動かない
今あるのはどんな状態になったとしても必ずこの敵を殺すと言う意志だけ
後少し、後少し……………今
ミサイルが大量に射出される、だが初めのミサイルが着弾する地点そこを少し通り過ぎた所へ移動する
結果当然の如くミサイルは着弾しユクエの全身を吹き飛ばす——————かと思われた
着弾時の爆風、ユクエはそれに乗った。
灼熱の熱風と衝撃は確かにユクエの肉体を破壊していく、だがそれも想定内。
背中が焼きつく。腕が、上半身が消えていく。だがそれだけだ。
元より足を失わない様に腕にダメージが行く様に体制を調整していたのだから
そのまま爆風に乗り、飛ぶ
体は空中へ投げ出されるしかしだ結果としてビナーの頭方向へ吹っ飛ぶ事に成功した
あと少しだ、あともう少しで届く、あと少しで殺せる、殺してやる
肉体と精神の最適化により本能と肉体は研ぎ澄まされている
圧倒的な格上、あまりにも不利な相性
それらに対抗するため自身の人間としての扱いをやめた、だがそれでも足りない
こんな物では無いと、未だ出し切れていないと、肉体と本能は告げている。全てを捨て去った者、力を積み上げた者が到達する極地に至れると、そう確信している
ビナーの頭にある眼球に目がけ吹っ飛んでいる、両腕がないためかはたまた爆風で飛ぶと言う無茶のせいか体制は無茶苦茶だ
しかしそんな中奇妙な感覚を覚える
今まで感じもしなかった感覚、ただ知識としてのみ知っていた極地
なんだ?包まれている様な感覚だ…でもどこも同じ様に包まれていると言うわけでもない…
むしろ常に変化している様な…
それは正に天啓とも言うべきな、突拍子もない結論だった
いつもの彼なら即座に一蹴していただろう、しかしこの極限状態の中で出されたその結論は不思議にも腑に落ちていた
まさか密度か?呪術廻戦においてフィジカルギフテッド達が認識できている空気の面!
それは己の持つ才全てを捨て去った者と歴代最強しか辿り着いていない極地
絶体絶命の状況、研ぎ澄まされた肉体と本能はその領域に指を掛けていた
もしそうだとしたら…
やる!絶対にモノにする!捉えろ、感じろ!
絶好のチャンス、これを逃せば、物にしなければ奴は殺せない。千載一遇ののまたとないチャンスを逃す手はない
全神経を研ぎ澄ます
そしてそれは…
「きたぁ!」
空気の面、それを捉え足場にしビナーの目に目掛けて落下する
その落下途中で肉体強化から再生力に切り替え右腕を再生させ再び肉体強化へそのまま雷鳴の如くその右腕を振り抜く
機械の体に振り抜かれたその右腕は深々眼球と思われるレンズとその内部を破壊しながら突き刺さりビナーはたまらず絶叫する
「GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!?」
油断はなかった、そもそもAIにその様な物はない。取り逃した人間の時も、今の敵の体の半分を消し飛ばした時も、尚も向かってきたときにもだ
明らかに初期の動きではなく己を顧みずただ此方を殺害する為に向かって来た、だがその程度だった
自身の攻撃を利用し此方に飛んでくる、しかし対処は容易だ。空中、しかも両腕が無く体制も無茶苦茶。多少動きが変化したが羽虫の様に潰せる様な状態——————
そのはずだった
なにも存在しない空中を蹴り、急落下してくる
対応出来ずそのまま眼球を抉られる
理解出来なかった
あそこには、何も無かったはずだ、足場になる様な物などなにも。空を蹴ったところで何も起こらぬはずだ
では何故今眼球を抉られている?理解出来な——————
ビナーが絶叫する、頭を振ってユクエを振り落とそうとするしかし
「逃すかぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」
左腕を再生させもう一度ビナーの目を貫く
右腕を引き抜き再び殴りつける
今度は左腕を引き抜き殴りつける
同じ様に何度も何度も繰り返し殴りつける
「GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!」
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛A ゛A゛A゛A゛A゛A゛A゛A゛A゛A゛A゛A゛A゛A゛A゛!!!!!!」
殺す!必ず殺し切る!
コイツの行動から2回目は対策して来る!
これで終わらせる!
その時ビナーは口を開ける
ミサイルによる自爆は対策された
それを考慮し今回行われるのはアツィルトの光による自爆
それを見たユクエがとった行動は…
「それがどうしたぁ!!」
口の中目掛け蹴りを打ち込む
それは自ら誘爆させる様な行為
足が溶けていく、近づいた所から炭化し黒ずみそして崩れていく、しかしその攻撃は確かに届いた。
収束され始めていたエネルギーは足を代償に誘爆し
ビナーとユクエを飲み込んだ……
アビドス砂漠に二つの影が走る
「まだですか!ユメ先輩!」
「あともうちょっとのばず!」
まさかこんな事になっているとは思わなかった
少し前ユクエのスマホから電話がかかってきた。
その時の少し前の私はやまぬ襲撃、横行する詐欺に憤りユメ先輩にあたってしまった
その後の事だ、いつもの様にユクエが尋ねてきた。教室のドアを開け私の事を——————砂祭りのポスターを一瞥した後目が見開かれる
素っ気ない返事をするが、直ぐに何か変だということには気づかれた。内心何か言及されるだろうそう思っていた。
しかし「用ができた、出来ればすぐ戻る」っとそう言い残し、一分一秒でも惜しいとでも言うように窓から飛び降り何処かに消えた
そんな事があった後だ、何があったのだろう?と思い電話にでる
「なんです「ホシノちゃん!」ってユメ先輩なんで…」
なぜかユクエのスマホから掛かってきたのに、聞こえてきたのはユメ先輩の声だった。よくよく聞いてみれば——————いや聞いてみなくても呼吸が荒い。
何が起こっているのか見当も付かなかった私は電話越しに尋ねた
「どうしたんですか、とゆうかユクエはどうしたんですか!」
「ホシノちゃんアビドス砂漠の方に来て!ユクエ君が…ユクエ君が死んじゃう!」
死ぬ?なぜ?どうしてユクエが…
予想外の言葉に頭がフリーズする、それほど時間は立っていないはずなのにどうしてそこまでの自体になっているのか分からなかった
「今、ユクエ君が私を逃すために囮をしてるの!とにかく早く来てホシノちゃん!」
ユクエが囮に?ユメ先輩を助けるために?
とゆうかなんでそもそもユメ先輩はアビドス砂漠に…
もしかして…
「私のせい……?」
私がユメ先輩と喧嘩したから………私のせいでユクエが死ぬ?
ぶわっと全身から汗が吹き出す、足元の感覚が無くなっていく、自身の体が平行に保てなくなる様な、そんな感覚が体を支配する
たった数ヶ月だ、共に過ごした時間はその程度だ
それでも彼は分け隔てなく私達に接してくれたのだ
廃校寸前の他校の私達に真剣に協力してくれた
時々遊んで、ぶざけたりもした
ユメ先輩を騙して良いように利用しようとする悪い大人達を襲撃したりもした
大変で、それでも笑みが溢れてしまう様な、そんな日常が心の底から楽しかった。本当にそう思えた
でも崩れていく
あの楽しく笑う声が、近くに寄った時に香る匂いが、笑みを浮かべて無邪気にはしゃぐ様な顔が、私の顔に添えてくれた手が、体から伝わってくる体温が、私を何よりも暖かく包んでくれた身体が
何一つ動かない肉塊になる
嫌だ
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!
行かなければ
手遅れになる前に
すぐさま気合いを入れ直し電話に返事をする
「今すぐ行きます!」
こんな事気休めにしかならないのかもしれない。それでも祈らずにはいられない
もしも神様がいるのならお願いします
ユクエを助けてください
「ハァ、ハァ…」
長時間ノンストップで走り続けたから息が苦しい、足が重い
だがユメ先輩が言うにはもう少しのばずだ
その時私達の目の先で爆発が起きた
「ユメ先輩!あそこら辺ですか!」
「うん!急がないと!」
砂漠を走り爆発が起きたところに到着する。そこには白い体をした巨大な機械の蛇の様なものがいた
顔あたりが黒く焦げており4つある目の内一つは壊れており恐らく先程の爆発が関係しているのだと予測する
横目でユメ先輩を見ると蛇に対して反応したのを見て咄嗟に構えるが蛇はこちらを一瞥した後、砂に潜って姿を消した
「今のですか…!?」
「うん…、とっとりあえずユクエ君を探さないと!」
「それもそうですね早く見つけないと…」
爆発が起きた事から戦闘をしていた事は間違いない。だからユクエも近くにいるはず……しかしそれらしき人影は見当たらない
見渡しても砂、砂、砂。だがそんな中ふと強風が吹き、砂が巻き上げられ思わず目をつぶってしまう
強風が止み目を開ける、そこには先程までと変わらない景色が広がって——————いなかった。
一面砂の地面に何か黒いものが見えている
大きさは人の半分ぐらいだろうか
ユメ先輩と私は何か手がかりになると思い近づいた、何一つ手がかりが掴めていないのだ何かあるかもしれない、そう思っていた。
そこにあったのは
「……え?」
思考が追いつかない、理解したくない、そんなはずはない
だってギヴォトスの人はそんな事にはならない、怪我をする事はある。死んでしまう事も確かにある。だが少なくともあの爆発程度でここまでは——————
だがその期待はすぐさま裏切られる事になる
ユメ先輩が絞り出す様な声で呟く
「ユクエ君…ミサイルの爆風で傷がついてたの…」
嘘だと言って欲しい、だってもし本当ならこの黒焦げた物体がっ……
ユメ先輩は信じられないような顔をして黒い物体に近づいていく
やめて、見たくない、知りたくない、信じたくない
コレがそんなはずはない、やめて、やめてください、私から奪わないで、行かないで
ユメ先輩が黒い物体の周りの砂を退ける
「嘘…」
「あっ…あぁっ...だめです、そんな…」
ユメ先輩は立ち尽くし私は力なくその場にへたり込む、自身の口からは涙ぐんだ声と嗚咽しか出てこない
そこには何一つ動かない、早々人とは思えぬほどの姿をしたユクエの上半身が転がっているだけだった
テストぉ?やっこさん死んだよ
俺が殺した(赤点の危機)
曇らせってこんな感じでいいんですか?
アドバイスをクレメンス…