書きために夢中になって更新忘れるとこだった やっべ☆
「なあ蛍、日依…アイツ、どう思う?」
「なんというか、変わった人だったね」
「向こうにしてみれば、蛍も充分変わってたと思うけどな…」
「それに…私、あの声に聞き覚えがあるんだ」
「声?」
声か…言われてみれば、私も引っ掛かるものがある気がする。しかしここまで波瀾万丈すぎて、どこだったか……うーん。
「そうなのか?オイラはわかんなかったけど…あ、でもアイツ『英雄の象徴』って言ってたよな?それなら知ってるぞ!」
「えっ、そうなの?」
「おう!風立ちの地にある、すごーく目立つ木のことだ!日依もきっと一目でわかると思うぞ!」
「ほんとに一目でわかっちゃったな…」
…いやほんと、一度見晴らしのいい場所に出て、風立ちの地の方角を見たら一目でわかってしまった。どれほどの
…で。ワープポイントを経てたどり着いたそのお膝元で、神秘的な蝶と戯れるウェンティさんを見つけたわけで。
「おや、来たんだね!そろそろ来る頃かなって思ってたよ」
「ウェンティ…本題の前にひとついい?私、モンドの風神についてもっと知りたくて」
「風神バルバトス…?あいつなら、もうモンドから消えたよ。隣の
「風魔龍は、風神の眷属だって聞いたの。風魔龍の過去については教えてもらっていたから、気になって…」
「ふぅん…そういえば、みんなは風魔龍をどう思っているんだい?気になるなぁ…まあ、そんなに急いで教えてもらわなくてもいいけどね」
風神とか雷神とか普通に出てくるから、思わず天(というか頭上の樹影)を仰いでしまうけど………気になる。さっきからこの吟遊詩人ウェンティさんのことがあまりにも気になりすぎる。思えばずっと風魔龍を親しげに呼び捨てしていたけど、風神を「あいつ」呼ばわりはさすがにライン越えだと思う。
「…ただ、不満を抱く者はいるみたいだね」
…しかしそんな思考も、
「っ…!?」
「うっ…すごい風…!」
「あの生き物は、そよ風の平原にしか現れないはずじゃ…どうしてこんなところに…!?」
「待ってパイモン、あれ生き物なの!?」
パッと見た感じは「中空に浮かぶ、鎧をまとった宝玉」なのだけど、パイモンいわくこれは『狂風のコア』という風元素生命体で……まあ要はスライムのめっちゃ強いやつくらいに思っていればいいらしい。なるほどつまり等級繰り上げ案件。…とは言うものの。
「くっそ近寄れない…さっさと下りてきてくれないか、なぁっ!?」
鎮圧の必要があるみたいだけどこいつ滞空時間が長いし、のし掛かりか回転突進の攻撃時しか接近できるタイミングがない。あいにく私も蛍も近接型、吹き荒れる暴風で『迅雷』もなかなか叶わないときた。くっそ、アンバーがいてくれたらな……そう歯噛みしつつ再び滞空に入った『狂風のコア』を見上げたとき、背後から飛んできた矢が相手に命中するのが見えた。
「ふぅ。風向きの影響を受けるのは、龍だけじゃないようだね…大丈夫かい?」
「なんとか…」
「ありがとうウェンティ、助かったよ!」
「ふふ、どういたしまして」
…ウェンティさん弓使いだったのか。おかげでだいぶ楽に鎮圧することができた。何度か吹っ飛ばされて痛いけど…いちおう血は出てないな。じゃあ痛むだけだ。問題ない。話を戻そう。
「そうだ、さっき誰かに龍の過去について教えてもらったって言ってたね?」
ウェンティさんは私たちが龍についてどう教わったのかが気になるらしい。ので、情報のすりあわせを行うことにした。リサさんが話していたことと、彼女から受け取った『森の風拾遺集』で読んだこと……人々はモンドを守った
「そうだったのかい?リサという人は、そんなふうに考えてるんだ……そう、ここまで来たのは双方が武力行使を始めたからさ。でも彼の憎しみの始まりは、人々が四風守護を祀らなくなったからじゃない。…あれは自然に生まれた憎しみなんかじゃないんだ。腐蝕された後の産物だよ」
「腐蝕?」
「心臓に流れ込んだ黒い血が彼を苦しめて…何年もの間、穏やかに眠れていないんだ。だから今回、目覚めた彼の精神はアビスの魔術師の
「
唐突に出てきた、私の耳にはすっかり聞き馴染んだ言葉。思わず身を乗り出してしまいそうになるけれど……ここは住み慣れたあの世界とは違う。早計はいけない、まず知らない部分を埋めなければ。…"呪い"を行使できる"アビスの魔術師"。蛍はモンドの街中か、騎士団本部かで名前は聞いたことがあるらしいけど…
「人ならざる者によって結成された『アビス教団』…人類の敵となる組織だよ。ボクも彼らのことはよく知らないけど…人間の世界に対して、深い悪意を持つことは知ってる。荒野のヒルチャールも奴らの指揮で動き、奴らの手足となっているんだ」
「そんなのもいるのか…」
人ならざるものども………要するにあの、特級呪霊の集団みたいなことか?嫌なものを思い出して、思わず自分の首に手が伸びた。…確かな体温と脈拍。過ぎたことを打ち払うようにかぶりを振ったら、ふと思い出すことがある。
…そういえば。サ…冒険者協会の人*1の依頼を受けたとき、雨の降りしきる草原でヒルチャールと共に現れた赤いやつ。周囲のヒルチャールよりも強かったけれど…あいつがアビス教団だったのだろうか?
「…ここに来るまで、ボクもトワリンと同じ呪いに蝕まれていたんだ」
「えっ」
…まあ、ウェンティさんの爆弾発言で一気に引き戻されたけど。思わず目を丸くした私に、ウェンティさんはふふ、と笑った。…苦しんでるそぶりもなかったし、あまりそういうふうには見えないけど……でも、思い返せば風魔龍の呪いにも気づかなかったしな…。
「驚いたかな。でも今ボクたちがいる場所は『英雄の象徴』、モンドの全ての源だ。木々の隙間から流れる風は心地よく、ボクの好きな匂いがする……この木陰の下にいると、龍の涙が浄化されたときみたいに、ボクの中にある毒が消えていくんだ」
「…どうして、毒を?」
「それはまあ…前にトワリンと会話しようとしたときに、誰かさんに邪魔されてね?それでトワリンの呪いを払うどころか、こっちにもアビスの毒が移っちゃったんだ」
「うぐ…つまり、私たちのせい?」
「そうだよ?」
ぷくーっと頬を膨らませるウェンティさん…これがあざとかわい、この流れ前もやったな。私がいない間に何をやってたんだと蛍にジト目を向ければ、そんな大事な場面だったなんて知らなかったとのこと。
「そういうわけで、蛍。お詫びにボクと一緒に、モンドの大聖堂まで来てくれないかい?」
「大聖堂?何しに行くんだ?」
「取りに行くんだ。ライアー…『天空』をね」
・日依
神の話がまだ半分ファンタジー。たぶん彼女の脳内には尾形光琳画の金屏風が浮かんでいる
ウェンティの呪いには気づかず。一回どこまでを視認できるのか確かめたいけど、気軽にできることじゃないんだよね…
首に添えられた冷たい手の感触をまだ覚えている。
・蛍
日依と会う前のてきごとがここに来て重要になってきてちょっと大変
拡散反応の雷ダメージはさほど気にしてないっぽいという余談
・パイモン
帰ってきた案内役ポジ
・ウェンティ
本作2人目の弓使い
まさかの被呪者(?)であった。そぶりも見せなかったのはつとめて装っていたのか、軽かったのか、強いのか…