サブタイに悩んだり急に咳が止まらなくなったりしてたら半月が経ってしまったよ
「おかえりなさい、僕のファンたち。あっ、それは天空のライアー!うまくいったみたいだね!」
例のごとくワープポイントを利用してモンド城内に帰還。その足で『エンジェルスシェア』に踏み込めば、さっそくウェンティさんに出迎えられた。…指名手配されてるとは思えない応対の早さと、ディルックさんが思いっきり顔をしかめたのはさておき。店の中にはジンさんも残っていた。聞くところによるとウェンティさんに説き伏せられて、短い仮眠をとっていたらしい。
今回も超常的な秘境探索になったけど、ファデュイに持ち去られた天空のライアーは無事に取り戻すことができた。蛍が(相変わらず謎の収納から)取り出したライアーを受け取っ……あ、浮くの?そういえば結晶の時もこうだったな…色々ありすぎて頭回ってなかったか……
「うんうん、風の流れるような模様と薔薇の木の木材、少し冷たい星鉄の弦…懐かしいなぁ…」
…まあいいや。浮いてるだけだし、呪胎とかとそんなに変わらないか*1。蛍が取り出したライアーを見て、ウェンティさんは目を輝かせた…かと思うと、その目付きは
「どうだ?それを使ってトワリンを呼べそうか?」
「うん…確かに、これは本物の風神の至宝。だけど、今はまだ無理だよ。…千年の時を経て、風の力はとうに枯れてしまった。ディルックの酒場で歌うくらいならできなくはないけど、この状態じゃ…」
「僕の酒場のステージに出演したい歌手はたくさんいる、君の出番は当分来ないだろう」
「ツッコミ所はそこではないのでは…?」
「おい!天空のライアーを手に入れたのは、酔っ払い相手に歌を聞かせるためなのかよ!?」
「えへっ☆」
「えへっ☆ってなんだよ!!」
「否定しないんだ…」
「とにかく、トワリンと話し合うには、これじゃまだ足りない。でも問題なのはライアーじゃなくて、弦のほう…君の出番だよ、蛍」
若干食い気味にズレた反論をするディルックさんといい、非難を甘んじて受けちゃうウェンティさんといい……まあそんな突然のツッコミ所の奔流はわきに置いておくとして、なにやら蛍の出番らしい。急に話を振られた蛍は目を真ん丸にしてる。
「私…?楽器の修理なんて、やったことないよ?」
「安心して、そういうつもりではないからさ。風元素の濃度が、この弦にはまったく足りてないんだけど…君はトワリンの涙の結晶をきちんと保管してるよね?」
「うん…これだよね?」
蛍の手の中に、どこか*2で見たような青色をした雫型の結晶がふわりと浮かび上がる。
「よし、じゃあそれを天空のライアーの上に落としてみて」
「わかった、ええっと…」
上に落とす、とは?と首をかしげた私をよそに、蛍は浮かんでいた結晶を一旦手のひらに落とすと*3、そのままライアーの弦に向かって落として―――
「…っ!?」
「よし、想像通りだ!」
…予想していた、結晶と弦がぶつかる音が鳴ることはなく。青く輝く結晶は、ライアーに浸透するようにスウッと消えてしまった。ライアーのほうは…なんだか、材の色が明るくなったように思う。
ウェンティさんの嬉しそうな声に応えるように、蛍は持っていた他の結晶*4も同じようにライアーへ落としていく。やっぱり音は鳴らない…うーん。よくわからないけど、"
「なんだか、だんだん若々しくなっていく感じがする…」
「団長も一緒にか?」
「天空のライアーの話だ」
「蛍が結晶を浄化してくれたおかげで、天空のライアーの風元素がこれ以上枯れることは防げた。けど、満タンになるまでにはまだまだ足りないね…。トワリンの涙がもっとあれば…」
「…泣かせに行くの?」
「そんなことはしないよ!?そんなことはしなくても…今でも、トワリンは泣いてる。苦しみを抱えて、ひと気のないところでね」
「そっか…ごめん」
素直に思ったことを口に出したら存外驚かれてしまった。うーんいけないいけない…呪術師のイカれた部分はしまっておかねば。私、バッドコミュニケーションは避けたいタイプ。
まあそれはそうとして、要するに私たちはこれから、トワリンの涙を集めなければならないらしい。ひと気のないところで。
「…これは栄誉騎士だけが抱える問題ではない。私たちも、すぐ行動に移そう。涙の結晶を入手したら、また栄誉騎士に浄化を依頼させてもらおう」
「うん、そこは任せて」
「私のほうは無理だけどね…」
「うんうん!いいね…英雄たちが互いを信じ、一緒に旅に出る展開。最高だ!この曲でみんなを見送るとしようかな」
「おいオマエ、サボって口だけ出すつもりか!?」
「弦を弾くのには手も必要だけど?」
「ムカつく~~~!決めた!これからオマエのことは"吟遊野郎"って呼ぶぞ!」
「安直…」
思わず正直な意見が口をついて出てしまった…どうやらパイモンなりの嫌がらせのようらしいのだけど、当のウェンティさんはけらけらと笑うばかりで、効いてる様子はなかった。つよい…。
さて、また夜を明かすに当たって…昨晩の私は清泉町で依頼を完遂したついでに宿も借りたから知らなかったけど、栄誉騎士の爵位を得た関係で、騎士団の隊舎に部屋がもらえたらしい。昨日ジンさんから告げられたという蛍に教えられて目が点になった。
蛍と私は隣同士だけど別部屋…当たり前か。でも本来いるべき
「混沌としてるなぁ…」
現在、蛍が持ち物の整理中。相変わらず謎の収納からは、食材から武器に至るまで本当にたくさんの物が出てくる。なんというカオス…ちなみにどう収納してるのか訊いたけど、元素視覚の時と同じ要領を得ない説明が返ってきた。知ってた。あと普段使いの片手剣は場所が違うのだとか。ナニソレ…。
「
「言われてみれば…ストレージの中は時間が止まってる、とかなのかも」
「なるほどそういう…砂時計とか入れたらそのまま出てくるのかな」
「あぁ…確かに、ちょっと気になるね」
今この場で整理してるのは、「何が入ってるかはなんとなく把握できてるけど、定期的に目で見て確認しておきたい」とのこと。気持ちはわからなくもないし、ちょうど手空きなので*5私も手伝っている次第。パイモンも
「そういえば、日依は結晶の浄化が無理だって言ってたよな?」
「ん?そうだね…」
「けど、日依もなんか不思議な力使えるだろ?あの闇よ~ってやつとか…」
「帳は本当に結界を張るだけだよ…。蛍の力と私のは、たぶん…とかじゃなくて、確実に別の物だからさ」
小さい手で人差し指と中指を立てて真似をするパイモンは微笑ましいけれど……私の
「…まあ、解釈次第では……できる可能性、なくもないかも…?」
「あれ、そうなの?」
「んー…いやでも、このやり方だと結晶そのものが弾け飛ぶかな…」
「弾け飛ぶの!?」
「本来は攻撃に使うやつだから…うん。考えるほどリスクしかないし、やっぱ無理だね」
益体もない妄想はやめやめ。時間が無駄になるだけだし。そもそもあくまでも
「…日依って、前の世界でどうしてたんだ?」
「パイモン!」
…素で出たと思われる質問がパイモンから来て、蛍の鋭い声が飛んだ。
「だ…だってよ、気になるだろ!?蛍みたいに冒険に慣れてる感じは全然しねーけど、スッゲー強いし…蛍だってあの『ファデュイ』の隠れ家で、天空のライアーの前で戦ったときのこと気にしてただろ?」
「それは、そうだけど…」
「天空のライアーの前って…あの炎元素の?」
「うん…日依が速くて、なかなかついていけなかったから…透明化されても、日依は絶対に見失わなかったし…」
「…でも、蛍は無遠慮に聞いていいことじゃないって思ったわけだ。優しいね」
蛍が気まずそうな顔をする一方で、質問を投げ掛けられた私の心は思いのほか凪いでいる。俯く蛍の頭を撫でるくらいの余裕はある。近寄ってきたパイモンのほっぺをもちもちする余裕も。
「…『故郷は捨てたことにする』って言ってたし、あんまり踏み込まない方がいいのかなって、思ってたんだけど」
「別に、そのうち訊かれるかもなぁとは思ってたよ。"そのうち"が来たってだけ」
「訊かれるって思ってたのか…?」
「動けすぎてる自覚はあるからね…むしろ、動けすぎなきゃまともにやってられないことだったんだよ。毎日が命懸けの
「「化け物退治?」」
言いながら
・日依
色々真面目に考えるだけ無駄か、と思う呪術師。自らの術式と同じ扱い
新しい世界が鮮烈すぎたのもあって、そこまで深刻に引きずってはいない模様。そのうち訊かれるとは思ってたので、ある程度ぼかしつつ話してしまうつもり
・蛍
うちの旅人は配慮ができる。これにはお兄ちゃんもにっこり(願望)
日依の話に耳を傾ける
・パイモン
話を進めるに当たってこの子の存在が本当にありがたい
思っきし踏み込んじゃったけど本人は穏やかだった
「えへってなんだよ!」は海外ユーザーに大人気らしいという余談
・ウェンティ
鋼の心臓を持ってる系吟遊詩人
傍目には色々隠しきれてないように見えるけどまだ誤魔化せてる
なんかどこかゴジョセンに似てる気がしてきたぞ…
・ディルック
何の肩書きで呼ぶのが最適なのかいまいちわからない旦那
ツッコミには向いてない
・ジン
今は騎士団長代理ではないオフモード。でも真面目な仕事人なのは変わらない。ちな仮眠は公式設定じゃないです念の為