また投稿忘れててめっちゃ開いちゃった…
「いたな。あそこだ」
「ほんとだ…蛍、ジンさん!」
名前を呼びつつ駆け寄れば振り向く二人(あとパイモン)。以前巡った神殿のような建造物の前で小休止をしていたようだ。
「日依!どうだった?」
「千風の神殿ドンピシャだったよ。とりあえず1個は確保した」
「ずいぶん早かったな?」
「そこはまあ、ディルックさんが…ね?」
…そう。行ったことのない端のほうだったのでかなり時間がかかりそうだな…と思ったけれど、ディルックさんが近くのワープポイントを使えるらしかった。一体何なんだろうこの人は…と内心
「それで…ここですか」
「ああ。『鷹の門』と呼ばれる遺跡だ。今はすっかり廃墟と化している」
私が持っていても仕方がない紅い結晶を蛍に渡して、さっきからずっと視界の端にあった建造物を見やる。…石造りの扉には蔦が這い回り、鬱蒼と繁る木々に遮られて建物の全貌は見ることができない。
もはや扉がぴったり閉じてるのが不思議なくらいの廃墟具合だけど、今からここに踏み込むらしい。…あるんかなホントに、この中に。あるとしたらわざわざ隠されたようなものだと思うけど……厄介者の気配があるような、ないような。
石造りの門を押し開いて、中へ踏み込めば…
「これは…」
「秘境の中も苔むしたりするんだな…」
「打ち捨てられて久しい廃墟ならこんなものだ」
遺跡の外に広がっていた緑が、中にまで侵蝕してきている…そんなふうに感じられる景色が広がっていた。空中で孤立していた足場から風の翼で飛び立つ。
少し離れた順路に降り立って、待ち構えていた弓使いのヒルチャールはディルックさんがあっさり斬り捨て*1、そこから垂直の壁を攀じ登っていくと、
「うわ、また弓矢いる!」
「これは…接近して片したほうが早いね!」
少し離れた高所に弓使いが2体。足許を流れる水路を飛び越え、なんかいた炎スライムを踏み台にして跳び上がった。…驚異の飛距離は『鎧袖』の
「gua!?」
「てやぁっ!!――え、うわぁっ!?」
薙ぎ払った勢いそのままの回し蹴り。目算と違わずそのまま決まって……ただひとつ誤算だったのは、ヒルチャールの横にあった樽が爆弾だったこと。防御姿勢もとれずに吹っ飛んで―――ぐえっ。…あ、危ない。水路に落っこちるところだった。けど対岸に戻ってしまった…。
「…あれ、水路の中に宝箱ある…」
徒渉しようと決めて、ふと気がついて…まあ向こうの戦闘は終盤のようだし*2。とりあえずモラ一掴みと…よくわからないけどいかにもな金の杯*3と、翡翠色のメダル*4くらいは拾っておこう。こんな
「あれ、そんなとこに宝箱あったの!?」
「あはは…お互いすっかりバトルの頭になってたね」
まあ、気を取り直して先に進もう。まだまだ序盤だろうし…
「おわ…」
…そういえば、ジンさんが戦うところを見るのはこれが初めてか。さすが風元素というか、あの片手剣が振るわれるたびに、この場の風が渦を巻くように感じられる。
「せぁっ!!」
「gyaa!!」
大きく踏み込んで斬り上げればヒルチャールは宙を舞い、加えられた追撃で消し飛んだ。…騎士団長代理の肩書きを裏付ける確かな実力。それを細やかに伝えるには確実に私の語彙力が足りてない。
「風域が出たな…ここから上に進むらしい」
「あっちかな?滝の上のほう」
風の翼を広げて上へ。見立て通りの場所にあった順路の先には、以前リサさんと行った秘境で見覚えのある空中足場。大丈夫だよパイモン、今度は落っこちそうにならないよう気を付けるから……しかし今はまだ余裕あるけどこれ、もう3人くらいいたら確実に
まあ、無意味な邪推は置いとこう。空中足場の先に見えてきた新たな建造物は、近寄れば扉が開いて…
「やっぱ魔物はいるよね、っ!」
「日依!?」
奥に厄介な杖持ちをの姿を認めたので、目についた雷スライムを蹴っ飛ばして怯ませることにした。的が大きくて結構。そのまま近接して――向こうもご立派な杖を振り回して応戦してくるけど、真希やパンダの一撃に比べればなんとも可愛いものだった。水元素なんだ?それはそれは、
「これがよく効くんじゃない!?」
『鎧袖』を乗っけて振り抜いた渾身の一撃。ヒルチャールはもはや声もあげずに、紫電を散らして爆散していった―――
「っ、このパターン…!」
「アビスの魔術師…!」
忽然と現れた、いつぞやの赤い魔物。こいつがアビスの魔術師だったのか…ウェンティさんが言うところの、"呪い"を行使できるとかいう……ジンさんの言葉でようやく確定した。
それはさておき*5、今は眼前のこいつを倒すことだけを考えよう。倒さないと先へは進めないようだし…
「く、っ…シールド固いな…」
「水元素が一番効くんだって!前は雨が降ってたからなかったのかも」
赤い魔術師は、自ら張った球状のシールドに包まれてる…苦手なやつだな。今の長杖はなんの取っ掛かりもないシンプルな円柱だから、なおさら表面を滑ってしまう。…ま、私としては一度
「なるほどね…まあ、ダメージ入れてたらそのうち割れるでしょ!」
攻撃を避けつつ、タイミングを見計らいつつ…今!そうして伸ばした左手の先から、目印が混じったシールド目掛けて、『迅雷』が
「ここからまだ上…どこだろう?」
「あ、そっち!宝箱!」
…はい。赤い魔術師のとどめはジンさんが刺しました、とだけ言っておきます。譲ったとかそういうんじゃなくて立ち位置と練度の問題。
現れた宝箱に嬉々として駆け寄っていった蛍はさておき、開いた扉の先には…何もなかった、かと思いきや上向きの風域が鎮座(?)していた。素直に風の翼で上昇してみれば、屋根の上には真っ白な宝箱。
「…あった…」
そして…果たしてその中には、禍々しい雫型の結晶があった。本当にあったよ流石と言ったところか。きゃいきゃいとはしゃぐ蛍とパイモンを眺めていたけれど、ディルックさんのバッサリいう言葉に一気に引き戻されることとなった。
「油断するな。風魔龍の状況は、いまだ危険なままだ」
「ぁ…そうだった。これをウェンティのところまで持っていかないとだね」
「それに…『ファデュイ』の方にも何か動きがあるかもしれない」
「『ファデュイ』…」
「ディルック…最近、『ファデュイ』があなたのことを"好まざる人物"と宣言したそうだな」
「ふん、光栄なことだ。そもそも、彼らは誰かを"好ましい人物"だと宣言したことはない」
「スネージナヤの使節団とディルックの旦那って、どういう接点があるんだ…?」
…思わずパイモンと同じように眉をひそめてしまう。
「…『ファデュイ』は、騎士団にとって厄介なだけでなく、今やモンドの脅威でもある。モンドを脅かす全てに対し、ディルックは…」
「いいんだ、ジン。君ら騎士には、"外交役"を名乗るクズ共に直接手を下せないほどの制約がある。僕は至って個人的な美学をモットーに、彼らの横暴さを嫌っているだけだ」
「なんか強烈な三人称出たな今…」
何やかやと話しつつ秘境をあとにすれば、外はやや日の傾いた時間帯。…あれ、そろそろ暗くなってるかなぁと思ってた。外の明るさが秘境の中に反映されないのは経験済みなもので。
どうやら思いのほかスピーディーに済んでいたらしい。まあ実力者が二人もついてて、私のほうも本調子が戻ってきたからかな。あとはアンバーとかウェンティさんもいれば遠距離もカバーできて最高…いやまあ、まだ私の知らない実力者は多くいるんだろうけどさ。分かりやすいところなら、ジンさんは
そんな他愛もないことを考えながら武器を仕舞って、なんの気なしに左腕に触れれば、ざらついた
「…日依?どうかした?」
「ん?んーん。なんでもないよ」
さてさて、私的な考え事はここまでにしておこう。呼ばれたし。とりあえず、今後の動向についてしっかり聞いておかないと。
・日依
今(というか2話前)までの活躍は左腕にハンデを負った上のものだった呪術師
アビスの呪いとやらがちょっと気になる。まったく別種のものだろうけど
・蛍
今回はあんまり活躍書けてない
なんか今日の日依すっごく元気じゃない…?
・パイモン
イルヨー
やっぱあれだろ、腕の包帯外れたからじゃないか…?
・ジン
まだ日依の前で元素爆発は使ってない。というか日依との共闘が初
日依からはすっかり「さすが騎士団長…」の目で見られてる
・ディルック
まだ旅人一行の前で元素爆発は使ってない
仕事人すぎてキャラが掴みきれない
結界術に夢見ちゃってもいいんでしょうか…と思う今日この頃
まあ入れて6人程度のサイズなんだけど