呪雷跋渉記   作:諸喰梟夜

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スランプ気味ですが\\滑り込み7月//はかましておこうと思いました、まる



風魔龍

 

…君か…今更、話すことは無い…

「そうかい?ボクの見間違いだったかな。君の目は、この曲を懐かしんでいるように見えるよ」

 …『星拾いの崖』の先で羽ばたき滞空する、空のような明るい青の身体をもつ龍……あれが、トワリン。

 一応言っておくと蛇のような東洋の”龍”ではなく、前肢後肢も翼もある西洋的な(ドラゴン)だけど……まさかこうして会話が可能とは聞いてなかった。そして今、『星拾いの崖』の突端にて、そのトワリンとウェンティさんが言葉を交わしている。思わず蛍のほうを見やれば、同じようなことを思ったらしいジンさんと視線がぶつかった。

 

「本当に、話が…!」

「っ、」

 害意…!視線を(ひるがえ)せば、ウェンティさんめがけて飛ぶ青白い光が目に映った。出したままだった長杖を――っ駄目だ、この距離じゃどうやっても誰かを巻き込む―――!

「うっ!?」

「っあ、」

「おい、吟遊野郎!?」

―そいつに騙されるな、憐れな龍よ

 駆け巡らせた思考も虚しく、天空のライアーがウェンティさんの手から弾き飛ばされた。ウェンティさん本人は立って、でも左腕を押さえてる。反射的に駆け出した私たちの耳に……第三者の声。()()は、トワリンの陰から姿を現して…

「っ…アビスの魔術師…!」

そいつは其方(そなた)を捨てた…ほら、今もまた其方のことを騙しに来た!

バルバトス…!

憎み、憤るといい…そなたはモンドを敵にしてしまった、もう戻れぬ!

 『鷹の門』で見たやつの色違い…あいつらも流暢に喋るんだ。天を仰いで咆哮をあげたトワリンの様子が、(まと)う雰囲気が変わる。さっきまで、ウェンティさんと話していた時とは違う、感情任せに暴れるような…()()()()()()()()()()()()()()

 

そいつらは…君と共に、我を殺しに来たのかぁっ!!

「違うっ!」

この龍は()()()に仕えるべきだ!其方達はそこで、自分の無力さを嘆くがいい!!

 そうだ…前にウェンティさんが言っていた、"アビスの魔術師の呪いによる腐蝕"!なんとか、少なくとも今アビス(あいつ)だけでも引き剥がさなければと思うけれど、っ…轟々と吹きすさぶ風に、目も開けていられない……!

 そうこうしているうちに、何か意味深な言葉を残したアビスの魔術師と共に、トワリンはどこかへ飛び去ってしまった。…あとには私たちと、暴風に荒らされた草原と、壊れた天空のライアーが残されて。

 

「トワリン…」

「くっそ…何もできなかった…」

 …もちろんわかってる。ここからマーキングのない『迫撃』(ただの放電)を放っただけじゃ、トワリンを巻き込む…むしろ、体躯の大きいトワリンにほとんど流れてしまっていただろう。この立ち位置で、あの距離感で、しかもあの強風の中じゃなおさら。…あの野郎たぶんそこまで考えてただろうな。自分への攻撃を、トワリンへの攻撃にすげ替えられるように…。

 だからそれは、今選べない選択肢だった。だけど…()()()()()()()()()()()()()()()、というのは本当に悔しい。道理で言い聞かせたところで無力感は消せなくて、意味がないとはわかっていても、トワリンが消えた方角を目で追ってしまう。…「日依?」と声をかけられなければ、ずっとそうしていただろう。

 

「っあ、ウェンティさん…怪我は…?」

「あれくらいならボクは平気だよ」

「バル…ウェンティ殿。自分の身を守ってください」

 振り向けば寂しげな表情のウェンティさん。ただ…押さえていたはずの左腕には傷ひとつ見えなかった。困惑していると、ジンさんもウェンティさんを呼ん…”()()”…?

「ふふ、ボクの正体はとっくにわかってるんだろう?ジン。でも、その名前でボクを呼んでくれてありがとう」

 ジンさんへにこやかに答えたウェンティさん…()()というのが恐らく、ジンさんが言いかけた"バル"から始まる言葉………只者じゃない感はずっとあったけど、教会で言ってた『ボクがバルバトスだ』って……そう、なのか。私の中の神観がいま塗り替えられようとしている…これが、多様性の時代…?*1

 

「天空のライアーはどうなった?まだ弾けそうか?…それか、龍の涙でまた直せそうか?」

「んん…こんなふうに壊されたら、もう無理かもしれないね」

 ウェンティさんが視線を落とす腕の中には、光を失った天空のライアー。あれほど(みなぎ)っていたエネルギーはもはや欠片も感じられず、心なしか古写真みたいに煤けて見える…なんてあからさまな、というのは一旦置いとこう。

 念のため長杖は握ったままにしつつ、さっきのトワリンを思い返す…まだ会話が成立しそうな様子だったのが、アビスの魔術師が(ささや)いたとたん、怒りに満ちた凶暴な様子へと早変わりした。そんな"腐蝕"……トワリンは、こちらの想定よりもだいぶ悪い状態であるらしい。

 

「やっぱり腐蝕の根源を倒さない限り、トワリンが受ける苦しみは減らないだろうね…」

「では、騎士団を召集して追跡を」

「その必要はない。ついこの間、四風守護の神殿であいつの同類を斬ったことがある」

「え!?それっていつ…?」

「あの怪物達を追跡するなら、僕の情報網と手口があれば事足りる」

「ディルックの旦那…騎士団が嫌いなのに、自分のやり方でモンドを守ってるんだな…!」

 …うーん。感動した!って感じで目をキラキラさせてるところ悪いけどパイモン、そこは”()()()”というより”()()()()()”じゃないかと思う。当のディルックさんはほんの少し眉根を寄せて渋い顔になっていたけど、すぐにいつもの凛々しいお顔に戻っていた。

「ふん…とにかく、僕の情報を待つといい。…ヤツらに分からせてやる。アビス教団がどれだけ好き放題な連中でも…モンドでは、やってはならないことがあるとな

 …訂正。いつもの凛々しいお顔だけど、瞳の奥には静かで熱い炎が宿っていた。怒らせちゃ駄目な人のそれだ……まあ相手は魔物だし、思うところはないけど。

 

 

 

 

 

*1
そういうわけではないと思う





・日依
派手には動けなかった。みんなそうだったし仕方ないんだろうけど悔しいものは悔しい。

・蛍
イルヨー
原作主人公なのに全然出番なくてすまない…

・パイモン
また吹き飛ばされそうになってる(確信)
またとっさに蛍の髪を掴んでたりするかも

・ウェンティ
A:風神バルバトス
実際(原作魔神任務で見ても)左腕はあっという間に何ともなくなってる

・ジン
上記の答えには感付いてた。風魔龍の状態に愕然

・ディルック
冷徹なようでいい人な一面が顔を出していたり
☆旦那、キレた!!

・トワリン
意志疎通が可能な風龍(ただし闇堕ち中)
余談ながら某眼みたいな青だな…と思った筆者でした


今までお世話になってた実況の方が復活しなさそう(さもありなん)なので他を模索中……なのもあってあまり進められておりません……シバシオマチヲ………
やっぱオープンワールドだしそりゃみんな探索がメインになっちゃうよな…


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