呪雷跋渉記   作:諸喰梟夜

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ハッ完全に更新忘れるとこだった
引き続き探索フェーズかも



風龍廃墟 - 参 -

 

 

 さて。ひとまず塔の頂上からは、風の翼を広げて壁の大穴から飛び出す形で降下し*1、大穴から見えていた導光装置へ向かう。

 …まあ、特筆すべきことは特になかった。必要なパーツが3つで、うち2つが高所にあったことくらい。目ざとく見つけた蛍がそこへ塔から直接下り立って回収していて、残りの1つは装置の附近にあったので、とてもあっさり解決してしまった。

「おぉ…ほんとに消えた」

「代わりに、あそこの床に開いてた穴が閉じたみたいだね?」

「光の輪が地面になったのか?この『導光装置』って、本当にすごいんだな!早く次の装置を探そうぜ!」

 

 起動した『導光装置』が(まばゆ)く光りだすのと同時に、遠目に見えていた塔を囲む青い輪のひとつが霧散した。なんて壮大な仕掛け…そしてよく見えるなぁウェンティさん……。

「あと2つ…これ、手分けして探したほうがいいかな?」

「そうかも…だけど、まず地図を確認してからかな。開くといいけど…開いた!」

「!?…未踏の地だったはずなんだが…」

「あぁ…なんだかこれ、七天神像に触れるたびに広がっていくみたいで…」

 あ、蛍のマップってそう開くんだ…。みんながそっちを(のぞ)き込んでいる一方で、私も忘れかけてたスマホをこっそり起動して見れば、ちゃっかり現在地で開いて表示された風龍廃墟のマップ……うん、ややこしいことになりそうだから黙っとこう。

 ともかく……ひとまず上が北と仮定して、入ってきた深い谷が南だから、今いるのは塔の東側。となると、あとは北と西にあると考えるのが自然かな…?

「このまま行こう。分かれる必要性は感じないし、何かあったときを考えても一纏(ひとまと)まりで動いたほうがいい」

「そういえば遺跡守衛とかいましたからね…南のほうだったけど、他にもいないとは限らないし」

 

 

 

 道中でスライムやヒルチャールを片付けたり、突如現れる竜巻を避けたりしつつ。たどり着いた北の『導光装置』は、仰々しい石組みの土台の上にあった。

「た、竜巻怖かったぞ…」

「一応、ここまでは来ないみたいだね…。けど、装置のパーツは…近くにはなさそう?」

「まあ、引き離しておくのが普通だろうからね…」

「…見つけた。向こうだな」

 ディルックさんの示す先は北側、風龍廃墟の外縁部。確かにきらきら光るものがある…よかった、竜巻が猛威を奮うエリアとは真逆で。内心そうホッとしたけれど……

 

「うあぁっ!!」

「日依…きゃ!?」

 …まさかヒルチャールが1つ、集落に持ち帰っているとは。しかも燃え盛る戦斧を振り回すデカブツが颯爽と現れて、いま結構余裕がない。

 いやまあこのデカブツ…炎斧のヒルチャール暴徒には、冒険者協会からの依頼で何度か出くわしたことがあって、倒した経験もあるんだけど……今は一緒にいる草元素杖持ち(シャーマン)が非常に面倒くさい。痛いバリケードが本当にウザいし、炎斧の火力が上がる…っ!

 とはいえそいつも含めてディルックさんが相手取ってくれてるし、装置のパーツはもう拾って、私についてきてくれてる*2からいいけれど……というか回収はできてるから、正直放っといて離脱してしまってもいいんだけれど、向こうがそれを許してくれない…!

 

「こっちだ、二人とも!」

 焦燥感に駆られていた私の耳に、ジンさんのよく通る声が届いた。とっさに矢を避けがてらそちらへ向かえば、ジンさんは剣を真上に向け、端然とたたずんでいて。

「――風よ、私に応えるのだ

 背後から猛然と迫りくる跫音(あしおと)が響いていても、その言葉は聞き取れた。刹那―――ジンさんの剣から四方へ放たれる翡翠色の光。それを追うように、ぶわりと強い風が吹いた。

「あ…っ、これは…」

 …ほのかに光る円形の領域で、優しく渦を巻く風。それが私の体に纏わり付いていた炎や、食らったダメージを(さら)っていくような――その一方で、背後のヒルチャール暴徒が呻き声をあげて、動きを鈍らせる。

「もしかして…ジンさんの、元素爆発?」

 蛍がつぶやいた単語に、記憶をたどって……そうだ、確かモンド城を訪れる前の道中でアンバーが話してた、"ここぞって時に使う大技"。ジンさんのこれは…まるで領域みたいだ。それも、他でもない――

「日依、行こう!」

「っ、うん!」

 …っと、考え事はここまでにしよう。せっかく回復したんだから、ここで決めなきゃなんとやら。全身に雷を纏わせ、ひと息に飛び出し――よろめくヒルチャール暴徒めがけて、長杖を振り抜いた。

 

 

 

 …さてと。少なからぬ苦労の末に、北の『導光装置』も解除することができた。縦に細長い風域に守られていたパーツは蛍があっさり上に回り込んで取ってたからいいとして、残る1つが岩スライムの群れの中にあって………物理以外のダメージを食らわないのはいいけど、とにかく耐久値高いんだよなあいつら…。いつだったか宝盗団を追っ手の足止めに~みたいな話があったけど、足止めの性能としてはこっちのが断然だよなぁ…なんて頭をよぎったりした。

 まあそんなことは別によくて……塔を取り巻く青い輪は残り1つ。竜巻と魔物に細心の注意を払いながら(推定)南西へ進めば……見えてきた。東で見たような円形の石敷き。…あの遺跡守衛にいつ出くわすか戦戦(せんせん)兢兢(きょうきょう)としていたけど、うまく切り抜けられたようでよかった。

 

「お、パーツが周りに散らばってるぞ!」

「ホントだ。さっきほど大変なことはなさそうかな…」

「…いちおう、気は抜かないようにね」

 パイモンの言う通り、きらきら光る正四面体が周りの草陰に見え隠れしている。さっきみたいに苦労して集めなければいけないわけではないよう……だけど、なんだか首の後ろがちりちりするのを感じる。ジンさんやディルックさんは真面目な顔だし、何か気づいてるのかも。

 けれど…まさか、と危惧したようなこと*3はなく、パーツは(とどこお)りなく拾い集めることができて……でもやっぱり私は何かがスッキリしないまま、石敷きのエリアに足を踏み入れて――

 

「っ!!」

 ――目の前の『導光装置』が、読めない赤い文字列に囲まれた。あれは、宝箱で何度も見たことのある封印!?なんて驚いてる暇はない。同時に私たちを取り囲むように魔物が現れて…ここに来てずっとあったスッキリしない感覚が、鮮明な()()に切り替わる。

「ありゃ…まあ、タダで通してくれるわけないよね」

「さっさと済ませるしかないみたい…行こう!」

 …石敷きの外の風景がぼんやり曇ったように見える。閉じ込められたか……相手は炎元素のアビスが1体と、ヒルチャールの杖持ちが2体。杖持ち2体は厄介だけど、やるしかない。…とりあえず脚に雷を纏わせて、手近な杖持ちを蹴り飛ばすところから始めよう。

 

 

 

 

 

 …すごいものを見た。何かというと……まあ、あれがたぶんディルックさんの元素爆発なんだと思う。ふだんの大剣が炎を纏うだけでも圧巻なんだけど、なんか火の鳥(物理)が飛び出して杖持ち2体を容赦なく焼いていった。ポカンとしちゃったよね。まあすぐに炎アビス叩きのめしにいったけど。

「はぁ…なくなったね、あの光の輪」

「これであの場所を探索できるぞ!」

 そんな過ぎたことはさておき……炎アビスが塵になって消えるのが早いか、封印を解かれた『導光装置』に正四面体のパーツが引き寄せられていき、あっさりと解除が完了。遠くに見える塔は、もう何の変哲もない…いや、なんか光ってはいるか。

 

「それじゃ、あそこまで戻ろうか」

「そうだね…って、」

 …あそこまで戻るのかちょっと面倒だなぁ…と嘆息しようとしたら、独特の強い浮遊感に包まれて――瞬きの間に塔の最上階。え、と思って見た蛍の背後に、ぼんやりと光る石碑……あ、ここワープできちゃうんだ!?全然気づかなかった……。

 

 

 

 

 

*1
風神の国の民としての絶対的な信頼感みたいなものを感じた

*2
こんな世界規模の余所(よそ)者な上に"()"な私でもいいんだ、とちょっと驚いた

*3
例:パーツが偽物で罠





やはりどうしてもお世話になってる参考動画と作中メンツが違ってややこしいところはある
ちなみに参考動画では胡桃がどつき回してHP切れで倒れたりしていましあ

・日依
やっぱり戦闘時が一番生き生きしちゃう呪術師
なにぶんテイワットにある諸々のファンタジックなシステムが初見なので流されがちよな…

・蛍
ここから先のキーマンになる旅人
蛍のマップの開き方は悩んだ結果ご想像にお任せする形になりました。紙なのか異世界系あるあるのステータスオープンなのか、どっちでもないのか……丸投げとも言う

・パイモン
イルヨー 案内役はウェンティなので影薄め

・ウェンティ
積極的にバトらせていいのか腰が引けてしまう著者の図…まあもういいのかな今は

・ジン
『蒲公英の風』が登場。日依には何か覚えがある模様

・ディルック
『黎明』が登場(回想のみ)。序盤で一番インパクトがデカイ元素爆発(異論は認める)だ…



地図の方角って実際どうなってるんですかね…「左下が北」説もあるらしくて……


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