お待たせしました 2ヶ月ぶりですか
やっとここまで来たよ……と言いつつ予約で隔日投稿を敢行します よろしくお願いします
このタイトルは"強い"
ワープポイントでひとっ飛びした塔の最上階は……中央に開いていた丸い穴が塞がるばかりか、そこから青い光が立ち上り、中空に魔方陣めいたもの*1を浮かべていた。ウェンティさん
「いよいよ大詰めだね…この全てが終わったら、歌にしようと思うよ。きっとこの歌は『ヴァネッサの物語』のように、モンドの人々にずっと謳われるだろう」
「…私は省略していいからね」
「何言ってるのさ、ボクたちみんなでここまで来たんだ。一人だって欠かせないよ?」
ソウデスカ…だいぶむず痒いというか、落ち着かないんだけどな……ある種の職業病が出てるんだろうか…?それとも文化的な価値観の違いなのか。ディルックさんもけっこう平然としてるからな…。
「色々あったけど…ここからがいよいよ本番か。気を引き締めていかないとね」
「私も万全の状態を整えてきた。きっとみんなの力になれるはずだ」
「そういえば、ディルックの旦那もなんだかんだここまでついてきてくれたな?最初は巻き込まれただけの…ええっと、部外者?だったけど…」
「秘密を共有してくれた君たちに、僕は信頼を返しただけだ」
「信頼、か…」
パイモンがそこそこ失礼なことを言った気がした*2けど…ディルックさんは相変わらず読めない冷徹な面持ちで答えるだけだった。ディルックさんは"信頼"、ジンさんは"責任"。…私も何か言う流れじゃないよね?"奇縁"ぐらいしか言えないけど……
「じゃあ、吟遊詩人は?」
「『自由』だよ」
「自由…?」
「モンドに来たとき、モンドは『自由の都』だ、って誰かに言われなかった?」
…言われたな。なんだっけ、『風と
「モンドは王の統治がない浪漫の城。そしてモンドの人々は、七国で最も自由な民だ――だから、かつてモンドを護った龍もそうであってほしい。『この都市が君を裏切った』と彼を騙そうとする人がいちゃいけない。そして、彼に『この都市を護ることが君の永遠の義務だ』と、そう強いる人もいちゃいけないんだ」
彼にも、自由に生き方を選べる権利はあるはずだよ――ウェンティさんは、優しい表情でそう続ける。
なんというか…自由の国の神らしい願いだと思った。神に詳しいわけではないけれど、その考え方があの牧歌的なモンドの街を形作っていることは間違いない。そして、トワリンもその中に加えたい……そのためにウェンティさんは、ここまで来たってことか。
「さて、それじゃ…モンド千年の風が、君と共にあらんことを。蛍、ボクは前回と同じように、キミに風元素の力を導くよ」
「前回…って、もしかして…」
…思い出されるのは、モンド城を訪れてすぐのこと。荒ぶる風魔龍が起こした黒い竜巻に吸い上げられた雲の上………
ウェンティさんはニコニコと、いたずらっぽく微笑むばかり。…沈黙は肯定と受け取りますよ?世間一般がそうするように。
「どうりで聞き覚えのある声だったんだ…」
「日依にも聞こえてたかい?ごめんね、元素力は届けられなくて」
「いえ、大丈夫です…私は雷なので」
「あ、そうだったね☆」
それに空中戦には不慣れなので……と思ったけど、空中戦に不慣れなのは普通のことな気がする。そこは蛍の適応力の問題だった………うん、蛍に任せておこう。
「さ、準備は整った。トワリンを助けに行こう!」
…あらためて、青く耀く魔方陣に向き直る。この向こうに何があるのかはわからない――まあそんなの、いつもの任務とそんなに変わらないか。そもそも見えないから
思えば蛍と出会って、一緒に黒い竜巻に巻き込まれてから、成り行きでここまで来た感じがあるけれど………私、このテイワットに転がり込んだことで、呪術師としての指標は一度失くしてるんだよね。今さらだけど。そう考えると、ありがたいと思える…また、"仲間と世界を守るために"動けることが。
そう思って……少し緩んだ口許を引き締め直し、勇ましい蛍のあとを追って――青い光が立ち上る中へ、足を踏み入れた。
「―――うわ、っ!?」
…地面がなくなった。大急ぎで風の翼を呼び出して装備…したつもりだったけど、みんなよりは下の位置。……みんな慣れてるというか、これって秘境では時々あることなのか?それともはたまた、風の国の民としての慣れなのか……まあいいや。
姿勢が安定したのであたりを見渡せば……正確に言えば、地面はある。果てしなくどこまでも続いているような森、その中を蛇行する川…そんな景色が、遥か眼下に広がっている。そして悠然と流れる雲も、同じくらい下に見える……驚異的な広さ。遥か前方には大きすぎる月が浮かんで、私たちを青白く照らしている。…と、とんでもない秘境があったもんだ…こんなの、別の世界に繋がってるようなものじゃ…!?
「っ!あれ」
「トワリン!」
そして、それらよりはずっと近くに……2対?の翼を広げて飛ぶトワリンの姿があった。あれ生物学的にはどうなるのかな……雑念は仕舞って。
「本当にいた…」
「見て!トワリンの背中に、紫に光るところが2か所あるでしょ?あれが傷口に固まった毒血だよ」
「毒?」
「アビス教団は傷口に呪いをかけて、トワリンの精神を蝕んでるんだ…トワリンを助けるには、まずあの凝血を綺麗にしないと!」
「つまり狙って撃てばいいんだね!」
はい出た蛍の適応力。その手元には見覚えのある魔方陣。いつぶりかの蛍による斉射が始まった。そうか、これ風元素だったんだ…。
けど…心苦しいけど、当然トワリンも無事とはいかない。そもそも標的は傷口、そこに塩を塗るどころじゃない攻撃を浴びせているわけで…。トワリンは苦痛にうめきながら、右へ左へ……や、ヤバイ。私たちはついていくので精一杯だ。こういうのに弱い人は酔いそう*3…!
「う、っく…!これ、難しいっ…!」
「できてるだけで十分すごいよ…っ!ぁ、トワリンが」
「距離をとった…でも、彼の考えは読めてるから。もう少し我慢して!」
「我慢、って…ぅおっと!?」
…遥か前方をゆくトワリンの周囲から、たくさんの光が飛んできた。ほとんどは私たちとは関係ないところを飛んでいくけど、っ…!
…な、なるほど。緑は無関係で、紫はこっちに飛んでくるってことね完っ全に理解した!まあ実際に避けられるかは別だけど!こんな飛行しながら空中戦とか本当に経験ないから…!
「くぅ…風の翼が壊れないかだけ心配…!」
「大丈夫だよ、風元素にはめっぽう強くできてるはずだから!」
「ウェンティ、この状況どうしたらいいの!?」
「ちょっと待ってね…あの魔弾から純粋な風元素を抽出して集めるよ!撃ち抜いたら加速の輪が形成される!」
「加速の輪って、飛行訓練の時みたいなやつ?」
「ホントだ、出た!これで追い付くよ!」
嬉しそうな蛍の視線の先には、まさしく飛行訓練ぶりの緑の光輪ーーいやごめん蛍、私が追い付けてない。話の流れに…!切り札たる蛍が主導権を握ってる状態だから仕方がないけど、ホントこの適応力お化けはさぁ~~!
…攻撃を避けつつ加速――魔弾をある程度食らってしまうのはもう仕方ない――して、追い付いたらふたたび凝血を狙って斉射、という流れが繰り返される。トワリンが
「くっ…うぅ…!や…やばい、目回りそう…!」
「なんもできなくてごめん蛍頑張って…!」
「トワリンも、きっといつまでもこうしてはいられない。どこかを目指して飛んでいるはず――っ!」
「っ…トワリン、つらいんだね、ごめん。もう少し我慢して、傷口はあと1つだけだから!」
――トワリンの背に2つそびえていた紫の凝血。その後方側――腰の辺りにあったほうが、風元素の斉射でとうとう砕け散るのが見えた。
とたんに大きく身をよじったトワリンが、弾かれるように私たちから距離をとる。こちらも土壇場で生成された加速の輪をくぐって、追い
「…あれは」
雲の合間に見えた何か――かつて何かが建っていた跡なのか、円形に並ぶ長方形の足場。分厚い雲はそこだけぽっかりと口を開けて、内側は猛然と渦を巻いて―-―稲光がまたたくその中へ、トワリンの青い姿が消えていく。…どうやら、あそこが決戦の地となるらしい。
・日依
仲間と世界のために戦う呪術師。この語順が彼女らしさ
呪でこのレベルの空中戦に堪えうる人そんなにいないよな…と思ったけど複数人挙がるあたり大概ですね
・蛍
適応力お化けは今日も絶好調
やはり後ろのプレイヤーが相当…いやなんでもない
・パイモン
すっかりリアクション担当 しばらくこの状態です()
・ウェンティ
自由の風神
風元素の能力カンストが見え隠れ
・ジン
責任感の強い代理団長
・ディルック
信頼に篤い旦那
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