呪雷跋渉記   作:諸喰梟夜

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色々悩ましいことはあるけどとりあえずここまではうpしとく
あとやっぱりタイトル分かりにくいので触りました いかに某将軍と混同させないかで頭いっぱいでしたわ…



元素

 

 

「旅人かぁ……せっかくだし、私もそういうことにしとくかな。今まではずっと雁字搦めだったし」

「そんな軽く決めちゃっていーのか…?」

「いいの。…帰れそうにはないし、だったらもう切り替えていかなきゃ。…故郷は、捨てたことにするよ」

「え…迷子って言ってなかった?何かあったの?」

「…終わりかけの世界から、閉め出されたっていうか。そんな感じ」

「そ、そうなんだ…なんかごめん、無遠慮に聞いちゃって」

「いいよ、もう過去のことだもの」

 

 前略、同行者ができました。まあ先に述べた三人…二人と一匹?組に同行することにしたってだけの話だけど。

 まず、金髪の少女は名を蛍といって、旅人であるらしい。いろいろあって*1はぐれてしまった兄を探してるとか。

 白髪の(暫定)妖精はパイモンといって…自分が何者かはよくわかってないのだとか。記憶喪失の妖精…?何はともあれ、現状パイモンの存在が一番のファンタジーです本当にありがとうございました。よくわかんないけど言葉が通じてるのが救い中の救い。

 そして赤いリボンが目立つ少女はアンバーといい、ここ『テイワット』なる世界の一国『モンド』の地元民。何だっけ…セピア色?*2とりあえず、なんとか騎士団の偵察騎士という肩書きを持つらしい。遠目に見えていたあの城塞都市こそモンドの中心である『モンド城』。アンバーは騎士団の任務のため、街からやや離れたこの森の中までやって来ていたとのこと。その任務というのが…

 

「最近、荒野の化け物が城に近づいてきてるの。今回の任務はその巣の()()ね」

 数分ぶりに見た、お面を被った真っ黒な奴。ヒルチャールと呼ばれる"荒野の化け物"らしい。…さっき襲われて蹴散らしたことは何となく言わないでおいた。

 それよりも、ファンタジーなこの世界にはやはり魔法みたいなものがあるらしい。だってアンバーがつがえた矢に、ひとりでに火がついた。相変わらず呪力は一切感じられないから、全くもって別種の力ということだろう。

 …そもそも、危険な森だというのなら呪力が漂っててもいいはずなのに一切感じられないからなぁ…私以外には呪力の概念自体が無いんだろう。なんだか肩身が狭い。

 

 

 閑話休題(それはさておくとして)。お目当てのヒルチャールの巣は、岩肌が散見される丘を少し登ればすぐに見つかった。…巣というか集落だな。柵に(かがり)()に、見張り台まである。完全に、ある程度知性のある生き物のそれ。

「えいっ!」

guaa!?

 とか考えてたら、アンバーが見張り台のやつを撃ち抜いて戦端を開いていた。柵の向こうからぞろぞろ出てくる…やつらに、蛍が突進していく。…今あの子どこから剣出してた?全然わかんなかった。…蛍だいぶ強いし、私はおとなしくしとくか…

 

yaa!!

「うえっ!?こっちにも!?」

 至近距離でヒルチャールの声。いつの間にか蛍の剣舞をかいくぐってきた一体が死角に迫って、棍棒を振りかぶって―

散れっ!

ugaa!?

「っ!?」

 ――がら空きの胴体に『迫撃』を浴びせてやれば、のけぞったヒルチャールはバランスを崩して……一拍遅れて火矢を胸に受けると、爆炎に呑まれるようにして砕け散っていった。

 

 

 

 

 

「ふぅ、掃除おしまい!それにしても、まさかあんたたちも戦えるとは思わなかった。支援ありがとう!」

「どういたしまして」

「まあ、これくらいは」

 …さて、ヒルチャールの集落()になった広場にて。ちょっと接敵はあったけど、おおむね滞りなく掃除は完遂された。

 …強いなぁ二人とも。あの場にいてくれたら……いや、済んだ話はもういいや。かぶりを振って邪念を払う。あと、どっかに隠れてやり過ごしていたらしいパイモンに恨めしげな視線を向けることも忘れずに…

 

「そういえば、日依は武器持ってないの?」

「武器?ない…持ってこれなかった。けどまあ、なくても使えはするし」

 横合いからアンバーに尋ねられて、なんとなく自分の手を見下ろす。…今は手ぶらだけど、私は割と長物の武具を携帯することが多かった。射程のある攻撃もできるのはできる。ただやっぱり近接の方が確実だから、物理的な間合いは広いほうがいい。…気に入ってたんだけどなぁ、あの長杖。

「そうなのね…素手で元素の攻撃を振るう人ってあまり知らないから、ちょっとびっくりして」

 ただ、アンバーのこの言葉には首を傾げざるを得なかった。だって、明らかに知ってるのとは違う意味で使われてる言葉があったから。

「ゲンソ…って、何?」

「え!?あんなに使いこなしてたのに!?」

 

 

 曰く、元素とはこの世界にあまねく存在するエネルギーであるらしい。風、炎、水、雷、岩、草、氷の7種があり、「神の目」を授かるとどれか一つを引き出し扱えるようになるらしい。アンバーが腰のポーチに付けてる赤い円形の宝玉こそ、彼女が授かった炎の神の目なのだとか。さすがファンタジー世界…字面は「元素」で合ってるらしいけど、(H)(He)リー(Li)(Be)(BC)(NO)(FNe)…しか知らないわ。逆にその辺がどうなってるかちょっと気になる。まあ今は置いといて。

「けど、外から来た二人は例外みたいね…見たところ神の目はなさそうだし」

「日依は雷元素なんだな!」

「あ、そうなるんだ…私のこれは、もともと別の力だったんだけど…」

「別の力って…変わったってこと?」

「いや、中身はそんなに変わってないよ。確かに、やろうと思えば雷も起こせる力だったけど…()()しちゃってる、ってことなんだろうね。この世界に」

 

 呪力はそのまま、呪力を変換する術式もそのまま。ただ術式で生成されるのは雷元素…炎が別にあるってことは、たぶん雷で火が着かないな?…色々確認しなきゃいけないことがある。やることいっぱいだ…。

「ま、ちゃんとこの世界のルールで戦えるのはいいことじゃない?違ったら何が起きたかわかんないしさ」

「それもそうか~…けど、そういえば、なんでこんなところにヒルチャールが現れるんだ?こういう奴らは普通、都市から離れたところに巣を作るよな?」

「そうね、本来だったら荒野にいるはずね…でも最近、風魔龍が頻繁に現れるようになって、隊商(キャラバン)のルートに影響があったの。暴風が吹くたびに怪我人も出るし、騎士団はその被害から守らなくちゃいけなくてね」

「なるほど…だからこいつらの巣も、だんだん城のほうに?」

「そう。でも今日はまたひとつ巣を片付けられたから、進展はあったわ」

 …うーん。パイモンとアンバーの会話に若干ついていけない。キャラバンってなんだっけ……この世界多分あれだ、西洋寄りなんだ。日本の薄暗い(呪術)界隈に(こも)っていた私には無縁なやつだ…。しかし()()()っていうのは…もしかして、あの青いデカブツのことだろうか?

 

「さあ、私について来て!優秀で真面目な騎士が、あんたたちを城まで守ってあげる!」

 …ごちゃごちゃ考えるのはあとにしよう。胸を張って宣言するアンバーに思わず苦笑いしつつ…そういう評価は自分で言うやつじゃないよ…。

 

 

 

 

 

*1
なんか神とか出てきたけどよくわからんのでスルー

*2
正:セピュロス





・日依
悔いがないわけがないし忘れられそうにもないけれど、新天地に来たからにはぐだぐだ引きずっていても仕方がないと割りきれる聡い子。
げんそ…?この手のファンタジーな世界観のゲームをやった経験はほぼない。というか西洋文化に一切慣れてない。これから色々把握していかないと……やることいっぱい。
終わりかけの世界とは言いつつ、きっと終わらないと信じてる。まだ乙骨くんとかいるし、なんといってもジャンプ作品だし…

・蛍
同行者①、数多の世界を渡ってきた旅人。呪術世界は(通過すらして)ないです。
元素については先にパイモンから聞いたけど、実際に扱ってるアンバー視点も気になって聞き直した。現在は風元素。
公式にはけっこう淡白でストイックな子っぽいけど弊テイワットではもう少しマイルドにしていきたい あまりその傾向が強いと前話の時点でバトってそうなので…

・パイモン
同行者②、暫定妖精。案内人(人…?)兼ツッコミ担当としてこれから頑張ってほしい

・アンバー
同行者③、西風騎士団偵察騎士。モンド城までの案内役を買って出る
プライドが割と露骨に見え隠れ
日依から思ったより重ためな話が飛び出してたじろぐ
炎元素の遠距離攻撃担当。まあ接近されても射るけど

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