新年明けまして早々妙なサブタイになってしまいすまない ちょっとタイトル変えた方がいいかなと思った また〆でいきなり数字に戻るのでよろしくお願いします(ぇ
「次はこっちかぁ…」
「ソウダネ…」
…都合上仕方がないんだけど、旅館の上層階にワープポイント置いてて大丈夫なんだろうか………まあ入り口の開け放たれ方からして、たぶん展望台を兼ねていて、宿泊はまた別の話になってくるんだろう。詳しいことは従業員に訊くのが早い…んだけど、どの人が従業員かわからない。まあいいや。
『絶雲の間』での仙人行脚をなんとか終えた*1私たちは、そのままワープを利用して『望舒旅館』へとやってきた。
もういい時間だし(予算が許せば)ここで一泊していきたいところだけど、ひとまず用事優先で。…あぁ、あと追われてる身だしな……宿泊者名簿*2に名前を残していくのはよくないかもしれない…。
「『絶雲の間』に比べて、仙人の気配は感じられないけど…本当にいるのか?」
「人が多いから対照的に、かもしれないよ」
「そうだな、探してみよう!」
「上のテラスとかいそうじゃない?ほら、みんな高いところにいたし!」
「そういう問題かな…」
…にんべんに山と書きはするけど、必ずしも高度は必要ない気がする。まあでも、その感覚はわからなくもない。宛てもないし行くだけ行ってみることにして、いくつかの踊り場を経由して……
「…いないなぁ…」
「まあ、そんなすぐにはね…」
「うん…それに、すごい景色だよ!」
たどり着いた開放的な展望台に、ひと気はなかった。けれど…はじめて見たときモンドの"英雄の象徴"を
そして、なんといっても周囲は海。内海というか海峡というか、そんな感じだろうか…高度も合わさって、吹いてくる風が涼しい……疲れを自覚させられてしまった。これはいけない。
…方角はいまいちわからないけれど、下の道を通ってきたのは確か。たぶん、向こう*3のほうがモンドなのかな……――っ!?
「…目に見えているものが、必ず真実とは限らないぞ」
「「っ!!?」」
――唐突に、前触れもなく。左隣に現れた気配は…緑がかった髪の少年の姿をしていた。…それと、この感じ……
「『禁忌滅却の札』…そうか、準備を整えては来たんだな」
蛍がパッと出して見せた黄色い札を、少年…恐らく鹿の仙人に"護法夜叉"*4と呼ばれていた者であろう彼…マジでいた…は、冷めた目で一瞥するのみだった。
「…含みがありますね」
「それは我がお前たちを傷つけないためのものであって、お前たちが傷つかないという意味ではない」
「えーっと…よくわかんないんだけど…」
「仙と魔の世界に近づき過ぎれば、世の理を踏み外すことになる。…人の子の魂は仙人ほど強くはない。血も仙人の気運には耐えられないだろう…ここを去れ。お前たちのために言っているんだ」
「ま、待ってくれ!オイラたちが来たのは…!」
くるりと背を向けた"護法夜叉"は、パイモンの制止も聞かず……どこかへ飛び去っていった。
「飛ん…早っ…!?」
「あの『神の目』…風元素だった」
「なるほど…よく見てんね…」
「あぁもう!なんなんだアイツ!全っ然話を聞いてくれないじゃないか!!」
…宙に浮いたまま地団駄を踏んでる器用なパイモンは、蛍に任せておくとして。彼が言ったことは、なんとなく理解できた。"人の世界と仙人の世界との壁は、
なんといっても、彼のあの気配―――トワリンの涙の結晶とも違う、けれど
そういえば、夜叉とは別の呼び方もされていた…"降魔大聖"*5、だったか。
「日依…おーい、日依!」
「え?あ、ごめん…何?どこか行くの?」
「うん!とりあえず、旅館の人に聞き込みしてみよう!」
「………」
…私たち、追われてる身じゃなかったっけ。
「あら、もう
「あの態度で"機嫌がいい"のか…?」
「そうよ。仙人との縁は、とても貴重なものだもの。一生会えない人だってたくさんいるんだから」
…なんか、大丈夫そうだった。璃月港から離れているからなのか、旅館として懐の広さがあるのか……ゴレットさんというらしい受付の人*6はにこやかに対応してくれて、むしろ警戒気味な私のほうが心配される始末だった。受付台でのんきに
「言い伝えによると、岩神は璃月を造った際、仙人の力を借りたそう。けれど仙人の多くは、戦いによって璃月を護ることしか知らなかった…だから数千年もの間、商業都市としての運営は人間がその手綱を握り、仙人は隠居の身となったの」
「女将は物知りだな!」
「女将じゃなくてオーナーよ」
パイモンの呼び方はさておき、ゴレットさんは確かに詳しいらしい。まあこんな璃月の中でも大きい施設のオーナーなんだから、当然といえば当然だろう。
…"平和な世に英雄は不要"という話はよくあるけれど、それっぽいな。もしも呪霊がいなければ、私たち呪術師だって居ないわけだし……戦闘力に需要のある
「とにかく、あなたたちは仙人との縁を得た。なら、あとは簡単よ…魈様のご機嫌をとりましょう。私がアドバイスするわ」
「ご機嫌取り…?」
「あの"護法夜叉"が喜ぶ姿なんて、想像できないぞ…?」
「ふふ、楽しみでしょう?」
護法夜叉ご機嫌取り大作戦。まず必須アイテムは杏仁豆腐、そして他にも料理を用意して、鄭重にもてなす感じのようだ………食べ物で釣るのって意外と正攻法扱いなのか?パイモンらしい手段だなぁと思ってたけど、まさか他の人からも提案されるとは……呪術界もそこまで単純明快だったらどんなに良かったか………閑話休題。
「…なるほど。オーナーの言いつけなら仕方ない」
それで、私たちはレシピを知らない杏仁豆腐を作るため、ゴレットさんの紹介で
「だが、すまないな。あいにく今は、杏仁豆腐のような繊細な一品を作る余裕がないんだよ」
「えっ、どうしてだ?」
「剣士の腕が剣の調子を決めるのと同じように、料理人の手は料理の質を大きく左右する。だが今の俺の手は…すまないが、思うように動かなくてな」
「えっ!?そ、そんな…」
「な…何かあったんですか?」
…ちょっと、話が変わってきたぞ。パイモンが「モンド城のワーグナーみたい」と言っていた通り、この人はプロ意識の高い仕事人らしい。思うように手が動かない…見たところ包帯や絆創膏の類いはないけれど、だとしたら病気だったり……
「実は…お化けが出たって、お客さんが言っててな…」
「…へっ?」
「そ、それでな…ついさっき、厨房で怪しい影を見ちまったんだよ…!」
「…はあ」
……私たちの心配を返してほしい。そう思ってしまったけれど、言笑さんは本当に深刻そうな表情をしているので口にはしなかった。この人この感じで……いやまあ、人は見かけに
「とにかく、この『望舒旅館』が安全じゃないかもしれないと思うと…お、落ち着いて料理なんかしていられない…!」
「…こいつ、こんなコワモテなのに、お化けが相当ダメなんだな…」
「はぁ…じゃあ、私が見てきましょうか?"幽霊の正体見たり枯れ尾花"、とも言いますよ」
「あ、あぁ…客人に頼むことではないだろうが、本当にすまない…」
当初の頑固一徹なプロって感じはどこへやら。あのときより小さく見える言笑さんは、本当に申し訳なさそうな声音で頭を下げてきた。…こういう風に助けを求められた経験はよくあったから、なんだか懐かしい。中身はさておき。
「よし!そうと決まれば見に行くか!最高の杏仁豆腐のために!」
でもって、パイモンはいつも安定のパイモンで安心するね……そういえばこの人、今パイモンが姿を消したら腰を抜かすんじゃないだろうか?…危ないから止しておこう。
ともかく。そんなわけで、『望舒旅館』内の厨房へやって来たところ……
「〒#☆%₩~~~ッ!!?」
――すべてが雪のように真っ白な少女の影。それがどこかへ走っていくのを、バッチリ見てしまった。パイモン今なんて言ったの?
・日依
戦闘以外では大人しい呪術師
文化の違いってスゴイナー(遠い目)
テイワットに来て二度目のエンカウント。近いけど同じじゃないことはわかる 同じじゃないのでどうにもできないのが歯痒くもある
・蛍
行動力強者の旅人 まあ旅人だし…?
・パイモン
リアクション担当は今日も絶好調
・魈
護法夜叉、降魔大聖。この字が変換できそうでできないことでお馴染み
・言笑
いいキャラしてる料理人 いい緩急でしたね
「望舒」とは、月の神。また、月のこと。(出典:『漢字源』)…なんとなく気になって調べてみたが もしかして:早まった