※ストーリー展開について前回やらかしてることがありましたが挽回していく予定です
さて、道中で果物を採集したり*1、リンという冒険者と話したり*2と寄り道を挟みつつ……気が散りすぎでしょ主に蛍。アンバーも特に止めないというかむしろノリノリだしパイモンは…ダメそう。観光ガイド感が否めないぞこの妖精…。
…まあ、いいか。私も切り替えていかなきゃ、とは言ったもののその方向性はまだ決めかねてるし、これくらいゆるゆると進行するほうがありがたい。まだ日は高いし。
あと、私(と蛍)はこの世界初心者マークなので、この機会にアンバーとパイモンから元素力についていろいろ教えてもらったりしていた。名前通りの"元素付着"とか…元素力を纏う
あと、興味深かったのが異なる元素同士が干渉し合う"元素反応"。…接近してきたヒルチャールが爆炎に呑まれたのが気になってたけど、あれは炎×雷の"過負荷反応"というものらしい。過負荷で爆発起こすのか…凄まじいな元素力…。
そんな話をしていれば、あっという間にモンド城のすぐ近く。城門の前には大きな石橋が架かっていて、欄干越しに見下ろせば水面が広がる。一衣帯水の地…と思ったが、これ自体はシードル湖という大きな湖であり、モンド城はそこに浮かぶ島であるとのこと。
そんな話を聞きながら石橋を渡りきれば、城壁が目の前に迫る…ものすごく高い*3。圧迫感すら覚えるものの……門のほうは普通に開かれていた。
左右に控える門番と目が合ったけれど、穏やかな表情のまま形式的な敬礼をされる程度。…なんかゆるいな…。蛍が話しかけていたけど、吟遊詩人に聞くといいとか言われていた。それでいいのか門番。
「それじゃ、改めて紹介させてもらうわ。…風と
特に止められることもなく城門をくぐって…石組みの階段に、レンガ組みの壁。奥へ進むほど垂直方向に広がる町並み…城塞都市ってこんな感じなのか。
…でも。アンバーの騎士団としての自負が
「…なんかさ。城内のみんな、あんまり元気じゃなさそうだね」
城門をくぐれば、たちまちに街の喧騒に包み込まれたけど…あまり活気というものは感じられなかった。どんよりってほどではないけれど…何か、全員が気掛かりなことを抱えてるような、妙に居心地の悪い雰囲気。
「あぁ…うん。最近、みんな風魔龍の件で頭を悩ませてるからね。でもジンさんがいれば、きっと全部うまくいく!」
「ジンさん?」
「西風騎士団の代理団長、モンドの守護者だよ!ジンさんが一緒なら…風魔龍レベルの災害でも、きっと打ち勝てるはず!」
さっきも聞いた風魔龍…どうやらこの街全体の悩みごとになっているらしい。騎士団がてんやわんやみたいなこと言ってたしそれもそうか。
それにしても…ジンさんとやら、代理のわりにずいぶんと全幅の信頼を寄せられてるんだな。となると…団長から見てもそうで、何かしらの事情があって代理を立てないといけなくて、指名した…みたいな感じだろうか。
「そうだ!騎士団本部に行く前に渡したいものがあるの!さっき一緒にヒルチャールの巣を片付けてくれたお礼!」
東京都立呪術高等専門学校は、都心から離れた山の中に立地する。さらにカモフラージュのための伽藍堂塔が立ち並んでいるわけで、外から校舎まで戻るのはそれなりに大変だ。…それにしたって。
「ここまでの階段はなかったなぁ…」
…いやまあ、苦行ではないんだけどね。山肌に沿って作ったのか、モンド城はとにかく高低差のある街だった。
そして、建物の立て込んだその中を縫うように登っていると、急に開けた広場が現れた。あの海外の…コロッセオ?だっけ?みたいな曲面にアーチが開いてる壁のむこうに、噴水に囲まれた巨像が見える。こっちこっち!とアンバーが呼ぶほうに行けば…ここまで登ってきた町並みを見下ろす場所だった。
「お礼っていうのはね…これ!『風の翼』よ!」
「風の翼…」
「偵察騎士はこれで空を駆け抜けるの!モンドに住む人たちも、みんなこれを愛用してるんだ!」
アンバーが取り出したのは、折り畳まれた何か。どうやら背負った状態で展開し、滑空するものらしい。さて、笑顔で差し出されたけど…これ大丈夫かな。ノリノリな蛍は、まあ大丈夫だろうなと思うけど…
「ここに連れてきたのは、これの良さを知ってほしかったからなの!」
「ずいぶん熱く語るんだなぁ…」
「風はモンドの魂だからね!さあ、早速『風の翼』の性能を試しましょう!」
…あの、魔法の仕組みが違う私は……あ、操作は簡単?ほんとに…?
「大丈夫だった…」
大丈夫でした。姿勢を崩したりぶつかったりしないよう気を張っていたら、あっという間に下の広場まで下りてきていた。
「日依、すごく飲み込みが早かったよね」
「そうかなぁ…?あんまり自覚ないけど…まあ、一回本当に崖から落ちたし…」
うん。正直、さすがにあの落下を街中の石畳の上で再演したくなかったのはある。コツをつかんだような気はしないけど、まあ気休め程度にはなるかな…。
「むしろ蛍が適応早すぎるんだって…魔虚羅かよ…」
「まこらって何?」
「…前いた世界の話。気にしなくていいよ」
あまりの吸収率のよさに、こんなあっさり知れちゃって大丈夫なのかと思ったのも懐かしいどこぞの切り札を思い浮かべてしまったけど…まさかポツリとこぼしたあきれ声も拾われるとは。耳もいいじゃんこの子…。適当にごまかしつつ、アンバーの先導でモンド城内を歩いていたとき。
――にわかに風が強まり、空が
「っ…!?」
「うそ…風魔龍!?」
そこにいたのは…二人に出会う前、森から飛び立つのを目撃したあの青いやつだった。
些事ながら「過負荷」が一発で変換できないことに衝撃を受けるなど
・日依
冒険初心者。まだわからないことだらけで心配ごとが多い
しかし過負荷反応を前にして今のはなんだ?程度で済む胆力。
風の翼を手に入れた。元素力必須って感じじゃなさそうだったし…大丈夫そ?
・蛍
(少なくとも日依から見て)適応力が高すぎる。まこら()。どうやら後ろのプレイヤーが相当な腕…いやなんでもない
風の翼を手に入れ、あっさり使いこなす
・パイモン
今回は存在感薄め。ちっちゃい身なりにすごい食い意地
・アンバー
自負強めな熱い案内人