また更新忘れかけてる
サブタイだけが最後の最後まで決まらない図
…璃月港は、果たしてどうなるのか。追われる身ながら心配はしつつ、ひとまず距離をおいていた。人探しをするという『公子』の続報を待ちながら………とはいえ、あちらのような便利な遠距離通信手段がない*1ので、定期的に『北国銀行』へ足を運んでいた―――状況が動いたのは想定よりも早く、2日目のこと。
「"約束は果たした"と、『公子』様から伝言を承っております」
「約束…"人を探してくる"って言ってたやつか?」
「はい。"状況を打破できる人を探してくる"と『公子』様は約束されました。ファデュイの執行官が約束を違えることはありません」
…「『公子』様のご友人」と呼ばれてムッとする一幕はありつつ、吉報を聞くことはできた。…あんな飄々とした感じだけど仕事は早いし、部下からの信頼も厚いよう。
「じゃあ、どこに行けば会えるんだ?」
「『公子』様は『琉璃亭』におられますよ」
「『琉璃亭』?」
「おっ、オイラ聞いたことあるぞ!この辺りで有名な料理店だ!」
「そうなの?」
ルリテイ…頭の中で鸚鵡返ししていたら、パイモンが急に明るくなった。あ、料理店なんだ?
「璃月料理には"璃菜"と"月菜"の2つの系統があって、何百年も対立してきてるんだ。それで、"璃菜"を代表する店が『琉璃亭』!"月菜"を代表する『新月軒』と、『緋雲の丘』で正面対決してるって話だぜ!」
「へぇ…さすが、食べ物の話となると」
「パイモンはこんな時に役立つんだね…」
「そう言わずに~!とにかく、うまいもんがあるぞ!早く行こうぜ!!」
元気いっぱいにさっさと行ってしまうパイモンを追いかけて、私たちは『北国銀行』をあとにした。パイモンがただの食いしん坊になりつつある…受付の人もくすくす笑ってたぞ。
『北国銀行』のある建物を下りて、大きい辻のちょうど向こう側。『琉璃亭』はその辺りにあるらしい。…らしいというか、見覚えしかない姿があってすぐわかった。相変わらず、人の良さそうな笑顔。
「やあ、来たね」
「生きてたよ、『公子』さん」
「はは、何よりだ」
うっかり呪術師の
「約束は果たしたよ。君たちを助けられる人…『岩神の仙体が七星によって隠された』という難題を解決してくれる人を見つけた」
「おぉ…!そいつはどこにいるんだ?『琉璃亭』の中か?」
「そうだよ、ついてきて。接待…あぁいや、この国でいう"食事会"というおもてなしの場を用意した」
「食事会…!!」
接待…接待ねぇ。どこまでいっても前線の戦闘員だったから、そういうのにはとんと縁がなかったな…無作法さで差をつける感じになりそうなんだけど、大丈夫だろうか……パイモン、よだれ出てるぞ。食い意地をしまえ。
『公子』の案内のもと璃月、『緋雲の丘』をゆく。…私たちが追われる身だった件は、もう大丈夫になったのか?…いや……そういえば、なんか『北国銀行』が千岩軍の捜査をうんぬんかんぬんとか言ってたような。…どっちなのか、この状況では判断しかねる。いいや別に。
それよりも…到着した『琉璃亭』は扇と雲の看板が目印の、二階建ての店だった。パッと見た感じ店名は書いてない。つまり格の高いお店ということなのでしょうか。なんだか申し訳ないな…こういうのホント疎くて。
(たぶん危険手当てその他込みで)高給取りだからといって、こういうところに通う御趣味をお持ちの人は意外といないのが呪術師界隈というものだった。上層部のお歴々はどうだか知らないけどね……まあ、闇の深い話はここまでにしよう。
「『公子』様、ようこそいらっしゃいました。個室をご用意いたしました。鍾離様がお待ちしております」
出迎えに来た店員たちはにこやかに、恭しく礼*3をして……個室?個室をご用意されている…だと……?
「…わ、っ」
内心肩身が狭くなりつつ踏み込んだ、高級料亭的なお店―――『琉璃亭』。店員に案内され
ファデュイのこいつとそんな間柄の相手なのか?と
……なんか覚えがあると思ったけどこれ、私も言われるやつだった。じゃあ別にいいか。
「紹介するよ。こちらは稼業人で、『往生堂』の
「…
「うん。璃月で『往生堂』のような仕事は、どうしても稼業人との商売が避けられないからね。俺たちファデュイは、こういう…影の下を歩くお友達と付き合うのが好きなんだよ」
「影の下を歩く…?」
…何かすごく意味深な言い回しをされている気がする。パイモンは怪訝な顔をしたけれど、まず"客卿*4"という言葉に馴染みがない私は、蛍と顔を見合わせた。
「初めまして、だな。お前たちのモンドでの活躍は噂に聞いている」
…ほら、この調子。そして私たちのことも知ってるか…モンドはかなり広域に駆けずり回ったから、向こうと通じている…っていうのが、一番穏便な線だよなぁ。
そう思う一方で…パイモンは一人、何事かぶつぶつ言いながら考え込んでいて。
「稼業人…影…
「そうだ。お前の想像通りだ」
「ヒイッ!?」
「『往生堂』は葬儀業者だ。人々を安心して極楽浄土へ送り出すためにある」
「ぁ…あれ…?」
「あっはは!まさか、鍾離先生が殺し屋かと思ったのかな?」
パイモン???まさかそんな……あ、"稼業人"ってそういう……?
…ポカンとしてしまったけれど、大笑いする『公子』を見て察した。…さてはこいつ、そういう勘違いさせようとしてわざと意味深な言い回ししたな。それでパイモンが見事一本釣りされたと……そうかそうか、つまり君はそんなやつなんだな。しかし私も同様のことをパンダ君にやられた覚えがあるのがなんとも言えない…。
そして
「確かにファデュイのお友達の中にはたくさんいるけど、『往生堂』は違うよ。少なくとも、表向きはね」
「表向き…」
「一応稼業人だからね。詳細は言えない。まあともかく、こうして君たちに紹介した理由は…」
「俺なら、お前たちを岩王帝君の仙体に会わせることができる」
「な、なんだって!?」
なんかツッコミ所があった気がしたけど、それよりも―――ショウリ先生が、きっぱりと断言してしまうものだから驚いた。眉ひとつ動かさず、当たり前のことのように。
「ははは、驚くことはないよ。『天権』凝光の企みによって、岩神の仙体は隠されてしまったわけだけど…まあ、まずは鍾離先生の話を聞こう」
「岩王帝君は仙人たちの祖だが、仙人の一人でもある。璃月数千年の歴史を見ていくと、仙人が去っていく傾向は紛れもない事実としてある……それは、時代が変わったからだ。『絶雲の間』を訪れた折、そういう変化をお前たちも感じただろう」
「確かに…」
「見ての通り…仙人の時代は次第に遠ざかり、人の時代こそが徐々に現実になりつつあるんだ」
さすがにこれ以上冷めてしまっては勿体無い、ということでそろそろ料理に手をつけることにしつつ、鍾離さん*5が始めたのは、そんな話。
「かつては仙人が世を去れば、それを送る盛大な儀式が執り行われていた。璃月の伝統として…しかし、今回の件については、七星までもがその伝統を
「まあ、大事件として騒ぎになってるところですし…」
「真犯人もまだ捕まってないしな…」
「事件については『往生堂』は気にしていない。『往生堂』の気掛かりは、仙人を迎える…『迎仙儀式』が盛大に執り行われている反面、去った仙人を送る――『送仙儀式』が放置されていることだ」
…悪く言えば保守的とも言える態度だけど、某上層部のような厭らしいやつではない。専門家の見解というやつだ。…"一歩引いた視点を持てるのが良い奴"、か。私も冷静さを欠いてたかな……"良い奴"にはなかなかなれそうにない。
「『公子』殿から聞いた。お前たちは風神の友人なのだろう…俺と共に、岩神を送る儀式の準備をしてくれないか」
「………うん、手伝うのはいいよ」
それはさておき…私たちは3人揃って『公子』にジト目を向けることになった。当人はとてもニコニコしていらっしゃる……まあ、わざわざ否定するほどのことでもないしいいけどさ。
「賢明な判断だ。…『天権』凝光は帝君の仙体を見ることを禁じた。それを越えて無事に
「その通りだ。『送仙儀式』に参加すること…それが岩神の体に会うことのできる唯一の機会だろう」
「なるほど…確かに。ちゃんと正攻法だし」
「まだチャンスがあってよかったな、蛍!」
「うん…!」
蛍は感極まったような声音で、小さくガッツポーズまでしている……いやもう、本当に良かった。どこぞの風神よろしく倫理観その他が脱落した案を持ってこられては困るし、それしかない状況になっていたらもう私が腹を
「納得したのなら、俺についてこい。詳細は歩きながら話そう」
まあ、ともあれ…鍾離さんはそう言ってスッと立ち上がり、店を出ていった……え?展開早くない??
「さて。これで俺の橋渡しとしての役割は終わった。どうだい、なかなかの結果だろう」
ポカンとしてしまっていたところへ、横合いから安堵した様子の声が聞こえてきた。…あ、そっか。そういえばこの場をセッティングしたのは『公子』だから、代金は彼持ちになるのか。だから遠慮なく出ていったのねあの人。
「…まあ、実際助かりました。恩に着ます」
「それにしちゃまだまだ表情が固いね…まあいいさ、行くなら早くした方がいい。俺のことは気にしないで。ここで数杯いただいて、ついでに箸の使い方でも練習してるから」
「元からそのつもり!じゃあ」
「あっ蛍…えっと、では私もこれで」
ふいっと背を向けて出ていく蛍…いくらなんでもその態度は、と思いながら私もそのあとを追った。『公子』の苦笑いを一目見るだけに留めて。
なんというか…いや、これはむしろ私が礼節を備えすぎなのかもしれない。「いい子ちゃんすぎる」ってよく言われたしなぁ……。
"稼業人"がわからなくてネタが通じないタイプの筆者でした なんか申し訳ねぇな そんなわけで同じムーブをしてもらうことにしました
・
ファミレスとかスイパラとかのが慣れてる呪術師
必要とあらば『天空のライアー』の件と同じ行動をする気ではいる 気は進まないけど
それにしても 実際
???「ま、俺も自分が"良い奴"になれてるとは思ってねぇけどな」
・蛍
『公子』への不信感がぬぐえない旅人
まだ正攻法でいけると知って安堵感が半端ない
・パイモン
食い意地が露呈してる案内役
そういえば蛍と出会ったときも一本釣り(物理)でしたね
・タルタリヤ
なんというか、お茶目というか…なんというか(語彙力)
ラスト、何だろうと思ったけどもしかして
・鍾離
客卿という言葉に馴染みが無さすぎて調べまくった なお某G****e翻訳はまるで役に立たなかった
意味深に伏せられまくっているなんかすごそうな御仁 当人はあまり気にしてなさそう