丸1月ぶりの更新
早くも夏バテが始まりつつある気配を感じる ステイッステイッ まだだッまだだッ
独特の浮遊感とともに、景色が切り替わって―――穏やかな風が吹きわたる草原に転移した。いつもの私&蛍&パイモンに加えて、今日は鍾離さんもいる。
…まさか、璃月の儀式の準備のためにモンドへ戻ってくることがあるとはな。しかも人里じゃなくて、この大自然の真っただ中に…。
「風の国に足を運ぶのは久しぶりだ…」
「郊外どころじゃない場所ですけどね…」
「それでも、この風はこの地特有のものだ。…モンドの友人は、璃月へ来るたびに蒲公英酒を持ってきてくれたな。牧歌の城の銘酒は、スメールの『冷浸蛇酒』よりも旨いと認めざるを得ない」
…割とマジで私には微塵も関係ない話が始まった。まあただ雑談の思い出話だろうから別にいいけど……みんなお酒大好きだよなぁ。向こうじゃ税があったぐらいだしな。世界線が変わっても、そこは変わらないらしい。
とはいえ、私にはあまり馴染みがない。未成年系のルールは守るタイプだったし、五条先生は下戸だったし……師匠は相当な
「あったぞ!あの鍋だ!」
しばらく歩いていくと、パイモンが声をあげた。そっと近づいたそこは断崖。下にはやや広めなヒルチャールの集落が見渡せる。その中に…驚くほど大きな鉄鍋がひとつ。わざわざ取り囲むように足場が組まれている。
球から切り取ったような形状の、そんなに深くないやつだけど……近くにいるヒルチャール暴徒と比べれば、彼らが6、7体は寝そべって収まりそうな大きさがある。…東北の芋煮会の鍋ってあんな感じなのかな。あの混ぜるために重機が動員されるとかいうやつ。
以前は………何でここに来たんだっけ?もう色々と濃い経験をしすぎていて、思い出せないことが多い。パッと浮かばないってことは通りすがりか、何かちょっとした依頼の一貫だったんだろう。
「とはいえ、絶賛使用中だね…」
「ちょっと申し訳ないけど、割り込ませてもらうしかないよな…」
「そうだね、行こう!」
そう…大鍋の中にはぐつぐつ煮える何か透き通ったスープがあって、取り巻く足場の上には3、4体ほどのヒルチャール達。…踊ってるように見えるあたり儀式っぽい感じがするけど、どちらにせよ彼らけっこう高度な文明を持ってるよね。モンスターというよりそういう部族っていうほうがしっくりくる。あまりにも武闘派すぎるから警戒されてるわけだけど。
ついてに言うなら、下には斧持ち暴徒の姿もある。…あそこに接近して実験かぁ。今さらだけどだいぶ大胆でリスキーなことしようとしてるな。理知的なのか野生的なのかどっちなんだ…。
「よし、ここで…はあぁっ!!」
まあ、なんだかんだ言ってももう蛍が飛び出してるんだけど。あの落下攻撃がすごい。斧持ちを不意打ちで地面に伸したかと思えば、反動で跳び上がって足場の上の奴らを蹴散らしていく。風の翼で追いかけた私が到着するまでの間に、蛍一人でそこまで済んでしまった。
「おぉ…スープがたんまり入ってるぞ!ヒルチャールは大食いだな…」
「ちょっともったいない気もするね…けど、ありがたく使わせてもらおっか」
「なるほど、これを水元素の代わりとするわけだな」
「火はもうついてるし、とりあえず周りのことは私に任せて!」
パイモンがついてきたあと、鍾離さんも足場の上へ降りてきた*1ので、実験に関してはそちらに任せてしまおう。
呼び掛けながら、視界の隅で点った赤い光へ長杖を投げる――命中。guaa!と悲鳴を上げて吹っ飛ぶヒルチャールの手から弓矢が離れる。いつでもどこでも遠距離攻撃は厄介なので優先的に、ついでに回収がてら、暴徒の斧を握る手にも一発当てて取り落とさせた。
「うお…すげえ、飛んでる」
「見世物じゃないよパイモン、実験するんでしょ?」
「お、おう!そうだな!任せとけ!」
「日依、入り口まで来たら私が対処するから大丈夫だよ!」
やっぱり…死線を*2越えたうえ黒閃まで出したのが効いてるのか、『繊域』をかなりうまく扱えるようになってる気がする。呪力の浸透した杖とはいえ、
しかし、私流の中距離戦術は任せたつもりのあっちの集中まで散らしてしまったらしい。…鍾離さんまで興味深そうに私を見ていた。これではいけない…蛍から"こっちは任せて"宣言をもらったことだし、こんな簡素な足場は飛び下りてしまおう。
「さてと…せやあっ!!」
「gwaa!?」
とりあえず実験の邪魔をさせなければいいわけだけど、あいにく私は消極的戦術が苦手なほうだ。具体的に言えば護衛とかは向いてない*3。そういうわけで、積極的に狩らせてもらおう。個人的な恨みはないけど、邪魔立てさせないためなのでね!
通常個体のヒルチャールを伸すのは慣れた。石を投げるか棍棒を振り回すかだし、弓のやつは頑なに弓頼み。倒さなきゃいけないわけでもなく、遠くまで吹っ飛ばしてしまうくらいはもはや造作もない。呪術甲子園では三振とられたけど、今は球がデカいので。
問題は斧持ち暴徒のほう……何度か相手したことはあるけど、炎元素の範囲攻撃が苛烈でキツい。とりあえず、大鍋から引き離そう。味方も巻き込んで吹っ飛ばしてくれるし…!
「…っ?」
「今の光!1番の夜泊石からだ!」
「ああ。…ん?ヒルチャールの増援が来たようだぞ」
「うわっ、ホントだ!?さっきの光でか!?」
「ううっ…しょうがない、私もちょっと出るね!」
その大鍋のほう、視界の隅で今度は青い光。パイモンの嬉しそうな声で状況は把握できた。その次に悪い情報も把握できたけど……ちらっと振り返れば、蛍が2体のヒルチャールを相手してた。よく見れば見慣れない杖持ちと、弓使い2体も追加されてる。向こう側から来たのか!
…方針変更。こっちも悠長にしてられない!
「『迅雷』っ!!」
斧持ちに付けた呪力を全消費するつもりで一撃。これで倒れてくれるとは思わないから、握り直した長杖でさらに押し込んで―――奴が膝をついて倒れるのを確認、すぐさま雷を
「ふえぇ…なんとかなってよかったぜ…」
「とりあえず、実験に戻ろっか…」
木々の葉擦れと、ぐつぐつと鍋が煮える音。辺りはそれだけの静寂になった。…私が離れたところへの援軍襲来で焦ったけど、本当になんとかなってよかった。
…というか。一度、蛍が足止めを食らった隙にヒルチャールが大鍋へ迫った場面があったそうだけれど……襲いかかられた鍾離さんが眉ひとつ動かさずシールドを張り、ヒルチャールのほうが吹き飛ばされたらしい。鍾離さんが岩元素を使える人であることが判明した。そのわりには神の目……まあ、見える所に飾っておかなきゃいけない縛りもないか。戦闘職の人でもないしな。
「お、2番も光ったぞ!」
「さっきのよりは強い光だね…けど待って、また!」
で、戻るも何も放置実験なんだけど……今度はさっきとは逆。大鍋の中の青い光*4のほうを見ていたら、視界の隅でヒルチャールの増援が
評価と判断は大鍋に近い面々に任せて、術式を再起動する――思えば、燃費効率のいい運用の感覚もだいぶ取り戻せてきたように思う。
「オイラたちが食べ物をダメにしたの、だいぶ怒ってるみたいだ…」
「食べ物の恨みはなんとやらってよく云うし、こいつらもそうってことね…!」
腹が減ってはとも云うし。死活問題だもんなぁ……別にただ熱で光る石が入っただけのことではあるんだけど、それはこっちの都合だし、言っても詮無いことだ。
はてさて。斧持ち暴徒が再来したのが少々辛いところだけど、今度は蛍もいるからさっきよりは余裕を持って対処できる…けどその前に、目障りな草元素
「――『迅雷』っ!!」
白…いや、今は薄紫の閃光が駆け抜け、杖持ちを枯れ葉のごとく吹き飛ばす。やっぱり馴染んだ武器を標的にすると威力出せるな。あいつはしばらく起き上がってこないだろう。そうと決まれば、標的にした長杖をさっさと回収しておいて――
「うわっ、眩しい!?これって、3番の夜泊石だよな!?」
「これは…凄いな」
「えっ!?お、おぉ…」
…二人掛かりで斧持ちを倒すが早いか。そんなタイミングで、大鍋から明らかに強い光が立ち上って……蛍と二人して、本気でビビってしまった。な、何かと思った…。
空中でわたわたするパイモンの傍らで、鍾離さんが瞠目している。お眼鏡に
「鍾離さんの太鼓判も出たみたいだし、これはもう決まりだね」
「そうだな!またヒルチャールが集まってくる前に、急いで『解翠行』に戻ろう!」
そういうわけで、蛍に連れられワープする形で、私たちは璃月港に蜻蛉返りを決めた。
あ、光り輝く鍋は放置で。あれどうなるんだろうな……今回の件が終わってもまだあそこで光ってたら、ちょっと面白いかも。
必須元素不在パーティ、どうするか悩みがち これ留雲借風洞天でも思ってたけど
稲妻編が今からもう心配ですわ…
・日依
今回は用心棒みたいな感じになってる呪術師 本来向いてない やらされてやり抜いたことはあるけど
お前まだ本調子じゃなかったのかよ
あ、師匠は付き合いで相手を酔い潰れさせるけど酒好きってわけではない天然強者です 好きと得意は違うんだぜ
・蛍
実験観察は途中でパイモンに任せた
呑めそうな見た目じゃないけど呑めるっぽいことがテキストから読み取れる 日依は
・パイモン
実験観察&リアクション担当 とても優秀()
・鍾離
今回はマイペース控えめの有識者(岩元素使い)