帝国の忌み子   作:獄華

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第三皇子

 

 ヘレンフォイア帝国……。

 5世紀前に産声を挙げたこの国は戦争と平和的外交で15,074,800km²の広大な領土を保有し専制君主制だが人口2億の民衆から支持される国である。

 帝国は21世紀に入り、さらなる繁栄を極めていた。

 2024年、皇帝ゴットハルト・バルツァーと女王アーデルトラウト・バルツァーの第三皇子マックス・バルツァーが誕生した。

 その際は国を挙げて5世紀前から続く伝統衣装に身を包んだ軍隊と騎馬隊と現代の戦闘車両、ヘリコプター、戦闘機が飛び交い大きなパレードが行われた。

 

 事が起きたのはマックスが五歳の時である。

 その日マックスはメイドのミーナ・オティーリエと一緒に自分の家であるディーター宮殿を探索していた時の事だった。

 お茶を飲むため二人は給水室で湯を沸かし互いにテーブルに座っていた。 

 

 「マックス王子。もう自分の家には慣れましたか?」

 

 「うん……。でも僕も外で遊びたいな」

 

 あらあらと困ったような顔をしてミーナは苦笑する。

 

 「駄目ですよ。皇家バルツァー家の人間たる者しっかりしなくてはなりません」

 

 「……でもミーナだってたまに欠伸してるよ」

 

 「そ、それは……!」

 

 10個も歳の離れたマックスに突っ込まれミーナは赤面しながら言い訳を考える。

 

 「あれはですね!。特殊な深呼吸で脳を活性化させてさらなる集中力を自分に取り入れるのです!」

 

 「へー」

 

 「その顔は信じていませんね!」

 

 「大丈夫。7割ぐらい信じてるよ」

 

 「3割も疑惑があるのですね……」

 

 ガクリとミーナが肩を落とすと、ピィィィィィと湯が沸いた音が鳴った。

 

 「王子ここでお待ち下さい。少しポットに湯を入れてきます」

 

 「うん……」

 

 少し眠た気な様子でマックスはミーナを待つ。

 うつらうつらと頭を縦に振り出した。

 

 「あらあら、王子ったらオネムがしたいのだわ……熱ぅ!」

 

 ミーナはポットに淹れるのを速く済まそうと急ぎやかんを開け注湯していると飛び跳ねた熱湯が自分の手に掛かりポットを手で倒してしまった。

 ポットは淹れられたばかりの熱湯を撒き散らしながらうつらうつらと眠るマックスの元へ転がっていく。

 

 「あぁ!王子!避けて!」

 

 ミーナの声を挙げた警告虚しく熱湯がマックスの身体に掛かる。

 思わずミーナは目を瞑るがマックスの悲鳴も泣き声も聞こえなかった……。

 恐る恐る目を開けると熱湯を被ったにも関わらずテーブルの上ですやすや眠るマックスの姿があった。

 

 ―――――ど、どうなってるの?。確かに王子に湯が掛かったのに……。

 

 

 「と、とにかく医務室ヘ連れて行かなきゃ!」

 

 ミーナはマックスを抱き上げるとそのまま医務室ヘ向かった。

 

 

 その日マックスの身に隠された驚愕な事実が発覚する……。

 

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