これで読者の声がダイレクトに作者に伝わります。
「……‼︎」
"それ"に真っ先に反応したのはトリコだった。それから数秒後、節乃や一龍、与作といった実力者、そして数時間後に世界中の人々はこの世界にまた一つ新たなグルメが誕生したことを知る。
「成し遂げたか……‼︎小松‼︎」
アイスヘルから帰還して約半年、数々の困難を乗り越えて小松はとうとうセンチュリースープを完成させたのだ。
それは偶然か必然か、トリコの腕が完治するのと同時だった。
そして……
「う〜ん、ジョンガルクワガタは今のところフライにするのが1番美味しいですね〜。衣が美味しいだけな気もしますけど…… あら、どうしました?」
「ふふふっ……ついに来ましたか、この時が‼︎」
「もしかして例のスープですか?」
「ええ!私のグルメ細胞がそう訴えています『センチュリースープが完成した』と‼︎」
遠く離れたゲヘナの地でもその知らせは届いていた。スープが完成してすぐハルナの全身のグルメ細胞はわずかに反応した。それほどまでにハルナはスープの完成を全身で待ち望んでいたのだ。
「こうしてはいられません!一刻も早くスープを飲みに行かなくては‼︎」
「いってらっしゃーい。私の分も持って帰ってきてくださいね⭐︎」
そしてハルナは走り出した。発せられる食欲はハルナを止めようとする風紀委員を吹き飛ばし、襲いかかろうとした猛獣に道を譲らせるほどに凄まじい。
センチュリースープを食べるため、自らの食欲を満たすために一刻も早く小松の下へたどり着かなければならない。誰にもその歩みを止めることはできないのだ。
――
「シェフ!」
「小松シェフ!!」
「幻と言われるスープが完成したそうですが!!」
「メニューにはいつ頃載せる予定ですか?」
「特許の申請は!?」
「ぜひレシピの公開を!!」
「あ…はぁ……」
マスコミの応答という慣れない行為に加えてこんなに大勢に詰め寄られて小松はしどろもどろになっていた。
「通してくれ」
「おぉ”G7”のパッチ氏!!」
マスコミをかき分けて現れたのはG7のパッチ、食の世界の権威である。
「センチュリースープをテイスティングしに参ったぞ」
【G7】
IGO主要加盟国より選出された7人の”味覚マスター”
驚異的な味覚の持ち主であり、ホテルやレストランの星の数や料理人ランクなどグルメ時代の重要事項の決定に大きく携わっている他IGOの監査役も務めている食の要人。
その中の1人であるパッチがこのホテルグルメを訪れたのは他でもないセンチュリースープが本当に完成したのか確かめるためだ。完成していたのならばホテルグルメの評価は改められることとなる。
ホテルの星の数に直結するとなれば当然、支配人は小松にすぐスープを出すようせがむ。
しかし……
「今すぐはスープをお出しできません」
「む、何故だ?」
「先に飲ませたい人たちがいるので…!」
「なんと…この私より先に客がいると?」
G7の1人がテイスティングしに来たとならば最優先で料理が提供される。G7より優先的に提供する客など通常ならばいないのだから。
「小松!!」
だが、小松は違う。このスープを作り始めた時から最初に提供する客は決めていたのだ
「トリコさん!!!それに皆さんも!!」
「飲みに来たぜ…!センチュリースープをよ!!」
その相手とはもちろんともにアイスヘルの試練を乗り越えた仲間であるトリコ、鉄平、滝丸、節乃、マッチ、ラム、シン、ルイ、そして……
「小松さん!!ついに完成したんですね!?私はできると信じていましたよ!!あ、あとこの間の昆虫食のレシピも大助かりでしたよ!!そのおかげで故郷で同志が一人増えて、なんとフルコースに加えて……!!」
「あわわ……おち、おちついて……」
溢れ出る食欲を抑えきれないハルナだ。ものすごい勢いで小松に詰め寄り興奮した様子で感謝を伝えながら激しく揺さぶっている。
ゲヘナから飛び出してきてすぐの元気いっぱいなハルナに思いっきり揺さぶられ小松は一瞬宇宙が見えていた。
「ハルナ、興奮するのも分かるがその辺にしとけ」
「あら、すいません私としたことが……」
マッチの制止によりハルナはようやく落ち着きを取り戻した。
「相変わらず元気な奴だぜまったく……」
「マッチさんも、皆さんもケガがちゃんと治ったんですね!!」
左耳や右目など体の主要器官を失っていたマッチの部下3人の傷もほとんど元通りに治っている。
「それにしても皆さん、まだボクの方から連絡してないのにどうして…?」
「ああ、オレは噂になる前から小松がスープを完成させたって何故か分かってたのさ」
「え!?」
トリコの手はスープ完成と同時に完治した、トリコのグルメ細胞はスープが完成することを察知して傷を一気に治したのだ。
「小松なら誰よりもまずオレらにスープを飲ませると思ってよ、先にみんなに連絡して集まってもらったのさ!」
「さ、さすがトリコさん……あれ?でもハルナさんはグルメ界に帰ってたんじゃ……?」
ほかのメンバーと違ってハルナはすぐ集まれるような場所に居なかったはずだ。時間と距離の計算が合わないことを不思議に思った小松はハルナの方を見る。
「……」
「目を逸らすな」
ハルナはスープの完成を察知して邪魔するものすべてを振り切って大急ぎで飛んできたのだ。ゲヘナの治安維持部隊も、グルメ界の猛獣も……
「こいつもスープが完成したのを察知してグルメ界から飛んで来たんだってさ、……急ぎすぎてIGO防衛局の関所をぶっ壊すぐらいの勢いでな」
「え!?それって結構まずいんじゃ……」
IGO防衛局の関所もすべて振り切ってやってきたのだ。
「大丈夫ですよ……たぶん、おそらく。グルメ界からアングラの森を超えてわざわざ来る猛獣なんてそうそういないはずですし……」
「目の前の実例にそう言われてもなかなか安心できないなぁ……」
小松の言う通りわざわざスープを飲みにグルメ界からアングラの森を超えてここまでやってきた
「後で弁償しとけよ?」
「はい……」
IGOも何の対策もしていない訳ではないが、それはそれとしてハルナが与えた損害は大きい。保護者になりつつあるマッチに怒られ、先程の興奮した様子が嘘のように大人しくなっていた。
「ま、そんなことよりスープだスープ‼︎早く飲もうぜ‼︎」
「そうですね!ではみなさん!早速最上階のレストランへ‼︎」
――
ホテルグルメの最上階に位置するレストラン、5つ星の評価を受けていることもあり連日賑わうこのレストランだったがこの日は貸切となっていた。
理由はもちろん……
「それではみなさま“センチュリースープ”を…」
「どうぞお召し上がり下さい!」
センチュリースープを小松が振る舞うためである。
アイスヘルへ旅立ってから半年、ようやく飲むことのできる伝説のスープを目の前にハルナは静かに興奮していた
(これが……伝説のスープ…!とうとう目の前に……‼︎)
最高級のレストランで騒ぐなんてことはNGだ。ハルナはスープを最大限楽しむため、故郷の火山のように噴火しそうな感情を抑え込んでいた。
(__いただきます)
ついにその時が来た。スープを包み込んでいた銀色のクローシュが取り除かれる。
瞬間、スープの神秘的な輝きと煌めきがオーロラがとなって溢れ出した。
スープから立ち上るオーロラの揺らめきを視覚で楽しみ、続けてスープに触れる。その優しい温もりを手のひらで堪能し、いくつもの具材が生み出す香りのハーモニーを嗅覚で味わう。スープを少し掬えば、聞こえてくる小さな水音も楽器のプロが奏でる音色のように上品で美しい。
そして掬ったスープを口に運ぶ。
__その圧倒的な食材の情報量に、ハルナは思わずスープを噛みしめてしまう。
受け継がれてきた食材の歴史、記憶、旨み……そしてアイスヘルでの冒険の思い出、スープを完成させた小松への感謝、それら全てが積み重なっておいしさの宝箱となり、ハルナの口の中へと飛び込んできたのだ。
(何という満足感……‼︎これがセンチュリースープ‼︎‼︎)
その満足感からか自然とハルナの目尻が下がり口角が上がっていく。
(美味しすぎて……“笑顔”になろうとする顔が止められません‼︎)
ハルナはあまりの美味しさに他人には見せられないような顔の笑顔を浮かべていた。
「わ゙ーっ、みんなみだらな顔にーっ‼︎」
人に見せられないような笑顔になっているのはハルナだけではない。トリコも滝丸もマッチも鉄平も節乃も、皆その美味しさに抗えずみんな同じような表情になっていた。
「わっはっはっ、ヘンな顔~っ!!」
「あっひゃっひゃっひゃっ」
先ほどまで騒がないと決めていたハルナも思わず大声で笑ってしまい、レストラン内に楽しげな笑い声が広がっていく。それにつられて小松も自然と笑みがこぼれた。
全員がひとしきり笑って落ち着いた頃……
「小松っ!!」
「!」
「このスープ、オレの『フルコース』に入れていいか?」
「え?」
トリコの突然の申し出に小松は目を丸くしていた。
そんな小松の様子を見てトリコは笑顔で言う。
「こんなにうめぇスープ!!初めて飲んだよ!!」
――
ホテルグルメ最上階のレストランから見える夜景は絶景だった。その景色を眺めながらゆっくりとスープの残りをハルナは楽しんでいた。
(何度飲んでも美味しい……美食四天王トリコのフルコースの一つに選ばれるのも納得の出来……!!)
20歳になるまで酒を飲んではいけないと
ホテル最上階の最高級レストランとは思えないほどの光景、普段ならすぐさま銃を取って静かにさせるが今回は違った。このレストランから見える夜景の美しさに引けを取らないほど……いや、それ以上にかけがえのない光景だと言えるだろう。
(不思議なものです……最初はただおいしいスープがあると聞いてフウカに届けようとしただけのことだったのに……)
目の前のバカ騒ぎをしている大人たちと共に過ごしたアイスヘル、その思い出がスープとともにハルナの体に染み渡る……
その日──宴は朝まで続き…その後センチュリースープは「G7」により正式に認定されたという…
レストランのメニューには伝説のスープの名が輝き、店には世界中から連日予約が殺到した…
小松の手柄により「
「はい!センチュリースープ4人分です!」
「ありがとうございます小松さん、フウカも故郷で待ってる私の友達もきっと楽しみにしていますから冷めないうちに急いで持っていきます!!」
ハルナは小松からフウカとアカリ、そしてこの前仲良くなった2人の分のスープを受け取っていた。
「通用するのかなぁ…僕のスープがグルメ界で……」
「心配すんなって小松!オレのフルコースの一つに選ばれたんだぜ?もっと自信を持てよ!!」
「そ、そうですよね!!」
「ええ、私が認めたんですから必ず皆さんもおいしく飲んでくれるはずです!」
「それじゃあまた!」
「スープの感想聞かせてくださいねー!!」
「今度はちゃんと定期的に帰るんだぞー!!」
ハルナは再びゲヘナへと帰っていった。しかしそれは別れではなく、新たな食材を求める旅の始まりでもある。
誰かが言った…問題児の集まる島に湧き出す不思議な酒、シグレ酒があると…
遥か昔に研究者たちが完成させた謎多きフルーツ、ゲマドリアンがあると…
(私もトリコさんに負けないぐらい立派なフルコースを完成させてみせます……!!)
ハルナは心の中で改めて決意を固くした。トリコやここへ来るきっかけになったあの美食屋に引けを取らないほど立派な人生のフルコースを完成させてみせると。
誰かが言った…数千万年ほど前の地層から発掘された鉄のような卵、ヴォルフスエッグがあると…
あまりの美味さにひっくり返って『反転』してしまう色鮮やかな野菜、シャキ菜があると…
「私のフルコースは…あと5つ……!!」
前 菜:
スープ:
魚料理:ゴールドマグロ(捕獲レベル60)
肉料理:カーマスー虎(捕獲レベル875)
メイン:
サラダ:
ドリンク:
デザート:デス桃イモ(捕獲レベル318)
「"グルメテロリスト" 黒舘ハルナ」完
というわけでこれにて完結です。(このあと2話ぐらい番外編を投稿するけど)
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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以下、雑語りです
本作「"グルメテロリスト" 黒舘ハルナ」はとあるブルアカ二次作者から「執筆の感覚をつかむために10話ぐらいの話をいくつか書いてキッチリ完結させてみると良い」とアドバイスされたのでそのまま練習用に書き始めました。11話なのでちょうどいいですね。
トリコを選んだのは某VTuberのせいでトリコに久しぶりにハマったからです。原作ブルアカじゃないのは先駆者が強すぎて……
最初はオリ主の悪魔がハルナでそれが暴れて…って設定にしようと思いましたがグルメ細胞の悪魔には性別がないし、そもそもそれなら本人で良くないか?になったので…
ちなみにですが本作のハルナは悪魔持ちではありません。(今の所)
想定を上回る人気が出たのでもう少し書きたい気持ちがありますが風呂敷を広げすぎると畳み切れないってのは原作トリコで学んだので…(アカシアのフルコース編ちゃんと読みたい)(ライブベアラーとサニーの絡み見せろ)
でもわざわざ「センチュリースープ編」なんて章を作ったし、出すつもりなかったアカリが一瞬だけ出てきたり、出すつもりだったフウカが出てこなかったり、この後の展開もちゃんと考えていたりなので、終わらせ方が思いついたらそのうち書くかもしれません。(あと使ってないオリ食材をどこかで使いたい)
では最後にこれだけ
「ブルーアーカイブ -原作:ブルーアーカイブ」増えろ!!
俺はキヴォトス以外でも活躍する生徒の姿が見たい!!!!
トリコみたいななんかそれっぽい設定付ければ意外と馴染む作品多いぞ!!!!!!
ゲヘナがありそうな場所は?
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エリア1
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エリア2
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エリア3
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エリア4
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エリア5
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エリア6
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エリア7
-
エリア8
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独立