"グルメテロリスト" 黒舘ハルナ   作:有馬Hidden

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次の更新は4月と言ったな?あれは嘘だ

更新してないのになんか伸びてて嬉しい
おかげで評価バーが真っ赤ですありがとうございます
トリコ小説がランキングに入った影響ですかね

忙しいけど寝る前にちまちま書いてました


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「こっからだぜトミー!!野生(ほんとう)のオレの狩り(たたかい)を見せてやろう!!」

 

 

「す、スゲェ…」

 

マッチは目の前で起こっている闘いにただ圧倒されていた。

今まで虫に頼り切っていたトミーロッドがトリコに直接襲いかかってくるのを何とか目で追うので精いっぱいだった。

 

「口の中にあそこまで鋭利な牙を隠し持っているとは…虫を産むときに邪魔だから今まで使っていなかったというわけですか」

「今まで本気じゃなかったってことかよ……!!」

 

マッチは戦慄した。

虫たちで散々苦しめてきた今までが全く本気ではなかったということだ。

 

しかし、それとは反対にマッチに不安はなかった。

虫の何倍も素早く動くトミーロッドを見てもトリコが負けるとは思えなかったからだ。

 

「神秘ってのは…スゲーんだな……」

「そうですね、私の持っている残りのカケラを全部渡したのですから」

 

ハルナは虫を齧りながらそう返した。

バリバリと音を立てながらおいしくなさそうに虫を齧るハルナを見て、マッチは何か狩ってこようかとも思ったが残り少ない体力を消費するわけにはいかなかった。

 

「……美味いか?それ」

「全然」

 

ハルナが現時点で持っているカケラをすべてトリコに託したため、ハルナの回復手段はその辺に転がっていたり、ふらふらと飛んでいる虫を齧ってエネルギーを取ることだけだった。

当然、食用でもない虫がほとんどのためその味はひどく栄養も少ない。何とかこうして座って会話ができる程度まで回復はしたがこれでは戦力にはなれず、実際は立ち上がっていることすら難しい。

 

「……後ろの人たちが起きあがってくるまでにトリコさんが勝てればいいんですけど」

 

ハルナは振り返って先ほど倒したバリーガモンと滝丸が倒したボギーウッズの方を見る。

マッチも何か言いたげだったが何も言わずに目の前の闘いを見守った。

______

 

「フォーク!!」

 

トミーロッドの牙を紙一重で躱し、フォークを大量に放ちながら距離を詰める。

懐に入ったトリコはトミーロッドを蹴り上げた。

 

トミーロッドは後ろに大きく吹き飛ばされ、地面に強く叩き付けられる。

その衝撃はあまりにも大きかった。地面が蜘蛛の巣のようにひび割れ陥没するほどの衝撃に叩き付けられたトミーロッドは血反吐を吐いて悶え苦しむ。

 

「がっ…はァ……!トリコォ…!!」

 

地面に倒れたトミーロッドは起き上がろうとするが、それよりも先にトリコはマウントポジションを取り何度も拳を叩き込んだ。

虫を出す暇すら与えない連撃である。

そしてとどめに大きく振りかぶった拳を振り下ろそうとした。

 

「これでトドメだ!!”13連……!!」

「こんな闘いは久しぶりだ…!!」

 

だが、その拳は振り下ろされる前に筋肉で何倍にも膨れ上がった腕に掴まれ振り下ろされることはなかった。

 

「トリコ…お前という一人の美食屋に敬意を表し、全力で息の根を止めてやろう」

 

両腕両足の拘束具を外し、本来の力を解放したトミーロッド。

その肉体はトリコよりも大きくなり、今までの細い腕や足は膨れ上がっていた。

 

トミーロッドはトリコとの闘いを楽しんでいた。

ここまでの闘いはひたすら自然で純粋、勝ち残って食料を得るためのいたってシンプルで原始的な闘い、そこには悪意も敵意も存在せずただ純粋に食すことのみを考える野生の勝負だった。

 

「まだ全力じゃなかったってことか……!!」

 

トリコは驚きつつもすぐに体勢を立て直し、トミーロッドの腹部を殴りつける。しかし、トミーロッドはその攻撃を受け止め、お返しと言わんばかりにトリコを殴り返す。

ハルナの神秘で強化されたトリコとの実力はほぼ互角、勝負を決めるのは純粋な能力と力の差だ。

トミーロッドの牙がトリコを切り裂くが、トリコはダメージを受けつつもトミーロッドを殴り返す。

トリコは何度もトミーロッドに殴り飛ばされながらも立ち上がり向かっていく。

それをトミーロッドは何度も迎え撃つがトリコの攻撃はそのことごとくをはじき返した。

 

実力的にはほぼ互角、しかしここまで己の肉体で戦ってきたトリコと虫を使っていたトミーロッドには体力的な有利不利が存在していた。

それに加えて、ハルナの神秘でのパワーアップは持続するものではない。()()が切れてトミーロッドの攻撃をまともに受ければ致命傷になりうる。

トリコは決着の時が近づいていることを感じ取っていた。

______

 

トリコとトミーロッドが戦っている横でハルナは猛烈な眠気に襲われていた。

 

(眠い……)

 

その眠気は満腹感からくる幸福なものではなく、風邪をひいたときに来るような気だるいものであった。

それもそのはず、バリーガモンとの戦いでハルナに残っている神秘は雀の涙ほどの量しか残っていない上に受けたダメージはいまだに回復しておらず、虫を食べ続けて辛うじて体力を維持している状態なのだ。

それでもハルナはトリコの闘いを見届けるために必死に眠気に耐えていた。

 

(トリコさん……)

______

 

トリコとトミーロッドの戦いは熾烈を極めていた。

トミーロッドの牙がトリコの体を抉り、トミーロッドの拳がトリコを吹き飛ばす。

まさに一進一退、両者一歩も譲らない殴り合いであった。

 

トミーロッドはトリコの攻撃を受け、その衝撃を利用して後ろに飛び距離を取る。

トリコもそれを追ってトミーロッドに殴りかかるが、トミーロッドはその攻撃を躱し逆にカウンターで拳を打ち込んだ。

その一撃を喰らったトリコは口から血を吐き出すがすぐに体勢を立て直して再び殴りかかった。

しかし、その攻撃もトミーロッドに受け止められ、強化された顎の力でトリコの左手が食いちぎられた。

 

「関係ねぇ!!”12連釘パンチ”!!」

 

トリコは勢いそのまま、無い腕でトミーロッドの顔面を殴りつけた。トミーロッドの顔面がひしゃげ、衝撃で数メートル後ろに吹き飛ぶ。

トリコは即座にトミーロッドの顔面に釘パンチを撃ち込み、追い打ちをかける。

だが、トミーロッドはそれにひるまず立ち上がり拳を振りかざした。

両者の拳が互いの肉体を吹き飛ばし合い、壮絶な殴り合いが始まる。

そしてついにその時がやってきた。

互いに疲労がたまり、その一瞬に隙が生まれたのだ。

その隙をついてトミーロッドの牙がトリコの腹部を貫いた。

だが、

 

(抜けねぇ…!!)

 

トリコは筋肉を収縮させてトミーロッドの剛腕を固定していた。

トミーロッドがいくら力を込めようともトリコの腹筋はびくともしなかった。

 

「終わりだ…!!トミーロッド!!」

トリコはそのままトミーロッドの腕を摑み、一本背負いの要領で地面へと叩きつけ、残ったすべての力を拳に込めて振り上げる。

 

「トドメだ!!」

 

そして地面に倒れているトミーロッドに拳を振り下ろす・・・

 

「グっ…!!」

 

寸前でトリコの体から”神秘”が抜けていき、急激な脱力感に襲われる。

それを察知したトミーロッドは即座に起き上がり、反撃を仕掛けようとした。

 

しかし、その反撃は一発の弾丸が割り込んできたことで阻止される。

 

邪魔をされたトミーロッドは飛んできた方向に目を向ける。

そこには息も絶え絶えになりながら愛銃を構えているハルナが居た。

 

ハルナは残り僅かな神秘を()()()使()()トミーロッドの腕を撃ち抜いたのだ。

自身を守る神秘すらなくなったハルナは意識を失い倒れこむ。

 

「ありがとう…ハルナ……!!あとで美味いモンたらふく食わせてやるからな……!!」

 

ハルナが決死の覚悟で作り出した僅かな時間、その間にトリコは無理やり体を動かし、気合で体から流れ出ていく神秘を右腕に集中させた。

 

「スコヴィル値1000万級……!!15連釘パンチ!!!!!」

 

トミーロッドは思いっきり地面に叩きつけられる。

 

「ガハッ……」

 

しかしそれでも衝撃は収まることなく、そのまま氷の大地を砕いて巨大なクレバスを創り上げ、トミーロッドはその深いクレバスの底へと落ちて行った。

 

「ク、クソッ……!!この…ボクが……!!」

 

深い闇へ沈んでいくトミーロッドを見届けたトリコもそのまま地面に倒れこむ。

トリコもすべての力を使い果たしていた。

 

(このパワーがオレ一人でも出せるようになれば……グルメ界でも……!!)

 

グルメ界のまだ見ぬ食材に思いを馳せながらトリコは意識を手放した。

______

 

「か、勝った…」

 

壮絶な戦いを見届けたマッチは安心からその場にへたり込む。

マッチはトリコの勝利を信じていたが、何とか勝利した安心感とこれでもまだ”副料理長”なのかという美食會の強大さへの驚きで少しの間動けなかった。

 

(いや……そんなことよりも今はハルナだ!!)

 

マッチは倒れこんでいるハルナとその様子を看ているラム、シン、ルイに駆け寄った。

ハルナは意識を失ってはいるが息はある。だが危険な状態にあることには変わりない。

現に神秘が欠片も残っていないハルナは体温がどんどん下がっていく。

 

「副組長!このままだとハルナちゃんが凍え死んでしまいます!!」

「落ち着け、まずは火を起こして体を温めるぞ。」

 

マッチは上着を脱いでハルナにかける。気休め程度にしかならないだろうがないよりはマシだ。

火を起こしてそばに寝かせる。

 

マッチはトリコもそばに寝かせておこうと運ぼうとした、その時だった。

 

「何だ!?」

 

突然地面が激しく揺れる。

 

(いる……!!この下に何かとんでもないヤツが……!!)

 

マッチ達はクレバスの下から禍々しい気配を感じ取った。

身の危険を感じたマッチ達がその場を離れようとしたその時、クレバスの底から巨大な影が飛び出してきた。

 

「なっなんだぁ!?コイツはぁ!!」

 

ラムが驚くのも無理はない。

飛び出してきたのは巨大な昆虫、トミーロッドの最後の切り札「パラサイトエンペラー」だった。

氷の大地に降り立ったパラサイトエンペラーは羽を広げ、マッチ達を見下ろしている。

 

「で、出やがった……!!トミー様の体内で数十種の凶暴な寄生昆虫を何度も交配せさて出来上がった最強の昆虫…!!」

「凶暴かつ獰猛で敵味方の区別なく襲い掛かる化け物……!!本当なら今すぐお前らをぶっ殺してやりたいところだがそんな暇は無ェ!!……命拾いしたな!!」

 

いつの間にか起き上がっていたバリーガモンとボギーウッズは外へ駆け出して行った。

 

「待て…!!くそっ」

 

追いかけようとするマッチだったが、目の前にはパラサイトエンペラーが立ちふさがる。

その威圧感はまさに”皇帝”と呼ぶにふさわしい。

 

「やるしかねぇか……!!来い……!!」

 

部下とハルナ、そしてトリコと滝丸たちを置いて逃げるわけにはいかない。

マッチは覚悟を決めて竜王を手に取る。だが、

 

「なっ、テメェ!!こっちを見やがれ!!」

 

マッチの覚悟をあざ笑うかのようにパラサイトエンペラーは飛翔して一直線に向かっていく。

この場所で最もおいしそうな食材、ハルナを目指して。

 

「ぐわぁぁぁぁぁ!!」

 

氷の大地を砕きながら突撃し、ハルナを守るべく立ち向かってきたラム達を鋭い鋏で斬りつけながら突き進む。

そしてハルナに粘着性のクモの糸のようなものを発射し巻き付ける。

 

後は捕食されるのみかと思われたその時。

 

「ハルナァァァァ!!!!!」

 

パラサイトエンペラーの糸と鋏が斬り落とされる。

自分に見向きもせず、部下たちをその辺を飛んでいる虫か何かのように雑に弾き飛ばし、何より目の前で子供が食べられて死ぬなんてことをマッチは許容できなかった。

 

その怒りはバリーガモンの時を大幅に上回る振れ幅を生み出しながら爆発した。




「脚で攻撃したら強い!!」←これ初めて読んだ小学生の時あんまり納得してなかった

次の更新こそ4月です
夢喰いセイアが2話書き終わってるので投稿するかもしれません



以下、今後の話(そんなに大事じゃないので読み飛ばしていいよ)

アイスヘル以降について
センチュリースープ完成+後日談でこの小説は終わらせるつもりです
ライブベアラーがトリコの中で2番目ぐらいに好きなのでカジノ編も書きたい気持ちはあるんですけど……ハルナ主軸だと正直難しい
マッチが「子供がカジノなんかに行くんじゃねぇ!!」って追い出して終わりそう
頭脳戦メインでハルナが入り込む余地がないってのもある

なので”もし”書くなら「アングラの森」「ビックリアップル」「クッキングフェス」あたり

あとマッチ先生書けるかも
アルの好きそうなアウトローっぽいし行けそうな気がしてきました

ゲヘナがありそうな場所は?

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