華月麟の幻想記   作:華月麟

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さらば造形神

驪駒早鬼と吉弔八千慧、そしてレーヴァテインに襲撃されてから約2時間程が経過した…。

 

 

磨弓

「やれやれ…少し地上で時間を割きすぎたな。急いで霊長園へ戻らないと…」 タッタッタッ…

 

 

霊長園が畜生界達に襲撃され、陥落してしまった事を知らない磨弓は地上での買い物を終えて足早に帰路についていた。

 

 

~陥落した霊長園~

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…

 

 

磨「な…っ!?」 ザザザッ…

 

磨弓が霊長園に到着した時には、既に霊長園は襲撃後であり、レーヴァテイン達と人間霊達の姿はどこにもなかった。

 

磨「こ、これは一体…私が地上に行っている間に何が…!?」

 

生存者の気は1つも感じ取られなかった。どうやら袿姫が配置していた埴輪兵達は、レーヴァテイン達によって1つ残らず破壊されてしまったようだ。

 

磨「け、袿姫様は…袿姫様は…!?(キョロキョロ)…はっ!?」

 

 

袿「…」

 

 

磨「け、袿姫様っ!!!」 バッ!!

 

袿「…」

 

磨弓は、霊長園の前に倒れ伏していた埴安神袿姫を発見、すぐさま駆け付けたが反応はなく…

 

磨「け、袿姫様…!目を開けてください…袿姫様ぁっ!」

 

袿「うっ…かはっ…!ま、磨弓ちゃん…?」

 

磨「け、袿姫様…!大丈夫ですか袿姫様…!一体ここで何が…」

 

袿「ま、磨弓ちゃん…今から私の言う事をよく聞きなさ…ゲッホゴホッ!」

 

磨「ご、ご無理をなさないでください!」 ウルウル…

 

袿「いい…?磨弓ちゃん…今すぐ地上へ行って…博麗の巫女にこう伝えてきなさい…」

 

磨「は、博麗の巫女にですね!?な、なんと伝言を伝えれば…!」

 

 

袿「ち、畜生界の者達が…新たな支配者を拵えて地上侵攻を企んでいる…。その前振りとして…霊長園の人間霊達を、奴等は新たな戦力として加えた…霊長園の次は地上を襲撃するだろう…と。がふっ…!」

 

 

磨「分かりました…!しかと承りましたのでもう無理をなさらないでくださいっ…!今、手当てをしますから…!」

 

袿「無駄よ磨弓ちゃん、もう…手遅れよ…」

 

磨「いえ…っ!まだ間に合います…!今から手当てすれば、まだ間に合います…!」

 

袿「もう手遅れよ…人間霊達からの信仰心を失った私は、身体を維持するのすら不可能になってしまったわ…」

 

…サァァァァァ

 

袿姫の言う通り、人間霊達の信仰心を失った袿姫の身体は、少しずつ消滅を始めてしまった。

 

磨「け、袿姫様っ!お、お身体が!」

 

袿「ど…どうやら…もう限界のようね…」

 

磨「嫌ですっ!こんな…こんな形で貴女様とお別れだなんて…っ!」

 

袿「うふふ…磨弓ちゃん…貴女は本当に…私の最高傑作よ…」

 

 

サァァァァァァァァァァァァァァァァァ…

 

パッ…

 

 

磨「あ…あ…あ…!?」

 

 

 

「「け…袿姫様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」」

 

 

 

袿姫は消滅する寸前に、最後の力を振り絞り…磨弓を讃える言葉を吐き出し、静かに磨弓の腕の中で消滅した。




皆様、良いお年を
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