霊長園がレーヴァテイン達に襲撃され陥落、そして霊長園の管理者・埴安神袿姫がレーヴァテインの手により殺害、そんな大事件が地底で起こっているなんて何も知らない地上の者達は、今も人里の人々を守矢神社まで避難させる事に専念していた。
一方、麟が闇へと堕ちる瞬間を自分自身の目でしっかりと見届けてしまい…その光景が今でも目に、そして声が耳の奥に、しっかりと焼き付いてしまった者達はというと…
~博麗神社~
霊・魔・饕餮
『…』
未だにあの時に起きた出来事が信じられず、完全に意気消沈状態だった。頭の中では〖華月麟という存在が完全にこの世から消え去った〗という事実は理解していたが、どうしてもその事実を認められない自分がいたのだ。
スタスタ…
藍「3人共…」
饕餮
「ん…?(チラッ)ああ…藍か…どうした?」
藍「その…もうすぐ人里の人達の避難が完了するというのを伝えておこうと思ってだな…」
霊「そう…」
魔「そりゃよかった…」
藍「…私は実際にその光景をこの目で見たわけじゃないから、こんな事を言うのもあれなんでしょうけど…」
「「どれだけ現実逃避をしたとしても、実際に起こってしまった現実を否定する事は不可能よ…」」
霊「(ピクッ…)そんな事…あんたに言われなくたって分かってるわよ…」 ボソッ…
藍「うん…?」
霊(クワッ…!!)
「「そんな事…っ!あんたに言われなくたって十分分かってるわよっ!!」」
藍「っ…」
霊「そんな事分かってるわよ…っ!でも…いきなり『麟はこの世からいなくなってしまいました』なんて非情な事実が受け入れられると思ってるの!?」 ポロポロ…
藍「れ、霊夢…」
魔「ああ…霊夢の言う通りだぜ藍。そんな事、わざわざお前に言われなくたって、私達は十分に理解してるぜ…。でもな…麟の奴は、ほんの数日前まで私達と一緒に笑いながら隣で談笑していたんだぜ…?そんな日常が…たった1つの選択できれいさっぱり消え去っちまった…。だから私達は…その事実を受け入れたくても受け入れられないんだよ…っ!」 ポロポロ…
藍「…すまない」
饕餮
「(スクッ…)おい藍、気分転換がてら、私と話し合いながら散歩しに行こうぜ」 スタスタ
藍「さ、散歩って言ったって…どこへ行くの?」
饕餮
「どこだって良いだろ?ほら、行こうぜ。あいつらは少し…二人きりにしてやってくれ…」
藍「…そうね」
ザッザッザッ…
その場の空気を察し、霊夢と魔理沙を二人きりにしてやろうと考えた饕餮は、気分転換がてらに藍と話し合いの散歩へ出た。
霊「ううっ…!麟…貴方はどうしてそんな選択を下して…」
魔「くそっ…!どうしてこんな事に…!」
ギュッ…!
霊夢は〖腕輪〗を、魔理沙は〖耳飾り〗を、麟が肌身離さず身に付けていた大切な物を強く握りしめた。その時だった…
キィン…キィン…
魔「…うん?」
霊「…え?」
カッ…!
キュイィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィンッ…!!!
魔「うわっ…!?な、なんだこの光は!?」
霊「ひ、光に飲み込まれる…!?」
オォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ…!!!
突如目の前に発生した眩い光の中へと飲み込まれてしまった。