麟「…俺、初めて入院生活してるなぁ」
何を隠そう…昔の俺は病院なんてものとは無縁の生活を送っていたから、当然と言えば当然の違和感があるのだ。
コンコン
麟「どぞ〜」
ガラーッ
鈴仙「失礼します」
鈴仙が来たということは…体温測定か身体の異常が無いかのどちらがで来たわけだな。
麟「体温?それとも身体の異常の有無?」
鈴仙「い、いえ…少し麟さんとお話がしたくて」
麟「話?構わないよ」
あら?予想の斜め上の回答が返って来たぞ?
鈴仙「失礼します…」 ストン
鈴仙はそう言うと、俺のベッドに座った。
少し…悩んでそうな顔付きをしてるな?
麟「んで、話って何?話せる範囲で話すけど」
鈴仙「は、はい。その…あの異変の後、どうして貴方は私達を受け入れるという決断を下したんですか?」
麟「え?」
鈴仙「えっ?」
そっちかぁ…そっち系統の話かぁい…。なんかくだらない会話するかなぁって思ってたのに全然真面目な話やんけぇ!?
麟「別に意味は特に無いよ。だって紫さんが言ってたろ?結界が破られない限り、外部から来る事は無いって。だったら…コソコソ隠れないで自由にこの幻想郷を過ごしてとか…永琳さんは凄い博識なんだから、誰かの為に役立てるとか…そうやってこれからを生きる方がいいんじゃないかと思った…それだけだよ?」
鈴仙「凄いですね…私達の事は何も知らないのに…そんな意見が出てくるなんて、凄いと思いますよ私」
別に普通だと思うけどなぁ…害は無いってあの時判断出来てるし。
麟「別に俺は凄くなんかない。俺は…手を差し伸べられるのなら差し伸べたいだけだよ…。それはそうと…どうだい?人里の病院担当になってからココ最近の生活は」
鈴仙「は、はい!毎日充実してますよ!人里の人達も凄く優しくて…こんな私達をすぐに受け入れてくれて…しかも、最近は私が人里まで薬を売りに行く事が多くなったんですけど…『永遠亭の薬は本当によく効くよ!ありがとう!』って皆が口を揃えて言ってくれて…凄く…嬉しくて…」 グスッ
鈴仙は感極まって泣き出していた。思い詰めてたんかなぁ…今まで。
麟「月での生活と比べたら凄い最高だってか?」
鈴仙「はい…月に比べたら地上の方が遥かに…え?麟さん…どうして私が月に居た事を知ってるんですか?その事を知ってるのは師匠とてゐと姫様くらいしか…」
麟「いや…よく言わない?月には兎がいるって」
鈴仙「言いませんよ?」
外の世界では結構言われてるんだけどなぁ…。
麟「そっか…まぁそんな事はいいんだよ。そんなことより俺から鈴仙に言える事は…お前はもう〖月の兎〗じゃない、〖地上の兎〗なんだよ。だから思う存分、この幻想郷を楽しめ!…くらいかな?」
鈴仙「は、はい!」
いい返事だ…。鈴仙はもう〖月の兎〗じゃないのだから、自分の生きたいように生きればいい…ここは幻想郷なのだから。
麟「それで?話はそれだけか?」
鈴仙「い、いえ…もう1つだけ。これは…麟さんについて…」
麟「ほう?俺の事か、なんだ?」
鈴仙「麟は師匠を負かした人間ですよね?」
麟「え、ええ、そうですよ?」
なんだ?急に変な質問だな。
鈴仙「それに…妹紅さんみたいな力も持ってる…麟さんって何者なんですか?本当に人間なんですか?」
麟「…はぁ」
鈴仙「あ!?あわわっ…すいません!変な質問しちゃって…」
麟「俺は…自分の人生に絶望して、1回目の人生を諦めた弱い人間だよ」
鈴仙「1回目の…人生?」
麟「俺は転生したんだよ、この幻想郷にね。これはここの人間じゃなくて結界の外から来た人間なんだ」
鈴仙「そ、そうだったんですか!?い、意外でした…霊夢さんとあんなに仲がいいからてっきり…」
麟「ははっ!分かるよその気持ちは、最初は皆そう思うだろうなぁ」
鈴仙「あはは…」
麟「さてと…俺が人間なのか?に対する質問だけども」
鈴仙「は、はい!」 ドキドキ
麟「俺は人間だよ、今も、あの時も、そして…これからも。俺は人間であり続けるよ」
鈴仙「なんか、かっこいいですね言い方」
やめろい…恥ずかしいだろ。こんなくっさいセリフなんか吐いてそう言われると羞恥心が爆発するわ。
麟「…話したい事は終わり?」
鈴仙「はい!ありがとうございました!」
麟「いえいえ〜、それじゃ俺は昼寝でもするから」 クルリ
俺は寝返りを打って病室の窓の方へと身体を向けた。
鈴仙(ゴソゴソ…ギュッ)
んっ?なんか…背中に温もりを感じるんですけど?
麟「鈴仙…?なんで俺のベッド入り込んでんのよ」 クルリ
急いで鈴仙の方に身体を向けて対面状態にした。
鈴仙「す、すみません…」 ギュッ
まーた、抱きついてきた…どうしたんだ?
麟「なんか不安でも?」
鈴仙「い、いえいえ!そうじゃなくて…色々、麟に答えてもらったからお礼をと…」
麟「お前が俺と寝たいだけでしょ?」
鈴仙「(ドキッ!?)ち、違います!///」
普通…お礼に添い寝なんて思いつかねぇだろ。
麟「まぁいいや。このまま俺は寝るからさ、鈴仙は好きにしなよ」
鈴仙「は、はい!」
~5分後~
麟「すぅ…すぅ…」
・熟睡モード
鈴仙(ちゃんと…寝てるよね?)
「り、麟さん…」
私は麟さんが寝てるかどうかを確かめる為に話しかけてみた。
麟「ぐぅ…」
鈴仙(かなりぐっすり寝てるわね…なら)
「こ、これは…私達にこの幻想郷での役割をくれたお礼…ですっ!」
チュッ…
・麟の頬にKiss
鈴仙「はわわ…///」
(や、やってしまった!///起きてないよね?///)
麟「むにゃ…お前はもう…1人…じゃないよ…ムニャムニャ」 ナデナデ
・夢を見ながら鈴仙を撫でている
ナデナデ…
鈴仙(凄く…優しい手…)
「私…貴方に会えて良かったです…麟さん」 ギュッ
「そして、貴方の事が大好きです…!」
私は静かにそう宣言した後…しばらくこうしていたいと感じ、起こさないように麟さんを抱きしめてそのまま眠ってしまった。
麟「すぅ…すぅ…」
鈴仙「すやすや…」 ギュウゥ…
~2人で眠って10分後~
ガラーッ
永「鈴仙?ここに居るの? …あらっ、どうやらお邪魔だったようね…ふふっ♪」
ススス…バタン
~30分後~
てゐ「鈴仙〜?」
輝「鈴仙?居るの?」
麟・鈴仙「「すぅ…すぅ」」
てる「ありゃっ…鈴仙ったら大胆な事しちゃって…」
輝「ふふっ♪2人共すっかり仲良しになったのね。…ちょっと変わって欲しいけど」
てる「まあまあ…ほら邪魔しないであげましょうよ、姫様?」
輝「そうね♪また後でにしましょう♪」
ソソソソ…バタン
あの後…私は師匠達に、『麟との添い寝した感想はどうだった!?』と質問攻めをくらって大恥をかいたのはまた別の話です…。
麟さんって凄く落ち着く人ですね…メディちゃんが麟さんにゾッコンなのがよく分かりました。…私もその1人になってしまいましたけどね…♪