華月麟の幻想記   作:華月麟

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滅びゆく者の為に

麟達が新地獄の異変とのケリをつけ、地上へ帰還してから翌日

 

 

~畜生界~

 

 

八千慧

「(カキカキ)くそ…やはり餓者髑髏のせいで相当数の部下を失ってしまったか…」

 

畜生界では、餓者髑髏によってどれほどの人的被害を被ったかの計算を八千慧がしている最中だった。

 

早鬼

「やっぱり、あの異変が起こる前の時の人数と圧倒的にズレてるか?」

 

八千慧

「ええ、もしこの状況で地上侵攻をした場合、その組が壊滅してしまう可能性があるほどには」

 

早鬼

「そ、そいつはだいぶ少ないな…」

 

饕餮

「ちっ…残無の奴、ほんとロクな事をしねぇな…」

 

ちやり

「まあまあ、私達3人がそれぞれの組織に正式加入するんだから良いじゃないっすか~」

 

慧ノ子・美天

「「ね~♪」」

 

饕餮

「良いわけないだろ、一応お前らは元・残無のスパイだったってのは忘れてないからな?」

 

八千慧

「ええ…その件に関しては許したつもりはないですよ?」

 

慧ノ子・美天・ちやり

『貴女方を騙していた事、深くお詫び申し上げます』 ドゲザ~

 

早鬼

「お前達2人はまだそんな事を根に持っているのか?組長として大人げないぞ!」

 

饕餮

「逆に聞くが、なんでお前はそうもあっさり3人を許せるんだ?」

 

八千慧

「我々は3人に騙されていたんですよ?」

 

早鬼

「今更んな事をぐちぐち言っていても、部下達は帰って来ないんだぞ?まったく…未練がましい奴等だ」

 

八千慧

「未練がましいだと?残無のせいで私達の地上侵攻という夢が、また遠退いてしまったんだぞ!しかも博麗の巫女達との約束で、1年は大人しくしていなければならなくなってしまったんだ!」

 

饕餮

「だからといって、麟達へ対する感謝は忘れるつもりは無いけどな」

 

八千慧

「それはそれ、これはこれですよ!」

 

 

ヒュゥゥゥゥ…スタッ

 

 

麟「ったく…昨日はあんなヤバい事件が起きてたってのに、お前ら畜生共は相変わらず元気だこって」

 

 

八千慧

「っ!?か、華月麟!?」

 

慧ノ子

「旦那様!♪」 尻尾フリフリ♡

 

美天

「旦那~!♪」 フリフリ♡

 

饕餮

「お~、よう麟♪」

 

早鬼

「昨日は本当に世話になったな!♪」

 

ちやり

「どもっす~」

 

麟「お前ら、元気してっか~?」

 

八千慧

「失った部下達の人数が多すぎて、頭を抱えていたところですよ…」

 

麟「ふっ…すまないな、本当はもっと多くの部下を救えたはずなのに」

 

八千慧

「いえ…貴方は十分すぎるほどの事をしてくれました。足手纏いだった私には、貴方を責める事なんて出来ません」

 

早鬼

「まったくだ!まさかこの私が足手纏いになる日が来るだなんてな!」

 

饕餮

「なんて情けなくて恥ずかしい話だ…。一組織の長として恥ずかしい」

 

麟「そうかい…」

 

ちやり

「んで?麟さんは何しに畜生界(ここ)へ来たんすか?」

 

麟「いや…畜生界に用があるんじゃなくて、新地獄に用があるからここを通り過ぎようとしていただけだよ。通り過ぎようとしたら、八千慧のブチギレ声が聞こえて来たからちょっと様子見をしてからにしようかなって」

 

美天

「…ですってよ?八千慧様」

 

八千慧

「なんて恥ずかしい…」

 

慧ノ子

「でも…新地獄に何用で行くんですか?」

 

麟「それは内緒だよ。おっと…そろそろ行かないとな。それじゃあなお前ら」 ドゥッ!

 

 

ギュアァーン…!!

 

 

ちやり

「…随分とせかせかしながら行っちまったっすね」

 

饕餮

「一体新地獄に何の用があって、わざわざ来たんだかな…?」

 

ちやり

「さあ?」

 

 

~新地獄~

 

 

オォォォォォォォォォォォォッ…

 

 

麟「(スタッ…)着いた着いた、新地獄…」

 

畜生界の長達と軽く会話を交わした麟は、足早に新地獄へとやって来た。

 

 

ズン…!

 

 

魔狼

【挿絵表示】

『おお!昨日ぶりだな麟!』

 

 

新地獄の獣王〖魔狼〗のお出迎え付きである。

 

麟「よう魔狼、昨日ぶり」

 

魔狼

『わざわざ俺に会う為に来てくれたのか?』

 

麟「んなわけあるか」

 

魔狼

『はっはっは!冗談だ冗談!』

 

麟「ったく…」

 

 

ザッ…

 

 

残「少し騒がしいなと思って来てみれば…まさか愛息子が来ておってとはな…」

 

日「昨日ぶりですわ坊や♪」

 

麟「うっす、日狭美さん、残無」

 

残「ああ」

 

日「どうも~♪」

 

新地獄の管理人〖日白残無〗と、残無の片腕〖豫母都日狭美〗のお出迎えもセットだ。

 

残「それで…今日は一体何しに来たんじゃ?」

 

麟「何しにって」 ゴソゴソ…

 

 

バサッ…

 

 

日・魔狼

「『…花束?』」

 

麟「俺の為に全てを託して死んでいった動物霊共達に手向ける為の花束を持ってきたんだ」

 

残「わざわざ動物霊達に献花する為の花束を持って来おったのか…」

 

麟「そゆこと」 ザッ…

 

ザッザッザッ…

 

麟「…」 スッ…

 

 

 

 

「「滅びゆく者の為に」」

 

 

 

 

パサッ…

 

 

チャプッ…

 

 

麟は、自分の為に散っていった動物霊(とも)達へ弔辞の送り、花束を血の池地獄へと手向けた。手向けられた花束は、血の池地獄の波によって揺られながら血の池地獄を流れ去っていった。

 

麟「ふう…」

 

魔狼

『気は済んだか?』

 

麟「ああ…あとはあいつらへ手向ける遠吠えをすれば完了だ」

 

魔狼

『そうかそうか…ん?遠吠えだと?』

 

麟(ギンッ…!!)

 

 

 

Dire Bullet!

 

 

 

「「ビースト覚醒!!」」

 

 

 

カッ…!!

 

 

ギュイィィィィィィィィィィィィィィィンッ…!!!

 

 

魔狼

『ぐおっ!?な、なんだいきなり!!?』

 

残「な、なんじゃこの気は…!?」

 

 

 

オォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォッ…

 

 

 

【挿絵表示】

 

 

 

Lone Wolf!

 

 

 

麟(疾走形態)

『アオォォォォォォォォォォォォォォォンッ!!!』

 

 

日「あ、あらぁ…?魔狼様にそっくりな姿に変わってしまいましたわ…」

 

魔狼

『ほお…!?あいつはあんな姿への変身能力も持っているのか…!』

 

残「凄まじい力を感じる…」

 

 

ザッ…!

 

 

麟(この遠吠えは…お前らに手向ける弔いの遠吠えだ…!) スゥゥゥ…

 

 

 

 

 

 

『『アオォォォォォォォォォォォォォンッ!!!』』

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