華月麟の幻想記   作:華月麟

115 / 1036
明かす過去

映「外から来た人間…!?」

 

ついに、俺の過去を話す時が来た…。

 

麟「そうだ…俺は外の世界では、両親からひどい虐待を受けて来た…それに耐えきれなくなった俺は自ら命を絶った…そしてこの幻想郷にやって来た」

 

文「で、でも外で死んだ者は本来は三途の川へ行くはずでは!?」

 

麟「そこが不思議なんだよ…本来は俺も三途の川に行くはずだった、でも俺は五体満足でこの世界にやって来ていたんだよ…何故か」

 

映「誰かが…三途の川に来ないように手引きをしたとも考えられますが…でも何の為に?」

 

麟「そこが分からない所だな」

 

 

スタスタスタ…

 

 

小「映姫様~運び終わりましたよ~?」

 

仕事を終えた小町が戻って来た。

 

映「あ、お疲れ様小町…」

 

麟「…」

 

文「あやや…」

 

小「なんか、随分と悩んだ顔してますね皆様」

 

ついでにこの事も話すか…。

 

麟「小町…一時、大量の魂が此岸にやって来なかったか?かなり前になるけど」

 

小「大量の…?あー…確かに一時、まあまあな数の魂が珍しく来たことがあったね。でも、なんでその事を知ってるんだい?」

 

俺は小町の質問を無視し

 

麟「そして映姫、その魂達は全員かなりの罪を犯していたから地獄送りにした…違うか?」

 

映「え、ええ…そうです。な、なぜ貴方がその事まで!?」

 

麟(…ニヤリ)

「そしてその魂達は全員、奴隷売買をしていた人間共…しかもかなり前に壊滅した組織の」

 

映「なっ…!?」

 

小「おい、なぜそこまで詳しく知っている。その事は映姫様や幻想郷賢者しか知らない事だぞ!?」

 

 

 

「あ、あのぉ…」

 

麟「ん?ああ…みすちーか。どうかしたかい?」

 

みすちーが話を遮って話しかけて来た。

 

ミ「そろそろ屋台を閉めたいんですけどぉ…」

 

もうそんな時間か…。

 

麟「すまない…これで足りるか?」 ズシィ…

 

俺は小町や妖夢、そして自分の分の勘定を払った。

 

ミ「こ、こんなに受け取れませんよ!?」

 

麟「釣りはいらない、受け取ってくれ」

 

ミ「ま、またごひいきにぃぃ!」 ピュ~ン‼

 

なんか…怖がらせてしまったか?

 

麟「さて続きを…なぜそんな事を知っているかって?当たり前だろ…?そいつら全員を殺したのは俺なんだから」 ニヤリ…

 

皆『!?!?』 ゾッ…‼

 

この一言で、この場に居る全員が戦慄した。

 

映「あ、貴方が殺した…?何の為に彼らを殺したんですか!!無関係の貴方が!!」

 

麟「関係あるんだよっ!!!」 グワッ‼

 

小「か、関係あるってどういう事だい!?」

 

麟「俺も…その奴隷の元・一人だっ…!!」

 

ついに真実えを打ち開けた…知られたくもない過去を。

 

映「し、しかし…報告にはそんな事は書いていなかった!報告書には何者かが全員を殺害とまでしか。…!まさか、八雲紫が報告を偽造…!?」

 

紫さんがあの件を報告していたのか…。

 

麟「俺に罪の意識を背負わせないように配慮してくれたんだろうな…」

 

映「あ、貴方は…自分がどれだけの事をしたか分かっているんですか!?」

 

麟「俺は他の奴隷達を救う為に、生きる為に奴等を殺した。平気で子供を誘拐し、虐待出来るような奴らを殺して何が悪い!?俺は…奪われた物を返してもらっただけだ!!」

 

小「生き残る為なら殺しても構わないと?」

 

麟「じゃあ誰かが助けてくれたのか!?手を差し伸べてくれたのか!?答えろっ!!!」

 

俺は小町の発言に対して、激昂しながら反論した。

 

小「そ、それは…」

 

麟「確かに殺すというのはやってはいけない事だ…。だがな…あんな奴等に苦しめられながら死ぬくらいなら…俺は全員皆殺しにしてでも生きてやる!!もう二度と…あの時のような弱い自分に戻るのは御免だ!!」

 

映「ではなぜ…今更その事を打ち明けたのですか?少しでも罪を軽くしてもらう為ですか?」

 

麟「罪を軽く?ふははははっ!!俺は別に軽くして欲しいなんてこれっぽっちも思っちゃいないさ!ただ、今まで謎だった真実をあんたらに伝えたかっただけさ!!」

 

小「そ、そうかい…」

 

麟「なぁ閻魔様、質問させてくれ」

 

映「…なんでしょう?」

 

麟「俺が死んだら、恐らくは地獄に落ちる。二度と地獄から出られないようにする事は可能なのか?」

 

小「な、何を言っているんだい!?」

 

映「な、なぜそこまでしようと!?」

 

麟「言っただろ、俺には還るべき場所が無いって」

 

 

 

妖「そ、そんなことありません!!」

 

麟「あ…?」

 

妖「そんなことありませんよ!少なからず…貴方を待っている人は必ず居るはずです!」

 

麟「誰だ?誰が待ってくれるんだ?」

 

妖「そ、それは…み、皆ですよ!私達、皆ですよ!」

 

麟「皆…?なんで皆が俺を待っていると思うんだ?」

 

妖「だ、だって貴方は4人の義妹を持つ義兄でしょう…?少なからず…彼女達は、麟さんの帰りを待ってくれると私は考えますよ!死んだらの話になってしまいますけど…」

 

麟「…!」

(そ、そうだよ…俺には4人が居る…大切な存在が4人!もし俺が死んで、彼女達に二度と会えなかったら、交わした約束はどうなる…!?)

 

俺は…しばらく呆然としてしまった。

 

小「お、おーい?」

 

麟「そうだな…俺にはあいつらが居る…!守らなくちゃいけない存在がある…!あいつらを残して…死ぬなんて出来るか…!」 グッ…

 

妖「そうでしょう…?それに…還るべき場所なんてこれからゆっくり探せばいいじゃないですか?まだ時間はたくさんあるんですから!」

 

…俺は自暴自棄になって、何かを見失いかけていたのか…な?

 

麟「そうだな…そうだよな…」 スタスタスタ…

 

映「待ちなさい!どこへ行く気ですか!?」

 

麟「どこって…博麗神社だよ。もし聞きたい事がまだあるなら明日、博麗神社に来るといい…。俺はそこに居るはずだから…」 ドウッ‼ ギャウッ‼

 

俺はその場をあとにし、博麗神社へ向かった。

 

 

小「行っちゃいましたね…?」

 

妖「これで少しは麟さんの気持ちが晴れるといいんですが…」

 

文「流石にこの内容は記事には出来ませんね…。この内容は無かった事にしましょう」 ビリビリ…

・麟の過去についてのページを破り捨てる

 

映「彼に聞きたい事はまだありますが…それは明日にするとして…。貴女達3人!今からみっちり説教してあげますからね!!」

 

3人『えぇぇええぇぇえぇっ!?』

 

 

その後、3人は日が明けるまで説教をされたのは…別のお話。

 

 

 

 

 

麟がした行為は正しいのかどうかは誰にも分からない事…。

それは閻魔や賢者、ましてや神にすらも分からない事だ。

 

 

 

 

 

 

なぜって…?

 

 

 

正しさなんてものは

 

人のモノサシによって変わるもの

 

正しさなんてものは

 

大人にも分からない幻想だ

 

汚れぬことが

 

果たして正義なのだろうか?

過ちの中にあるけじめに

 

魅せられ知った穢れを恐れぬ愛も

 

正しさと言う事なのかもしれない

 

生けるものすべてが内側に持つ 華鳥風月

 

それは…測れないから意味がある

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。