華月麟の幻想記   作:華月麟

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魂の語り

麟「それで?聞きたい事があるんだろ?」

 

映「ええ、そうです!昨日は逃げられてしまったのでね!!」 クワッ‼

 

麟「ははっ♪いいよいいよ、好きなだけ聞いてくれ?答えられるものは正直に答えて見せるから…なるべくだけど。アハハ…」

 

映「…!?あ、貴方…閻魔である私が怖くないんですか?」

 

小「え、そんな事を今更聞くんですか映姫様」

 

映「き、昨日はお酒が入っていたでしょう!?今は素面だから反応が変わると思って…」

 

小「あー…なるほど?」

 

麟「別に怖くないよ?だって俺、地底の星熊勇儀に求婚されたくらいの人間だし!♪」

 

映「は、はぁ!?あの星熊勇儀が彼に…やはり色々と聞きたい事がたくさんありますね!」

 

 

 

<ガヤガヤ

 

 

 

魔「え、麟って勇儀の奴に告白されたのか?!」

 

霊「萃香…もしかして知ってたりするの?」

 

萃「ん~?ああ、知ってるよ。麟と勇儀が地底で決闘をした時があってなぁ?その決闘に勇儀が負けて、麟の奴に一目惚れして結婚を迫ったんだよ。麟は拒否してたけど、勇儀は今でも諦めてないよ」

 

霊「ふふん…たとえ相手が鬼だろうと、麟は渡さないわよ!」

 

魔「おうよ!麟は私達がもらうからな!」

 

霊「あら?気が合うじゃない?」

 

魔「鬼に奪われるくらいならな!」

 

2人(ガシッ)

・お互いに手を取り合って協力しよう!という感じに

 

萃「なんでこういう時は息ぴったりなんだか…」

 

 

 

<オー!

 

映「…」 後ろジー

 

麟「あはは…気にしないでくれ。それで?質問をどぞー!」

 

映「あ、後ろに気を取られて忘れていました」

 

うん、分かるよ。俺もすんごく後ろが気になる。

 

映「コホン…では質問します。貴方はこの幻想郷のバランスを保つ為の博麗の巫女のように何かしらの使命を持っているわけではありません。それなのに異変解決に首を突っ込み、異変解決をしてしまう。昨日も、今回の異変の為にこの幻想郷を右往左往していた。貴方は何故、異変に首を突っ込むのですか?」

 

うーむ…なかなかに難しいのが来たねぇ…。俺が異変解決をする理由か…。

 

麟「う、うーん…その異変で人間や妖怪に害があるのであれば素早く解決して、皆を安心させたいからってとこかな?」

 

映「本来は博麗の巫女の役割です。貴方ではありません」

 

麟「じゃあ…もし霊夢が病気で倒れたりしたら、お前は病人に異変解決をさせるのか?」

 

映「そ、それは…」

 

麟「そうだろ?病人にそんな事をさせたら、下手をすれば死んでしまい…この世界のバランスを保つ為のストッパーが無くなる。そうしたら…誰がその代わりを担当するんだ?最終的には幻想郷賢者が動くかもしれないが…もし賢者が動こうとしなかったら?」

 

映「うっ…」

(反論が出来ない…)

 

麟「そういう事だ、いざという時に切り札ってのは必要だ。俺や魔理沙はその切り札の役割を担っているのさ」

(全部、咄嗟に出た言葉だけどね…魔理沙も巻き込んじゃったけど、あいつは本望だろうな?)

 

 

 

魔「なんか難しそうな会話だな…」

 

霊「遠くてよく聞こえないわ…」

 

萃「なんで逃げないで観察してるんだよぉ…」

 

 

映「貴方がしようとしている事は…かなりの責任が伴うかもしれません、それでも?」

 

麟「あったりまえだ!これでも4人の義兄だぞ?責任を背負う覚悟は出来てるよ!それに…"騒ぎがあるところに、華月麟あり!"ってね?」

 

映「貴方は面白い方ですね。それではもう一つ…貴方の力についてです」

 

麟「俺の力?」

 

これまた意外な…。

 

映「貴方の力…吸血鬼や鬼、月の民に不死鳥…様々な種族にすら勝るその力は…下手をすればこの幻想郷のパワーバランス、はたまた均衡すらも狂わせるであろう力です。そんな貴方はそれを分かっているはず。なのに何故戦うのですか?」

 

それは…俺も思っていたところなんだよな。確かに俺は色んな奴に勝ってきた、自分でもだんだんとこの力に怯えるくらいに。

 

それでも何故戦うって?

 

麟「決まってんだろ、〖守りたいものがある〗・〖異変主犯の好き勝手にさせたくない〗それが俺を戦いに駆り出させる理由だ」

 

 

映「そうですか…分かりました。では最後にもう一つだけよろしいですか?」

 

麟「もちろん!」

 

映「貴方は…幻想郷の〖味方〗なのですか?それとも〖敵〗なのですか?」

 

麟「は、はぁ?」

 

何言ってんだ?この幻想郷の為に戦ってんだから味方に決まっているだろう…?

 

映「味方に決まってんだろうと思うのは分かります。ですが、人間も妖怪もいつ裏切るか分からないものです。貴方も過言ではありません…」

 

なるほど…俺もこの世界の敵になる可能性は〖零〗ではないと…。

 

確かに考えてみれば、俺にだって誰かを裏切る可能性は大いにあるんだ。なら…俺の答えは

 

麟「俺は…味方でも敵でもないかもな」

 

映「それは何故そう言うのですか?」

 

麟「うーむ…守りたいものがある限り味方なのかもしれない。だが…」

 

映「だが…何ですか?」

 

麟「どんな理由があっても…俺の大切な物を傷付けたり、奪ったりしたら…俺はお前達の敵になる。とだけは言える」

 

映「分かりました。肝に銘じておきます。質問は以上です、ありがとうございました」

 

麟「満足出来る答えだったか?」

 

映「まあまあ…ですね」

 

それは本当に申し訳ございません。

 

映「さて…そこの3人!お待ちかねの説教ですよ!!」 クワッ

 

あ、あいつらにも説教するのね?

 

萃「ほらみろぉ!?こっちに来るよぉ!」

 

魔「げげっ!?に、逃げないと!」

 

 

ガシッ‼

 

 

2人「「え?」」

 

霊「あんた達…よくも麟から引きはがしてくれたわね…?こうなったらあんたらも道連れよ!!」

 

魔「ふ、ふざけんな!?(ジタバタ)な、なんつー馬鹿力!?」

 

萃「(ジタバタ)鬼以上の力ってなんだよぉ!?」

 

映「ふふふ…遠慮する事はありませんよ…?さあ、覚悟しなさい!!」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

 

 

3人『ぎゃぁぁあぁぁあぁ!!!』

 

 

 

小「あはは…」

 

麟「あいつらにもいい薬だな」

 

たまには説教でもされるがいい。

 

麟「それで小町」

 

小「なんだい?」

 

麟「幻想郷に溢れかえっていた魂達はどうした?」

 

小「そりゃもちろん、ちゃんと全員の魂達は三途の川を渡らせて映姫様のところまで運んださ!あとはしっかり罪を償う者は償って、そうでないものは冥界でのんびりして次の転生先を待ってると思うさ!」

 

麟「そうかそうか…」 スタスタスタ…

・少し移動

 

小「何か気になる事でも?」 スタスタスタ…

・ついてく

 

麟「いや?ただ聞いてみたかっただけさ」 ピタッ…

・ある程度移動して止まる

 

小「?」

 

バッ‼

・突然右腕を上に突き出す

 

小「ははっ何してんだい?」

 

麟「すー…この幻想郷を彷徨っていた魂達!!」 グワッ‼

 

小(ビクゥッ!?)

 

突然の大声で強い風が一瞬だけ吹き上げた。

散っていた花びらが巻き上げられ、美しい花吹雪が舞い上がった。

 

ビュゥゥゥゥ…‼

 

映「な、なんですか急に…!?」

 

小「まあまあ、見ていてあげてくださいよ」

 

霊「何してるのかしら?」

 

魔「そこの死神の言う通り、見ててみようぜ?」

 

萃「綺麗な花吹雪だねぇ!」

 

 

 

麟「俺がこの世界でもう一度新しい人生を歩めたように、お前達もきっと新しい人生を歩めるはずだ!だから…お前達も希望を見失わず、未来を見続けろ!」

 

 

 

映「彼はあんな感じの人間なのですか?霊夢」

 

霊「へっ!?い、いやぁ…どちらかというともう少し、のほほんとしてる感じよ?」

 

小「彼も、居場所を見つける事が出来たって事ですよ映姫様。きっとあの魂達も還るべき場所があるか不安になっている…だから安心させたかったんじゃないですか?」

 

映「同じ境遇にいたからこそ…かしらね?」

 

魔「何の話だ?」

 

小「ふふん♪あたいと映姫様と麟の秘密さ!」

 

魔「なんだそれ!?」

 

 

 

 

ヒュゥゥゥゥゥゥゥ…

 

麟は吹き荒れる花吹雪の中に立っている…。

 

 

 

 

 

 

【挿絵表示】

「俺はこれからもこの世界で2度目の人生を懸命に生きる…だから皆も頑張ってくれよ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

行く当てを見つけた小さな魂

 

安らかな笑み

 

生きた喜びを胸にしまい込み

 

次へ旅立つ

 

嗚呼… 

 

迎えの舟に乗って 

 

魂は…

 

嗚呼… 

 

厳かで懐かしい 故郷(ふるさと)へ…

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