華月麟の幻想記   作:華月麟

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創造主

ドサッ…

 

天「うっ…かはっ!」

 

麟の猛攻により、もはやしばらく再起不能状態にまでダメージを負った天子は、身体を動かすことが出来ずにその場に倒れ込んでいた。

 

ズンズンズン…

 

ゆっくりと、着実に天子の元へ歩みを進める麟。

 

麟「終わりだ…こんなくだらないお遊びは…!」 オォォォォォォォォォォォォッ…‼ ギンッ‼

・炎の刃を形成、天子の首元へ

 

「「おやめください!!」」

 

ズサーッ‼

 

永江衣玖が比那名居天子を殺させまいと麟の前に立ちはだかる。

 

麟「なんのつもりだ?」

 

天「衣玖…?」

 

衣玖「もう勝負は着きました!それなのに総領娘様のお命まで奪うと言うのですか!?」

 

麟「ではお前は…そいつがどれだけの大罪を犯したのか…分からないのか?」

 

衣玖「わ、分かっています!しかし…もう総領娘様は立つ事すらもままならない状態なのですよ!?」

 

麟「言いたい事は分かる…でもな、時には冷酷に裁きを下さなくてはダメな時もあるんだよ」

 

衣玖「お願いします!どうか命だけは…!」

 

?「では、我が比那名居天子に裁きを下そう。天界を代表してな」

 

衣玖「あ、貴方様は!?」

 

麟「…誰だ?」

 

紫「あら…懐かしい方ね?」

 

霊「方って…人じゃないじゃない?」

 

『お、おい!あの方がいらっしゃったぞ!』 『い、急いで頭を下げるんだ!』

 

ズラァァァァァッ…

 

麟「…え?え?」

 

俺は今、とんでもない光景を目の当たりにしていた。とある者が現れた瞬間、天界の者達が一瞬で顔を青ざめさせ、その者に頭を下げていたのだ…。しかし、その者は人ではなく…

 

 

【挿絵表示】

 

 

一匹の神獣であったのだ

 

麟「…どちら様だ?」

 

『こ、これ!創造主様に対して失礼であるぞ!』

 

ガ「構わんよ。地上の人間が、天界の者達の事を知らないのは当たり前だ。我が名は〖ガルム〗。この天界の創造主であり、管理者でもある」

 

紫「お久しぶりです。神獣ガルム様…」 ペコリ

 

ガ「はははっ!久しいな紫殿!」

 

え!?紫さんがこの獣に頭を下げた!?まさかとは思うけど知り合い!?

 

麟「…えっと、お2人はどういうご関係で?」

 

ガ「ん?そうだな…この幻想郷と天界が出来る前の旧友…と言ったところだな」

 

紫「懐かしいですわ…皆で幻想郷を作り上げるまでの右往左往したあの時を」

 

ガ「懐かしいな…お前達と常に意見が対立しながらも、最後は一つの答えに辿り着く。ふふふ…ついこの間のように思えるな…」

 

思い出に浸るのはいいんですけど…

 

麟「水を差すようで申し訳ないけどさ、さっさと比那名居天子の処遇をどうにかしてくれ」

 

麟は創造主相手になんとも無礼な言葉づかいで話しかけた。

 

『創造主様に対してなんて無礼な!?』 『万死に値するぞ!?』

 

ガ「ふふふ…格上に対して恐れを抱かない…か。気に入ったぞ少年、名を聞かせてもらおうか?」

 

麟「麟。華月麟、ただの人間だ」

 

ガ「ただの人間…ね。それにしては君の持つ力は…どうも人間が持つにしては手に余るほどに思えるが…?」

 

麟「知らないよ、色んな異変で戦ってきたら色んな力を身に着けて来ただけだから。手に余ると言われたって俺にはどうしようも出来ないよ」

 

ガ「それもそうだな…。さて…比那名居天子よ」 ギロリ…

 

天「(ビクッ‼)は、はい…!」 ガタガタ…

 

天子の身体が小刻みに震えている…さすがの天子も創造主様に対して強気には出られない…という事なのか?まあ、創造主に歯向かえばどんな末路を迎えるかなんて、容易に想像がつくものだからな。

 

ガ「天界の秘宝でもある緋想の剣を勝手に持ち去り、挙句の果てに身勝手な理由でこの世界の存続に関わるような大事件をそなたは引き起こした…間違いはないな?」

 

天「は、はい…間違いありません…」

 

ガ「はぁ…なんと愚かな事を!貴様はしばらく地上へ流刑に処す!当分は天界に戻って来るでない!!!」

 

天「え!?えぇぇぇぇぇっ!?」

 

はい、まさかの天界からしばらく追放宣言をもらいました!

 

霊「あらら…」

 

魔「自業自得だな」

 

早「これからどうするんですかあの人…」

 

天「し、しかし、これから地上でどう生きろと言うんですか!?」

 

ガ「貴様はもう子供ではない!自分で考えろ!!」

 

天「そんなぁ~!?」

 

麟「はぁ…じゃあしばらく博麗神社に居候でもするか?」

 

天「へ…?」

 

衣玖「はい!?」

 

霊「ちょっと!?また何、勝手に決めようとしてるのよ!?お断りよ!?うちの神社を壊した元凶と住むなんて!」

 

それはそうだよねぇ…

 

麟「う~ん…それじゃあ紅魔館?」

 

レミィ「大歓迎よ!…迷惑さえかけなければ」

 

フ「いつでもウェルカムってやつだね!」

 

霊「それもダメ!」

 

麟「守矢神社?」

 

早「嫌です」 ズバッ

 

麟「…冥界か魔理沙の家?」

 

妖「ぜっっったいにお断りします」

 

魔「うちも勘弁だぜ…」

 

困ったな…四面楚歌ってやつか?それとも行き詰まりか…?

 

麟「まいったな…最悪は誰かに家を作ってもらって、俺と住むか?」

 

紫「それは私が許さないわ」

 

じゃあどうしろってんだ!!!?

 

麟「あぁ…もう!!なら天子!お前が選べ!お前はどうしたい!?」

 

天「…出来ればお前と住みたい。博麗神社とかだとなんか…怖いし…」

 

霊「どういう意味かしら…?」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

 

そういう意味じゃん?今、なかなかの圧をかけているみたいに

 

麟「霊夢~…天子の面倒は俺が見るから頼むよぉ…。それか…俺が出て行って天子と2人で暮らすけど?紫さんの反対意見は無視して」

 

紫「ちょっと!?」

 

霊「…はぁ、分かったわよ。その代わり、ちゃんとそいつの面倒は見てよ?」

 

麟「おう!よかったな、天子。しばらく泊めてくれるってよ」

 

天「あ、ありがとうございます…」 ペコリ

 

おうおう…随分と大人しくなっちまって?

 

ガ「異変の元凶を許し、慈悲を与える…なんと心が広い人間か…」

 

紫「彼のおかけで、救われた者達は少なくありませんわ♪」

 

 

さて…天子の処遇は決まった。あとは…

 

麟「あの分厚い雲をなんとかしないとな…」

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…ピシャッ‼




オリジナルキャラクター紹介

【挿絵表示】


天界の主・〖創造主ガルム〗
天界を作り上げた太古の神獣。今は天界の管理人として、天界に災いをもたらす者や秩序を乱す者がいないかを監視する〖管理者〗として君臨している。八雲紫とは、この幻想郷と天界等が出来る前からの旧友らしい。自分を目の前にして、怖気づく事無く堂々と話しかけて来た華月麟に興味を抱いている。
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