キュッ
麟「よし…これで準備万端かな?」
俺は今、天狗の里へ持っていく衣類等をひとつにまとめている最中であった。
スタスタ
霊「(チラッ)麟…本当に天狗共の里なんかに行くの?」
麟「そのつもりだけど…どしたの?」
霊夢はどこか不安そうな表情で俺を見つめていた。
霊「あの龍って天狗…どこか怪しいのよね。それに典っていう管狐も胡散臭いし…。なんというか…匂うのよね何かが」
一体、何が匂うと言うのだろうか…と言いたいところだが実の所、俺も霊夢と全く同じ事を考えていたのだ。いきなり博麗神社にそれなりの偉い天狗がやって来た。そして天狗達の頂点に君臨する長が直々に俺を名指しで呼び出し、里へ招いている。こんなにも怪しい匂いがプンプンする案件は無いだろう。
麟「…霊夢、頼みたい事があるんだけど聞いてくれるか?」
霊「頼みたい事?えぇ、聞ける範囲であればなんでも言って欲しいわ」
麟「それじゃあ…」
俺は霊夢にとあるお願い事をした、大事なお願い事を。
~準備完了~
麟「いやはや申し訳ない、色々と準備をしていたら少し長引いちゃったよ」
龍「いや、別に構わないさ。いきなり君を呼び出した我々も悪いのだからな。それで、もう準備万端かい?」
麟「おう!着替えとかも準備万端だし、霊夢へ頼み事もしっかり言ったし、準備万端だ!」
魔「ん?霊夢、お前さっき麟から頼み事をされたのか?」
霊「えぇ、ちょっとしたお願いをね」
お燐「お兄さんは霊夢に何を頼んだんだい?」
霊「…詳しくは言えないわ。けど、後で地底に用があるとだけは言っておくわ。もしかしたら地霊殿に行くかもしれないわ、お燐」
お燐「そうなのかい?もしその時はしっかりと御出迎えでしなくちゃ!♪」
魔「麟に何を頼まれたのか私に教えてくれよ」 ユサユサ
霊「あんたに話すと周りにばら撒きそうで怖いから言わないわ」
魔「ひでぇな!?」 ガーンッ!!
典「…」
龍「典?どうかしたのか?」
典「いえ…」
麟「…」
マズいな、管狐が霊夢を怪しんでいる…もしかしたらバレた可能性もあるが、俺には最強の切り札があるから大丈夫だろう…多分。
龍「それでは行こうか!」
麟「あぁ、行こうか。天狗の里へ」
霊「気をつけるのよ〜」
~妖怪の山付近~
ザッザッザッ…
麟「まさか守矢神社に行く時以外にここへ来る事になるとはな。…ん?あれは」
目線の先に
椛「(キョロキョロ)…!?麟さん!?それに、飯綱丸様に典まで?何事ですか?」 尻尾フリフリ
椛が立っていた。無断でこの山に入ろうとする不届き者を止める為にここで見張りでもしているのだろうか?
龍「…オッホン!彼に会えたのが嬉しくて尻尾を振るのは分かるが…もう少し抑えてくれないか?椛」
椛「ワフッ!?(ブンブン!)あわわわわわ!?も、申し訳ありません!」 ペコリ
麟「…(汗)」
やっぱり椛って狼というよりかは犬っぽいのは気のせいか…?でも狼も犬も結果は同族だからな、対して変わりはしないのか。
椛「ワゥゥゥ…///そ、それで…飯綱丸様と典はどうして麟さんと一緒に山へ?」
典「天魔様が彼をお呼びになったのよ」
椛「へ〜、天魔様が名指しで彼を呼んだのかぁ…なんでだろ?」
龍「まぁ、天魔様なりの考えがあるとだけは言っておく。だがこれ以上は詮索するな、いいな?」
椛「は、はい!」
麟「…天魔なりの考えね」 ボソッ
その天魔なりの考えとはなんなのだろうか、嫌な予感しかしない。
龍「おっと忘れていた。近々、文とはたて、そして椛、この3人を本部へ呼び出すからその時は忘れずに来てくれ」
椛「は、はい!分かりました!」
麟「その本部とやらに天魔様がいるのか。というか天魔様って普段は何をしてる天狗なんだ?」
龍「そうだな…普段は我々大天狗に指示を出すだけだが…時には自ら相手の所へ赴いて会談をする、とかだな」
麟「ふーん…なるほどね」
上に立つ者らしいっちゃらしいけど、ちゃんと仕事もきっちりとこなしているんだな。
典「龍様、あまりここで時間を浪費してしまうと…」
龍「おっと!?いけないいけない…。それじゃあ椛しつこいようだが、呼び出しの連絡が来たら忘れずに来るんだぞ?」
椛「はい!」
この天狗達の招集が後々、予想通りの面倒事へ発展するのは言うまでもなかった。