カポーン…
麟「…随分と手厚く歓迎されてるな」
現在、龍さんから紹介してもらった宿の温泉に浸かっている俺。宿の天狗従業員達から嫌な視線を送られると思っていたのだが、俺の予想とは真逆で物凄い歓迎ムードで出迎えられた。…どういう事だ?
麟「何か裏がある…としか考えられないよな」
突然、大天狗の1人が博麗神社にやって来たかと思えば開口初っ端から「君を迎えに来た」と言われ、俺が龍さんに誰からの呼び出しなのかと質問をすれば「天狗の頂点に立つ天魔様直々のお呼び出しだ」と返答された。考えてみれば怪しい事ばかり。…まぁ最初から予想はしていた事だし、最初から怪しいとも思っていた。だから俺は霊夢にある頼み事を1つしたのだ。恐らくここの天狗達を敵に回す行為をしたとしても、"アレ"はかなりの切り札となるはずだ、ひとつだけ問題があるとすれば"アレ"が下手をすればこの里1つが滅びる可能性がある…かもしれないけど、流石にそこまでの豪鬼ではないとは思うけどな。
麟「ふっ…バレればかなりマズい事にはなるかもな。だが、その厄災を…それをもたらしたのは奴ら…天狗達なんだからな」 ニヤリ…
俺は今後の行く末が、天狗達の運命がどんどん深い暗闇へと突き進んで行くのが見えていた。と言ってもそこまでの災厄は訪れないとは思ってはいるけども。
ザバァッ…
麟「さてと…そろそろ上がって飯にしよう」
ピチャ…ピチャ…
~夕食時間~
パラッ…
麟「遅くなりました〜」
暖簾をくぐって食事処へやって来た俺。
『お待ちしておりました!』
麟「…マジかよ(汗)」
かなりレベルの高い宿ではあるから晩飯はそこそこ良い献立だろうなと心をウキウキさせながら食事処へ入ったらなんということでしょう。どれもこれも普通の庶民ではかなりの金を出してでも食べれるかどうかすらの献立内容だったのだ。特筆するべき料理を1つ挙げるとするなら、うな重だ。こいつに至ってはヤツメウナギでは無い、本物の海にしか生息していないあの鰻だ。しかも極上の最高級鰻だ。他には豚肉、ニンニクや生姜と野菜を炒めたシンプルな肉野菜炒め。お吸い物に至っては鰻の肝を使ったお吸い物…。…マジかよ。
麟「え…この鰻って…」
『とあるルートで手に入れた天然物の最高級鰻でございます』
麟「ウソだろ…?し、しかしな…」
(どれもこれも精を付けさせる為の食材ばかりだ…。しかもメインに至っては最高級の天然物鰻のうな重と来たか!?)
『あ、貴方は鰻がお嫌いで…?』
麟「い、いや…あまりにも豪華すぎて呆然としていただけだよ。ありがたく食べさせてもらうよ。(カチャ…)いただきます…」 モグモグ
せっかく俺の為に作ってくれた料理を拒絶するなんて食の神へ対する冒涜だからな。もちろんここに出された料理はありがたくいただくさ。
『お味はいかがでしょう…?』
麟「…(モグモグ ゴクン)にしし♪すんごい美味いよ♪」 モグモグ
『…そうでございますか!遠慮なく、存分に堪能してください!』
わざわざ俺の好みの味を作ってくれたのかな?ほぼ全ての料理が俺好みの味付けで作られている…偶然だといいが。
俺は高級晩飯を全て綺麗さっぱり平らげ、自分の泊まる部屋へ戻ると今度はマッサージ師の天狗がやって来て、身体の隅々まで疲れをほぐしてくれた。…本当の至れり尽くせりとはこの事か?いくらなんでもやりすぎではないのか?と正直心の中で思っていた。