スタスタ
龍「いやはや…のんびりしすぎたな…」
典「きっと天魔様はお怒りだ思いますけど?」
龍「そうでない事を祈ろう…」
麟「…」
ついに天狗界ナンバーワンの位置に君臨する天魔の元へと向かっている俺達。果たして天魔は何用で俺をここへ呼び出したのかが気になるところだが…。
麟「…大体は把握はしているんだよな」 ボソッ
典「…」
~天狗達の本部~
スタスタ
随分と部屋が多い建物へとやって来た。
麟「ここがお偉い天狗達や天魔が集まる本部なのか?」
龍「そうだ。我々大天狗はいくつかのグループに分かれていてな、天魔様が定期的に全大天狗をここへ集結させて近況報告等をしているんだ」
麟「近況報告?」
典「大天狗様達は様々な事業を展開しているの。その事業がどれほど進行しているかを定期的に天魔様へ報告するのよ」
麟「…へぇ~」
まさに社畜天狗…と言ったところかな?成果をあげられない天狗達は天魔からの処罰にひやひやものだろう。
龍「さて、この部屋だ」
麟「は~い」
スーッ…
襖を開けた先には…永遠亭でも見た〖御座〗があった。御座の後ろには〖御帳台〗があり、絹製の垂れ布がかかっている。これも永遠亭とまったく同じ作りだ。天魔もあまり他人には自分の姿を極力見せない天狗なのか?まあ、俺には知ったこっちゃない事だが。
そして御座の手前には
文「おや、遅かったですね?」
麟「文?!」 ギョッ
ガセネタをばら撒くブン屋・文と
椛「ど、どうも麟さん…」 モジモジ
なんかモジモジしている白ワンコの椛に
は「あら、やっと来たのね?」
もう一人天狗が座って俺達を待っていた。…誰だっけこいつ。えっと確か…文とは同じブン屋仲間だけど、お互いにライバルの…えーっと…姫海棠…
麟「…あぁ、思い出した!姫海棠"ほ"たてだっけ?」
文「ぶーっ!!」
椛「ぶっ!?」
典「え…?」
龍「クスクス…」
は「…は?」
麟「…え?」
な、何か間違えたかな…?
は「は、はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?あんた、私の覚えてないの!?私の名前は姫海棠"ほ"たてじゃなくて"は"たてですぅっ!!」
麟「(ポンッ)…あぁ、そうだ。お前の名前は"ほ"たてじゃなくて"は"たてか。すっかり忘れてたわ」
は「苗字までは合ってんのに、なんでその一文字だけを間違えたの…?ほたてじゃこの後、美味しく頂かれるじゃない!」
文・椛「「ぶっふぉ!!」」
耐えきれなくなった2人が盛大に噴き出した。
は「そこ2人笑うなぁっ!命が惜しければ笑うなぁっ!!」
文「だ、だって…」 プルプル
椛「ピ、ピンポイントでそこだけ間違えられてるから…クスクス」 プルプル
は「やかましい!」
龍「姫海棠"ほ"たてか…。美味しそうだな。お好みの調理方法は炭火焼きでバター醬油が好みかな?クスクス…」
は「龍様まで笑わないでくださいよ!?あと、私は食べれません!」
典「クスクス♪美味しく頂こうかな?」
は「つ、典まで乗るな!」
ワーギャーッ!!!
麟「…(汗)」
お、俺のせいで騒がしくなってしまった…。
『天魔様のおな~り~!!』
5人(ビシッ‼)
麟「うお!?」 ギョッ
先程の一言で5人全員が急に静かになり、一瞬で姿勢を正し、座りなおしていた。
5人(ペコリ)
そして深々と頭を下げていた。それほどまでに天魔が怖いのか?はたまた尊敬しているのか、それとも目上の人だから行動をしているというわけなのだろうか。
龍「ほら!頭を下げろとまでは言わないが、君もせめて姿勢は正すんだ!」 ヒソヒソ
麟「へいへい…」 ストン
龍さんに姿勢を注意されたので正しい姿勢に座りなおした。
麟(そろそろこちらも計画を実行するか…) ゴソゴソ
カチッ…
俺も俺で自分自身の計画を発動し始めた。
スタスタ…
垂れ布の奥では、恐らく天魔が自分の席まで歩いている音が聞こえて来た。
ストンッ…
天「…楽にせよ」
5人『はっ!』 バッ‼
天魔から許しを得た5人は頭を上げ、楽にした。
バタンッ‼ ジャキンッ‼
襖の近く、天魔の近くには合計4人ほどの衛兵天狗が守りを固めていた。
麟(こいつは骨が折れそうだ…)
天「さて…本題へと移ろうじゃないか…」