天「本題に入る前に…。射命丸よ」
文「は、はい!?」 ビクゥッ!?
文が天魔に名を呼ばれてかなり驚いている様子。こんな驚いた文を見たのは地底での宴会以来だろうか?…文がここまで驚くということは、それだけ文も天魔が怖いという事だろう。
天「…お前が真ん中の座布団に座るでない。そこは華月の席だからな…彼と位置交換をせよ」
文「す、すぐに変えさせていただきます…!り、麟さん…!(ヒソヒソ)天魔様がそうおっしゃっているので位置交換を…!」 アセアセ
麟「はいはい…」
コソコソ…
文が「早く位置交換を!」という目で訴えて来たので、すぐさま文と位置交換をした。俺が天魔の真正面で、文が俺の右側、椛が俺の左、はたてが俺の後ろ、龍さんと典は天魔のすぐ真横に座っている。…なんだろう
麟(これは…囲まれているな?) ソワソワ…
俺は気付いてしまったのだ…。今、俺は前後左右を天狗達に囲まれている…。まるで、絶対にここから逃がしはしないと俺に意思表示をしているかのように。
天「そんなに緊張しなくてもよいぞ、華月よ。別に君を袋叩きにしてやろうだなんて事は考えていないからな。リラックスしてくれ、ハハハハハッ♪」
麟「そ、そうすか…」
俺がこの状況で緊張していると思ったのだろう。優しく俺に「リラックスすればいい」と話しかけてくれる辺り、そこまで警戒する必要は無さそうだ。
龍「天魔様…そろそろ本題へ移りましょう…」
天「ん…そうだな。どこかの誰かさんが長い時間を消費してくれたおかげで色々と予定が狂ってしまったから」
龍「ギクゥッ!?」
典「クスクス♪」
…天魔の前では龍さんもいじられる側なんだね。
天「さて…華月よ、単刀直入に言わせてもらおう…。博麗神社で生活するのをやめて、我らの里に来てはくれないか?」
麟「…は?」
流石の俺も、今の発言には驚かざるを得なかった…。初対面の相手にいきなり「博麗神社からこちらに住み移れ」といきなり言い出してくる奴がどこにいる?あ…目の前に居たわ。
文「し、しかし天魔様…何故いきなりそんな事を麟さんに提案するのですか?!」
部下である文も驚きを隠せない様子だ。
天「ふふ…彼にはね、文、はたて、椛、龍、いずれかの天狗と実を結んで欲しいのだよ」
文「はい!?」
は「つ、つまり…」
椛「かかかかかかか…彼と結婚!?///」 ボフンッ‼
龍「そうそう…って、はい!?私ですか!?」
天「そうだが?」
龍「し、しかし…仮に私が彼と実を結んだら誰が代わりに仕事を!?」
天「そこは後々、後釜を探せば良いであろう?」
龍「そ、そうかもしれませんが…!」
いきなり「もしかしたら、異動勧告をするかもしれないよ」とギリギリのタイミングで通達する最低な上司かよ。そして椛以外はあまり乗り気ではなさそう。特に龍さんは…。
麟「天魔さん、2つほど質問しても?」
天「ああ、構わんよ」
麟「1つ、なんでその4人の内と結婚して欲しいと懇願する?2つ、もし俺が結婚したとしても俺にはどんなメリットがあるんだ?」
天「2つ目から答えよう。もし4人のうちの誰かと結婚してくれたら、それ相応のお礼と地位を授けよう。もちろん結婚した相手にもね」
麟「…具体的には?」
天「そうだな…君に大天狗の地位…妻にも大天狗の地位を授けよう。それと天魔のお気に入りという、囲いもしておこう」
なるほど…つまりは、ほぼ確実に俺やその妻に対する反感を持つ天狗が現れる可能性があるから、天魔のお気に入りという囲いさえ建てておけば周りは手を出さないだろうという算段か…。
麟「…で?2つ目は?」
天「…君の力は、幻想郷の賢者ですら注目しているほどに凄まじい力なのだ。考えてもみろ?そんな人間と、我が里の実力者達との間に子を宿せば、その子供は君の力と妻の力を少なからず受け継ぐ。そうすれば天狗の里は安泰になる、という事だ!」
麟「…はぁ」
だろうと思った…予想通りだ。
文「し、しかし…」
天「ん?なんだ?」
は「そんな事をして、八雲紫や博麗霊夢は口を出さないとは思えません…」
椛「下手をすれば、我々が退治されてしまうかもしれませんよ…?」
天「…何故そう思う?」
椛「…博麗霊夢はと八雲紫は彼をとても気に入っているからです…」
天「ふん、彼が自分の意志でここに留まると言っていた。とでも伝えれば納得するであろう?」
文「し、しかし…!」
龍「これは天魔様のご意向だぞ?それに反対するというのか?」
文「い、いえ…」
文・は・椛
(嫌な予感しかしないんだよなぁ…)
もし、今の計画が様々な方向にバレたらただでは済まない…そう私達は考えているのだ。
天「華月よ…君の返答を聞かせてもらおうかな?」
典(ニヤニヤ)
麟「…はぁ」
どうやら、今まで以上に面倒な事案に巻き込まれたようだ…。