華月麟の幻想記   作:華月麟

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返答と動き出す計画

天「華月よ…君の返答は如何に?」

 

麟「…」

 

典「ほら、天魔様は質問の返答を待っているのですよ?早く答えなさい」 ニヤニヤ

 

典が随分と態度を大きくして出て来た。俺が今、この現状に怯えていると錯覚でもしているのだろうか?

 

 

だが…俺の答えは最初から…

 

麟「断る!」 ズバッ‼

 

皆『!?』

 

典「なっ…!?」

 

龍「り、麟君!?ほ、本気で言っているのか!?」

 

天「…」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

 

この場に居る全員が俺の返答に驚きを隠せていないようだ。そりゃそうだ、ここで断れば自分の命が無事で済むという保証が無くなる。さらには天狗達が強硬手段に出る可能性すらあるからだ。それに…天魔はこの返答にお怒りのようだ。

 

麟「なーにが『天狗の里は安泰』だ。他人の人生は滅茶苦茶にしようとして、自分達だけはのうのうと平和に暮らそうってか?挙句の果てには俺をこの里に縛り付けようとすらしている、馬鹿馬鹿しい…」

 

文「り、麟さん…それ以上は…」

 

天「貴様…自分の立場を分かっているのか?私がその気になれば貴様如き、十分に始末できるのだぞ?」

 

おうおう、本性を現しやがったな?

 

龍「り、麟君…!悪い事は言わない…今すぐ、発言の撤回を…!」

 

龍さんがかなり取り乱している…本気で怒る天魔が怖いのだろうな…。

 

麟「撤回はしない。もう一度言わせてもらう…断る!とな」

 

は「あちゃー…」

 

麟「ちなみに、初日の時点でなんとなくは察していたからな?」

 

天「何っ!?」

 

椛「そ、そうなんですか?!」

 

麟「そりゃそうだろ…?まず1つ目、いきなり天狗のお偉いさんが来て『天魔様が君をお呼びだ』って言ってきた事。2つ目、旅館の食事内容がどれもこれも精力をつける食材ばかり。この2つですぐに察したわ」

 

文「ろ、露骨すぎる…」

 

天「ふふふ…そんな少ない情報で今回の計画を察せるとは恐れいったよ。しかし…」 パチンッ

 

チャキッ…

 

天魔が指を鳴らすと、衛兵達が刀を俺に向けて来た。…最初からこうするつもりだったんだな?

 

天「君がYESと言うまで、ここから出る事は不可能なんだよ!ふははははははははははは!!!」

 

勝ち誇ったかのような高笑い…か。

 

麟「(スッ…)ということだ霊夢。そろそろ行動に出てくれ」

 

文「え…?」

 

 

霊『ふふっ♪安心して?もう地底に居るわよ。なんなら、私の隣に彼女が居るわ。…怒り心頭だけどね』

 

 

典・龍「「!?」」

 

天「そ、その声は…博麗の巫女!?き、貴様…その手に持っている玉はなんだ!?」

 

俺が咄嗟に取り出した物…それはこの前の地底異変で霊夢から手渡されていた連絡式陰陽玉であった。

 

麟「ふっふっふっふ…。ここに来る前から俺の計画は始まっていた」

 

龍「ここに来る前…?…!まさか、私と典が赴いた時か!?」

 

麟「正解だ!!」

 

 

 

~遡る事、2日前~

 

麟『なぁ霊夢…』

 

霊『何?』

 

麟『地底異変で貸してくれた連絡用の陰陽玉を貸してくれないかな?』

 

霊『良いけど…どうしたのよ急に』

 

麟『俺の勘でしかないんだけど…嫌な予感がするんだ』

 

霊『嫌な予感?』

 

麟『まぁ…一言で説明してしまえば、天狗達が一騒動起こすと思うんだ。けど、霊夢が動く為には確かな証拠が必要だと思うから、その証拠を手に入れる為にも陰陽玉が必要なんだ』

 

霊『…何か裏があるということね?分かったわ…。(スッ…)でも、バレたらおしまいよ?』

 

麟『ポーカーフェイスは得意だ。それともう一つ、地底に行ってくれ』

 

霊『えぇ~?注文が多いわね…。でも、なんで地底なの?』

 

麟『ある一本角の鬼に会え…と言えば良いかな?』

 

霊『ああ~…なるほどね?』

 

麟『あと、紫さんと藍さんも頼む。この3人は今回の要だ』

 

霊『げっ…紫も?』

 

麟『はぁ…これでいいか?』 スッ チャリンッ

 

霊夢がどうも渋るので報酬を取り出してみた。

 

霊『…!(ガシッ‼)おお…!分かったわ!任せて頂戴!!!』

 

…現金な奴。

 

 

 

 

麟「と言うわけだ」

 

天「くそっ…!初めから気付いていたのか!?」

 

麟「ああそうさ。おとり捜査ってやつ?このゲーム…俺の勝ちだ!あ、霊夢?彼女は居る?」

 

 

霊『ええ、私の隣に…ってもういないわ!?麟!そっちに彼女が向かっているわ!!』

 

 

麟「な、なにぃっ!?早いな行動が!?霊夢!紫さんにも伝えといてくれ!」

 

 

霊『ええ!!』 プツンッ

 

 

ここで霊夢との通信を切った。

 

麟「マズいな…死人が出なければいいけど…」

 

は「死人が出るって…アンタは一体誰をここに呼んだのよ!?」

 

麟「(ニヤリ)星熊勇儀だ…!」

 

椛「はいっ!?」

 

は「あ…ソウデスカ…」

 

文「あぁ…恐れていた事態が…」

 

龍「何…っ!?」

 

典「い、今なんて…!?」

 

天「星熊勇儀…だと!?」

 

 

 

 

勇儀

「「龍ぅぅぅぅぅぅっ!!天魔ぁぁぁぁぁっ!!」」

 

 

 

ビリビリビリッ…‼

 

 

 

皆(ビクゥッ!!)

 

その咆哮にも似た叫びは、俺達の居る部屋にまで伝わって来た。

 

龍「い、今の声は…」 サァーッ…

 

麟(ニヤリ…)

 

 

 

どうやら…とっておきの切り札が来てくれたようだ。

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