華月麟の幻想記   作:華月麟

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とっておきの切り札

勇儀

「「天魔ぁぁぁぁぁぁぁっ!!どこにいるっ!?今すぐ私の前に出てこいっ!!出てこないというのならば、この里を破壊し尽くすだけだ!」」

 

 

 

 

麟「あちゃ~…」

 

どうやら、相当お怒りのようだ。でも関係のない天狗達には手出しは一切していない…まだ冷静さは欠いていないか…よかった。

 

天「き、貴様!あの星熊勇儀とはどんな関係だ!?」

 

麟「え?」

 

文「だ、だからあの時も報告したではありませんか!?華月麟は星熊勇儀と互角に戦い、尚且つ星熊勇儀に勝利を納めた人間…!その潔さと正直さ、そして鬼にも勝る圧倒的な力、それを彼女に気に入られたって!」

 

龍「あ、あの新聞は真実だったのか!?」

 

文「私は常に真実しか書いていませんよ!特に、彼の記事だけは!」

 

麟「はぁ…」

 

日頃の行いがなんとやら…いつも虚偽だらけの記事を書いているからこうなるんだよ。

 

天「そ、それが分かっていたら華月には手を出さなかったぞ…!」

 

は「まぁ…文の新聞が信用ならないのは分かりますけど…」

 

文「ちょっとはたてさん!?」

 

は「彼は文に対して『俺の記事を書くのは構わない。ただし真実だけを書け、一文字も真実を捻じ曲げる事無く、正しき書け』って毎回忠告していましたからね」

 

椛「守谷の宴会でも星熊勇儀は彼をとても気に入っていました…と言うよりかは彼に対して好意を寄せていますからね…」

 

龍・天(サァーッ…)

 

3人の天狗が口を開けば開くほど青ざめていく大天狗と天狗の長。やはり天狗にとって鬼とはそれほどに恐ろしい相手なのだろう。

 

 

ズンズンズンズンズン!!!

 

 

凄まじく重く、そして鈍い足音が聞こえて来た。…嫌な予感。

 

 

勇「はぁぁぁぁっ…」

 

 

麟「(ピクッ)…マジか!?文!はたて!椛!左右に散開しろ!!」 バッ!!!

 

3人『えっ!?』 バッ‼

 

 

勇「はぁっ!!!」  

 

 

バコォンッ!!!!!

 

 

『うわっ!?』

 

天「ま、まさか!?」

 

龍「あ…あ…」 プルプル…

 

典「ほ、ほし…」

 

 

「「星熊勇儀っ!!」」

 

 

勇「見つけたぞ天魔…!」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

 

 

パラパラ…

 

 

文「り、麟さんが私達に警告してくれてなかったら…」

 

椛「あの襖に巻き込まれてましたね…」

 

は「ド派手に登場し過ぎよ…!」

 

麟「あっぶねぇっ…!」

 

襖を挟んで勇儀がなにやら力を溜めているような声を発していたので、まさかとは思っていたが…。

 

麟「本当に襖を吹っ飛ばす事ないだろう!?」

 

勇「麟っ!無事だったか!!」 ダッ‼

 

勇儀が俺めがけて走って来たその時

 

グィッ‼

 

麟「うおっ!?」

 

 

「「動かないでっ!!」」

 

 

皆『!?』

 

典「そこから一歩も動かないでくださいね~?一歩でも動いたら、この男に劇薬を飲ませるか首を掻っ切って殺しますよ?」

 

俺はいきなり典に引き寄せられ人質になってしまった。右手には劇薬の入った試験管、左手は爪を鋭く尖らせて俺の首元に添えられていた。

 

勇「女狐がぁっ…!」

 

龍「典!?何をしている!?今すぐ彼を開放しろ!」

 

典「龍様と天魔様は初めからこうなると思わなかったのですか!?神にも等しい力を持つこの男は、そりゃ様々な妖怪や賢者等に興味を持たれますよ!私はやめろと忠告したのに貴女方は呑気に計画を立てて…!今ここで死ぬくらいならば、この男も道連れです!!」

 

天「典…愚かな事はやめないか!」

 

典「ふふっ…愚か者はどっちですかね!?」

 

勇「このっ…!」 グッ…

 

勇儀が少し動こうとすると

 

典「動かないで!星熊勇儀!この男の命は私の手の内なんですから!」

 

勇「くっ…!」

 

麟「ふっふっふっふ…」 パチパチ

 

文「麟さん…?」

(何故…いきなり拍手を?)

 

典「な、なんですかその拍手は…!」

 

麟「自分だけでも助かりたいならまだしも…まさか道連れを選ぶとは感動だ…。(パチパチ)でも残念だったな、お前のその選択は大いに間違っていると言えるだろう…」

 

典「な、何を根拠に…!」

 

麟「…もうそこに居るんだろ?」

 

 

「「2人共…」」

 

 

ブ・ン…

 

ガシィッ…!!!

 

典「な…!?」

 

何者かが、突然後ろから典の腕を強く掴んだ

 

グググッ…!!!

 

それもとても強い力で

 

典「あぁっ…!!?」 フワッ…

 

そのあまりの激痛に典の腕の締め付けがほんの少しだけ緩んだ。

 

麟「…今だ!」 バッ!!! 

 

勇「麟!!」 ダキッ‼ ギュゥゥゥ…

 

麟「へへへっ♪」

 

勇「まったくお前は…なんて無茶を…!」

 

一瞬の隙を突いて脱出した俺はそのまま勇儀の元へと飛び込んだ。勇儀はそれに答えるかのように強く抱きしめてくれた。

 

一方、典は…

 

グググッ…‼

 

典「痛い痛いっ!!!私の邪魔をするのは誰よ!!?」

 

スタッ…

 

スキマの中から

 

 

「「お前の邪魔をして悪かったな…」」

 

 

藍「菅牧典…!」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

 

典「や、八雲…藍…様!?」

 

藍さんと

 

 

「「まったく…私の麟に傷を付けようとするだなんて…」」

 

 

スタッ…

 

紫「どうやら天狗達は躾のなっていない女狐を飼っているようね?天魔…」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

 

紫さん

 

天「こ、これは…八雲紫様…!」

 

龍(ま、まさか…麟君は八雲家とも関わりがあるのか!?)

 

そして…

 

スタッ…

 

霊「麟!無事なの!?…って」

 

霊夢が出て来た。そして霊夢の視線の先には

 

文「…(汗)」

 

は「いつ見ても…」

 

椛「慣れない光景…」

 

勇「ふふふっ♡」 ナデナデ

 

麟「ご覧の通りってやつ?」

 

鬼の四天王・星熊勇儀に抱きしめられながら撫でられている俺が居る!

 

霊「無事…っぽいわね」

 

麟「おかげさまでね♪それはそうと、天魔達の方に行かなくていいの?勇儀」

 

勇「…はっ!忘れていた…!」

 

 

 

藍「ふんっ!」 ブォンッ‼

 

典「あぁっ…!」 ドサッ‼

 

龍「典!?大丈夫か!?」

 

藍さんは雑に典を龍さんの方へと投げ飛ばした。

 

藍「…」 スタスタ…

 

紫「…」 スタスタ…

 

勇「…さてと(パキッ…ポキッ…)どういう事なのか詳しく、尚且つ分かりやすく説明してもらおうじゃないか。なぁ…?天魔、龍、女狐…!」 スタスタ…

 

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

 

 

ザッ…ザッ…ザッ…

 

 

とんでもない殺気を放ちながら3人の元へ足を進める賢者様とその式と鬼の四天王の一人。これが本当の百鬼夜行かぁ…。

 

天「ま、待ってください3人方…!」 ガタガタ…

 

紫「何を…待つのかしら?」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

 

龍「こ、これには深い事情が…!」 ガクブル…

 

勇「深い事情だと…?」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

 

藍「麟を殺そうとする事が(ギロリ…)深い事情だと言うのか…?」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

 

典「ひぃっ…!?」

 

ゴゴゴゴゴゴゴゴ…

 

天「は、話せば分かります…!」

 

ブチッ…

 

天魔の一言が、火に油を注いだ…

 

 

 

紫・藍・勇

『貴様らぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!』グオォォォォォォォォォォォォッ!!

 

 

 

天・龍・典

「「「あぁぁぁああぁぁあぁぁっ!!??」」」

 

 

 

 

3人の大説教が始まった。

 

麟「…あちゃぁ」

 

文「私達はどうしますか…」

 

は「私達は関係ないし…」

 

椛「と、とりあえず…外に出ましょうか」

 

霊「…賛成」

 

 

 

俺達は明らかに蚊帳の外なので、この場を退出する事にした。

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