霊「麟!ダメよっ!!」
麟「…」
・その手がゆっくりと少女へ
『どうかその子だけは…!!』
麟「…」 ギロリ
『ひっ…!』
ポンッ…ナデナデ
麟「よしよし…」
『…ふぇ?』
文・霊「え?」
は・椛((ポカーン))
『えっ…?』
麟「(ニコッ)にししっ♪」
霊「…ホッ」
良かった…天狗の子供を殺すのかと思ったわ…
麟「嬢ちゃん、怪我は無いか?」
『う、うん…』
麟「いやぁ…ごめんな?俺のズボンが、君のかき氷を食っちまった」
文「ぶっ!!」
は(この状況でジョークを!?)
椛(す、すごい人だ…)
『う、うちの娘が本当に申し訳ございません…。ほらお前も…』
『ごめんなさい…』
2人は俺に向かって深々と頭を下げてくれた。
麟「あ~…気にしなくていいよ。それで?このかき氷をどこで買ったんだ?」
『里内で河童がかき氷を販売しているんです…そこで買いました』
河童…か。あいつしか考えられないな。
麟「…よし」ヒョイッ
『わわぁっ!?』
俺は子供に肩車で抱き上げた。
霊「どこ行くの?」
麟「かき氷!!」
『えっ!?』
麟「ほれ行くぞ~?」 バビュゥン!!!
『わ~!♪』
3人『はっや!?』
かき氷…そんなに食べたかったんですね…麟さん。
~里の中心部~
ザワザワ
?「いらっしゃい、いらっしゃい!河童印のかき氷はいかがですかぁ!?」 ガリガリ
ズザーッ!!!
麟「到着っと!ここで買ったの?」
『うん!ここだよ!』
麟「そっかぁ。…すんごい行列」
その屋台には、確かにかき氷という旗が立っていた。天狗の里でもかき氷は人気なのだろうか?物凄い行列が出来上がっていた。
『俺はメロン!』 『こっちはブルーハワイってやつを!』
?「はいよ!」
うん…聞き覚えのある声だ。
『お、おい!あれは華月麟じゃないか!?』
『あの杯を見ろ!星熊勇儀様の杯ではないか!?』
『ま、まさか…星熊勇儀様の婚約者なのか!?』
『あ、あの子供はそういう事か!?』
ザワザワ
麟「ヤベ…」
1人、俺に気づいたかと思えば雪崩かの如く並んでいた天狗達全員が俺に注目をしていた。しかも肩車をしてあげている子供は勇儀との子供とも勘違いされている。
『も、もしかして…かき氷をご所望で?』
麟「そうだが?」
『皆の者!華月麟様がかき氷をご所望だ!道を開けて差し上げろ!』
麟「はい!?な、なにもそこまで…!」
ズアァァァァァァァァァァッ…
その一言で天狗達全員が列からどいてくれた。…やめて!悪目立ちする!!
タタタタタッ
霊「はぁ…はぁ…はぁ…」
文「や、やっと追いつきました…」
は「ゼェ・・・ゼェ・・・」
『はぁ…はぁ…』
椛「…?そんなに疲れますかね?」
麟「遅かったな?」
『かき氷~!』
霊「あ、あんたが早すぎる…!」
あ、さーせん
麟「天狗達がわざわざ俺達の為に列を譲ってくれたんだ。急いで買っちまおう」 スタスタ
は「ま、待ってよぉ…」
いっちょ前に空は飛べるくせに地上では雑魚すぎる…。
スタスタ
麟「すいません」
?「はいはい!…って盟友!?」
麟「よっ!にとり!」
そう、このかき氷屋を運営していたのは俺の予想通り、河童のにとりであった。
に「なんで盟友がこの里に?」
麟「いろいろあってね…。で?お前はなんでここで商売を?」
文「そうよ!!!河城にとり…ちゃんと営業の許可は取ったのかしら?!」 クワッ!!!
麟「(キーンッ…)…びっくりした。いきなり俺の隣で大きな声を出すな!」
文「あ、スイマセン」
に「うーんと許可書だろ…?(ゴソゴソ)…あ、これこれ!」 ペラッ
麟「これは紛れもなく営業許可書だな。サインは…龍さんじゃねぇか!!」
は「ま~たあの人は勝手に…」
椛「いつもの事ですからね」
霊「そんなのが上司とか嫌すぎるわ…」
に「それで?かき氷が欲しいんだろう?何味にいたしやしょう!」
変に敬語をかみ砕くんじゃねぇ…。まぁいいか。
麟「皆は何味?俺が払うから好きに選んでいいよ」
霊「奢り!?やったぁ!私はイチゴよ!」
喜び方が子供だ…。
文「私はオレンジですかね?」
は「リンゴなんてのがあるのね?リンゴで」
椛「レ、レモンで…」
意外なチョイス達
麟「お母さんと嬢ちゃんは?」
『え!?買ってくださるのですか?!』
『私はラムネ!』
『こ、こら…!?』
麟「気にすんなって。好きなのを選んでくれ」
『で、では…抹茶で』
麟「俺は…メロンで」
に「あいよ!全部で4000円だね!」
たっか!?一杯500もすんのか!!?
麟「ほいよ」 チャリンッ
に「毎度~!」
~かき氷完成!~
皆『いっただっきま~す!』
パクッ
皆『うんま~!♪』
霊「ちゃんとイチゴの味がするわ!」
文「オレンジも美味しいですよ~♪」
は「(キーンッ!!!)頭がぁっ!!」
椛「落ち着いて食べてくださいよ…」
『しゅわしゅわ!』
『程よい甘さ…♪』
バクバクバクバクッ!!! キーンッ!!!
皆『あぁっ…!!♪』
全員、かき氷ならではの醍醐味を楽しんでいる。
麟「(パクッ)ん!?す、すごい…。ちゃんとメロンだ…!?」
に「そりゃそうだよ」 ストンッ
にとりが俺の隣に座ってきた。屋台はいいのだろうか?
麟「屋台はいいのか?」
に「ああ、屋台なら他の天狗達が代わりにやってくれているからね。休憩~」
『へいお待ち!』 『こっちも出来たよ!』
かき氷は大盛況、しかし気になる事いくつかあるんだよな。
麟「あの機械はどうするんだ?
に「天狗達に売りつけるよ?」
マジか!?
麟「え…なんで売りつけるの?」
に「飯綱丸様が欲しいって大金を見せたから」
麟「なるほどね?次に、なんでここで商売を?」
に「あれも商売の一環だよ。最近の天狗達は誰も管理していない土地を買い占めてはその土地を発展、開発を進めている。奴らは常に見た事のない最新技術を欲しているんだよ」
麟「…かき氷と関係あるか?」
に「あるよ?かき氷の機材を天狗達は持っていない、だから物珍しくてあんなにも集まっているんじゃないか」
麟「なるほど…?」
に「しかも、甘味だからね。ああいう物を知らない天狗からすれば、まさに夢のような体験だろうよ」
麟「で、あのマシーンを売って利益を得る。さらにはかき氷の売り上げの一部も貰う。そして、さっきにとりが言っていた土地の開発だっけか?それで河童の力が必要になったらその報酬も貰うって事か?」
に「それが商売ってもんだよ。ちゃんと代金を支払ってもらえれば私達河童は力を存分に貸すさ」
逆に、払わない奴等には適当な事をするわけか。
麟「そういや…この氷って…」
『はーいっ!氷が全部無くなりました!』 『今日の販売は終了で~す!』
『えーっ!!』 『また食えなかった…』
ザワザワ
どうやら肝心の氷が無くなったようだ。
チ「(ピュ~ン)疲れた疲れた!!」
麟「ぶーっ!!チルノ!?」
なんであいつがここに!?
に「お疲れ~」
チ「お~!麟じゃん!しかも霊夢もいる!」
霊「え、このかき氷ってチルノが?」
チ「当然よ!にとりがあたいの力をどうしても借りたいからって言ってきたから、サイキョーであるこのあたいが力を貸したのさ!」
文「だからこのかき氷はフワフワなんですね?」
は「どゆこと?」
椛「わふ?」
麟「かき氷の氷ってのは不純物が少なければ少ないほど良いんだ。で、あとは機械で削るんだけど、その機械がフワフワのかき氷を削れる精度を持っていればこのフワフワが出来るって事。だろ?文」
文「その通りです!しかもチルノの能力のおかげで溶けにくい!」
チ「あたいってば天才ね!」
霊「麟、その博識な情報は毎回どこから持ってくるの?いつも不思議に思ってたんだけど…」
麟「ふっ…香霖堂へGo!」
霊「なるほど?」
納得出来るんかい!
チ「(ストンッ)あたいの氷は美味い?」
チルノが俺の膝に座ってきた。周りに座る場所が無いからここに座ったな?俺は椅子じゃないっての…。
麟「…まあいいか。「おーい、麟ー?」…え?ああ、このかき氷か?めちゃくちゃ美味いよ!」
チ「同然よね!」 ドヤァ!
嬉しそうだなぁチルノ。
に「しかも、上にかけてあるシロップはあの風見幽香が作ったフルーツから出来ているからね。今回の商売の時に幽香に聞いてみたら快く譲ってくれたよ」
幽香さんも全面協力の元!?壮大だな…。
麟「そら美味いわけだ…。チルノ、あーん」
チ「あーん♪」 パクッ
霊「(ツンツン)…私にも頂戴よ」
麟「はいよ、あーん」
霊「あーん♪」 パクッ
文「私にも!」
は「私も~」
椛「わ、私も!」
麟「え、えぇぇぇぇぇぇっ!?」
なんか全員かねだられたので仕方なく食べさせたが…結構減ってしまった。
麟「俺のかき氷が…(ズーンッ… パクッ)うまっ」