虎の子、到着
チュンチュン…
麟「すぅ…すぅ…フガッ!」
霊「(ズズズ…)ふぅ…今日も今日とて平和ね」
あの百鬼夜行から翌日、私達はやっといつも通りの日常を取り戻す事が出来た。…内容が胃もたれするくらいに濃ゆいのよ、3日前に起きた事件が。
霊「それにしても…」 チラッ
麟「んん…むにゃむにゃ…」
霊「…ふふっ♪」
最初は面倒な居候がうちに来たなと思っていたけど、今じゃ私の癒しの一部、日常の一部になってしまったわね…。彼がここから出て行くなんて言わない限り、毎日この寝顔を見る事が出来るなんて、この神社に住まわせている者の特権という物かしら!?
<おーい盟友〜!
霊「チッ…せっかくの至福時間が…」
今の声、そして麟を〖盟友〗と呼び奴なんて1人しかいないわ。
<おーい?
霊「…あぁもう!」 スタッ
ズンズンズンズン!
ガララッ!!
に「よう盟友…って霊夢じゃないか。盟友はいないのかい?」
やっぱりにとりだったわ、なんだってまた博麗神社に来たのかしら?私の至福時間を邪魔してまで…。
霊「お生憎様、麟ならぐっすり眠っているわ。麟に用があるならまた今度にしてくれないかしら?」
に「そ、それは困るよ!?納品期限は今日なんだから!」
霊「納品…?あー…そういや麟があんたに何か頼んでたわね?私が渡そうか?」
に「私が渡すから問題ない!」
商品を制作した者としてプライドが許さないのね…面倒だけど仕方ないか…。
霊「お茶とせんべいしか出ないけど…上がってく?」
に「お邪魔します!」
霊「どぞー…」
ここで帰すのもなんかアレだから仕方なく彼女を上げることにした。
~居間~
麟「すぅ…すぅ…」
に「盟友は…いつからあの状態に?」
霊「かれこれ2時間は昼寝してるわね。こてこての3日間を過ごしたから…たまにはいいんじゃないかしら?」
に「うーん…あんまりそうとは言えないんだよねぇ…」
霊「…何かあったの?」
に「ここ最近、幻想郷全体の四季がおかしいんだよ。博麗神社は春、霧の湖近くは夏、妖怪の山は秋、魔法の森は冬、同時に四季が訪れてるんだよねぇ…。博麗神社が崩壊した時みたいにさ」
霊「え!?そうだったの!?」
ここ最近、特に幻想郷の巡回をするほどでも無いくらいに平和だったから全く知らなかったわ…。人里ですら特に大きな変化も無かったし…。
麟「…まーた誰かが四季をいじったのか?」
に「(ビクゥッ!!?)び、ひっくりしたぁ…。起きたんだったらおはようくらいは言ってくれてもいいだろう盟友…」
霊「おはよう麟。よく寝れたかしら?」
麟「ふわぁぁぉ…まだ少し眠いけど十分かな。それで?さっきの話を聞いた感じだと、また誰かが四季をいじってるような感じに聞こえたんだが…何か変わった事はあったか?」
に「変わった事…ね。うーん…? …あ、そういえば異様なオーラを放っていた妖怪や妖精が各四季に1人ずつ居たような…」
霊「異様なオーラって?」
に「なんて説明するべきかなぁ…?誰かから強い魔力を与えられたような感じ…って説明すればいいのかな?」
麟「…にとりの言う事が本当なら、誰かが裏で手を引いているのか…?」
霊「そう考えるしか…無いわよねぇ」
せっかくいつも通りの日常が戻ってきた矢先にこの始末…たまにはのんびりさせて欲しいんですけど?
麟「あ、それでにとりはなんで博麗神社に?」
に「(ズズズ)あ、忘れてたよ。頼まれてた武器が完成したよ!」
麟「よし!今すぐ見せてくれ!」
霊「相変わらずね…」
ジャキッ!
に「どうだい盟友?」
麟「こいつは凄い…」
ついに、待ち望んでいた武器が俺の手元へとやって来た。果たして使い心地は如何に?
麟「よし…」
キュィィィィィンッ…!!
麟「ファイアー!」
カチッ!!
スドァッ!!!
麟「うぉっ!?」
クジャクの試し撃ちをしてみたのはいいものの…あまりにも高威力過ぎてさすがの俺も驚いてしまった。
霊「まーた物騒な武器ね…。15方向に弾幕展開だなんて、なんつー武器よ」
に「どうだい盟友!お望みの武器になっているかい!?」
麟「こ、こいつはすげぇ…最高だよ!」
ガチャッ ジャキンッ!
麟「…ふん!」
ギンッ!!
今度は、クジャクをスマッシャーからバスターへと変形させてみた。
霊「…また物騒な見た目ね」
に「いやはや…そいつはバリアどころか、バリアを展開している相手ごとぶった切れるから気をつけてね?」
麟「めちゃくちゃ高出力だな!?…ちなみにこれ作んのにおいくら万円くらいした?」
に「まぁ…博麗神社と守矢神社を新しく作り直せるくらいとだけ…」
霊「ぶーっ!?…は!?あの武器そんなに高いの!?」
麟「まさに…」
に「まさしく…」
麟・に「「虎の子だな…」」
あまりの高級品武器に仕上がってしまったクジャクを見て、俺とにとりは思わず同じセリフを吐いた。