華月麟の幻想記   作:華月麟

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消えた妖精が残した物

麟「い、今のはなんだったんだ…!?」

 

霊「"扉"…だったわよね?」

 

チ「ラルバの奴、あんな能力を持ってたのか!」

 

大「絶対に違うも思うよ!?」

 

ラルバがまだ戦う意思を見せたので、俺と霊夢がラルバの相手をしようと身構えた次の瞬間、突然彼女の背後から扉が出現してそのまま吸い込まれたという一連の流れに、俺達は理解出来ずにいた。

 

霊「今回の異変は…慎重に調べなきゃならなそうね…」

 

麟「だな。…ん?これは…」

 

キラキラ…

 

ラルバの立っていた辺りの地面がキラキラと僅かに光っていた。

 

霊「(サワッ ジーッ)これは、蝶や蛾とかが身に纏ってる鱗粉ってやつかしら?」

 

霊夢が粉を指ですくい、眺めていた。どうやらラルバの鱗粉が僅かに残っていたようだ。

 

麟「鱗粉…か。そうだ!この鱗粉を採取して調べよう!」 ゴソゴソ

 

俺は急いで容器になる物を取り出した。

 

サッ…サッ…サッ…

 

チ「何してんだー?」

 

麟「鱗粉を採取してるんだ」

 

霊「そんなのを採取して、意味あるのかしら?」

 

麟「とりあえず、無いよりかはマシだからな」

 

なるべく土を混ぜないように鱗粉を注意深く採取した。

 

カポッ

 

麟「容器に蓋をしてと。よし…ある程度の鱗粉は採取出来たぞ…。後は…」 ジーッ…

 

大「な、なんですか?」

 

俺は大妖精を静かに見つめた。

 

霊「麟、なんで大妖精を見つめるのよ?」

 

麟「(パンッ!)大妖精…頼みがある!」

 

大「な、なんでしょうか!」

 

麟「お前の鱗粉も採取させてくれ!」

 

俺は手を合わせ、強く大妖精に懇願した。

 

大「…えっ?…えーっ!?」

 

チ「ん?」

 

霊「(ポカッ!)「いてっ!?」あんたねぇ…?乙女である大妖精になんて事を頼んでるのよ!?」

 

麟「いててて…」

 

なかなかにデリカシーのない発言を俺は発したというのは自覚している。しかし、今は彼女の鱗粉も個人的には必要なのだ。

 

大「わ、私の鱗粉を何に使うんですか?」

 

麟「ラルバの鱗粉と大妖精の鱗粉を見比べたいんだ。顕微鏡で確認すれば、何かしらが判明するかもしれない…」

 

霊「な、なんだ…それなら最初に目的を言ってからお願いしなさいよ!」

 

確かに、発言の順番が逆だったかもしれねぇ。

 

大「わ、私の鱗粉が役に立つのなら…喜んで差し上げます!」

 

麟「ありがたい!なら、この容器に鱗粉を落としてくれ!」

 

大「は、はい!」 フリフリ

 

大妖精はゆっくりと羽根を震わせ、自身の鱗粉を容器へと落としてくれた。

 

麟「いいぞいいぞ…もう少しだけ鱗粉を落としてくれ」

 

大「こ、このくらいですか?」 フリフリ

 

このくらいで…足りるだろうか?

 

麟「…よし!もう大丈夫だ、協力に感謝する!」

 

大「是非、役立ててください!」

 

麟「もちろん!」

 

こいつがあれば、何かしらが分かるかもしれない!

 

ザッ…ザッ…ザッ…

 

「何やら凄く騒がしいから見に来てみれば…」

 

紅魔館の方向からこれまた聞き覚えのある声が

 

チ「あ!」

 

霊「ん?…あぁ」

 

麟「よう?」

 

 

 

「咲夜」

 

 

 

咲「ほんの少しだけお久しぶりね?それはそうと…何やら外が騒がしいから見に来てみれば貴方達がこんな所にいるなんて、何してたのかしら?」

 

声の主は紅魔館のメイド、咲夜であった。どうやら俺達が騒ぎを起こしていたので様子見をしに来たらしい。

 

麟「実はだな…」

 

咲夜に今回の件を話す事にした。

 

~説明中~

 

咲「あの時みたいに四季全部が各地に訪れていると?」

 

麟「あぁ、おかげでのんびり出来ずにまた異変調査だよ」

 

霊「せっかくのんびり出来ると思っていたのに…」

 

咲「貴女は仕事をしなさ過ぎだからたまにはいいんじゃないかしら?霊夢」

 

霊「…やかましい」

 

なかなかに痛い所を突くな…。

 

咲「で?これからどうするつもり?」

 

麟「さっきまで戦っていた妖精の鱗粉を採取した。今から魔理沙の家に行って顕微鏡でも借りようかなって」

 

咲「その妖精がいないわね?」

 

霊「信じてもらえるか分からないけど…その妖精の後ろに扉がいきなり出現して、妖精は扉の奥へと吸い込まれたのよ」

 

咲「なんとも実際に目撃しなければ信用出来ない内容ね…」

 

まったくその通りだよ。あんな現象、実際に見なければ誰も信用出来ないものな。

 

咲「…でも、面白そうだから私も同行しても良いかしら?」

 

霊「はぁ?あんた、紅魔館の家事とかどうする気よ」

 

咲「別に?美鈴にでも任せるわ。彼女も私と同じようになんでも出来るから」

 

門番以外にタスクを増やされる門番…お疲れ様です。

 

麟「それじゃあ…防寒着装備を持参で魔法の森へ行こう。魔法の森は雪景色らしいからな」

 

咲「分かったわ。お嬢様に事情説明と調査の準備をしてからまた合流するわね」

 

霊「早めに終わらせなさいよ?」

 

咲「分かっているわよ」

 

チ「なあなあ麟〜」

 

麟「なんだ?チルノ」

 

チ「あたいは連れてってくれないのか?」

 

麟「…お前はここに残って、大妖精や友達の妖怪達を守ってやってくれ。さっきのラルバみたいに、いきなり襲いかかるような奴がまだ居るかもしらないからな。さいきょーのお前なら、簡単だろ?」

 

チ「仕方ないなー!あたいが麟の代わりに皆を守ってやるわ!」 ドヤァ

 

なんて頼りになる⑨妖精なのでしょうか?

 

麟「よーし、準備完了になったら咲夜は俺達の所へ戻って来てくれ!チルノと大妖精は安全な場所に避難!」

 

咲「分かったわ」

 

チ「りょーかい!」

 

大「分かりました!」

 

 

異変調査の途中経過では、1人仲間が増えて、異変調査の要となるであろう鱗粉が手に入るという進展があった。

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