華月麟の幻想記   作:華月麟

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仮面と翼

ガサゴソ…ガシャーンッ!!

 

麟「あーもう!!どうして整理整頓しねぇのかなぁ!?」

 

現在進行形で自分の素顔を隠す為の仮面があるかなと思い、神社の隣に隣接している倉庫の中を探している最中なのだが…これがまぁ汚すぎてそれどころではなかった。

 

カランッ…カラカラッ…

 

麟「ったく…これじゃ仮面を見つけるどころじゃな…ん?(スッ…)これって…」

 

自分の足元に偶然、ある物を見つけた。そのある物とは…

 

 

【挿絵表示】

 

 

右側が白、左側が黒で構成された狐の仮面であった。

 

麟「…なんだか色んな意味で良い物とは言い難いが…別に俺が付けるだけだから気にしないでいっか。…さてと!仮面は見つけたから倉庫の整理をして戻ろう!」

 

とりあえず目的の物は入手したので、この汚ったない倉庫をある程度整理して皆の元へ戻る事にした。

 

 

 

~宴会場~

 

 

ザッザッザッ…

 

霊「あ、どうかしら?いい感じの仮面は見つけた…た…?」

 

麟が戻ってくる足音が聞こえてきたので振り向くと…

 

麟「…」

 

霊「(ゾッ…!)…!」 バッ!

 

魔「れ、霊夢!?なんで急に身構え…!?」 ジャキッ!

 

恐らく倉庫の中で見つけたであろう仮面を麟が装着していた…でもその姿を見た私は、彼にとてつもない恐怖を覚えたのだ。…まるで別人に出会うかのように。そして魔理沙も私と同じようなモノを感じたのだろう、一瞬で麟に向かって八卦炉を構えた。

 

フ「ちょっと霊夢も魔理沙もなんでお兄様に向かって武器を構えるの!?」 バッ!

・麟を庇うように立つ

 

 

 

ザワザワ…

 

 

 

この場に居る全員が異様な雰囲気を感じ取り、ざわつき出した。

 

霊「フラン!今すぐそこをどいて!」

 

フ「嫌よ!」

 

魔「そいつは危険だ!今すぐそこをどけ!」

 

フ「嫌ったら嫌!」

 

咲「妹様!」

 

レミィ「フラン!」

 

楽しい宴会場が、一瞬にして戦慄を醸し出す場所へと様変わりしてしまった。

 

麟(スッ…)

・フランに手を伸ばす

 

フ「え…?」

 

霊・魔・レミィ「「「フラン!!!」」」

 

咲「妹様!」

 

 

麟(ガシッ…!! ワシャワシャ♪)

 

フ「ふぇ…?[ワシャワシャ]あ〜う〜…」

 

フランは麟の良いように頭を撫で回されていた。

 

霊「え…?」

 

麟「…いやぁ…すまんすまん、この仮面に何かしらが取り憑いてたみたいでな?」

 

魔「取り憑いてたぁ…?」

 

麟「この仮面、誰が付けてたのかは知らないが…怨念に近いモノが憑いてたよ…」

 

レミィ「そ、その怨念とやらはどうしたの?」

 

麟「さぁな、装着してしばらくしたらどこかへ消えたよ」

 

ザッザッザッ…

 

藍「その仮面…あまり良い物のようには感じないな…」

 

紫「デザインといい仮面の雰囲気といい…どこかおぞましいモノを感じるわね…」

 

やはり霊夢と魔理沙、そして紫さんと藍さんも同じ事を思っていたようだ。

 

麟「実は俺も同じ事思ってた♪でも、別にそこまでヤバそうじゃないからいいやってなったんだけどね」

 

霊「はぁ〜…心臓に悪いわァ…」

 

隠「その仮面…やめた方がいいんじゃないのか?」

 

麟「せっかく見つけたのに?」

 

隠「いや…君が大丈夫ならそれでいいんじゃないかな?」

 

麟「んじゃこの仮面貰ってもいい?」

 

霊「…構わないわ」

 

藍「だが、最後にお祓いだけしておこう。何かが起こってからでは手遅れだからな」

 

麟「へーい」

 

魔「ほら!この話はもうおしまいだ!呑むぞ!」

 

皆『お、おーっ!!』

 

魔理沙の掛け声で全員が何事も無かったかのように呑み始めた。

 

紫「その仮面、渡してちょうだい?」

 

麟「(カシュッ…)後で返してね?」

 

紫「ええ…。藍」

 

藍「はっ…!」

 

紫「頼んだわよ」

 

藍「承知致しました…」

 

ザッザッザッ…

 

2人は俺が見つけた仮面を受け取ると、すぐさまどこかへ行ってしまった。…それだけヤバい特急呪物だったのかな?

 

 

隠「さて…麟君」

 

麟「…なんだ」

 

隠「私も少し2人きりで話したい事がある、どこかへ少し離れよう」

 

麟「…?分かった」

 

隠岐奈が急に2人きりでと言い出したので、博麗神社の入口でもある鳥居前まで移動する事にした。

 

 

~鳥居前~

 

ザッ…!

 

麟「で?わざわざ人が居ないここまで移動したって事は、何かしらの理由があっての事なんだろうか?」

 

隠「そんなに大した事では無いんだが…ミラージュ・ワゾーに変身してくれないかと思ってな」

 

麟「は?…それまたなんで急に?」

 

隠「別に邪な考えとかを抱いている訳では無いぞ!?…ただ純粋に見せて欲しいだけだ」

 

麟「分かった…今回はその言葉を信用してやる(グッ…!)はぁっ!」 カッ!!

 

 

キィィィィィィィンッ…!!!

 

 

隠「…これは!」

 

 

バサァッ…ブワァァァァァァァァァァッ…!!!

 

 

【挿絵表示】

 

 

麟「ミラージュ・ワゾー!!」

 

俺は摩多羅隠岐奈の『邪な考えは一切無い』という言葉を信じて、ミラージュ・ワゾーへと変身した。

 

隠「これが…ミラージュ・ワゾーか…!」

 

麟「わざわざこれに変身させるなんて…どういう風の吹き回しなんだ?」

 

隠「(ジーッ)なるほどな…」

 

隠岐奈は蜃気楼鳥形態に変身した俺をまじまじと観察し始めた。

 

麟「な、なんだよ…」

 

隠「やはりその姿は神を纏った力だ…何故君がそんな力を手に入れられたのかは不明だが…」

 

麟「…何が言いたい」

 

隠「君はこう言ったな『これからも自分は人間であり続ける』と」

 

麟「それがどうした?」

 

隠「最初は…私の部下にすれば君を異形の存在にさせなくて済むと思っていたが…どうやらその不安は杞憂だったようだよ。…私も君の言葉を信じてみようと思うよ」

 

…最初から最後まで上から目線なのが腹立つが…これで摩多羅隠岐奈という面倒事から解放されるのならば、この際それでいいや。と思っている自分がいた。…もうこいつと関わりたくないのが本音だがな。

 

麟「そうかい…。最後に…言いたい事が1つ」

 

隠「なんだい?」

 

麟「俺はもう"華咲歌音"じゃない。…それだけが言いたかっただけだ」

 

隠「あぁ…分かっているよ。もう君の事をその名前で呼びはしない、安心してくれ」

 

麟「…それならいいや」

 

隠「まぁ君の事を勧誘する気は失せていないがな!」 ドヤァァ!

 

…前言撤回してやろうかしら?

 

麟「そういやお前、なんであんな異変を起こしたんだ?」

 

そう、秘神たるこいつが今回の異変を起こした理由が非常に気になっていたのだ。

 

隠「あぁ、今回の異変を起こした理由か。実はそろそろ舞と里乃の後継者を探そうとして異変を起こしたのと…私がこの幻想郷を作った神であると世に知らしめたかったんだよ♪」 ケロッ

 

麟「…は?ちょっと待て?そんな理由で俺は貴様に過去をあの4人に晒されて、挙句の果てには異変解決をさせられたってのか?」

 

隠「まぁそうだと言えばそうなのかね…」

 

麟(ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…)

 

隠「でも、君達のおかげで私の存在が世に知れ渡ったからね、感謝しているよ♪」

 

麟「おい…摩多羅隠岐奈…」

 

隠「ん?どうしたんだ麟君、そんな怖い顔しちゃって」

 

麟「貴様は最後に殺すと約束したな?」

 

隠「約束…? …はっ!?」

 

 

 

 

 

 

麟『面白い神様だな…?気に入った…殺すのは最後にしてやる』

 

 

 

 

 

 

隠(まさか…あの時の事を…!?)

 

麟「(ニコニコ)摩多羅隠岐奈ぁ?」

 

隠「そ、そそそそうだったな!確かにそんな約束をあの時したな!?」 アワアワッ…!!

 

麟「おやおや、覚えていてくれたのか」

 

隠「ちゃ、ちゃんと覚えていたとも…!だからた、助けて…!」

 

 

 

麟「あれは嘘だ」 グワッ!

・攻撃体勢

 

 

 

 

「「う…うわあぁぁああぁああぁぁぁっ!!!」」

 

 

バギィッ…!!!

 

 

 

また…この宴会場で悲惨な叫び声がこだました…。

 

 

 

 

 

運命(さだめ)

に背くは誰がため

 

迷い断ち切って

 

開き 永久(とわ)へ書き記す

 

明日の翼

 

 

 

 

 

 

 

そして今回の宴会で2度も摩多羅隠岐奈の悲痛な叫び声が幻想郷中に響き渡り…人々の間では『博麗神社では何かしらの禁断儀式が行われていて、その生贄の悲痛な最後の叫びが聞こえて来たのでは?』という神社とは思えないとんでも噂が広まり、しばらく博麗神社には人っ子1人参拝客が来なかったという…。

 

 

 

霊「誠に遺憾なんだけど?」

 

 

 

そして異変解決から数週間が過ぎた頃…小物妖怪達や小物妖精達が人間達を襲ったり、互いの種族間同士で激しい騒乱や小競り合いが起こった時、疾風の如く現れ15本の刃を発生させた武器をふるう1人の狐の仮面を装着した人物が度々現れてその場をすぐさま鎮圧するという噂が広まっていた…。

 

そしてその噂を聞きつけた文々。新聞の最新刊にはこんな見出しが書かれていた。

 

 

 

 

〖妖怪や妖精の騒乱に颯爽と現れ、その刃をふるう狐の仮面を装着した謎の人物。ここ最近、妖怪達の間で噂になっている死神『スカルハート』か!?〗

 

 

 

 

人々や妖怪、妖精達は誰言うとなくその者を

死神『スカルハート』

と何時しか呼ぶようになっていた…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして摩多羅隠岐奈の四季異変が無事解決し、幻想郷はやっと元通りの季節が戻ってきた。これでしばらくは平穏な日々が訪れるだろうと誰もが思っていた。…だが、あの秘神・摩多羅隠岐奈でさえまだ知らないであろう…

 

 

 

 

 

 

ある人物が…幻想郷全てを危険に晒す程の怪物に成り果ててしまう事を…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

?「待っていて…私の愛おしい息子よ…。すぐに…母が迎えに行くわ…!」

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