華月麟の幻想記   作:華月麟

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奪還作戦

一方、博麗神社では…

 

霊「…」

 

鈴「…」

 

紫「…」

 

魔「…」

 

4人で、華月麟奪還作戦の計画を立てようとしていたのだが…

 

霊「仙界までスキマが開けない!?」

 

魔「まぁた行ったことないからとか言うなよな!?」

 

紫「ち、違うわよ!仙界は幻想郷の空間の隙間に開かれた異世界…流石にそんな場所が出来ていたなんて私も知らなかったのよ!」

 

霊「結局、行った事無いって意味じゃない!?」

 

八雲紫のスキマが使えない為、作戦は序盤から頓挫しかけていた。

 

魔「そもそも…麟を攫った奴は何者なんだ?鈴仙、お前は誘拐犯の顔を見たんだろ?どんな奴だったんだ?」

 

鈴「一言で言うなら…恐怖そのものだったわ…」

 

魔「恐怖そのもの?」

 

鈴「麟さんを攫った相手は、私を見るなり凄まじい殺意のオーラを放ったの」

 

紫「あら…何かその人に恨みを買う事でもしたのかしら?」

 

鈴「そんな事してないわよ!…ただ、あの人が『嫦娥』という言葉を口にしてすぐに分かったわ…麟さんを攫って行った相手は、"元"月の民だって」

 

霊「元…?それはどういう意味?それに嫦娥って誰よ」

 

鈴「…話すとこれまた長い話になるわ」

 

魔「でも、今はその情報すら必要だ。話してくれ」

 

鈴「…分かったわ」

 

 

鈴仙は今自分が知っている情報を打ち明けてくれた。

 

 

 

鈴「嫦娥は…私達月の兎の支配者だったの。強大な力を持っていた月の民で、かつては月の女神とまで称された人物よ。今は月の都に幽閉されているらしいけどね…」

 

 

 

紫「…そのお話、今回の件との関係性が見つからないのだけど」

 

 

 

鈴「まだ続きがあるわ。これは、私がまだ月で兵士をしていた時に噂程度で聞いた話なんだけど…嫦娥の夫が何者かに殺されたって話を聞いたの」

 

 

 

霊「旦那が殺された…?一体誰によ」

 

 

 

鈴「噂では、嫦娥の夫にはもう1人の妻がいて子供まで授かっていたんだけど、嫦娥が自身の夫とそのもう1人の妻との間に出来た子を殺すよう夫に命令したとか…?」

 

 

 

魔「…私からしたらその旦那の自業自得に聞こえるが?」

 

紫「同感ね」

 

霊「私もそう思うわ、二股してたようなものでしょう」

 

鈴「まぁ、そうなるわよね。で、結局何が言いたいのかというとよ、今回麟さんを誘拐した相手は元・月の民で、尚且つ嫦娥に息子を殺された事で私のような月の関係者に強い恨みを抱いている危険な人物なのよ。それと関係あるかは分からないけど、麟さんの事を『息子』と呼んでいたわ」

 

霊「麟の事を息子呼ばわり…ね」

 

紫「でも…どうして麟を誘拐する必要があるのかしら…?」

 

霊・魔・鈴「「「うーん…」」」

 

結局鈴仙から月の事を色々と教えてはもらったが、肝心の〖麟誘拐〗の理由までには辿り着けはしなかった。

 

 

 

「まったくお前達ときたら…こんなにも簡単な事も分からないのか?」

 

 

 

鈴「…!?だ、誰!?」

 

霊「げっ…」

 

魔「この声は…」

 

つい最近聞いた事のある、腹立つ声がどこからともなく聞こえて来た。

 

紫「…わざわざ博麗神社まで何しに来たのかしら?」

 

 

「「隠岐奈」」

 

 

ガチャッ

 

いきなり目の前から見覚えのある扉が出現した。

 

隠「やあやあ皆の衆、お元気かな?」 スタッ

 

鈴「な、なんかでたぁっ!?」

 

予想通り、扉からは摩多羅隠岐奈が現れた。

 

霊「出た出た…」 パチパチ

 

魔「暇人神様のご登場だ~(棒)」 パチパチ

 

隠「…お前達、私の扱いが少し雑過ぎないかい?」

 

紫「私達は貴方と違って暇ではないのよ」

 

霊「そもそも何しに来たのよ」

 

隠「いやはや…麟君に会おうと思ってわざわざ博麗神社まで赴いたというのに、肝心の麟君が不在とは驚いたものだよ」

 

魔「はぁ…?」

 

この前あんなに痛め付けられたのによくもまぁ会いに来ようと思ったもんだぜ…。肝が据わってるってやつなのか、それともただのバカなのか…。

 

隠「それで、麟君が攫われた理由だろう?そんなのは簡単だ、彼と誘拐犯に何かしらの接点があるからだろう?それか…息子を失ったショックを彼で埋めたかったか…とかね」

 

霊・魔「「お~」」 パチパチ

 

珍しくカッコイイ所を見せた摩多羅隠岐奈に、思わず拍手が出てしまった。

 

鈴「麟さんとあの人に何かしらの接点…?」

 

紫「隠岐奈にしては名推理だけど、そもそも麟は外から幻想入りした人間なのよ?どうして接点があると考えられるのよ」

 

隠「そこは彼を攫った張本人に聞いてみるしかないだろう?それに…〖本当の息子ではないはず〗の彼を"息子"と呼ぶほどだ、何かしらの接点や理由があってもおかしくはないはずだ」

 

紫「なるほどね…」

 

魔「でも攫った張本人に聞くって…そもそも私達は仙界って場所に向かう方法が無いっていうのに、どうやって本人に聞き出すんだよ?」

 

隠「そこでこの摩多羅隠岐奈がお前達人間と妖怪に力を貸そうではないか!」

 

鈴「と言いますと?」

 

隠「私は秘神・摩多羅隠岐奈だぞ?神に不可能などない!」

 

霊「はいはい、素直に仙界まで扉を開けるって言えばいいのに」

 

隠「え~?素直に言ったら神様っぽくないだろ?」

 

魔「めんどくさこいつ」

 

隠(ガーンッ!!!?)

 

紫「はいはい!無駄話はここまでよ、早く仙界に向かって麟を取り戻すのよ!」

 

 

 

霊・魔。鈴「「「おーっ!!」」

 

 

 

隠「お、お~…」 ショボ~ン

 

 

 

これで…仙界までの道のりは確保出来たわね…!




※摩多羅隠岐奈の公式設定
・彼女のメンタルはくそ雑魚




隠「個人情報を晒すな!?」
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