ギュァァーンッ…スタッ…
麟「さぁ、頂上に到着…「麟!伏せて!」…いいっ!?」 バッ!!
ギュゥゥゥンッ…
…ドガァァァァァンッ!!!
針「いいっ…!?」
いきなりの出来事に針妙丸ですら同じ反応をしている。
パラパラ…
麟「あ、危なかった…!」
針「間一髪だったね…!」
屋上の部屋に辿り着いた直後、霊夢の『伏せて!』という叫び声をいきなり聞こえてきたので咄嗟に伏せたらさあ大変!?俺と針妙丸の頭スレスレを弾幕が突き抜けていったのだ…本当に危なかった…。
タッタッタッタッ
魔「麟、大丈夫か!?」
麟「お、おう…!」
魔理沙が俺達を心配してくれて駆け寄ってきてくれた。…おいら感動しちゃう。
霊「(スタッ)まさか麟が先に全員を倒しちゃうなんて…本当は私達が先に終わらせようと思ってたのに…」
麟「…でしょうね」
うん、正直俺もそう思ってた。俺が最後の階層の敵を倒し終わってる時には霊夢と魔理沙は暇そうにしてんだろうな…と思っていたくらいだったから。…最初はね?
麟「俺が5階に辿り着いた時にも弾幕が飛び交う音が聞こえてたから珍しく、てこずってんだなって思ったよ。…鬼人正邪はそんなに強いのか?」
魔「う~ん…強いと言うよりかは…」
霊「厄介な能力を使いながらスペルも発動するから対処が難しい…ってところかしら?」
麟「厄介な能力?」
針「ああ、正邪の能力はね〖何でもひっくり返す程度の能力〗なんだ!その名の通り、弾幕とか部屋の上下とかもひっくり返せちゃうんだよ!」
麟「な~るほど、攻撃とか自分の位置をひっくり返す事が出来るから対処が難しいんだな?」
針「だね~」
…なんで当たり前のように鬼人正邪の情報をバラしてんだこの子?
霊「あら?可愛い小人さんね」
魔「あ、ホントだ。なんだその小人は?」
麟「ああ、この子?」
針「初めまして博麗の巫女さんに白黒魔法使いさん!私は少名針妙丸だよ!」
霊「博麗霊夢よ」
魔「霧雨魔理沙だぜ!よろしくな~」
麟「で、俺がスカルハートもとい華月麟だ」
針「ぶっ…!?スカルハートって名前とは裏腹に随分と可愛い名前なんだね!?」
そういう事言うんじゃない。
<ワイワイキャッキャッ♪
?「おやおや…随分敵と打ち解けてるみたいじゃねぇか…姫」
俺達が自己紹介に盛り上がっていると、城に乗り込む前に聞いた声がこちらへ聞こえてきた。
針「…あ」
麟「お前か…!」
「「鬼人正邪!!」」
正「あ!その仮面…てめぇはスカルハートだな!?よくも不意打ちの攻撃をしやがったな!?あの時は本当に死ぬかと思ったんだぞ!」
麟「知るかボケェ!?」
素直に影狼達を返さなかったのが悪い。
針「あ、そうだ!正邪に聞きたい事があるんだよ!」
正「あ~?聞きたいことぉ?」
麟「俺も聞きたい事がある、戦闘再開はその後でもいいか?」
正「仕方ねぇな…どうせてめぇらはここで死ぬんだ、別に構いやしねぇよ」
あら、意外に聞き分けの良い奴?天邪鬼の割にはマシそうだわ。
正「で?何が聞きてぇんだ」
麟・針(チラッ コクリ)
俺と針妙丸はお互いに目配せをし、意を決した。
針「…打ち出の小槌の代償を」
麟「どうして針妙丸に教えなかった…」
正「打ち出の小槌の代償?なんのことやらさっぱりだな?」 ケラケラ
この期に及んで、鬼人正邪は白を切ろうとしている。
麟「知らないとは言わせないぞ。影狼達を打ち出の小槌の魔力で無理やり強化しただろう!」
正「あれは姫がやった事だ、私は打ち出の小槌を振るってなんかいないさ」
麟「…そうなのか?針妙丸」
鬼人正邪の返答にほんの少し困惑してしまった俺…。
正(ニヤリ)
針「違うよ!正邪が『打ち出の小槌は小人族にしか振るう事が出来ない道具…姫がその小槌を振るう事で弱者が見捨てられない楽園を築く事が出来る』って言ったから私は小槌を振るったんだ!でも正邪は…小槌の代償を知っていたんでしょ!?小槌はただ願いを叶えてくれる道具ではなく、叶える代わりに何かしらの代償を払わなくちゃいけない道具だって知ってたんでしょ!?」
正「…チッ、知らなければいい物を…」 ボソッ
針「「「答えてよ!正邪!!」」」
針妙丸の必死に問いかけが部屋にこだました…。
正「くっくっくっくっくっ…!」
突然、正邪は何がおかしいのか…笑い出した。
麟「何がそんなにおかしい…!?」
正「ああそうだよ、私は最初から小槌の代償を知ってたさ」
針「嘘…!?」
麟「…やっぱりな」
俺の予想は大当たりだった…針妙丸は鬼人正邪に良いように利用されたのだ。自分の下剋上という野望を叶える為の道具にされたのだ。
霊「…どういう事なのか説明して?」
魔「私達にも分かりやすく頼むぜ」
麟「…簡単な話だ。鬼人正邪は自分の野望の為に影狼達を利用した…以上」
俺は事の経緯を簡潔に分かりやすくまとめた。
魔「ああ…そゆこと…」
霊「随分とゲスな事を…」
そりゃそんなしかめっ面にもなるわな…。
正「打ち出の小槌は小人族にしか扱えない秘宝…ただの天邪鬼である私には扱う事が出来ないアイテムだ。だが、偶然にも打ち出の小槌を扱える小人が目の前にいるじゃないか!」
麟「…だから利用したのか、針妙丸の力を」
正「ああそうさ!『小人族は過去に幻想郷の妖怪たちから屈辱を与えられた』 『弱き者が強者を分からせる為には姫の力が必要だ!』と唆しただけで姫は何の疑いも持たずに小槌を振るい私を強化してくれた!…あの妖怪達まで強化されたのは想定外だったがな。でもあいつらにも下剋上意識が芽生え、私の従順な部下として動いてくれた!」
鬼人正邪は自身の犯した罪を、息を吐くかの如く言い出した。
針「…酷いよ!最初から全部私を騙してたの!?」
正「はぁ…?酷い?はんっ!バカじゃねぇのか!?騙される方が悪いんだよ!」
「「あははははははははははははははははっ!」」
鬼人正邪は悪びれるどころか、逆に開き直るばかり…。
正「でももうお前は用済みだ!4人まとめて消してやるよ!あはははははははっ!!!」
魔「な、なんて奴だ…!」
霊「自分の目的も為なら平気で他人を利用し、切り捨てる…。まさに外道の極みね」
霊夢と魔理沙は怒りを露わにし
針「ひぐっ…酷いよ正邪…。私は信じてたのに…」
泣き崩れる針妙丸。
だが…まだ誰も気付いていなかった…
正「あははははははははははははっ!!!」
ゴゴゴゴゴゴゴゴ…!!
麟「…」 グッ…!!
ある人間が放つ
怒りと…"殺意"を