華月麟の幻想記   作:華月麟

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天邪鬼の処遇

永琳さんに軽い説教を受けた後、俺はのんびりと身体を休ませていた。

 

麟「ふぅ…疲れたな」

 

コンコンッ

 

麟「ん~?どうぞ~」

 

誰か俺の病室に来たな…。霊夢か?それとも魔理沙かな?いや…もしかしたら輝夜や妹紅も考えられるな…?

 

ガララッ

 

紫「麟!」 ダッ!!

 

 

麟「紫さん!?」

 

 

隠「麟君!」 ダッ!!

 

 

麟「隠岐奈ぁっ!?」

 

なんだなんだ!?まさかの幻想郷創設メンバーが2人も揃ったぞ!?忘年会にしちゃあ早くないかい…?

 

麟「…えっと、何しに来たの?」

 

紫「何しにって…霊夢から全て聞いたわよ!?」

 

隠「今回の異変について、麟君が大けがを負った事について、その他諸々」

 

麟「そ、そうすか…。で?霊夢達はどこに?」

 

紫「霊夢達は永琳の手によって強制送還させられたわよ?」

 

麟「あっ…ふ~ん…」

 

なんか…前も似たような事無かったっけ?あれは確か…背中の治療をしてもらった時だったかな?まぁ、どうでもいいか…。

 

麟「それで…本当に俺のお見舞いの為だけに来たのか?そうじゃないんだろう…?」

 

紫「…あらぁ」

 

隠「全てお見通し…というわけか…」

 

麟「そりゃな…」

 

今回の異変解決も俺が関わってるというか…解決したのは俺だから、必然的に誰か氏らは来るだろうとは思ってたっつーの…。

 

スタッ

 

麟「少し、場所を変えよう…」 フラッ…

 

紫「あら…肩を貸しましょうか?」

 

麟「この程度…どうということはないよ…イテテテ」 スタスタ…

 

隠「…無茶はするものではないよ、麟君」

 

麟「分かってる…でも、このくらいは自分でなんとか…」 スタスタ…

 

俺が向かった場所…

 

 

 

~鬼人正邪の病室~

 

 

そう、それは今回の異変の主犯・鬼人正邪の病室だった。

 

ガララッ

 

スタスタ…

 

麟「(ドスンッ)ここで話し合おう」

 

紫「…ふふっ、本当にお見通しね」

 

隠「…そのようだな」

 

 

ピシャッ…!!

 

 

 

オォォォォォォォォォォォォッ…

・神妙な空気

 

麟「…それで?本当の要件を聞かせてもらおうか」

 

紫「…鬼人正邪の処遇についてよ」

 

…ですよね~、予想通りでしかない。

 

隠「あの低級妖怪は…私達の愛する幻想郷を破壊しようとした。それも…純粋たる悪意でな。それは到底見過ごせる案件ではない」

 

麟「だから始末する…そう言いたいんだろ?」

 

隠「その通りだ」

 

紫「この天邪鬼が起こした異変は、今までの異変とはわけが違うわ…。幻想郷の破壊、混乱、支配、純粋な悪意によって引き起こされた。…しかも、恐らく今でも下剋上を諦めてはいない…」

 

隠「だからこそ、早めに手を打たなければならない。この小物がまた良からぬ事を考えて異変を起こすのも時間の問題と言わざるを得ない」

 

麟「…だから今すぐ始末したい…ねぇ」

 

紫「そうよ。その子がまた良からぬ事を考える前に始末するべきよ」

 

麟「…」

 

2人の言いたい事はよく分かる…。自分達が手塩に掛けて作った世界を、たった1人の小物妖怪が純粋な悪意で破壊しようとした…。その罪は見過ごせるものではないというのは分かるのだが…

 

麟「申し訳ないけど…俺は反対させてもらう」

 

紫「…麟!?」

 

隠「な、何を言っているんだ…!?この妖怪はこの幻想郷を破壊しようとした張本人なんだぞ!?」

 

 

 

麟「…鬼人正邪は俺の獲物(もの)だ、誰にも手出しはさせない」

 

 

 

紫・隠「「…!?」」

 

麟の口からとんでもない発言が飛んできた…

 

紫「鬼人正邪は…自分の物…!?貴方…何を言っているの!?」

 

隠「幻想郷を破壊しようとした者の肩を持つと言うのか…?」

 

麟「まぁ…そういう捉え方をするよな…」

 

紫「…違うと言うの?」

 

麟「俺が何故、鬼人正邪を生かしておくか?理由は簡単…その理由を聞きたいだろう?」

 

隠「…あぁ、是非聞かせてもらおうか?」

 

 

麟「こいつを生かしておく理由は至ってシンプル…!こいつが次の異変で更に強くなったところで、俺がそいつをじっくりと味わいながらこの手で始末したいからだ」

 

 

紫「…そ、そんなくだらない理由で生かしておくと言うの!?」

 

隠「その判断のせいで鬼人正邪が、またろくでもない異変を起こしたらどうするつもりだ?」

 

麟「その時は迷いなく殺す、強くなった鬼人正邪をじっくり味わってからな」

 

紫「…そう」

 

麟「それに」

 

紫「…まだ何か?」

 

麟「これから1か月こいつを自分の傍に置いて多少の改心はさせる。2度と下剋上なんてくだらない事を思いつかせないように」

 

隠「つまりは君が鬼人正邪の教育をすると言うのか…。しかし…なぜそこまでして?」

 

麟「…確かに、俺も一度は正邪を否定したさ…けどな」

 

 

「「幻想郷は全てを受け入れる」」

 

 

麟「そうだろ…?」

 

紫「…あら」

 

隠「…くはははははっ!これはまた一本取られてしまったかな?」

 

麟「ふっ…」

 

隠「…だがこれだけは覚えておいてくれ。奴が少しでもまた下剋上をしようものなら、その時は絶対に始末してもらう…とな」

 

麟「…あぁ」

 

 

 

こうして…賢者様達と話し合った結果、正邪は1か月間俺と共に更生生活を送る羽目となったのだ…。

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