華月麟の幻想記   作:華月麟

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2日・その2

~人里~

 

 

ガヤガヤ…

 

 

ザッ…ザッ…

 

麟「いやぁ…朝から色々とありましたねぇ?」

 

正「あそこって一応神社だよな?」

 

麟「せやでー」

 

正「…じゃあなんであんなに妖怪が集まるんだよ」

 

麟「私にも分からん☆」

 

正「だめだこりゃ…」 ヤレヤレ

 

影狼達とのわいわい触れ合いもひと段落着いたので、俺と正邪は人里に赴いていた。

 

スタスタ

 

正「で?なんで人里にまで来たんだ?」

 

麟「言っただろ?2人でなんか食いに行こうって」

 

正「あ、マジで言ってたのか?」

 

麟「俺は至ってマジで話してましたけど!?」

 

正「全然信じてなかったわ」

 

俺…お前よりは素直に生きてるつもりなんですが…?

 

麟「まぁいっか」

 

正「で?何を食わせようって言うんだ」

 

麟「え?寿司」

 

正「寿司…!?」

 

 

 

 

 

~まあまあお高い寿司屋~

 

 

ガララッ

 

『いらっしゃい!っておお!?麟じゃねぇか!』

 

麟「おっちゃんお久~♪」

 

正「え…あ…?何お前、店主と知り合いなのか…?」

 

麟「たま~に来てんだけど、いつの間にか顔を覚えられちゃってね…」

 

正「す、すげぇな…」

 

まだ片手で数えられるくらいしか来ていないのに覚えられている…何故?って思うんだよねぇ。

 

『んだお前!?いつもは1人で来るくせに、今日は女連れか!?』

 

麟「へへ~ん♪こいつは俺の連れ、鬼人正邪だ」

 

『連れ…つまりは彼女か!?』

・冗談を言う

 

正「んなっ…!?///」

 

麟「そうなんだよ~…ついに俺も彼女持ちなんだよ♪」

・ノリがいい

 

『やっぱりか!?おい!今日はめでたい日だ、赤飯炊いとけ!!』

 

『へい!』

 

 

 

正「「(カァ~ッ…)わ、私はこいつの彼女じゃねぇぇぇぇぇぇっ!!///」」

 

 

 

 

 

ストンッ

 

正「はぁぁぁぁぁぁっ…///」

 

麟「相変わらず退屈しないよなぁここは」

 

店主と麟のおふざけに、正邪は何故か疲れ切っていた。

 

正「…てめぇ、いつかぶっ殺す…!」

 

麟「楽しみにしてるよ♪」

 

正「…ケッ!」

 

スタスタ

 

『さてお2人さん?何にいたしやしょう!』

 

麟「お~」

 

寿司握るってなるとおっちゃんは様になるんだよな~。

 

正「…私、寿司自体が初めてだからよく分かんねぇ…」

 

『何っ!?初の寿司が彼氏とかい!?』

 

正「だから彼氏じゃねぇって!!///」

 

麟「なははっ!!」

 

正「笑うなぁ!///」

 

早速おっちゃんの洗礼を食らっている正邪…草。

 

正「ったく…!とにかくだ、私はよく分かんねぇからあんたに任せる!」

 

『お任せの一貫で良いってわけだな!?』

 

正「そうしてくれ」

 

『麟はどうする?』

 

麟「彼女と同じのを食いたい!」

 

『彼女と同じのを…相思相愛か!?』

 

正「(ブチッ)いいから寿司を握れやぁっ!!!///」

 

『へい!ただいま!!』

 

麟「だははははっ!!」

 

あ~ほんっとに退屈しないわぁ…最高。

 

 

 

 

『へいおまち!マグロの握りだ!』

 

 

 

コトッ

 

 

 

正「わぁぁぁぁ…っ!」 キラキラ!!

 

麟「ぶっ…!」

 

正邪の口から聞いた事の無い声が出たよ!?

 

『ご賞味あれ?』

 

正「こ、これはどう食えば…?」

 

麟「そこに醤油があるだろ?」

 

正「こ、これか」

 

麟「そこの小皿にある程度垂らす」

 

チョロチョロ…

 

正「このくらいか…?」

 

麟「そうだね。で、後は(チョンチョン)醬油に寿司を少しつけて(パクッ)食う!」 モグモグ

 

正「(チョンチョン…)…はむっ!」 パクッ モグモグ

 

『どうでい!?』

 

 

 

…ツーンッ!!

 

 

 

麟・正「「んがぁっ!!?」」

 

『…あら?』

 

麟「あら?じゃねぇよ!!ワサビをどんだけ入れた!?鼻がいってぇんだけど!」

 

正「(ゴクゴク!!)ぶはぁぁっ…!!いってぇ!?鼻の辺りがいってぇ!!」

 

『なははっ!!ちょいと入れ過ぎちまったか!』

 

流石に笑えねぇ!?

 

麟「寿司初体験の女の子にトラウマを植え付けようとすんな!?」

 

正「え…寿司ってこういう食べ物…?」 プルプル

 

身体が震えてる!?そらそうなるわ!!

 

麟「違うからね!?ちゃんと美味しいから!おっちゃん、もう一度マグロ握って!!」

 

『すまんすまん、張り切り過ぎちまったよ!(コトッ)マグロおまちぃ!』

 

んでもって提供が早いな!?やっぱりわざと入れ過ぎただろ!

 

正「こ、今度は大丈夫だよな…?」 プルプル

 

あかん、寿司にトラウマを持っている!?

 

麟「今度は大丈夫だから…」

 

正「じゃ、じゃあ…(チョンチョン…)…南無三!」 パクッ!!

 

麟「お、俺も…(チョンチョン…)行くぜっ!」 パクッ!!

 

モグモグ…

 

『今度はどうでい?』

 

麟・正「「…ん!」」

 

『お?』

 

正「う、うまぁぁぁぁ…っ」 パァァァァァァァッ…

 

極上の味にご満悦の正邪。

 

『そうか!美味いか!』

 

麟「これだよこれ!ワサビがピリッと辛いくらいがちょうどいいんだよ、これこそおっちゃんの寿司だよ!」

 

『なははっ!嬉しい事言ってくれるじゃねぇか!』

 

正「他には何かないのか!?」

 

おっ、正邪がノってきた!トラウマは払拭されたかな?

 

『麟、この子に次は何を食わせてやろう?』

 

麟「ふっ…おっちゃんの寿司はどれも美味いんだ、おっちゃんに任せちゃうよ」

 

『おっしゃぁ!任せとけい!』

 

 

 

そっからおっちゃんは

 

 

『ほいサーモン!』

 

 

正「(パクッ)美味い♪」

 

 

『次!イカ!』

 

 

麟「コリコリが美味い♪」

 

 

『次!アジ!』

 

 

正「生姜が効く!」

 

 

『ほれ!お気に入りのイクラ!』

 

 

麟「プチプチ!♪」

 

 

 

店にあるネタ全種類を一貫ずつ俺と正邪に食べさせてくれた。…いいの?そんなサービスしてくれちゃって。

 

 

~ごちそうさまでした!~

 

 

麟「おっちゃん、勘定して~」

 

『おう!…本来なら3万はくだらないが…』

 

正「ぶっ…!3万!?」

 

『今日はめでたい日だ!半額の1万5千でいいぜ!』

 

あらま太っ腹…だけど

 

麟「ほれ、3万円」 ドスンッ

 

正「ぶーっ!!?」

 

『いやいや、せっかくのめでたい日なんだぜ?半額で良いっての』

 

麟「借りは作らない主義だ、受け取ってくれよ」

 

『ちっ、お前にはかなわねぇな♪あ、どうでいお嬢ちゃん、寿司の味は』

 

正「まぁ…美味かったよ」

 

『そいつはよかった!』

 

麟「あら素直?」

 

正「うっせぇ!///」

 

麟「あ、おっちゃん!いきなりで悪いんだけど、寿司を8人分くらい持ち帰りたいんだけど握れる?」

 

『お、寿司の土産かい?任せときな!この腕によりかけて握ってやるよ!お前ら、気を引き締めて握ってくぞ!』

 

『へい、大将!』

 

正「お前…太っ腹だな?」

 

麟「俺達だけ贅沢は…霊夢に怒られちまうからな。当然っちゃ当然だろ?」

 

正「ふ~ん…」

 

 

~10分後~

 

 

『出来たぞ!』

 

正「はやっ!?」

 

麟「さっすがぁ♪」

 

さすがおっちゃん、たった10分で8人前の寿司を皆と握ってしまうとは…!

 

『うちの若いもん達にも握らせた、何か不満があったら俺に言え!』

 

『お手柔らかにお願いします!』

 

麟「にししっ♪んじゃこいつの勘定も置いとくね」

 

『毎度!』

 

スタッ

 

麟「行くよ、正邪」

 

正「おう」

 

 

ガララッ

 

『『ありがとうございましたー!!』』

 

『また来いよ~!!』

 

麟「また来ま~す!」

 

バタンッ

 

 

 

こうして俺は正邪の腹を満たしつつ、霊夢達への手土産もちゃっかり手に入れたのだ。

 

 

 

 

 

~博麗神社~

 

 

スタスタスタ…

 

あ「あ、2人共お帰りなさい!」 バビュゥンッ!!

 

出迎えのあうんも見慣れて来た光景、いつもの日常に溶け込んできたな

 

麟「ただ~いま」

 

正「…た、ただいま」

 

あ「(クンクン…)…この匂いは!」

 

麟「…にひひぃっ♪寿司、買ってきたよ♪」

 

あ「わ~い!!」

 

スタスタ…

 

麟「皆は居るか?」 スタスタ…

 

あ「はい!皆、お腹を空かせてると思いますよ!」 スタスタ…

 

麟「ならよかった。俺と正邪はもう食ったから皆で食べるといいよ…俺のお気に入りの店だ♪」

 

あ「楽しみです!」

 

スタスタスタ…

 

 

 

 

 

正「…」

 

私はただ眺めていた、麟という人間の後ろ姿を…

 

 

 

麟「なははっ!」

 

 

 

正「(ニッ…)その手があったか…」

 

そして思いついた…私の野望を成就させる切り札を。

 

麟「お~い、正邪も来いよ~!」

 

正「…ああ!」 タッタッタッ…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正「今は無理でも…いつか手に入れてみせる…!」

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